2016年3月26日土曜日

【情報発信】日中の叡智でウイルス感染から家畜を守る 第10回革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム「革新的技術でウイルス感染から家畜を守る-日中叡智共有化ワークショップ3-」を開催

岡山大学は、中華人民共和国内モンゴル自治区フフホト(呼和浩特)市にある内蒙古大学において、ウイルス感染から家畜を守る研究についてのワークショップ「第10回革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム 革新的技術でウイルス感染から家畜を守る-日中叡智共有化ワークショップ3-」を3月8~9日に開催しました。

家畜現場では、さまざまなウイルスによる被害により経済的・社会的損失が世界的に問題となっています。そのため、家畜をウイルス感染から守る早期診断や感染防止の研究開発が強く求められています。
今回、海外において大規模な牧畜や畜産産業を有する中国内モンゴル自治区において、同地の研究機関などとともに、日中双方の当該分野の研究者らが叡智を共有化することで、隣国同士の研究連携や技術開発、社会実装の強化促進を図りました。

日本側からは先日の内蒙古農業大学の第9回ワークショップに引き続き、本学と理化学研究所が参加しました。

ワークショップでは、本学卒業生でもある内蒙古大学生命科学学院の韓紅燕講師がモデレーターを務め、農林水産省「革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究)」で、コンソーシアム・プログラム・マネージャー(研究管理総括役)を務める佐藤法仁学長特命(研究担当)・URAが挨拶とともに事業説明を行いました。

続いて理化学研究所分子ウイルス特別ユニットの間陽子ユニットリーダーや竹嶋伸之輔研究員、大附寛幸特別研究員、ハク・ランラン(BAI Lalan)リサーチ・アソシエイトらは、牛白血病ウイルス(BLV)の概要とその制圧を目指すべく、本学と共同研究を進めたBLVウイルス検査キットやワクチン開発の概要などについて詳細に講演を行ないました。

また、同大学の賀喜白乙(Bayar Hexig)教授がモデレートし、同大学の研究施設の視察や研究員との意見交換などを精力的に実施。また賀喜白乙教授は東京工業大学に在籍していた経験から日中の国際共同研究の進め方などについて実質的な意見交換を実施しました。

なお、本ワークショップは本学が研究拠点(代表研究者:本学大学院自然科学研究科(工学系)の世良貴史教授を務める農林水産省「革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究)」において得られた最新研究の叡智を社会に広めるために実施する「革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム」の取り組みとして実施されました。今後も農林畜産水産分野や社会を革新する研究開発を精力的に押し進め、社会実装を目指します。

 農林水産省革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究):http://www.okayama-u.ac.jp/user/ibunyapj/index.html

 <参考:革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム>

第1回 網羅的RNAウイルス検出技術DECS法(2015年5月28~29日)

第2回 革新的技術でウイルス感染から家畜を守る-日中叡智共有化ワークショップ-(2015年7月20~22日)

第3回 低分子化リグニンがつくる新たなウイルス対策(2015年9月1~2日)

第4回 革新的技術で牛白血病ウイルス(BLV)感染から牛を守る(2015年10月11日)

第5回 革新的技術“人工核酸結合タンパク質”の国際展開の強化・促進(2015年10月25~28日)

第6回 低分子化リグニンによるウイルス対策技術の社会実装に向けた研究開発(2015年10月30~31日)

第7回 ウシ白血病ウイルス(BLV)から牛を守る革新的技術の社会実装に向けて(2015年11月26日)

第8回世界規模での人工核酸結合タンパク質を用いたウイルス不活性化技術を目指す(2015年12月15~20日)

第9回 革新的技術でウイルス感染から家畜を守る-日中叡智共有化ワークショップ2-(2016年3月5~8日)
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国際共同研究などの連携研究について意見交換を行う参加者ら
 
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内蒙古大学の実験施設を説明する賀喜白乙教授(奥)
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研究視察を行った内蒙古大学のNational Center for Animal Transgenic Biotechnology
 
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今回のワークショップを行った内蒙古大学南キャンパス

2016年3月23日水曜日

【情報発信】ヒト・動物感染症制圧を目指して 「第12回岡山大学グローバル・フューチャーセッションin内蒙古」を中国・内蒙古で開催

岡山大学はヒトと動物の感染症制圧に関する研究強化促進を目的として、中華人民共和国内モンゴル自治区フフホト(呼和浩特)市にある内蒙古自治区人民医院において3月9日、ヒトと動物の感染症制圧に関する研究交流会として、「第12回岡山大学グローバル・フューチャーセッションin内蒙古」を開催しました。

ヒトと動物に感染する病原微生物は数多く知られており、ヒトには生命の危機やQOL(Quality of Life)の低下を引き起こします。動物でも同様であり、家畜などの場合は経済的・社会的損失が大きな問題となります。今回、ヒトと動物の両方に危害を加える人獣共通感染症(Zoonosis)について、日中双方の研究者らが叡智を共有化することで、隣国同士の研究連携や技術開発、社会実装の強化促進を図りました。

会のモデレーターは、本学卒業生である内蒙古大学生命科学学院の韓紅燕講師(本学環境生命科学研究科修了)、内蒙古自治区人民医院生殖科の莎如拉医師(本学大学院保健学研究科、同大学院医歯薬学総合研究科修了)が務め、同医院の血液科の医師らを中心に開催されました。

はじめに本学の佐藤法仁研究担当学長特命・URAが開催の挨拶とともに趣旨を説明。
続いて、理化学研究所分子ウイルス特別ユニットの間陽子ユニットリーダーらが牛に白血病を引き起こすBLV (bovine leukemia virus)について講演。ウイルス検査法やワクチン開発のみならず、ヒトへの影響の可能性などについて、参加者らと情報を交換しました。

また、同医院の医師らからは、ブルセラ症(brucellosis)が近年、人獣共通感染症として問題となって来ている点を紹介。佐藤法仁研究担当学長特命・URAが、わが国における人獣共通感染症の現状とブルセラ症の感染症法における法的対策や疫学調査などについて紹介。内モンゴル自治区内での疫学調査など全体概要解明を進める方策について熱心に意見交換を行いました。

他方、会に参加した本学卒業生らからは、感染症制圧や医師教育などの本学の国際的な取り組みについての質問が寄せられ、佐藤法仁研究担当学長特命・URAから、本学インド拠点であるインド感染症共同研究センター(CRCOUI)のコレラ、赤痢といった下痢症の制圧プロジェクトの取り組みや本会と同様な感染症制圧に関する研究交流会などを精力的に行っていることを紹介。卒業生らとともに、本学やわが国研究機関と本学卒業生が在籍する大学や病院、研究機関との有機的な国際共同研究・教育の強化促進について議論を重ねました。

岡山大学は、平成25年8月に文部科学省が日本のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。この高い研究力と今回の会で得られた叡智をもとに、より良い国際社会の実現を目指して、今後も精力的に活動していきます。

なお、本ワークショップは本学が研究拠点(代表研究者:本学大学院自然科学研究科(工学系)の世良貴史教授を務める農林水産省「革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究)」において得られた最新研究の叡智を社会に広めるために実施する「革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム」の取り組みとして実施されました。

<これまでのグローバル・フューチャーセッション(過去3回)>

第9回グローバル・フューチャーセッションin日本 (テーマは「テラヘルツ波」 2015.01.08)

第10回グローバル・フューチャーセッションinカナダ (テーマは「光技術」 2015.10.13)

第11回グローバル・フューチャーセッションinインド (テーマは「感染症」 2015.12.21)

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挨拶と趣旨を述べる佐藤法仁学長特命(研究担当)・URA
 
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牛白血病ウイルス(BLV)について話題提供をする理化学研究所の間陽子ユニットリーダー
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わが国におけるヒト・動物の感染症対策について説明する佐藤法仁学長特命(研究担当)・URA
 
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研究情報の意見交換を行う参加者ら(本学卒業生らも参加)
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主な参加者ら。コディネート役の内蒙古自治区人民医院の莎如拉医師(前列右)と内蒙古大学の韓紅燕講師(後列右)

2016年3月18日金曜日

【情報発信】日中の叡智でウイルス感染から家畜を守る 第9回革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム「革新的技術でウイルス感染から家畜を守る-日中叡智共有化ワークショップ2-」を開催

岡山大学は、中華人民共和国内モンゴル自治区フフホト(呼和浩特)市にある内蒙古農業大学などにおいて、ウイルス感染から家畜を守る研究についてのワークショップ「第9回革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム 革新的技術でウイルス感染から家畜を守る-日中叡智共有化ワークショップ2-」を3月5~8日に開催しました。

家畜現場では、さまざまなウイルスによる被害により経済的・社会的損失が世界的に問題となっています。そのため、家畜をウイルス感染から守る早期診断や感染防止の研究開発が強く求められています。今回、海外において大規模な牧畜や畜産産業を有する中国内モンゴル自治区において、同地の研究機関などとともに、日中双方の当該分野の研究者らが叡智を共有化することで、隣国同士の研究連携や技術開発、社会実装の強化促進を図りました。

日本側からは本学と理化学研究所が参加しました。ワークショップでは、内蒙古農業大学獣医学院の格日勒图(Geriletu)教授がモデレーターを務め、農林水産省「革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究)」で、コンソーシアム・プログラム・マネージャー(研究管理総括役)を務める佐藤法仁学長特命(研究担当)・URAが挨拶とともに事業説明と革新的なウイルス診断・防除法の研究開発と推進の戦略について講演しました。

理化学研究所分子ウイルス特別ユニットの間陽子ユニットリーダーや竹嶋伸之輔研究員、大附寛幸特別研究員、ハク・ランラン(BAI Lalan)リサーチ・アソシエイトらは、牛白血病ウイルス(BLV)の概要とその制圧を目指すべく、本学と共同研究を進めたBLVウイルス検査キットやワクチン開発の概要などについて詳細に講演を行ないました。

またワークショップ期間中には、同大学の曹金山(Jinshan Cao)学部長や本学卒業生でもある金山(Jin Shan)副教授らとともに実験施設やフィールド調査などを精力的に実施。研究者や企業関係者らと最新の当該分野叡智の共有化とより強力な共同研究や社会実装につながる意見交換を熱心に行いました。

なお、本ワークショップは岡山大学が研究拠点(代表研究者:本学大学院自然科学研究科(工学系)の世良貴史教授を務める農林水産省「革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究)」において得られた最新研究の叡智を社会に広めるために実施する「革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム」の取り組みとして実施されました。今後も農林畜産水産分野や社会を革新する研究開発を精力的に押し進め、社会実装を目指します。

農林水産省革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究):http://www.okayama-u.ac.jp/user/ibunyapj/index.html

 <参考:革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム>

第1回 網羅的RNAウイルス検出技術DECS法(2015年5月28~29日)

第2回 革新的技術でウイルス感染から家畜を守る-日中叡智共有化ワークショップ-(2015年7月20~22日)

第3回 低分子化リグニンがつくる新たなウイルス対策(2015年9月1~2日)

第4回 革新的技術で牛白血病ウイルス(BLV)感染から牛を守る(2015年10月11日)

第5回 革新的技術“人工核酸結合タンパク質”の国際展開の強化・促進(2015年10月25~28日)

第6回 低分子化リグニンによるウイルス対策技術の社会実装に向けた研究開発(2015年10月30~31日)

第7回 ウシ白血病ウイルス(BLV)から牛を守る革新的技術の社会実装に向けて(2015年11月26日)

第8回世界規模での人工核酸結合タンパク質を用いたウイルス不活性化技術を目指す(2015年12月15~20日)

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わが国の動物ウイルス対策研究と研究開発事業について紹介する佐藤法仁学長特命(研究担当)・URA
 
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牛白血病ウイルス(BLV)についての概要を説明する理化学研究所の間陽子ユニットリーダー

2016年3月3日木曜日

【情報発信】第22回岡山大学フューチャーセッション「鉄制御による異分野融合研究の現状と展望」を開催

次世代研究シーズ・ニーズ創出を探るとともに、未来について多様な立場から解決すべき問題を提起し、少人数での活発な対話を通してより良い未来を実現する解決策を構築する「第22回岡山大学フューチャーセッション」を3月3日、本学本部棟で開催しました。

今回の対話提供者は、本学大学院医歯薬学総合研究科(医学系)の大原利章助教。ファシリテーターを務める佐藤法仁研究担当学長特命・URAから、大原助教がこれまでに鉄をキーワードにして異分野融合などを進めて来たことやその活動をもとに外部資金の獲得や新たな研究者ネットワークの構築、大学の研究力強化促進に大きく寄与されていることの紹介がありました。

大原助教は、「鉄制御による異分野融合研究の現状と展望」と題して講演。まず農林水産省「革新的技術創造促進事業」(革新的ウイルス対策技術分野)の補完研究として取り組んでいる「低分子化リグニンと鉄」の異分野研究について紹介。いままで培ってきた医学的アプローチを基礎として、農学や工学、理学などの異分野視点を融合することで、課題を多角的にクリアーする手段を身につけられることを説明。また、その他の異分野融合研究でも、本学が進めている大型展示会への戦略出展を利活用することで、自分の研究分野以外の方々との出会いや連携が生まれることを紹介。継続した大型展示会への戦略出展が大きく研究力強化促進に寄与していることを説明し、参加した教職員やURAらとともに、熱心に対話を行いました。

岡山大学は、平成25年8月に文部科学省が日本のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。今回のセッションで得られた異分野融合研究の知見や人的ネットワークを最大限に利活用して、社会を革新する研究開発や学術・人材の基幹を築いていく予定です。
 
農林水産省・革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究)「理学・工学との連携による革新的ウイルス対策技術の開発」:http://www.okayama-u.ac.jp/user/ibunyapj/index.html

※本学が開催する「フューチャーセッション(Future Session)」とは、次世代シーズ・ニーズ創出を探るとともに、未来について多様な立場から解決すべき問題を提起し、少人数で活発な対話を通してより良い未来を実現する解決策を構築するセッションのことです。

※直近3回の岡山大学フューチャーセッション
第19回(テーマ「熱電交換デバイス」)はこちら
第20回(テーマ「高温超電導物質」)はこちら
第21回(テーマ「構造部材」)はこちら

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      セッションで解説する大原利章助教