同展示会で産学官の研究紹介を行う「アカデミックプラザ2015」では、本学大学院自然科学研究科(工学系)バイオプロセス工学研究室の今村維克教授が、「糖の有機溶媒に対する過溶解現象とその応用 ~糖と油を界面活性剤を使わずに混合する方法」について紹介。一般に糖は、アルコールなどの有機溶媒に溶解しないと考えられていますが、糖をあらかじめ非結晶状態にしてから有機溶媒に加えると、しばらくの間、完全に溶解させることができます。ここで糖が溶けた有機溶媒に香気成分や親油性の呈味成分を溶かしておけば、有機溶媒中で糖と香気・呈味成分を共存させることが可能となります。これらの技術は、界面活性剤および乳化操作が不要であり、今後、糖および難水溶性物質の組み合わせによる新たな食品加工技術に発展する可能性があります。講演ならびに展示ブースでは、今村教授や研究室員、リサーチ・アドミニストレーター(URA)執務室の佐藤法仁学長特命(研究担当)・URAらが来場した企業関係者らと熱心に意見交換を行いました。
本学は、平成25年8月に文部科学省が日本のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。この高い研究力を社会実装に結びつけるには、企業などへの技術移転などの連携が必要不可欠となります。今後も多種多様な企業連携をもとに、食品製造・加工分野や社会を革新する研究開発を精力的に押し進めていきます。
糖と油を界面活性剤を使用せずに混合する技術について紹介する今村維克教授
出展ブースの来場者に技術説明を行う今村維克教授(左)