2019年7月27日土曜日

【情報発信】大学と企業の「組織」対「組織」の産学共創を集中的にマネジメント! 社会に新たな価値を生む共創活動の中核組織として「岡山大学オープンイノベーション機構」を設置

岡山大学は、企業等との「組織」対「組織」の事業創出や大型共同研究などから、社会に新たな価値を生み出すため、専門的な人材によって集中的にマネジメントする中核組織として、学長直轄組織「岡山大学オープンイノベーション機構」(略称:岡大OI機構)を6月26日に設置しました。
 
岡大OI機構では、主に競争領域の大型共同研究の共創・推進、さらに競争領域※1と非競争領域※2の狭間での新規事業創出モデルの構築などを通じて、社会課題の解決やSociety5.0社会におけるより良い生活環境の提供などを共感と挑戦を持って取り組みます。
 
また、大学における財政基盤や研究力の強化、人材育成などの大学改革をも加速させ、社会に対して新たな価値を提供し続けられる大学としての存在感の強化を進めます。


■概要
1.岡山大学オープンイノベーション機構で取り組むことの意義と目的
政府の「未来投資戦略2018」(平成30年6月15日閣議決定)において、2025年までに企業から大学、国立研究開発法人等への投資を3倍増(2014年比)とすることを目指すことが決定しています。また、文部科学省においても、「組織」対「組織」の本格的な産学官連携が推進されています。産業構造が資本集約型から知識集約型に大きく転換する中で、企業は自前主義から脱却し、大学等の総合力を活用した多様性のある活動の重要性が高まっています。


こうした社会的状況をふまえ、本学では6月26日、企業等との「組織」対「組織」の事業創出や大型共同研究などから、社会に新たな価値を生み出すため、専門的な人材によって集中的にマネジメントする中核組織「岡山大学オープンイノベーション機構」を設置しました。

岡大OI機構は、企業の研究開発部門との産学連携のみならず、製造部門や事業部門も含めた各階層における企業との「組織」対「組織」の共創によって、大型共同研究を推進します。


また、非競争領域と競争領域の狭間での新規事業創出モデルの構築などの早い段階からの共創マネジメントも強化します。これらの活動を通じて大型共同研究の共創・推進し、社会課題の解決やSociety5.0社会におけるより良い生活環境の提供などを共感と挑戦を持って取り組みます。

さらに本学における財政基盤や研究力の強化、人材育成などの大学改革をも加速させ、社会に新たな価値を提供し続けられる大学としての存在感の強化を進めます。

2.岡大OI機構の体制
岡大OI機構は、那須保友(なす やすとも)理事(研究担当)・副学長を機構長に、大型共同研究を行う研究開発プロジェクトを置く「プロジェクトマネジメント部門」、プロジェクトの法務、知財、財務、人事等の業務を支援する「プロジェクトサポート部門」、これらを統括する「事業統括部門」の3部門で構成。事業統括部門では、事業全体を指揮する統括クリエイティブマネージャー(略称:統括CM)として、長年企業で医薬品開発に携わり、代表取締役社長の経験もある神川邦久(かみかわ くにひさ)大学院医歯薬学総合研究科教授が担当します。


岡大OI機構は、学長直轄による迅速で大胆な取組が可能な「出島」として扱い、統括CMが個々のプロジェクトを横断的にマネジメントします。岡大OI機構で扱う大型産学共創は、従来の財務会計データを基にした「管理会計システム」を取り入れ、そのプロジェクトにかかる資金フローと業績測定を行い、プロジェクト全体のアウトプットを経営トップの学長に届けます。


岡大OI機構では、管理会計システムを組織内コミュニケーションツールや横断的評価のための予算管理システムとして位置づけ、ここから得られる情報をもとに、大型産学共創研究の進捗管理と、将来の社会実装に向けた経営トップの意思決定を行う予定です。

また、既存の組織との連携として、研究力強化促進や非競争領域における企業連携マネジメントを担う研究推進機構や、学部・研究所・研究科と連携し、競争領域における大型共同研究をマネジメントします。


運営経費は、企業からの共同研究費(間接経費)や新たに導入する戦略的産学連携経費、ライセンス収入等から捻出し、大学におけるプロフィットセンターを目指します。


3.岡大OI機構でまず取り組む分野
岡大OI機構では、「すべての人にWell-being※3を!~快適な人生100年時代を歩むための価値転換と健康寿命延伸を支える新産業拡大を実現するオープンイノベーション機構~」という野心的な変革ビジョンの下、まず取り組む領域として、(1)未病・予防を支える「精密ケア医療分野」、(2)口腔から全身の健康寿命延伸に着目した「オーラルヘルスケア分野」、(3)ライフサイクルの変革をもたらす「Well-beingサイエンス分野※4」の3つのコア分野を設定し、研究領域や学部等を横断したプロジェクトを展開する予定です。


(1)精密ケア医療分野
・バイオバンク・ゲノム医療プロジェクト
・分子イメージングプロジェクト
・ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)プロジェクト
・再生・遺伝子医薬・細胞医薬・医療機器開発プロジェクト


(2)オーラルヘルスケア分野
・歯科材料プロジェクト


(3)Well-beingサイエンス分野
・スポーツ・生殖・ヒューマンテクノロジープロジェクト


これらの分野は、特定の産業界・企業だけではなく、新規参入や中小・ベンチャー企業、特にきらりと光るテクノロジーを持つスタートアップ企業などと共に進めていきます。

とりわけ、スタートアップ企業等は大学病院や研究室などと提携を始めるのが困難であると感じたり、共創活動に壁を感じたりすることなどが多いですが、岡大OI機構では積極的にスタートアップ企業等の参画を進め、失敗を容認し次につなげるポジティブな挑戦的活動を重視していきます。

また、岡大OI機構の拡大を進めるにあたり、将来的には上記3分野以外にも拡大していく予定であり、この拡大にはさまざまなステークホルダーと共に進めていきます。


今後、岡大OI機構における大きな産学共創プロジェクトをいくつか準備しています。ぜひ岡大OI機構の活動にご注目ください。


■補足・用語説明
1)競争領域
企業の事業戦略に深く関わる領域、あるいは大学と企業等で、企業の研究開発部門のみならず製造部門・事業部門も含めたクローズの共同研究が実施される研究領域を想定しています。


2)非競争領域
学術論文の発表が可能で、大学等や複数の民間企業において研究開発成果に関する情報の共有が可能な基礎的・基盤的研究領域を想定しています。


3)Well-being
Well-being(ウェルビーイング)は、「Happiness」、「Wellness」、「Medicine」、「Care」を俯瞰し、身体的、精神的、社会的な豊かさです。誰もが望み、人類全体の幸福追求でもあります。「人生100年時代」と言われる今日、その生を終える時まで持続するものです。国連主導で、わが国も注力する「持続可能な開発目標(SDGs)」もWell-beingを最重要としています。
 
4)Well-beingサイエンス分野Well-beingを進める中で、きらりと光るテクノロジーの活用により、従来の商品・サービスと劇的に変わるものを提供することが可能です。しかし、技術先行型であったり、人に寄り添うヒューマン・テクノロジーに適さないものなどもあり、使用者が利用するのに億劫になったり、疲労を感じる場合もあります。「苦」に起因する価値を「わくわく」へと転換する際に、利用者視点重視のもとWell-beingとサイエンス(技術)の適切な融合を進める挑戦的な分野です。

 
<お問い合わせ>
岡山大学 研究協力部長 坂口浩司
(電話番号)086-251-8410

(FAX番号)086-251-7114

岡山大学 副理事(経営力強化担当)・URA 佐藤法仁(東京オフィス勤務)
(電話番号)03-6225-2905

(FAX番号)03-6225-2906

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id645.html

【情報発信】片頭痛治療を目指した卵円孔開存のカテーテル閉鎖術:国内初の医師主導治験を開始

◆発表のポイント
  • 前兆のある片頭痛と、卵円孔(心臓の左右の心房間の隙間)開存の関連性が指摘されてきましたが、片頭痛の治療として卵円孔閉鎖術の有効性は科学的に証明されていません。
  • 岡山大学病院では、薬を用いても十分な改善の得られない前兆のある片頭痛の患者さんに対し、新しい卵円孔閉鎖栓を用いた国内初の医師主導治験を8月から開始します。


片頭痛とは、ズキズキとした拍動性の痛みが特徴の強い頭痛です。わが国では片頭痛のために年間約3000億円の経済的損失が発生していると言われ、社会的に大きな影響を与えています。

これまでの研究で、前兆のある片頭痛の方は約50%に卵円孔があると言われており、卵円孔開存のある方は通常の方と比べると3.2倍の確率で前兆のある片頭痛があることが報告されています。このため前兆のある片頭痛と卵円孔開存の関連性があるのではないかと考えられていますが、卵円孔を閉じて前兆のある片頭痛が改善するかどうか、科学的に証明されていません。

もしも卵円孔を通過する物質が何らかの片頭痛の引き金の物質を放出し、最終的に片頭痛が起こるのであれば、卵円孔を閉鎖することでこの物質が脳に到達することを防ぎ、頭痛の引き金となる神経伝達物質の放出を抑制し、最終的に片頭痛の頻度が低下するのではないかと推測しています。

そこで岡山大学病院では、薬を用いても十分な改善の得られない前兆のある片頭痛の患者さんに対し、新しい卵円孔閉鎖栓を用いた国内初の医師主導治験を8月より開始します。


◆研究者からのひとこと
岡山大学では2015年から、自由診療として片頭痛の治療を目的とした卵円孔のカテーテル閉鎖術を行ってきました。この成果をもとに、治療の対象を前兆のある片頭痛の方に絞って、治験を実施することになりました。患者さんにとっても医療スタッフにとっても厳しい治験になりますが、片頭痛に悩む患者さんにとって有効な新しい治療法をお届けしたいと思っています。
赤木准教授



<詳しい研究内容について>
片頭痛治療を目指した卵円孔開存のカテーテル閉鎖術:国内初の医師主導治験を開始

添付資料1
添付資料2
添付資料3

<お問い合わせ>
岡山大学病院 循環器内科
准教授 赤木禎治 (あかぎ ていじ)
(電話番号)086-235-7351
(FAX)086-235-7353




http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id648.html


【情報発信】岡山大学が「次世代医療機器連携拠点整備等事業」に採択

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の平成31年(令和元年)度「次世代医療機器連携拠点整備等事業」に、岡山大学が採択されました。

本事業は、平成26年度より5年間実施した国産医療機器創出促進基盤整備等事業等の成果を活用しつつ、医療機器を開発する企業の人材育成拠点を増やし、更に各医療機関ならではの特色を活かした、医療機器産業の振興につながる魅力あふれる拠点を整備することを目的とするものです。本学を含め14施設が採択されました。

本学は「オープンイノベーションと事業化推進を目指した医療機器開発中核拠点整備」を整備目標として掲げています。岡山大学病院と連携5病院で構成するメガホスピタルのスケールメリットを生かし、医学のみならず看護、介護、リハビリテーション、歯科領域、在宅医療など幅広い医療ニーズの収集システムを構築するとともに、大学、行政、産業界が緊密に連携することで、価値あるビジネスモデルの創出、企業マッチング、事業化をシームレスに実施していきます。

本事業採択を受け、これまでの5年間の実績をもとに医療機器開発人材の育成と、更なる医療の発展を目指していきます。

●AMED平成31年(令和元年)度 「次世代医療機器連携拠点整備等事業」の採択についてはこちら


【本件問い合わせ先】
岡山大学病院 研究推進課
TEL:086-235-6088


岡山大学研究推進機構 医療系本部
TEL:086-235-6979



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8663.html


【情報発信】中国浙江大学医学部生が来学し「岡山大学夏期プログラム」を受講

7月22~25日、中国浙江省浙江大学の医学部生40人が来学し、本学の医学教育の一端を体験する「岡山大学夏期プログラム」を受講しました。

本プログラムは、日中両国の大学交流を推進する特定非営利活動法人・日中留学推進機構の協力のもと実施しており、今年度で2回目となります。

伊達勲医学科長が「浙江大学の皆さんの来訪を熱烈に歓迎します」とあいさつ。本学や岡山地域の紹介を行い、プログラムがスタートしました。医学系の特別講義もあり、大学院医歯薬学総合研究科(医)の中尾篤典教授が「救命救急・災害医学」、鵜殿平一郎教授が「腫瘍免疫学」、黄鵬助教が「遺伝子治療、日本の医療制度、医学教育」、王登莉助教が「脳出血の抗体治療」、森松博史教授が「周術期管理」、岡山大学病院総合内科・総合診療科の原田洸医師が「身体診察」、医療技術部(臨床工学部門)の平山隆浩臨床工学技士が「日本の臨床工学技士」について講義。その他にも医療教育センターやヘリポートの見学など、盛りだくさんの内容を提供しました。プログラムの最後には、伊達医学科長から修了書の授与を行いました。

学生たちは、大阪、京都などで日本文化を体験した後、帰国します。

今回の訪問により、浙江大学と本学の関係がさらに深まり、教職員間や学生間で交流が発展していくことや、医療系キャンパスのさらなるグローバル化につながることが期待されます。

【本件問い合わせ先】
大学院医歯薬学総合研究科等学務課
TEL:086-235-7020





http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8670.html


2019年7月26日金曜日

【情報発信】口の中のアセトアルデヒド濃度に影響する舌表面の細菌の特徴を解明!

◆発表のポイント

  • 口の中において、発がん性物質であるアセトアルデヒドの濃度が高い人は、舌表面の細菌の数や種類が多いことがわかりました。
  • 口の中のアセトアルデヒド濃度が高い人の舌表面には、Genella sanguinis、Veillonella parvula、Neisseria flavescensと呼ばれる細菌が多く存在することを解明しました。
  • 口の中の細菌の種類とがんとの関係を明らかにする研究に役立つ可能性が示されました。

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)の森田学教授と横井彩医員、岡山大学病院新医療研究開発センターの丸山貴之助教、同病院医療支援歯科治療部の山中玲子助教、および北海道がんセンターの秦浩信歯科口腔外科医長らのグループは、口の中のアセトアルデヒド濃度に影響する舌表面の細菌の特徴を解明しました。
 
舌表面に生息する細菌の数や種類が多くみられる人、さらに、Genella sanguinis、Veillonella parvula、Neisseria flavescensと呼ばれる細菌の占める割合が高い人は、口の中のアセトアルデヒド濃度が高いことを発見しました。これらの研究成果は6月13日、ブラジルの歯学雑誌「Journal of Applied Oral Science」に掲載されました。
 
アセトアルデヒドは発がん性があるため、舌表面にこれらの細菌が多く認められることは、舌がんをはじめとする口腔がんの発症に影響するかもしれません。今後は、がん患者や、飲酒・喫煙者などを対象に舌上の細菌の特徴を解明していきます。

◆研究者からのひとこと
私たちの舌表面には多くの細菌が存在しています。その種類は700以上あり、複雑なネットワークを築いています。人に悪影響を及ぼす細菌が増えて、口の中の環境破壊を引き起こさないよう、人と細菌とが共生できる社会(口腔内環境)を目指していきます。
横井医員

■論文情報
論 文 名:Relationship between acetaldehyde concentration in mouth air and characteristics of microbiota of tongue dorsum in Japanese healthy adults: a cross-sectional study
邦題名「健康な日本人における口の中のアセトアルデヒド濃度と舌表面における細菌叢の特徴について(横断研究)」
掲 載 紙:Journal of Applied Oral Science
著  者:Aya Yokoi, Daisuke Ekuni, Hironobu Hata, Mayu Yamane-Takeuchi, Takayuki Maruyama, Reiko Yamanaka, Manabu Morita
D O I:10.1590/1678-7757-2018-0635.


<詳しい研究内容について>

口の中のアセトアルデヒド濃度に影響する舌表面の細菌の特徴を解明!

<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)
教授 森田 学
(電話番号)086-235-6712
(FAX)086-235-6714




http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id647.html