現在、農林畜産分野ではウイルスによる被害が大きな問題となっています。例えば鳥インフルエンザウイルスによる家畜業界への経済的打撃や私たちの食生活への不安などは大変深刻です。また、観梅の名所がウイルス感染で、すべて伐採に至るなど、文化的損失も問題となっています。同事業では、産学官連携のもと今までにない革新的な手法を開発することで、ウイルス感染の完全防御や早期感染診断などを実施します。
本事業は本年度より開始され、今回が初めての年度報告会となります。研く裕拠点である岡山大学を代表してコンソーシアム・プログラム・マネージャー(研究管理総括役)を務める佐藤法仁学長特命(研究担当)・リサーチアドミニストレーター(URA)が「異なる研究分野が課題に対して協働するには様々な情報を共有する必要がある。本年度、活発に行ってきた研究や連携会議などをもとに社会が求める事柄に迅速に対応できるように皆さんとともに進めて行きたい」と挨拶。研究拠点代表者の岡山大学大学院自然科学研究科(工学系)の世良貴史教授や拠点と連携して課題解決を図る補完研究機関の各代表者らによる年次報告では、植物のウイルス感染防御の工学的な視点からの研究取り組み報告や今までにないウイルス検知技術の開発過程などについて報告を行いました。
参加した農研機構生物系特定産業技術研究支援センターの川口尚選考・評価委員会事務局長、神尾次彦研究リーダー、吉田幸二研究リーダーらと、より効率的な技術開発や社会実装の進め方について熱心な議論が行われました。
岡山大学は、平成25年8月に文部科学省が全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。この高い研究力を社会実装に結びつけるには、他機関や企業などとの連携が必要不可欠となります。今後も本事業において多種多様な幅広い機関・企業の参画を募るとともに、農林畜産分野のウイルス感染の完全防御や早期感染診断などの研究開発を精力的に押し進めていきます。
挨拶を行う佐藤法仁コンソーシアム・プロジェクト・マネージャー
研究拠点の研究報告を説明する世良貴史教授
感想を述べる川口尚選考・評価委員会事務局長
国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html