岡山大学大学院自然科学研究科の高井和彦教授が2014年1月7日、「第66回日本化学会賞」に選ばれました。
日本化学会賞は、公益社団法人日本化学会が、化学の基礎または応用に関する貴重な研究を行い、その業績が特に優秀な研究者を表彰するもので、高井教授は、「4-7族金属の特性を活かした有機合成反応の開拓」で功績を挙げたことが高く評価されました。
化学は分子を扱う学問ですが、なかでも有機分子は、複雑な炭素骨格と多くの官能基をもつ多様な化合物が知られています。高井教授は、そうした複雑な分子を合成するのに役立つ合成反応(炭素-炭素結合を形成する反応)を開発しました。チタン、クロムなどの金属を用いる反応で、世界中で数多くの天然物の全合成に使われ、「高井反応」や「NHK反応」として知られています。また、高井教授は、レニウムやマンガンの化合物を触媒として用いる新しい有機合成反応を開発し、それらを用いる有機機能性材料の合成も行っています。
また、高井教授は、「岡山大学エネルギー環境新素材拠点」(拠点長:久保園芳博・同大学院自然科学研究科教授)の主任研究員を務めており、今回の受賞対象には、同拠点の他分野研究者らとの異分野融合研究活動の成果も含まれており、「総合大学:岡山大学」の強みを活かした異分野融合研究の成果のひとつとも言えます。
岡山大学は2013年8月に、文部科学省の「研究大学強化促進事業」に採択されており、当事業の岡山大学における研究拠点である研究特区「グローバル最先端異分野融合研究機構」(G研究機構)では、研究の核(コア)として、「超伝導・有機エレクトロニクス研究コア」と「生体光変換システム研究コア」などが設けられています。
今後も高井教授らは、これらのコアを中心に本学が世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」となるために、積極的な研究活動を進めていきます。
第66回日本化学会賞:http://www.chemistry.or.jp/news/information/H25prizelist.html
表彰式は3月28日、名古屋大学東山キャンパスで開催される予定で、前日の27日には、高井教授の受賞講演が行われる予定です。
日本化学会賞の受賞が決まった高井和彦教授
国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html
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