岡山大学と一般社団法人岡山経済同友会は4月24日、研究振興や研究人材育成などの「研究力強化」に特化した、全国的にも非常にめずらしく、特色ある包括連携協定を結びました。今後、産学官の共同研究や研究者の相互交流などを進めていきます。
本学と同友会は昨年度、文部科学省事業「大学等シーズ・ニーズ創出強化支援事業(イノベーション対話促進プログラム)」を連携して事業を運用してきました。研究や産学連携の具体的なシーズとニーズのマッチングの対話やワークショップを開催。シーズ・ニーズの洗い出しや地域課題の強み抽出などを対話を通じて行ってきました。本事業終了後も、引き続き密な連携を維持し、今回の協定をもとに地元企業との共同研究などを通して、地域をリードする新産業を生み出します。
そのほか、本学と同友会会員で構成するメーリングリストを作成。文部科学省など国や科学技術振興機構(JST)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などの研究資金を管理するファンディングエージェンシーと呼ばれる機関などから得た情報を迅速に共有することで、大学と地元企業とのネットワークを増強します。そのほか、双方が開催するワークショップ、研修会などの告知も発信します。
岡山市内のホテルで調印式が開かれ、森田潔学長、同友会の泉史博(中国銀行会長)、萩原邦章(萩原工業社長)両代表幹事が協定書に署名しました。森田学長は「これまでも同友会とは連携を進めてきたが、協定によりさらに強固にしたい。経済界の皆さんとともに、岡山の発展に尽くしたい」とあいさつしました。泉、萩原両代表幹事は「技術立国日本を岡山から発信していきたい」、「大学の研究・教育において、多様性、国際化の実学の場として企業が役立てれば」などと述べました。
本学は昨年8月、文部科学省の「研究大学強化促進事業」の支援対象大学(国内19大学)に採択されました。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」を目指すため、今回の取り組みを研究大学運営に活かしていきます。
協定書に署名する森田潔学長、泉史博、萩原邦章両代表幹事(左から)。
署名後の握手。全国的に非常にめずらしい「研究力強化」に特化した連携協定が日本に誕生しました。今後、岡山の地から世界で戦える研究力発信や革新的イノベーションの創出を大学・企業とともに力強く進めていきます。
署名後、参加者や記者らに今回の連携協定に至る経緯や今後の具体的な方向性について説明する佐藤法仁学長特命(研究担当)・リサーチアドミニストレーター。まずはメーリングリストを構築し、迅速な情報共有の展開を進めるほか、ナショナルプロジェクトへの共同申請などを進める予定。
会場の様子。本学関係者のみならず、地元企業やマスコミ関係者など数多くの方々にお越し頂けました。
国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html
一般社団法人岡山経済同友会:http://okadoyu.jp/