岡山大学イノベーション:株式会社ABABA
起業家精神(アントレプレナーシップ)を醸成する岡山大学から生み出される若き学生起業家 久保駿貴:キラリと光る就活生を活かすビジネスへの挑戦
◆最終面接に落ちた学生を企業間で推薦し、同時に採用も可能なプラットフォーム
岡山大学の学生である久保駿貴氏が共同代表を務めて起業した株式会社ABABA(以下ABABA)は、「最終面接に落ちた学生を企業間で推薦し、同時に採用も可能なプラットフォーム」を提供する。岡山イノベーションコンテスト最優秀賞獲得や大阪府アクセラレーションプログラム「SIO2020」に採択されるなど、いま熱い注目を集めるスタートアップ企業だ。
ABABAのサービスは、学生が最終面接に落ちた所からはじまる。最終面接不合格となった際、企業は不合格とする学生に向けて、落選通知メール(通称「お祈りメール」)と共にABABAへの登録を促しつつ、任意で学生の評価をABABAに入力する。メールを受け取った学生は、ABABAに登録する。その後、ABABAを通じて他社が学生情報を手に入れ、採用オファーをABABA登録済み学生に通知。採用が決定すると、採用を決めた企業はABABAに対して採用報酬を支払う。ABABAのサービス費用は、初期費用、月額なしの成功報酬制の課金体制。1名の採用ごとに40万円、そして80名の学生に対するオファーが無料である。
企業側の任意の学生評価では、18項目の人物評価から学生の特徴にあったものを選択し、採用担当の人事から採用できなかった理由、学生の強みをコメントとして入力する。学生が採用オファーを受けるためには、2つの方法がある。ひとつは最終面接で落選した企業から推薦して登録する方法、もうひとつは学生自らが自己申告でABABAに登録する方法だ。学生の自己申告で登録する場合は、最終面接で落選した企業から送られたメールをABABAに転送し、送信元を明らかにすることで、虚偽のない申告として認められる。
企業側がABABAを利用する際は、学生向けに送られるABABA登録推奨メールのテンプレートを利用し、通常の落選通知メールの代わりに送信する。その他、最終面接に落選した学生の評価代行も可能だ。また採用を希望する企業向けには、オファーから面接日程調整までの代行もオプションサービスとして実施している。
ABABAのサービスは、企業側に2つの価値を生み出す。自社では採用できなかった学生を推薦することにより採用ブランディングの向上。さらに採用を期待する企業は、最終面接まで進んだ学生に採用オファーが可能となり、マッチング精度の向上や、追加人員確保の効率化を可能とする。自社調査によると、顧客体験に満足した学生は、80%が中途人材として再度応募、62%が友人や後輩に推薦してくれた企業を薦める、そして53%が将来落ちた企業の顧客になることを希望することが明らかとなっている
ABABAは最終面接落選してしまう学生のニーズと、自社にあった人材を希望する企業の人材探しのニーズをマッチングさせた就活支援サービスとして、多くの企業からの投資を受け成長している。
◆起業家精神(アントレプレナーシップ)を醸成する岡山大学の取組
岡山大学では近年、大学で生み出された優れた研究成果を世の中に送り出す手段のひとつとして、大学発スタートアップ・ベンチャー企業の育成支援を積極的に推進している。特に学生や研究者の「起業家精神(アントレプレナーシップ)」を醸成することは、仮に起業に至らなくても社会における課題解決や隠れた未知の課題の発見と解決の実践などに必要な「総合知」を得ることができる。岡山大学には、学生が主体となってアントレプレナーシップを醸成する学生組織「岡山大学-Ceed」がある。学生が主体となってアントレプレナーシップを共に学び、共に発揮し、未来を創造するミッションを掲げ、「挑戦」「気迫」「誠実」「探究」の4つの行動指針を持ち、学生の視点での課題解決を実践している。
株式会社ABABAの共同代表を担う久保駿貴氏は岡山大学理学部の4年生の現役の大学生だ。岡山イノベーションコンテスト最優秀賞獲得や2020キャンパスベンチャーグランプリ全国大会経済産業大臣賞などを受賞。岡山大学でアントレプレナーシップを醸成し、起業という形を通して、社会に新たな価値を提供する挑戦を続けている若き学生起業家のひとりだ。久保氏の熱い想いが周囲に広まり、アントレプレナーシップが醸成され、“次の久保氏”が生み出されていく。岡山大学では2021年2月から「岡山大学発ベンチャー」称号授与制度を創設している。称号付与を受けた場合、岡山大学ホームページなどでの広報・PRや知的財産に関する優遇措置、岡山大学の施設・研究設備などの優遇有償貸与・利用、貸与施設の住所による商業登記が可能となるなどの支援を受けることができる。今後も、精力的に学内外の起業活動をバックアップしていくとともに、アントレプレナーシップを醸成する取組を促進する。
岡山大学はこの取組に共感する産学官、個人など、あらゆるパートナーとの共創活動をいつでも歓迎している。特に企業人が大学の取組を通じて得る起業家精神(アントレプレナーシップ)醸成は、企業内起業(社内起業)や新規事業の立案・運営、そして社員自身のキャリア形成など、あらゆる面において大いに役立つ「総合知」を培うことができる貴重な経験でもある。
人を育てることに秀でた大学という場にアントレプレナーシップという新たな要素が加わることで、社会に新たな価値を次々と生み出して行く。いま岡山大学の取組に多くの注目が集まる。
◆参考
・2020キャンパスベンチャーグランプリ全国大会で、理学部・久保さんが経済産業大臣賞を受賞!(2021年2月19日 岡山大学新着ニュース)
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id10037.html
・岡山大学-Ceed
・「岡山大学発ベンチャー」称号授与制度を創設(2021年2月9日 岡山大学新着ニュース)
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id10011.html
◆お問い合わせ先
株式会社ABABAに関するお問い合わせ先
E-mail:ababa[a]makers-lab.com
岡山大学の産学連携などに関するお問い合わせ先
岡山大学研究推進機構産学連携・知的財産本部(岡山大学津島キャンパス本部棟1階)
E-mail:sangaku[a]okayama-u.ac.jp
TEL: 086-251-8463
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学の学生起業家 久保駿貴氏
株式会社ABABA。最終面接に落ちた学生を企業間で推薦し、同時に採用も可能なプラットフォームを提供する
ABABAは就職活動に「セーブポイント」を作り出し、そこまでの頑張りを評価してもらえるような世界を作る
最終面接に落ちたらゼロになるんじゃない。次につながるものになるんだ
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています
https://kyodonewsprwire.jp/release/202102241424