2022年6月19日日曜日

【情報発信】性別違和の人口割合を0.3–1%と大幅に上方修正!(人口ベース調査)

 



<発表のポイント>

  • われわれは、日本における性別違和の人口割合を0.31%(狭義)、0.96%(広義)と算出しました。…2015年のオランダにおける推定値の11–35倍にのぼります。
  • 性別間で意味のある差は見いだされませんでしたが、年齢間の差(若年層 > 高年齢層)を認めました。
  • 身体的治療を望まない人が多くを占めていると考えられることから、そうした人たちのことを考慮することが大切です。



◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区津島中、学長:槇野博史)の岡山大学病院精神科神経科の大島義孝医員は、学術研究院医歯薬学域精神神経病態学分野の研究グループにおいて、日本における性別違和の人口割合を、性別と年齢分布ごとに調査しました。調査にはユトレヒト性別違和スケールという定評のある質問票を使用しました(人口割合の算出に、初めて信頼性のある質問票を用いたことが本研究の特徴です)。その結果は、従来の研究の推定値をはるかに上回るものでした。

 その研究成果は、2022年4月14日に米国の医学誌「The Journal of Sexual Medicine」にオンライン公開されました。また、本研究は、同年5月5日に英国の医学誌「Nature Reviews Urology」にて紹介されました。

 本研究で得られた所見は、専門のクリニックで診断・身体的治療を受けていない人々の中にも性別違和に苦しんでいる方が多いかもしれないことを示唆しており、身体的治療に重点を置いた従来の画一的な見方に見直しを求めるもので、医療、教育、政策などに反映されることが望まれます。また、研究領域においても、通説や方法の見直しといった概念変更を要請するものといえます。


◆大島義孝医員からひとこと
 論文は短ければ短いほどよいというのが私の信条なのですが、結果的に、長大で、しかもかなり“尖った”ものになってしまいました。統計ソフトのスクリプトが12,000行を超えたのも、今となっては…いや、やはり苦い思い出です。調査会社の担当の方が親切にしてくださったことが唯一の心の救いでした(ありがとうございました)。
今回の研究はあくまで予備的なものです。正式な疫学調査が絶対に必要です!

大島義孝 医員

大島義孝 医員



◆論文情報
 論 文 名:Prevalence of Gender Dysphoria by Gender and Age in Japan: A Population-Based Internet Survey Using the Utrecht Gender Dysphoria Scale
      「日本における性別違和の人口割合:ユトレヒト性別違和スケールを用いたインターネット調査」
 掲 載 誌:The Journal of Sexual Medicine
 D  O  I:https://doi.org/10.1016/j.jsxm.2022.03.605
 U  R  L:https://www.jsm.jsexmed.org/article/S1743-6095(22)01238-3/fulltext
        https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1743609522012383

 引 用 誌:Nature Reviews Urology
 著     者:Maria Chiara Masone
 D  O  I:https://doi.org/10.1016/j.jsxm.2022.03.605
 U  R  L:https://www.nature.com/articles/s41585-022-00606-0


◆研究資金
 本研究は、田辺三菱製薬研究支援(MTPS20160521009)を受けて実施しました。


◆詳しいプレスリリースについて
 性別違和の人口割合を0.3–1%と大幅に上方修正!(人口ベース調査)
 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r4/press20220615-1.pdf


◆参考情報
・岡山大学病院 精神科神経科
 https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/index135.html
・岡山大学病院
 https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/
・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 精神神経病態学教室
 https://psychiatry.ccsv.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
 https://www.mdps.okayama-u.ac.jp/

 

岡山大学病院(岡山市北区)

岡山大学病院(岡山市北区)



◆本件お問い合わせ先
 岡山大学病院 精神科神経科 医員 大島義孝
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
 TEL:086-235-7242
 FAX:086-235-7246
 https://psychiatry.ccsv.okayama-u.ac.jp/

<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
 岡山大学病院 新医療研究開発センター
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
 下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/

<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
 岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
 TEL:086-235-7983
 E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/

<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

 岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
 岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
 岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
 岡山大学Image Movie (2020):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
 「岡大TV」(YouTube):https://www.youtube.com/channel/UCi4hPHf_jZ1FXqJfsacUqaw
 産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2022年6月期共創活動パートナー募集中:
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000691.000072793.html

 岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
 岡山大学『大学ブランド・イメージ調査2021~2022』「SDGsに積極的な大学」中国・四国1位!!
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 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html

国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています

国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています

 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000726.000072793.html

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