岡山大学は1月9日、本学の強みである医療系分野の研究成果について、革新的な基礎研究や臨床現場、医療産業等に結びつく成果を英語で情報発信するWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」のVol.32を発行しました。
2012年より本学では、研究成果や知的財産活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年4回発行。国際科学雑誌「Science」を扱うAAAS(米国科学振興協会)のメーリングリストを利用し、世界の研究者等にニュースやトピックスを交えて配信し、本学の海外への情報発信を強化と国際的知名度の向上を推進しています。
OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、強みある医療系分野の更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行。
本号では、大学院医歯薬学総合研究科(医学系)生化学分野の竹田哲也助教と竹居孝二教授らの、膀胱がんの浸潤を制御する新規因子を同定した成果を紹介しています。
竹田助教と竹居教授、那須保友教授(医)、渡部昌実教授(岡山大病院)らの共同研究チームは今回、ヒトの膀胱がん細胞の浸潤を制御する新規因子としてタンパク質である「ダイナミン」(Dynamin)を同定しました。ダイナミンは、がん細胞が浸潤の際に用いる細胞膜構造(浸潤突起)の形成に必要です。ダイナミンの機能を阻害することによって、膀胱がん細胞の浸潤が劇的に抑制されることが明らかになりました。この研究成果によって、がん浸潤のメカニズムの解明が進めば、より効果的な制がん剤の開発につながることが期待されます。
岡山大学は、平成25年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築のため、強みある分野の国際的な情報発信を力強く推進していきます。また、強みある医療系分野や関連する異分野科学から生み出される成果を社会や医療現場などが求める革新的技術としてより早く届けられるように研究を推進していきます。
なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。
Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.32:Enzyme target for slowing bladder cancer invasion
<Back Issues:Vol.23~Vol.31>
Vol.23:Development of low cost oral inactivated vaccines for dysentery (大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)三好伸一教授)
Vol.24:Sticky molecules to tackle obesity and diabetes (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)和田淳教授、村上和敏医師)
Vol.25:Self-administered aroma foot massage may reduce symptoms of anxiety (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)江口依里助教)
Vol.26:Protein for preventing heart failure (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)片野坂友紀助教)
Vol.27:Keeping cells in shape to fight sepsis (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)西堀正洋教授)
Vol.28:Viral-based therapy for bone cancer (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)藤原俊義教授)
Vol.29:Photoreactive compound allows protein synthesis control with light (大学院自然科学研究科(工学系)大槻高史教授)
Vol.30:Cancer stem cells’ role in tumor growth revealed (大学院自然科学研究科(工学系)妹尾昌治教授)
Vol.31:Prevention of RNA virus replication (大学院自然科学研究科(工学系)世良貴史教授)
<参考>
Okayama University e-Bulletin://www.okayama-u.ac.jp/user/kouhou/ebulletin/
【本件問い合わせ先】
広報・情報戦略室
TEL:086-251-7293
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id6410.html
平成25年度文部科学省「大学等シーズ・ニーズ創出強化支援事業(イノベーション対話促進プログラム)」採択課題において、SDGs推進研究大学である岡山大学が取り組んでいるイノベーション促進のための3つの対話コアである「①光技術と生命科学融合、②産官学連携強化、③未来志向型異分野ネットワーク構築」について紹介。さらに事業後も「地域中核・特色ある研究大学:岡山大学」からの未来を拓く教育研究・社会貢献活動などについて随時ご紹介。 since2013~2024, "All rights reserved" , OKAYAMA University, JAPAN.
2017年1月31日火曜日
2017年1月30日月曜日
【情報発信】オランダ・ユトレヒト大学カレッジ(UCU)と大学間協定を締結
岡山大学とオランダ王国のユトレヒト大学カレッジ(University College Utrecht:UCU)は12月5日、ユトレヒト大学カレッジの学長室で大学間協定の調印式を開催しました。本学がオランダ王国の大学と連携協定を結ぶのは本協定が初めてです。
調印式には、ユトレヒト大学カレッジよりJames C. Kennedy学長、Fried Keesen教授・教育部門長らが参加。本学からは、荒木勝 理事・副学長(社会貢献・国際担当)、横井篤文 学長特命(国際戦略担当)上級グローバル・アドミニストレーター(UGA)、国立六大学連携コンソーシアムからは、木島正博 国際交流コーディネーターなどが出席しました。
今回の調印により、今年10月に本学でスタートする新たな教育プログラムである「グローバル・ディスカバリー・プログラム」において、教職員・学生の相互交流および共同研究を進めることで合意しました。
ユトレヒト大学カレッジは、世界トップレベルの研究大学であるユトレヒト大学(1636年創立)に属する全寮制リベラル・アーツ・カレッジとして、1997年に欧州大陸で最初に創設。在校生の40%はオランダ国外からの留学生で、社会科学、人文科学、自然科学の3分野の専攻における講義が全て英語で行われる国際色豊かなリベラル・アーツ・カレッジです。
国立六大学連携コンソーシアム(千葉大学、新潟大学、金沢大学、岡山大学、長崎大学、熊本大学)は、国際連携において、まずは国立六大学の学問の礎である「蘭学」発祥の地、オランダを戦略地域の一つに設定。国立六大学における連携の枠組みを活用することで広い学問領域をカバーし、世界のトップレベルの大学と対等な立場で教育研究交流を推進しています。
同コンソーシアムは昨年、オランダ高等教育国際連携機構(EP-Nuffic)と日本で初めての包括協定(MoU)を締結し、オランダ・ライデン市にあるシーボルトハウスに国立六大学欧州事務所を設置。さらに本学は、ライデン大学人文学部との部局間協定を締結するなど、卓越した教育研究を展開する同国の世界トップレベルの大学との連携強化を精力的に進めています。
グローバル・ディスカバリー・プログラム:世界中から集まる留学生、帰国生などと日本人学生とが一緒に学び、かつ英語で学位が取れるコース
HP:http://discovery.okayama-u.ac.jp/jp/
【本件問い合わせ先】
グローバル・パートナーズ国際企画課(国際企画・総務部門)
TEL:086-251-7038
調印式の様子 (左から荒木勝 理事・副学長(社会貢献・国際担当)、Dr. James C. Kennedyユトレヒト大学カレッジ学長)
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id6396.html
調印式には、ユトレヒト大学カレッジよりJames C. Kennedy学長、Fried Keesen教授・教育部門長らが参加。本学からは、荒木勝 理事・副学長(社会貢献・国際担当)、横井篤文 学長特命(国際戦略担当)上級グローバル・アドミニストレーター(UGA)、国立六大学連携コンソーシアムからは、木島正博 国際交流コーディネーターなどが出席しました。
今回の調印により、今年10月に本学でスタートする新たな教育プログラムである「グローバル・ディスカバリー・プログラム」において、教職員・学生の相互交流および共同研究を進めることで合意しました。
ユトレヒト大学カレッジは、世界トップレベルの研究大学であるユトレヒト大学(1636年創立)に属する全寮制リベラル・アーツ・カレッジとして、1997年に欧州大陸で最初に創設。在校生の40%はオランダ国外からの留学生で、社会科学、人文科学、自然科学の3分野の専攻における講義が全て英語で行われる国際色豊かなリベラル・アーツ・カレッジです。
国立六大学連携コンソーシアム(千葉大学、新潟大学、金沢大学、岡山大学、長崎大学、熊本大学)は、国際連携において、まずは国立六大学の学問の礎である「蘭学」発祥の地、オランダを戦略地域の一つに設定。国立六大学における連携の枠組みを活用することで広い学問領域をカバーし、世界のトップレベルの大学と対等な立場で教育研究交流を推進しています。
同コンソーシアムは昨年、オランダ高等教育国際連携機構(EP-Nuffic)と日本で初めての包括協定(MoU)を締結し、オランダ・ライデン市にあるシーボルトハウスに国立六大学欧州事務所を設置。さらに本学は、ライデン大学人文学部との部局間協定を締結するなど、卓越した教育研究を展開する同国の世界トップレベルの大学との連携強化を精力的に進めています。
グローバル・ディスカバリー・プログラム:世界中から集まる留学生、帰国生などと日本人学生とが一緒に学び、かつ英語で学位が取れるコース
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【本件問い合わせ先】
グローバル・パートナーズ国際企画課(国際企画・総務部門)
TEL:086-251-7038
調印式の様子 (左から荒木勝 理事・副学長(社会貢献・国際担当)、Dr. James C. Kennedyユトレヒト大学カレッジ学長)
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id6396.html
【情報発信】「アジアで最もイノベ―ティブな大学ランキングTOP75」で38位(国内13位) 本学に盾が授与
トムソン・ロイターのまとめた「アジアで最もイノベ―ティブな大学ランキングTOP75」(Reuters Top75: Asia’s Most Innovative Universities)で、本学が38位(国内13位)にランクインしました。12月21日、Clarivate Analytics (旧トムソン・ロイターIP&Science)の日野博文取締役統括本部長らが来学し、森田潔学長に記念の盾を授与しました。
2016年8月に発表された同ランキングは、特許情報や学術論文の引用情報などをもとに分析し、科学の進歩、新技術の発明、グローバル経済の推進に最も貢献した教育機関を選出。アジアのトップ75大学を公表したものです。本学が世界で高く評価されていることが示されました。
贈呈式の前には、森田学長、山本進一理事・副学長(研究担当)、リサーチ・アドミニストレーター(URA)らとの意見交換も実施。日野統括本部長から同ランキングについて説明を受けたほか、大学の研究活動とイノベーション力について話し合いました。
岡山大学は、平成25年に文部科学省が大学の研究力のさらなる向上と国際的な研究競争力強化のため全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の採択大学(国内19大学)です。世界で研究の量・質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティー(研究大学)」を目指すとともに、日ごろの研究から生み出される最先端の成果を社会が求める革新的技術としてより早く届けられるようイノベ―ティブな研究を推進していきます。
【本件問い合わせ先】
岡山大学リサーチ・アドミニストレーター(URA)執務室
TEL:086-251-8919
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id6400.html
2016年8月に発表された同ランキングは、特許情報や学術論文の引用情報などをもとに分析し、科学の進歩、新技術の発明、グローバル経済の推進に最も貢献した教育機関を選出。アジアのトップ75大学を公表したものです。本学が世界で高く評価されていることが示されました。
贈呈式の前には、森田学長、山本進一理事・副学長(研究担当)、リサーチ・アドミニストレーター(URA)らとの意見交換も実施。日野統括本部長から同ランキングについて説明を受けたほか、大学の研究活動とイノベーション力について話し合いました。
岡山大学は、平成25年に文部科学省が大学の研究力のさらなる向上と国際的な研究競争力強化のため全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の採択大学(国内19大学)です。世界で研究の量・質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティー(研究大学)」を目指すとともに、日ごろの研究から生み出される最先端の成果を社会が求める革新的技術としてより早く届けられるようイノベ―ティブな研究を推進していきます。
【本件問い合わせ先】
岡山大学リサーチ・アドミニストレーター(URA)執務室
TEL:086-251-8919
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id6400.html
2017年1月27日金曜日
【情報発信】大学院自然科学研究科の大学院生が「学生によるビジネスプラン提案コンテスト」で特別賞、奨励賞など計4件の受賞
岡山大学大学院自然科学研究科機械システム工学専攻の大学院生でつくる4チームが、「第15回 学生によるビジネスプラン提案コンテスト」(キャンパスベンチャーグランプリ中国、日刊工業新聞社主催)で、特別賞(中国経済産業局長賞)、奨励賞に加え2件の佳作をそれぞれ受賞しました。本コンテストには、中国地方15大学・高専・専門学校から88件の応募があり、本学から4件が受賞しました。
特別賞を受賞したのは、谷川友崇さん、坂田彰生さんのチームで「掌紋認を用いた管理システム」、奨励賞は、新田侑亮さん、清広直輝さん、程浜さんのチームで「選択式スポーツ観戦システム」をそれぞれ提案しました。また佳作は、守時直さん、易示林さん、長谷川知彦さん、森有輝さんのチームが「可変式点字ブロック」、佐田野正崇さん、谷本和史さん、徳毛亮太さんのチームが「メモ自動生成電話機」を考えました。
アイデアは、機械システム工学専攻の大学院科目「高度創成デザイン」の講義で発案し、応募。本学からの受賞は6年連続です。
【本件問い合わせ先】
大学院自然科学研究科 教授 大橋一仁
Tel:086-251-8041
特別賞を受賞したのは、谷川友崇さん、坂田彰生さんのチームで「掌紋認を用いた管理システム」、奨励賞は、新田侑亮さん、清広直輝さん、程浜さんのチームで「選択式スポーツ観戦システム」をそれぞれ提案しました。また佳作は、守時直さん、易示林さん、長谷川知彦さん、森有輝さんのチームが「可変式点字ブロック」、佐田野正崇さん、谷本和史さん、徳毛亮太さんのチームが「メモ自動生成電話機」を考えました。
アイデアは、機械システム工学専攻の大学院科目「高度創成デザイン」の講義で発案し、応募。本学からの受賞は6年連続です。
【本件問い合わせ先】
大学院自然科学研究科 教授 大橋一仁
Tel:086-251-8041
【情報発信】学都チャレンジ学生企画成果報告会を開催
岡山大学地域総合研究センターは1月13日、学都チャレンジ学生企画成果報告会を本学中央図書館セミナー室で開催し、学生、教職員、岡山市役所職員等約40人が参加しました。
成果報告会は、学都チャレンジ学生企画に採択された7団体による発表とワークショップの2部形式で実施。1部では、各団体の代表学生がそれぞれの活動成果、反省点等について報告を行い、2部のワークショップでは、参加者が5~6人のグループに分かれて、活動を通した学生の成長や、地域にもたらした効果について意見を交換しました。
参加学生からは「学生が地域に入ることで、それまで交流がなかった地域住民間のつながりを作ることができた」、「教室での学びとは違い、自分で問いを立てて解決方法を考える力が必要とされるため、物事をより主体的に考えるようになった」といった感想が出ました。
※学都チャレンジ学生企画
学生や教職員がキャンパスの外に出て、企業や行政、NPO、地域の方々との交流や対話を通じて、地域の課題解決のための手助けや岡山を魅力的にするためのアイデアを実践する取り組み。教室では学べない体験を通じ、また、成果を挙げるべく責任を持って活動することで、学生が“実践人”として成長することを目的としている。
https://agora.okayama-u.ac.jp/challenge/student/
【本件問い合わせ先】
地域総合研究センター
TEL:086-251-8416
成果報告会は、学都チャレンジ学生企画に採択された7団体による発表とワークショップの2部形式で実施。1部では、各団体の代表学生がそれぞれの活動成果、反省点等について報告を行い、2部のワークショップでは、参加者が5~6人のグループに分かれて、活動を通した学生の成長や、地域にもたらした効果について意見を交換しました。
参加学生からは「学生が地域に入ることで、それまで交流がなかった地域住民間のつながりを作ることができた」、「教室での学びとは違い、自分で問いを立てて解決方法を考える力が必要とされるため、物事をより主体的に考えるようになった」といった感想が出ました。
※学都チャレンジ学生企画
学生や教職員がキャンパスの外に出て、企業や行政、NPO、地域の方々との交流や対話を通じて、地域の課題解決のための手助けや岡山を魅力的にするためのアイデアを実践する取り組み。教室では学べない体験を通じ、また、成果を挙げるべく責任を持って活動することで、学生が“実践人”として成長することを目的としている。
https://agora.okayama-u.ac.jp/challenge/student/
【本件問い合わせ先】
地域総合研究センター
TEL:086-251-8416
2017年1月26日木曜日
【情報発信】地球形成期におけるコアの軽元素の謎に迫る — 鉄へ溶け込む水素を中性子でその場観察 —
地球の中心核(コア)は主成分である鉄に軽元素が溶け込んだものと考えられおり、どんな軽元素がどの程度存在するのかという疑問に対して、これまで数多くの実験的研究がなされてきました。有力候補の1つである水素は、高圧下でしか有意に鉄に溶け込まないこと、X線など従来の実験法では直接観察できないことなどから、その振る舞いはまだよく分かっていませんでした。
東京大学大学院理学系研究科の飯塚理子 特任助教、八木健彦 特任研究員・名誉教授、東京大学物性研究所の後藤弘匡 技術専門職員らは、岡山大学惑星物質研究所の奥地 拓生 准教授と日本原子力研究開発機構J-PARCセンターとの共同研究で、水素の振る舞いを直接観察できる超高圧中性子回折装置PLANETを用いて、地球生成初期に集積した物質をモデル化した試料で高温高圧実験を行い、高圧下で温度が上昇し含水鉱物の脱水が起きると、固体のままの鉄に水素が溶け込むことを明らかにしました。
このことから、水素が最初に固体の鉄に溶け込み、その後に核−マントル分離や他の軽元素の溶融鉄への溶解が起きた可能性が高いことが示唆されました。
なお、本研究成果は1月13日、科学雑誌「Nature Communications」に掲載されました。
<詳しい研究内容について>
地球形成期におけるコアの軽元素の謎に迫る — 鉄へ溶け込む水素を中性子でその場観察 —
東京大学HP
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2017/5210/
<お問い合わせ>
岡山大学広報・情報戦略室
TEL:086-251-7292
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id443.html
東京大学大学院理学系研究科の飯塚理子 特任助教、八木健彦 特任研究員・名誉教授、東京大学物性研究所の後藤弘匡 技術専門職員らは、岡山大学惑星物質研究所の奥地 拓生 准教授と日本原子力研究開発機構J-PARCセンターとの共同研究で、水素の振る舞いを直接観察できる超高圧中性子回折装置PLANETを用いて、地球生成初期に集積した物質をモデル化した試料で高温高圧実験を行い、高圧下で温度が上昇し含水鉱物の脱水が起きると、固体のままの鉄に水素が溶け込むことを明らかにしました。
このことから、水素が最初に固体の鉄に溶け込み、その後に核−マントル分離や他の軽元素の溶融鉄への溶解が起きた可能性が高いことが示唆されました。
なお、本研究成果は1月13日、科学雑誌「Nature Communications」に掲載されました。
<詳しい研究内容について>
地球形成期におけるコアの軽元素の謎に迫る — 鉄へ溶け込む水素を中性子でその場観察 —
東京大学HP
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2017/5210/
<お問い合わせ>
岡山大学広報・情報戦略室
TEL:086-251-7292
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id443.html
2017年1月19日木曜日
【情報発信】卒業生と在学生による交流会「機械系エンジニアの歩き方2017」を開催
本学工学部機械システム系学科機械工学コースと大学院自然科学研究科博士前期課程機械システム工学専攻(機械系)は1月13日、工学部機械系同窓会の協力の下、機械システム工学演習の一環として卒業生と在学生による交流会「機械系エンジニアの歩き方2017」を岡山市内で開催しました。
本交流会は、実践型教育として、エンジニアとして企業で活躍している機械系の卒業生と在学生が参加し行っているもので、今年で11回目。在学生は、現在取り組んでいる研究内容を先輩エンジニアに発表しました。一方、卒業生は在学生の研究内容に対するコメントやエンジニアとしての働き方や考え方を在学生に紹介。それらの内容に関して互いに質疑応答を行うことで、在学生の研究に対するモチベーションの醸成や、社会での働き方に関する知見を広げることを目的としています。
全国各地の企業に協力いただき、午前の部、午後の部それぞれ47社の延べ94社から168人の卒業生が参加。81人の在学生が、さまざまな業種の先輩エンジニアと交流を行う貴重な機会となり、積極的に先輩エンジニアとの交流を行う在学生の姿勢は卒業生から高い評価を受けました。参加した在学生は「今まで知らなかった仕事内容や企業、仕事に取り組む姿勢などを知ることができ、今後の進路を考える上でも大変参考になるとても有意義な時間だった」と感想を述べています。
【本件問い合わせ先】
大学院自然科学研究科 教授 岡田 晃
TEL:086-251-8038
本交流会は、実践型教育として、エンジニアとして企業で活躍している機械系の卒業生と在学生が参加し行っているもので、今年で11回目。在学生は、現在取り組んでいる研究内容を先輩エンジニアに発表しました。一方、卒業生は在学生の研究内容に対するコメントやエンジニアとしての働き方や考え方を在学生に紹介。それらの内容に関して互いに質疑応答を行うことで、在学生の研究に対するモチベーションの醸成や、社会での働き方に関する知見を広げることを目的としています。
全国各地の企業に協力いただき、午前の部、午後の部それぞれ47社の延べ94社から168人の卒業生が参加。81人の在学生が、さまざまな業種の先輩エンジニアと交流を行う貴重な機会となり、積極的に先輩エンジニアとの交流を行う在学生の姿勢は卒業生から高い評価を受けました。参加した在学生は「今まで知らなかった仕事内容や企業、仕事に取り組む姿勢などを知ることができ、今後の進路を考える上でも大変参考になるとても有意義な時間だった」と感想を述べています。
【本件問い合わせ先】
大学院自然科学研究科 教授 岡田 晃
TEL:086-251-8038
【情報発信】ポリアミン輸送タンパク質によるヒスタミン放出調節 新たな抗アレルギー薬へつながる発見
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬)の日浅未来助教、竹内智也大学院生らの研究グループは、免疫反応やアレルギー反応を担う肥満細胞でポリアミン輸送タンパク質が働き、ヒスタミンの分泌を調節していることを明らかにしました。本研究成果は1月12日、米国の科学雑誌『The Journal of Biological Chemistry』で公開されました。
ヒスタミンは肥満細胞から分泌される物質で、花粉などのアレルゲンが肥満細胞に作用するとヒスタミンが放出され、炎症やくしゃみ、鼻水などの症状が現れます。本研究グループは、肥満細胞での機能や蓄積メカニズムが不明だったポリアミンに注目。ポリアミンが肥満細胞の顆粒内にある小胞型ポリアミントランスポーター(VPAT【用語解説】)と呼ばれるトランスポーター(輸送タンパク質)により輸送され、放出されることを突き止め、放出されたポリアミンがヒスタミンの放出を増強していることを明らかにしました。
本研究成果は、ポリアミンを介した新しいヒスタミン放出の仕組みの提案や、VPATタンパク質をターゲットとした新しい抗アレルギー薬の開発の手がかりになると大いに期待されます。
<詳しい研究内容について>
ポリアミン輸送タンパク質によるヒスタミン放出調節 新たな抗アレルギー薬へつながる発見
<論文情報等>
論文名:Vesicular polyamine transporter mediates vesicular storage and release of polyamine from mast cells
著者:Tomoya Takeuchi, Yuika Harada, Satomi Moriyama, Kazuyuki Furuta, Satoshi Tanaka, Takaaki Miyaji, Hiroshi Omote, Yoshinori Moriyama, and Miki Hiasa
掲載誌:The Journal of Biological Chemistry
DOI:10.1074/jbc.M116.756197http://www.jbc.org/content/early/2017/01/12/jbc.M116.756197
<本件お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬)
生体膜生化学分野 助教 日浅 未来
(電話番号)086-251-7934
(FAX番号)086-251-7926
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id442.html
ヒスタミンは肥満細胞から分泌される物質で、花粉などのアレルゲンが肥満細胞に作用するとヒスタミンが放出され、炎症やくしゃみ、鼻水などの症状が現れます。本研究グループは、肥満細胞での機能や蓄積メカニズムが不明だったポリアミンに注目。ポリアミンが肥満細胞の顆粒内にある小胞型ポリアミントランスポーター(VPAT【用語解説】)と呼ばれるトランスポーター(輸送タンパク質)により輸送され、放出されることを突き止め、放出されたポリアミンがヒスタミンの放出を増強していることを明らかにしました。
本研究成果は、ポリアミンを介した新しいヒスタミン放出の仕組みの提案や、VPATタンパク質をターゲットとした新しい抗アレルギー薬の開発の手がかりになると大いに期待されます。
<詳しい研究内容について>
ポリアミン輸送タンパク質によるヒスタミン放出調節 新たな抗アレルギー薬へつながる発見
<論文情報等>
論文名:Vesicular polyamine transporter mediates vesicular storage and release of polyamine from mast cells
著者:Tomoya Takeuchi, Yuika Harada, Satomi Moriyama, Kazuyuki Furuta, Satoshi Tanaka, Takaaki Miyaji, Hiroshi Omote, Yoshinori Moriyama, and Miki Hiasa
掲載誌:The Journal of Biological Chemistry
DOI:10.1074/jbc.M116.756197http://www.jbc.org/content/early/2017/01/12/jbc.M116.756197
<本件お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬)
生体膜生化学分野 助教 日浅 未来
(電話番号)086-251-7934
(FAX番号)086-251-7926
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id442.html
2017年1月17日火曜日
【情報発信】第17回革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム「農工異分野融合研究開発によるウイルス対策の最前線」を開催
岡山大学が研究拠点を務める「革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム」は、1月16日、わが国の重要な農業をウイルスから守るための技術開発を異分野の視点から考えるシンポジウム「農工異分野融合研究開発によるウイルス対策の最前線」を琉球大学(沖縄県中頭郡西原町)で開催しました。
農業の現場では、さまざまなウイルスによって経済的・社会的な損失が発生しており、世界的に大きな問題となっています。これらの状況を打開するため、さまざまなウイルス感染から植物を守る早期診断法や感染防止の薬剤などの研究開発が強く求められています。
今回のプラットフォームシンポジウムは、本事業で取り組んでいるウイルスの早期高感度検査と感染防止策をテーマとして、特に農学と工学の異分野融合から生まれる革新的な技術開発についての最新の知見を紹介しました。
講演では、研究拠点を務める、本学大学院自然科学研究科(工学系)の世良貴史教授が「先導・革新的人工核酸結合タンパク質を用いたウイルス不活性化技術の確立と社会実装について」と題して講演。世良教授らが開発した、標的ウイルスの遺伝情報である「ゲノムRNA」を短時間で切ることのできる“人工のハサミ”「人工RNA切断酵素」の開発とその植物への応用例について紹介しました。
また、補完研究機関である鹿児島大学学術研究院工学域工学系の新地浩之助教が「糖鎖ナノテクに基づくウイルスの超高感度検査法の開発」と題して講演。同大学の隅田泰生教授らが開発したナノテクノロジーを応用したウイルスの超高感度検出技術について実例をもとに紹介しました。
参加者は、会場となった沖縄県の植物ウイルス対策の関係者ら以外にも、日本各地から研究者や企業、自治体関係者などが参加。異なる研究領域の融合から生まれる、今までにない技術開発とその社会実装について熱心に議論を重ねました。
また、シンポジウムでは、補完研究機関である琉球大学農学部の関根健太郎准教授らが開発した、今まで判別が困難であった植物ウイルスの二本鎖RNA網羅的検出技術(DECS法)を利用した早期検出キットと病害対策のあり方について考えるワークショップを開催。参加者らが実際にキットを使いながらの実習が行われ、現場での利用促進についての議論を行いました。
今後も活発な研究と開発を行い、そこで得られた叡智の普及と共に社会で問題となっているウイルス対策を異分野融合のもと、精力的に押し進めて行きます。
農林水産省革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究):http://www.okayama-u.ac.jp/user/ibunyapj/index.html
<参考:革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム(過去3回)>
第14回 革新的なウイルス対策で地域養鶏畜産業の保護・活性化を図る
第15回 日中の叡智でウイルスから動物と植物を守る
第16回革新的技術で牛白血病ウイルス(BLV)から牛を守る
人工核酸結合タンパク質を用いたウイルス不活性化技術について紹介する世良貴史教授
糖鎖ナノテクに基づくウイルスの超高感度検査法の開発について紹介する鹿児島大学の新地浩之助教
シンポジウムのモデレーターを務める琉球大学の関根健太郎准教授
DECS法を用いた早期検出キットの実習を行う参加者ら
農業の現場では、さまざまなウイルスによって経済的・社会的な損失が発生しており、世界的に大きな問題となっています。これらの状況を打開するため、さまざまなウイルス感染から植物を守る早期診断法や感染防止の薬剤などの研究開発が強く求められています。
今回のプラットフォームシンポジウムは、本事業で取り組んでいるウイルスの早期高感度検査と感染防止策をテーマとして、特に農学と工学の異分野融合から生まれる革新的な技術開発についての最新の知見を紹介しました。
講演では、研究拠点を務める、本学大学院自然科学研究科(工学系)の世良貴史教授が「先導・革新的人工核酸結合タンパク質を用いたウイルス不活性化技術の確立と社会実装について」と題して講演。世良教授らが開発した、標的ウイルスの遺伝情報である「ゲノムRNA」を短時間で切ることのできる“人工のハサミ”「人工RNA切断酵素」の開発とその植物への応用例について紹介しました。
また、補完研究機関である鹿児島大学学術研究院工学域工学系の新地浩之助教が「糖鎖ナノテクに基づくウイルスの超高感度検査法の開発」と題して講演。同大学の隅田泰生教授らが開発したナノテクノロジーを応用したウイルスの超高感度検出技術について実例をもとに紹介しました。
参加者は、会場となった沖縄県の植物ウイルス対策の関係者ら以外にも、日本各地から研究者や企業、自治体関係者などが参加。異なる研究領域の融合から生まれる、今までにない技術開発とその社会実装について熱心に議論を重ねました。
また、シンポジウムでは、補完研究機関である琉球大学農学部の関根健太郎准教授らが開発した、今まで判別が困難であった植物ウイルスの二本鎖RNA網羅的検出技術(DECS法)を利用した早期検出キットと病害対策のあり方について考えるワークショップを開催。参加者らが実際にキットを使いながらの実習が行われ、現場での利用促進についての議論を行いました。
今後も活発な研究と開発を行い、そこで得られた叡智の普及と共に社会で問題となっているウイルス対策を異分野融合のもと、精力的に押し進めて行きます。
農林水産省革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究):http://www.okayama-u.ac.jp/user/ibunyapj/index.html
<参考:革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム(過去3回)>
第14回 革新的なウイルス対策で地域養鶏畜産業の保護・活性化を図る
第15回 日中の叡智でウイルスから動物と植物を守る
第16回革新的技術で牛白血病ウイルス(BLV)から牛を守る
人工核酸結合タンパク質を用いたウイルス不活性化技術について紹介する世良貴史教授
糖鎖ナノテクに基づくウイルスの超高感度検査法の開発について紹介する鹿児島大学の新地浩之助教
シンポジウムのモデレーターを務める琉球大学の関根健太郎准教授
DECS法を用いた早期検出キットの実習を行う参加者ら
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