2017年9月29日金曜日

【情報発信】FOCUS ON(Vol.2)「イメージの中の建築物を読み解く」 発行

岡山大学は9月29日、さまざまな分野のユニークな研究者に焦点を当て、研究内容やその人柄を紹介する「FOCUS ON」のVol.2を発行しました。

岡山大学は11学部・1コース、7研究科、3研究所を有しており、幅広い学問領域をカバーしています。

今回は、大学院社会文化科学研究科芸術学研究室の本田晃子准教授の研究活動について紹介しています。

19世紀後半には、写真や映像の誕生によって、人々は実際に訪れることなく建築物を見る・知ることができるようになりました。20世紀には現実の建築物よりも、イメージ上の建築物が影響力を持ち始め、政治や社会にも密接に関わってくるようになります。イメージとしての建築物が人々にどのように影響を与えたのか。表象文化論を研究する本田准教授に聞きました。ぜひご覧ください。

FOCUS ON(Vol.2):イメージの中の建築物を読み解く

<Back Issues:Vol.1>
Vol.1:身近な液体「水」の謎に迫る (異分野基礎科学研究所 松本正和准教授)


<参考:研究系web国際広報>
Okayama University e-Bulletin
Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)




大学院社会文化科学研究科の本田准教授


研究に使用する文献

国立大学法人岡山大学は持続可能な開発目標を支援しています
 

2017年9月11日月曜日

【情報発信】Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.43 発行

岡山大学は9月11日、本学の強みである医療系分野の研究成果について、革新的な基礎研究や臨床現場、医療産業等に結びつく成果を英語で情報発信するWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」のVol.43を発行しました。

2012年より本学では、研究成果や知的財産活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年4回発行。国際科学雑誌「Science」を扱うAAAS(米国科学振興協会)のメーリングリストを利用し、世界の研究者等にニュースやトピックスを交えて配信し、本学の海外への情報発信を強化と国際的知名度の向上を推進しています。

OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、強みある医療系分野の更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行しています。

本号では、大学院自然科学研究科(工学系)ナノバイオシステム分子設計学研究室の妹尾昌治教授と笠井智成講師らの、iPS細胞によるがん研究から新たな世界初の研究成果である「がん幹細胞は自らがん微小環境の細胞を作り出す」について紹介しています。

がん組織は、がん細胞とそれらを取り囲むさまざまな種類の間質細胞で構成されています。特に間質細胞である「がん関連線維芽細胞(cancer associated fibroblast:CAF)」は、固形がんの間質組織を構成する細胞成分の中で、量的にもっとも多い細胞です。近年、CAFはがんの微小環境を作り、その環境下でがん細胞の増殖促進に働くさまざまな増殖因子を産生し、がん細胞との相互作用の関係が重要視されていましたが、その起源の詳細は明らかになっていませんでした。

妹尾教授と笠井講師らは、ヒトの乳がんに由来する細胞株を培養した液体の上清を用いて、マウスのiPS 細胞を培養し、iPS細胞をがん幹細胞へ誘導しました。そして、この誘導されたがん幹細胞が、がん組織の主体となるCAFに形を変え成長することを世界で初めて発見しました。

がんは私たちの生命を脅かす存在であり、死亡率の最も高い疾患です。本研究成果は、これまでのがん研究や治療研究をさらに進化させるものであり、新しい研究の方向性を示すものとして大いに貢献することが期待されます。

本学は、平成25年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築のため、強みある分野の国際的な情報発信を力強く推進していきます。また、強みある医療系分野から生み出される成果を社会や医療現場が求める革新的技術として、より早く届けられるように研究開発を推進していきます。

なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施しています。

Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.43:Potential origin of cancer-associated cells revealed


<Back Issues:Vol.36~Vol.42>
Vol.36:Overloading of protein localization triggers cellular defects (異分野融合先端研究コア 守屋央朗准教授)
Vol.37:Protein dosage compensation mechanism unraveled (異分野融合先端研究コア 守屋央朗准教授)
Vol.38:Bioengineered tooth restoration in a large mammal (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)窪木拓男教授)
Vol.39:Successful test of retinal prosthesis implanted in rats (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)松尾俊彦准教授、大学院自然科学研究科(工学系)内田哲也准教授)
Vol.40:Antibodies prolong seizure latency in epileptic mice (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)西堀正洋教授)
Vol.41:Inorganic biomaterials for soft-tissue adhesion (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)松本卓也教授)
Vol.42:Potential drug for treating chronic pain with few side effects (自然生命科学研究支援センター 宮地孝明准教授)


<参考>
Okayama University e-Bulletin//www.okayama-u.ac.jp/user/kouhou/ebulletin/



本号で紹介した研究成果を担当した妹尾昌治教授と笠井智成講師(右)

国立大学法人岡山大学は持続可能な開発目標を支援しています
 

2017年9月10日日曜日

【異分野】若手研究者育成・異分野交流を目指す「Brainstorming 2017」を開催

岡山大学の医療系等研究開発戦略委員会は9月9~10日、牛窓研修センターカリヨンハウス(岡山県瀬戸内市)で若手研究者育成と異分野交流を目的とした「Brainstorming 2017」を開催しました。

今年度は、本学の学生や教職員、瀬戸内市職員など約50人が参加。自治医科大学の永井良三学長や日本大学の落合邦康特任教授、瀬戸内市の竹久顕也市長を招いた講演会のほか、ポスター発表などを行いました。

ポスター発表では、優秀ポスター賞の選考も行われ、大学院自然科学研究科の森下誠さん(博士前期課程1年)が受賞しました。森下さんは「慢性ストレスは男性性機能障害と痒覚過敏を誘発する」というタイトルで、ラットモデルを用いて、慢性ストレスによる男性性機能障害やアトピー性皮膚炎の併発メカニズムについて発表しました。

Brainstormingは若手研究者との交流により、新たな研究シーズと研究チームを立ち上げる機会を設けようと、2011年から毎年開催しており、今回で7回目です。



優秀賞を受賞した森下さん


表彰状
 

2017年9月9日土曜日

【情報発信】沈副所長・教授が日本植物学会の学術賞を受賞

「平成29年度(第14回)日本植物学会賞学術賞」に本学異分野基礎科学研究所の沈建仁副所長・教授が選ばれ、9月9日、日本植物学会第81回大会(東京理科大学野田キャンパス)で授賞式と受賞講演が行われました。

日本植物学会賞の「学術賞」は、植物科学分野で独創性の高い研究を行い、論文等が国際的に高く評価された研究者に授与されるもので、毎年1人の受賞者が選出されます。沈教授は、「光合成光化学系IIと光化学系I複合体の構造と機能に関する研究」の業績により受賞しました。同学会賞は沈教授のほか、大賞に大隅良典・東京工業大学特別栄誉教授らが選出されています。

沈教授は受賞を受け、「これまで協力していただいた多くの共同研究者に感謝し、今後も重要な研究成果が得られるよう努力したい」と話しています。




授賞式で贈られた表彰状


 授賞式に出席する沈教授(前列右)
 

2017年9月1日金曜日

【異分野】岡山から国連持続可能な開発目標「SDGs」を考える! シンポジウムとワークショップを開催

岡山大学と日本学術会議若手アカデミーは共催で8月31日~9月1日、国連の持続可能な開発目標「SDGs」について理解を深めるシンポジウムとワークショップを開催しました。今回は「社会の一員としての大学でこれから必要とされる考え方は-国連持続可能な開発目標を通じて考える」をテーマに、SDGsに取り組む学術の在り方や、岡山の地に根ざした取り組みとその役割について議論を深めました。

シンポジウムには大学、高校、県や市、企業、市民団体等から約200人、ワークショップには50人を超える研究者、高校教員、大学生、高校生、県や市の関係者、日本学術会議若手アカデミー関係者らが参加しました。

シンポジウムでは、槇野博史学長からのあいさつののち、政策研究大学院大学の有本建男教授、科学技術振興機構の大竹暁上席フェロー、大原美術館の大原あかね理事長が講演。パネルディスカッションでは、日本学術会議若手アカデミーより北村友人氏、福永真弓氏、若手アカデミー副代表の狩野光伸本学副理事・大学院医歯薬学総合研究科教授、株式会社ベネッセコーポレーションより小村俊平・本学学長特別補佐、岡山市より流尾正亮氏が加わり、議論しました。

このほか、横井篤文副理事・上級UGAが今年度内に継続して日本学術会議や国連機関等と連携したSDGsに関連する企画を開催していくことを公表しました。

2日間に渡り開催されたワークショップでは、狩野副理事がファシリテーターを務め、「教育」「医療」「環境」の3つのテーマに分かれて活発に討論しました。参加した高校生からの「自分自身が本当に学びたい世界の課題について学ぶには」という問いかけに、行政関係者、高校の教員、保護者など多様な立場の参加者が答えようとディスカッションするといった場面もありました。

ワークショップでは、議論の成果として提言をまとめました。同提言には、以下の4つが軸として盛り込まれました。
・SDGsに取り組む際に文化・学術の深みの重要性を再認識する
・多様なセクターから専門家の参加があるような対話の場を増やす
・SDGsにかかわるような仕事・学業を評価の対象にする
・教育において、SDGsを軸とした新たな動きを起こす

岡山の地は、本学などでつくる「岡山ESDプロジェクト」で、2016年9月にユネスコ/日本ESD賞を受賞。岡山市は2017年1月にユネスコ学習都市賞2017を受賞するなど、わが国を代表するESDの実践の場です。持続可能な社会づくりのための担い手を育てるESDは、SDGsの開発目標に取り組み、達成するための人材育成として位置づけられます。

こうした背景を踏まえ、本学は、「槇野ビジョン:しなやかに超えていく『実りの学都』へ」の下、SDGsと協同できる戦略づくりを進めます。この岡山でしかできない特色ある取り組みを継続しつつ、SDGsとも協同できる取り組みを発案推進し、地域と世界の課題解決を着実に進めていくとともに、本学の教育研究のイニシアチブ向上などを図っていきます。

資料はこちらからご覧いただけます。
SDGsを通じた学術を進めるために:提言
講演1「国連持続可能な開発目標と学術:国際から地域へ」/政策研究大学院大学 有本建男教授
講演2「国連持続可能な開発目標に取り組む学術への支援」/科学技術振興機構 大竹暁上席フェロー
講演3「土地のDNAが示す持続可能のための十八番」/大原美術館 大原あかね理事長

「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals;SDGs)2015年9月に国連が開催した「国連持続可能な開発サミット」にて採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」に盛り込まれている。人間、地球及び繁栄のための行動計画として、17の目標と169のターゲットからなる。



シンポジウムでの講演の様子


講演者を交えたパネルディスカッション


ワークショップで熱心に討論する参加者
 

50人を超える参加者が話し合った

国立大学法人岡山大学は持続可能な開発目標を支援しています