研究活動は、論文や書籍にすることだけが最終目的ではなく、社会実装などを視野に入れて活動することもとても大切だと考えます。その過程において「広報」は、自身の研究を社会に広めることで様々なチャンスを得ることのできる大変有効な手段のひとつでもあり、研究における重要な要素とも言えます。
岡山大学リサーチ・アドミニストレーター(URA)執務室は、岡山大学の研究力を広く社会に発信するための方策を参加者らと対話を通して共に探るため、「研究広報戦略ワークショップ -革新的イノベーション創出を生み出す研究広報とは-」を、2月22日に本学本部棟で開催しました。
今回のワークショップは、ファシリテーターのテレビせとうち株式会社の江草明彦報道制作局長のもと、株式会社マイナビの小林行雄氏、株式会社大伸社常務取締役の上平泰輔氏、豊橋技術科学大学学長補佐(国際化推進担当)・教授のAdarsh Sandhu先生、株式会社山陽新聞社編集局メディア本部長・論説委員の綾野雄紀氏らが登壇し、国内外に研究内容を効果的に広めるための方法や企業と研究機関における広報戦略の違いなど、戦略的な広報活動が組織力や研究力の推進と向上に深く関わっていることなどを紹介しました。
ワークショップに参加した学生や教職員、一般・企業の方々ら約80人、研究を分かりやすく伝えること難しさを感じながらも、より良い研究広報のあり方について、熱心に対話を行いました。また、今回のワークショップは、テレビニュースでも取り上げられたため、広く世間の関心を呼び、ワークショップ終了後も演者や参加者らによるミニワークショップが開催されました。
岡山大学は、2013年8月に文部科学省が選定した「研究大学強化促進事業」の支援対象大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」につながる積極的な研究推進・研究力向上を実施しており、今回のワークショップの成果も研究大学運営に活かして行きます。
今回のワークショップの話題提供者とファシリテーターら。
ワークショップ開催の挨拶を行う山本進一理事(研究担当)・副学長。「研究大学:岡山大学」として、広報戦略は中核に位置するものであり、今回のワークショップの成果を今後の研究大学運営に活かして行きたいと述べました。
ファシリテーター役のテレビせとうち株式会社報道制作局長の江草明彦氏。長年、報道現場の第一線に立っておられた方だけに、対話が深まるファシリテートを行って頂きました。
さまざまな大学における広報スタンスと企業における広報スタンスから見える広報戦略について講演する株式会社マイナビの小林行雄氏
先進企業のブランディングの観点から広報戦略のあり方について講演する株式会社大伸社常務取締役の上平泰輔氏
日本の教育・研究機関の国外向けビジビリティ向上に有効な戦略について講演する豊橋技術科学大学学長補佐(国際化推進担当)・教授のAdarsh Sandhu先生
地元マスメディアから見た岡山大学について講演する株式会社山陽新聞社編集局メディア本部長・論説委員の綾野雄紀氏
ワークショップ主催者として対話の総括を行う佐藤法仁学長特命(研究担当)・リサーチアドミニストレーター。今後も産業界で蓄積されたノウハウをアカデミアに活かしていく施策を講じていきたいと述べました。
対話するワークショップ参加者ら。対話では特に、研究者の広報に対する認識のあり方について、深い議論が行われました。