岡山大学大学院自然科学研究科(工)の大槻高史教授、渡邉和則助教らの研究グループは、「ケージドアミノアシルtRNA」という光応答性の化合物を開発するとともに、これを用いてタンパク質合成を光で制御する新技術を開発しました。本技術では、光により、狙ったタイミング、狙った位置に、特定のタンパク質の合成を誘導することが可能です。本研究成果は8月17日(英国時間午前10時)、英国の科学雑誌「Nature Communications」で公開されました。
実際の生物においても、時空間的なタンパク質合成の制御は絶えず起こっており、重要な役割をしています。たとえば動物が生まれてから体が形成される過程(発生過程)には、必要なタイミングで局所的に合成されるタンパク質が多数関わっています。
今回開発した光依存的なタンパク質合成技術は、発生過程や神経伝達など「タンパク質合成の時空間的制御」の関わる生命現象の解明につながることが期待されます。
図.ケージドアミノアシルtRNAを用いたタンパク質合成の光制御
<詳しい研究内容について>
タンパク質合成を光で制御する新技術を開発 狙ったタイミングと場所に合成を誘導
<論文情報等>
著 者:Takashi Ohtsuki, Shigeto Kanzaki, Sae Nishimura, Yoshio Kunihiro, Masahiko Sisido, Kazunori Watanabeタイトル:Phototriggered protein syntheses by using (7-diethylaminocoumarin-4-yl) methoxycarbonyl-caged aminoacyl tRNAs掲 載 誌:Nature CommunicationsDOI:10.1038/NCOMMS12501
発表論文はこちらからご確認いただけます。
<お問い合わせ>
岡山大学大学院自然科学研究科(工)
教授 大槻高史
(電話番号)086-251-8218
(FAX番号)086-251-8219
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id409.html
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