
<発表のポイント>
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腎臓の構造を試験管内で再現した「ミニ腎臓」を使って、薬が腎臓に与える影響を評価する方法を開発しました。
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この方法を用いて、小林製薬の健康被害が報告された製品ロットの「紅麹コレステヘルプ」が腎臓に直接ダメージを与える可能性があることを明らかにしました。
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本評価法の研究が進めば、動物実験に頼ることなく薬の安全性を評価できる新たな技術として実用化が期待されます。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)学術研究院医歯薬学域(医)腎・免疫・内分泌代謝内科学の辻憲二助教の研究グループは、ラットの腎臓細胞から作った「ミニ腎臓(腎臓オルガノイド)」を活用し、薬が腎臓に与える影響を調べる方法を開発しました。この方法を使って、小林製薬のサプリメント「紅麹コレステヘルプ」を摂取した人が腎障害を発症した原因を調べたところ、健康被害が報告された製品の一部が、「ミニ腎臓」に対して毒性を持つことが確認されました。
これらの研究成果は、2025年2月20日に国際雑誌「American Journal of Nephrology」のBrief Report Articleとしてオンライン先行公開されました。
このサプリメントに含まれる成分が腎臓の細胞に直接ダメージを与え、腎障害を引き起こす可能性が考えられます。今後は、被害情報のあるロットにおいて検出が報告されている化合物「プベルル酸」を用いた解析を進めることで、より詳しい原因の解明につながる可能性があります。さらに、この研究が進むことで、動物実験を行わずに腎臓への影響を調べる新しい方法として、薬の安全性評価や新しい薬の選別への活用が期待されます。
本件は、2025年3月7日に岡山大学から公開されました。

◆辻憲二助教からのコメント
動物を大切にする考え方から、「3R」と呼ばれる取り組みが広がっています。これは、動物実験を減らす(Reduction)、代わりの方法を使う(Replacement)、より負担の少ない方法に改善する(Refinement)という考え方です。我々は、腎臓の構造を再現したミニ腎臓を使って、動物を使わずに薬が腎臓に与える影響を調べる方法の実現を目指しています。
本評価法の研究をさらに進めて、早く実用化できるように頑張ります。

◆論文情報
論 文 名:Supplement-induced acute kidney injury reproduced in kidney organoids
掲 載 紙:American Journal of Nephrology
著 者:Hiroyuki Nakanoh, Kenji Tsuji, Kazuhiko Fukushima, Soichiro Haraguchi, Shinji Kitamura, Jun Wada
D O I:10.1159/000544795
U R L:https://karger.com/ajn/article/doi/10.1159/000544795/922043/Supplement-induced-acute-kidney-injury-reproduced
◆研究資金
本研究は、公益財団法人ウエスコ学術振興財団「研究活動費助成事業」と独立行政法人日本学術振興会(JSPS)「科学研究費助成事業」(基盤C・24K11411,研究代表:辻憲二)の支援を受けて実施しました。
◆詳しい研究内容について
「ミニ腎臓」で薬の腎毒性を評価!~動物実験に頼らない新たなアプローチへ~
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20250307-1.pdf
◆参 考
・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 腎・免疫・内分泌代謝内科学
https://daisan.med.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学病院
https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/


◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医)腎・免疫・内分泌代謝内科学 助教 辻 憲二
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
TEL:086-235-7235
FAX: 086-222-5214
https://daisan.med.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
岡山大学病院 新医療研究開発センター
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/
<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
TEL:086-235-7983
E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8463
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学の研究機器共用(コアファシリティ)などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 機器共用推進本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8745、086-251-8746
FAX:086-251-8748
E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://fspp.kikibun.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学のスタートアップ・ベンチャーなどに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 スタートアップ・ベンチャー創出本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
E-mail:start-up1◎adm.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
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岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学統合報告書2024:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002801.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):https://youtu.be/Qdqjy4mw4ik
岡山大学Image Movie (YouTube):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
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https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002800.000072793.html


国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください
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岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~

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