岡山大学は6月22日、本学の強みである医療系分野の研究成果について、革新的な基礎研究や臨床現場、医療産業等に結びつく成果を英語で情報発信するWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」をVol.26を発行しました。
2012年より本学では、研究成果や知的財産活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年4回発行。国際科学雑誌「Science」を扱うAAAS(米国科学振興協会)のメーリングリストを利用し、世界の研究者等にニュースやトピックスを交えて配信し、本学の海外への情報発信を強化と国際的知名度の向上を推進しています。
OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、強みある医療系分野の更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行。
本号では、大学院医歯薬学総合研究科(医学系)システム生理学分野の片野坂友紀助教が、心不全の進行を抑制する分子を世界で初めて特定した研究成果を紹介しています。
片野坂助教らの研究グループは、心不全の発症・重篤化の過程でNa+/Ca2+交換体(NCX1)の活性が著しく低下していることを発見。低下したNCX1活性を回復させることで、心不全の進行を抑制できることを、遺伝子改変マウスを用いた実験により明らかにしました。今後、細胞外へのCa2+排出系として働くNCX1の活性低下を防ぐ薬剤の開発により、心不全の治療への応用が期待されます。
岡山大学は、平成25年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築のため、強みある分野の国際的な情報発信を力強く推進していきます。また、強みある医療系分野から生み出される成果を社会や医療現場が求める革新的技術としてより早く届けられるように研究を推進していきます。
なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。
Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.26:Protein for preventing heart failure
<Back Issues:Vol.17~Vol.25>
Vol.17:Cell research shows pathway for suppressing hepatitis B virus (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)加藤宣之教授)
Vol.18:Therapeutic protein targets liver disease (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)和田淳教授)
Vol.19:Study links signalling protein to osteoarthritis (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)窪木拓男教授)
Vol.20:Lack of enzyme promotes fatty liver disease in thin patients (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)和田淳教授、中司敦子助教)
Vol.21:Combined gene transduction and light therapy targets gastric cancer (大学病院香川俊輔准教授、大学院医歯薬学総合研究科(医学系)石田道拡医師)
Vol.22:Medical supportive device for hemodialysis catheter puncture Combined gene transduction and light therapy targets gastric cancer (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)大原利章助教)
Vol.23:Development of low cost oral inactivated vaccines for dysentery (大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)三好伸一教授)
Vol.24:Sticky molecules to tackle obesity and diabetes (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)和田淳教授、村上和敏医師)
Vol.25:Self-administered aroma foot massage may reduce symptoms of anxiety (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)江口依里助教)
<参考>
Okayama University e-Bulletin://www.okayama-u.ac.jp/user/kouhou/ebulletin/
【本件問い合わせ先】
広報・情報戦略室
TEL:086-251-7293
平成25年度文部科学省「大学等シーズ・ニーズ創出強化支援事業(イノベーション対話促進プログラム)」採択課題において、SDGs推進研究大学である岡山大学が取り組んでいるイノベーション促進のための3つの対話コアである「①光技術と生命科学融合、②産官学連携強化、③未来志向型異分野ネットワーク構築」について紹介。さらに事業後も岡山大学長期ビション2050「地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学」の実現を目指し、「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」などでの取り組みをもとに、未来を拓く教育研究・社会貢献活動などについて随時ご紹介。 since2013~2026, "All rights reserved" , OKAYAMA University, JAPAN.
2016年6月30日木曜日
【情報発信】腫瘍融解ウイルスが骨肉腫に対する抗がん剤治療効果を増強
岡山大学病院新医療研究開発センターの田澤大助教、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学分野の藤原俊義教授、整形外科学分野の尾崎敏文教授らの研究グループは、腫瘍融解ウイルス「テロメライシン」が、がん細胞内のマイクロRNA-29を増加させ、細胞死を抑制するたんぱく質MCL1を阻害することで、骨肉腫に対する抗がん剤治療の効果を増強させる分子メカニズムを明らかにしました。
本研究成果は6 月30日(英国時間午前10時)、英国の科学雑誌『Scientific Reports』(Nature Publishing Group)電子版で公開されました。
骨肉腫に対する抗がん剤治療は、治療効果がある場合に患者の生命予後の改善が期待されます。しかし、治療効果がない場合は生命予後の改善が得られないために抗がん剤の治療効果を増強させることが重要な課題となっています。今後、「テロメライシン」と抗がん剤を用いた治療法の臨床開発を進めていくことで、将来的に骨肉腫患者の生命予後を改善できる新しい治療法の実現が期待されます。
図:腫瘍融解ウイルス「テロメライシン」の投与によって、骨肉腫細胞内に転写因子E2F1が増加し、マイクロRNA-29が誘導される。このマイクロRNA-29が細胞死を抑制するたんぱく質MCL1の効果を阻害することで、骨肉腫細胞に対する抗がん剤治療のアポトーシス細胞死の誘導効果を増強させる。
<詳しい研究内容について>
腫瘍融解ウイルスが、骨肉腫に対する抗がん剤治療効果を増強~希少疾患の新たな治療法確立へ~
<論文情報>
タイトル:Ablation of MCL1 expression by virally induced microRNA-29 reverses chemoresistance in human osteosarcomas.
著 者:Shuhei Osaki, Hiroshi Tazawa, Joe Hasei, Yasuaki Yamakawa, Toshinori Omori,Kazuhisa Sugiu, Tadashi Komatsubara, Tomohiro Fujiwara, Tsuyoshi Sasaki, Toshiyuki Kunisada, Aki Yoshida, Yasuo Urata, Shunsuke Kagawa, Toshifumi Ozaki, and Toshiyoshi Fujiwara.掲 載 誌:Scientific Reports D O I:10.1038/srep28953
発表論文はこちらからご確認いただけます。
<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
消化器外科学分野 教授 藤原 俊義
(電話番号)086-235-7257
(FAX番号)086-221-8775
(URL)http://www.ges-okayama-u.com/
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id403.html
【情報発信】果物輸出促進実証研究が始動
農林水産省が行う「革新的技術開発・緊急展開事業」地域戦略プロジェクトの実証研究型に採択されている、日本の果物を東アジア、東南アジアへ輸出するための生産技術・輸出技術研究プロジェクト(代表:本学大学院環境生命科学研究科の中野龍平准教授。共同実施者として5県、12機関が参加)のキックオフミーティングが6月23~24日、本学東京オフィスで開催され、当該プロジェクトの関係者が参加しました。
キックオフミーティングでは、プログラムオフィサーを務める東京農業大学の馬場正教授、生研支援センターの足立礎リーダーの下、各機関が白熱した議論を繰り広げました。輸出に関しては、相手国の規制などもあるため、農林水産省から農林水産技術会議事務局研究推進課、食料産業局輸出促進課、消費・安全局植物防疫課の担当者も参加し、最新情報の報告と質疑応答をするセミナーも併せて開催しました。
本プロジェクトは、各地域の競争力強化を図るための地域戦略に基づき、研究機関と地元関係者が共同で取り組むものです。先進技術を組み合わせ、生産現場における革新的技術体系の実証研究・普及を支援するとして実施します。
農林水産業の現場は、TPP合意による輸入品の増加などに危機感を抱いており、競争力強化が喫緊の課題とされています。本年5月19日に農林水産業・地域の活力創造本部(本部長:内閣総理大臣)で取りまとめられた「農林水産業の輸出力強化戦略」では、実践的な輸出戦略が挙げられており、官民一体となって競争力強化を進める機運が高まっています。
中野准教授と同研究科の福田文夫准教授は、“果物王国・岡山”を代表する「桃」の船舶輸送を、温度条件や特殊なパッキング材利用などを変化させ、最も適した条件を突き止め、軌道に乗せた実績があります。今回は、他に徳島県、和歌山県、石川県、山梨県も参加し、葡萄、柑橘、柿等さまざまな種類の果物で輸出に適した生産条件や輸出条件を探るという研究計画です。
大学などの研究機関だけでなく、レンゴー、SGシステム(佐川グループ)などの企業が参加し、日本郵船や相互運輸、デンソーなどの協力も得られる予定です。
今後も解決しなければならない課題は次々訪れると想定されるため、国内の生産地と組み、海外での実証をしながら研究大学としての役割を果たしていきます。アジアは、本学に多くの留学生を送り出している地域でもあることから、グローバル戦略の一環としても本プロジェクトに取り組みたいと考えています。
東京オフィスは、このような多様な機関が参加する研究打ち合せや研究計画立案のため、多くの研究者に利用されています。常駐するURAが支援を行いますので、今後も研究者をはじめ多くの方の利用をお待ちしています。
【本件問い合わせ先】
岡山大学東京オフィス URA
TEL: 03-6225-2905
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5881.html
キックオフミーティングでは、プログラムオフィサーを務める東京農業大学の馬場正教授、生研支援センターの足立礎リーダーの下、各機関が白熱した議論を繰り広げました。輸出に関しては、相手国の規制などもあるため、農林水産省から農林水産技術会議事務局研究推進課、食料産業局輸出促進課、消費・安全局植物防疫課の担当者も参加し、最新情報の報告と質疑応答をするセミナーも併せて開催しました。
本プロジェクトは、各地域の競争力強化を図るための地域戦略に基づき、研究機関と地元関係者が共同で取り組むものです。先進技術を組み合わせ、生産現場における革新的技術体系の実証研究・普及を支援するとして実施します。
農林水産業の現場は、TPP合意による輸入品の増加などに危機感を抱いており、競争力強化が喫緊の課題とされています。本年5月19日に農林水産業・地域の活力創造本部(本部長:内閣総理大臣)で取りまとめられた「農林水産業の輸出力強化戦略」では、実践的な輸出戦略が挙げられており、官民一体となって競争力強化を進める機運が高まっています。
中野准教授と同研究科の福田文夫准教授は、“果物王国・岡山”を代表する「桃」の船舶輸送を、温度条件や特殊なパッキング材利用などを変化させ、最も適した条件を突き止め、軌道に乗せた実績があります。今回は、他に徳島県、和歌山県、石川県、山梨県も参加し、葡萄、柑橘、柿等さまざまな種類の果物で輸出に適した生産条件や輸出条件を探るという研究計画です。
大学などの研究機関だけでなく、レンゴー、SGシステム(佐川グループ)などの企業が参加し、日本郵船や相互運輸、デンソーなどの協力も得られる予定です。
今後も解決しなければならない課題は次々訪れると想定されるため、国内の生産地と組み、海外での実証をしながら研究大学としての役割を果たしていきます。アジアは、本学に多くの留学生を送り出している地域でもあることから、グローバル戦略の一環としても本プロジェクトに取り組みたいと考えています。
東京オフィスは、このような多様な機関が参加する研究打ち合せや研究計画立案のため、多くの研究者に利用されています。常駐するURAが支援を行いますので、今後も研究者をはじめ多くの方の利用をお待ちしています。
【本件問い合わせ先】
岡山大学東京オフィス URA
TEL: 03-6225-2905
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5881.html
【情報発信】卵管の組織再構築メカニズムを解明
帯広畜産大学 奥田潔学長 (岡山大学名誉教授)、岡山大学大学院環境生命科学研究科 (農) の伊藤さやか大学院生 (博士前期課程)、小林芳彦大学院生 (博士後期課程, 日本学術振興会特別研究員 (DC1))、木村康二教授らの研究グループは、ウシ卵管組織の更新メカニズムを明らかにしました。本研究成果は6月2日、国際専門誌『Cell and Tissue Research』オンライン電子版に掲載されました。
哺乳類において卵管は、受精の場であるとともに卵子および受精卵の輸送経路です。卵管の内側表面には、細胞表面に無数の繊毛を有する繊毛細胞と、受精卵発育に必要な物質を分泌する分泌細胞の主に2種類が存在します。今回奥田学長らのグループは、排卵周期を通じた繊毛・分泌細胞の割合の変化が、分泌細胞の増殖と分化により生じることを明らかにしました。
今回の成果は、卵管の機能異常が原因として生じる不妊の予防や治療法の確立への貢献が期待されます。
卵管の組織再構築メカニズムを解明~不妊の治療法開発へ期待~
<論文情報>
タイトル:Remodeling of bovine oviductal epithelium by mitosis of secretory cells.
著 者:Ito S, Kobayashi Y, Yamamoto Y, Kimura K, Okuda K.掲 載 誌: Cell and Tissue Research D O I:10.1007/s00441-016-2432-8
発表論文はこちらからご確認いただけます。
<お問い合わせ>
岡山大学広報・情報戦略室
(電話番号)086-251-7293
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id402.html
2016年6月29日水曜日
【情報発信】第55回岡大サイエンスカフェ「シリコンバレーから見る米国医療の最前線」を開催
岡山大学研究推進産学官連携機構は6月20日、本学の研究者が最新の科学を分かりやすく説明する「第55回岡大サイエンスカフェ」を創立五十周年記念館で開催しました。
岡山大学シリコンバレーオフィス長の千田一貴教授が「シリコンバレーから見る米国医療の最前線」をテーマに講演。米国における罹患者を減らすための取り組み、病気を遺伝子レベルで理解し病気の予防や完治をさせる「正確な医療」、“Precision Medicine”について遺伝子の基礎的理解から遺伝子と病気・治療との関係を詳しく説明しました。米国政府などの医療政策についての解説に、参加した164人の市民らは熱心に聴き入っていました。
次回のサイエンスカフェは8月19日、「未来を変える炭素材料とエレクトロニクス」と題して、私たちの身近にあり生活を大きく変えようとしている「炭」を取り上げます。炭素繊維は、金属代替の軽くて強い材料として、飛行機や建物の基礎などに用いられようとしています。半導体の材料としても、エレクトロニクスの分野で研究開発が進められています。構造材料やエレクトロニクス材料として、「炭」をどのように使えるようにしているか、異分野基礎科学研究所の江口律子助教が分かりやすく解説する予定です。
【本件問い合わせ先】
研究推進産学官連携機構 社会連携本部
TEL:086-251-7112
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5880.html
岡山大学シリコンバレーオフィス長の千田一貴教授が「シリコンバレーから見る米国医療の最前線」をテーマに講演。米国における罹患者を減らすための取り組み、病気を遺伝子レベルで理解し病気の予防や完治をさせる「正確な医療」、“Precision Medicine”について遺伝子の基礎的理解から遺伝子と病気・治療との関係を詳しく説明しました。米国政府などの医療政策についての解説に、参加した164人の市民らは熱心に聴き入っていました。
次回のサイエンスカフェは8月19日、「未来を変える炭素材料とエレクトロニクス」と題して、私たちの身近にあり生活を大きく変えようとしている「炭」を取り上げます。炭素繊維は、金属代替の軽くて強い材料として、飛行機や建物の基礎などに用いられようとしています。半導体の材料としても、エレクトロニクスの分野で研究開発が進められています。構造材料やエレクトロニクス材料として、「炭」をどのように使えるようにしているか、異分野基礎科学研究所の江口律子助教が分かりやすく解説する予定です。
【本件問い合わせ先】
研究推進産学官連携機構 社会連携本部
TEL:086-251-7112
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5880.html
登録:
投稿 (Atom)