2017年2月27日月曜日

【情報発信】馬教授、山地准教授が世界で影響力の高い科学者に2年連続で選出

Clarivate Analytics (旧トムソン・ロイター IP & Science)社が発表した高被引用論文著者(Highly Cited Researchers)2016年版に、岡山大学資源植物科学研究所植物ストレス学グループの馬建鋒教授、山地直樹准教授が選ばれました。

馬教授、山地准教授は、植物が養分を吸収する仕組みや有害金属を無毒化・蓄積する仕組みを遺伝子レベルで研究。長年の世界を先導する研究業績が評価され、「植物・動物学/ Plant & Animal Science」分野での選出につながりました。本選出は、昨年に続き2年連続です。

3年目の発表となるこのリストは、科学研究の各分野において世界で最も高い影響力を持つ科学者を論文の引用動向から分析して選出したもので、自然科学および社会科学の21の研究分野において、2004年1月から2014年12月の11年間に発表された論文のうち、被引用数が非常に高い論文を発表した研究者3,000人以上が選出されています(うち、日本の研究機関に所属する研究者は76人)。引用数が顕著に高い論文は意義深く有益であると判断された1つの目安となり、世界的に大きな注目を集めています。

論文の引用分析による世界で影響力を持つ科学者(Clarivate Analytics社):
http://ip-science.thomsonreuters.jp/highly-cited-researchers/



2年連続で高被引用論文著者に選ばれた馬教授(右)と山地准教授
 

2017年2月21日火曜日

【情報発信】岡山大学・ウェイン州立大学共同研究室(OU-SCEED)開所記念シンポジウムを開催

岡山大学は、アメリカ・ミシガン州デトロイト市にあるウェイン州立大学との国際共同研究の強化推進を目的として「岡山大学・ウェイン州立大学共同研究室(OU-SCEED)」を設置、2月20~21日に開所記念シンポジウムを開催しました。

本学からは、山本進一理事・副学長(研究担当)、古矢修一副理事(研究担当)・URA、宇根山絵美学長特命(研究担当)・URA、妹尾昌治副学長(国際連携大学院担当)・教授、加来田博貴准教授、妹尾彬正助教が参加。本学におけるこれまでの教育研究活動とともに、国際共同研究戦略について、同大学のケイト・ホイットフィールド(Keith Whitfield)プロボスト(統括副学長)とステファン・ライナー(Stephen Lanier)研究担当副学長らと会談を行いました。

開所記念シンポジウムは、同大学の産学連携拠点IBioセンターで行われました。はじめにライナー研究担当副学長がこれまでの本学との教育研究連携と共にOU-SCEED開所の経緯を説明しました。次に山本理事が本学の研究戦略について講演。続いて妹尾副学長・教授がOU-SCEEDで主に取り組む
「がん幹細胞研究」について講演。参加した研究者や産業界の関係者らと研究内容と今後の共同研究の方針などについて熱心に議論を行いました。
翌21日には、同大学のジャクリン・アサリアン(Jaclyn Assarian)国際室副室長とウェイン・ラスキンド(Wayne Raskind)学部長らと国際研究戦略の会談を行った後、今回の訪問中に面談の機会を得たデトロイト日本商工会の植田事務局長ともこれを機に今後の地域周辺の情報交換や相互協力について確認することが出来ました。

本学とウェイン州立大学は、
2014年2月に大学間協定を締結し、これまでに主に医療・バイオ系の教育研究交流を行って来ました。同大学は、本学の約2倍規模の教育研究施設を有する州立大学で、学生数は約3,200人。そのうちの約2,000人が世界中からの集まって来ており、集中英語コースなどの日本人向けプログラムも用意されています。また、研究費の大きさが注目されており、各種世界大学ランキングでも高いランクにあります。これら世界的にレベルの高い研究教育機関との実質的な連携を強化促進していくことで、本学の強みある分野の世界レベルの維持と更なる高みを戦略的に進めて行きます。

なおOU-SCEED開所記念シンポジウムは、本学が採択されている
文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されました。

OU-SCEED : Okayama University Research Laboratory of Stem Cell Engineering in Detroit.

ウエイン1.jpgホイットフィールドウェイン州立大学プロボストとの意見交換
 
ウエイン2.jpgホイットフィールドウェイン州立大学プロボストと山本理事・副学長(研究担当)(左)
ウエイン3.jpgOU-SCEED開所記念シンポジウムで挨拶を行うウェイン州立大学のライナー副学長(研究担当)
 
ウエイン4.jpg岡山大学の研究戦略について講演する山本理事・副学長(研究担当)
ウエイン5.jpg講演を行なう妹尾副学長(国際連携大学院担当)・教授
 
ウエイン6.jpgOU-SCEED開所記念シンポジウムに参加した面々
ウエイン7.jpg
OU-SCEED開所記念シンポジウム会場となったウェイン州立大学IBioセンター
 
ウエイン8.jpg
ウェイン州立大学に開設された共同研究室(OU-SCEED)の実験室

2017年2月10日金曜日

【情報発信】酸化グラフェン系材料の量産試作に成功 ―日本触媒がサンプルワークを開始、新規需要開拓を推進―

株式会社日本触媒は、酸化グラフェン系材料の量産試作に成功しました。日本触媒は、これまで培ってきた化学品製造における化学反応を安定に進行させる制御技術と共同研究実施先である岡山大学がこれまでに解明した酸化グラフェンの生成メカニズムに関する学術的な知見を融合、活用することにより、酸化反応における種々の課題を解決し、量産試作に成功しました。

酸化グラフェン系材料は厚さが極めて薄く(炭素原子1個分~数層)かつ数μm角レベルの大面積という従来にない優れた特性を有しています。今回の量産試作において、生産量が従来のラボレベルから数十倍まで向上したことから、日本触媒はサンプルワークを開始し、新規需要開拓を推進していく予定です。


<詳しい内容について>
酸化グラフェン系材料の量産試作に成功 ―日本触媒がサンプルワークを開始、新規需要開拓を推進―

詳細については、2017年2月15日から17日に東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2017」のNEDOブースおよび「コンバーティングテクノロジー総合展2017」の新機能性材料展の日本触媒ブースでそれぞれ発表予定です。


 「nano tech 2017」

http://www.nanotechexpo.jp/main/index.html

「コンバーティングテクノロジー総合展2017」

http://convertechexpo.com/


本プロジェクトは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実用化プロジェクト「低炭素社会を実現するナノ炭素材料実用化プロジェクト」の支援を受けています。

<お問い合わせ>
 岡山大学異分野融合先端研究コア 准教授 仁科勇太
TEL:086-251-8718
日本触媒 開発部 担当:藤井
TEL:06-6223-9157(サンプル提供についてのお問い合わせ先)
NEDO 材料・ナノテクノロジー部 担当:小久保、畠
TEL:044-520-5220

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id445.html


【情報発信】遺伝子発現制御を高感度で検出する新手法を開発~透明にした植物内部でそのまま観察することが可能に~

1つの個体は、同じゲノムDNAを持ちながらも、根や葉などのさまざまな異なる器官や組織へと分化します。それを可能にしているのが、DNAやヒストンに“目印”として化学的変化(エピジェネティック修飾)を引き起こし、必要な遺伝子のオン/オフの切り換え(遺伝子発現制御)を行う仕組みです。

岡山大学資源植物科学研究所の長岐清孝准教授、山地直樹准教授と村田稔教授は、植物組織を透明化するClearSee法を改良。エピジェネティック修飾を検出する抗体の浸透効率を向上させ、遺伝子発現制御を高感度で検出する「ePro-ClearSee法」を世界で初めて開発しました。本研究成果は2月8日(英国時間午前10時)、英国の科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。
本研究成果により、組織や個体レベルでの遺伝子発現制御機構の解明に貢献することが期待されます。

<本研究のポイント>
●細胞組織内で遺伝子発現制御を観察することは非常に困難だった。
●植物を丸ごと透明化するClearSee法を改良した「ePro-ClearSee法」を開発。透明化した植物組織内での遺伝子発現制御を可視化することに成功した。
●タンパク質の局在解析に利用され、植物の遺伝子発現制御ネットワークの解明が期待される。

<詳しい研究内容について>
遺伝子発現制御を高感度で検出する新手法を開発

<論文情報等>
 論文名:ePro-ClearSee: a simple immunohistochemical method that does not require sectioning of plant samples
著者:Kiyotaka Nagaki, Naoki Yamaji, Minoru Murata
掲載誌:Scientific Reports
DOI:10.1038/srep42203(
発表論文はこちら

<お問い合わせ>
岡山大学資源植物科学研究所
准教授 長岐清孝
(電話番号)086-434-1208
(FAX番号)086-434-1208


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id444.html

2017年2月9日木曜日

【情報発信】アジア環境再生特別コースコロキウムと環境生命科学シンポジウムを開催

岡山大学大学院環境生命科学研究科は1月23日にDebrief Session of the Project Researches on “Environmental Rehabilitation in Asia”(アジア環境再生特別コースコロキウム※)、1月24日にInternational Symposium on Environmental and Life Science(環境生命科学シンポジウム)を、自然科学研究科棟大講義室で開催しました。いずれも、海外からの招待者による講演に加えて大学院生による英語での発表、討論があり、活発な議論が繰り広げられました。
コロキウムでは、同コースの博士前期課程の学生9人が英語で発表。シンポジウムでは、環境生命科学研究科学生奨励研究費を授与された博士後期課程の学生25人によるフラッシュトーク(英語による短時間での研究概要紹介)に続き、ポスターセッションを行いました。会場は、学部学生を含め100人を越える来場者でにぎわい、専門分野の異なる研究者による活発な議論が英語で展開されました。
環境生命科学研究科学術研究委員会による審査の結果、博士後期課程2年NGUYEN Thi Thuy Hangさん、同3年MAH Chooi Meiさん、同2年HOANG Ngoc Tuong Vanさんの3人に「Best Presentation Award」が授与されました。

本研究科では、研究科の理念の一つである異分野融合をさらに推進するため、また、スーパーグローバル大学創成支援事業の一環として国際的な視野と高度な専門的能力を有する人材育成のため、来年度以降もこのような取り組みを続けていきます。

※アジア環境再生特別コース
深刻さを増すアジアの環境問題を解決するためには循環型技術の普及だけでは不十分であり、その国の社会や文化を理解した上で、国や地域に適した循環型社会を形成することが重要です。そのような理解に立ち、本特別コースはアジア環境再生に向けて国際的なリーダーシップを発揮できる人材を養成することを目指しています。

【本件問い合わせ先】
自然系研究科等総務課戦略グループ
TEL:086-251-8005



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id6459.html


2017年2月6日月曜日

【情報発信】岡山県鏡野町と寄付研究部門の設置に関する協定を締結

岡山大学は2月1日、岡山県鏡野町と寄付研究部門の設置に関する協定を締結しました。本学が4月に開設する「岡山大学中性子医療研究センター」において、鏡野町からの寄付による寄付研究部門として「国際連携部門」を設置します。同センターでは、最新のがん治療法であるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の研究や教育に取り組み、革新的で全世界に輸出可能ながん治療法の確立を目指します。
調印式には、森田潔学長、山本進一理事・副学長(研究担当)、鏡野町の山崎親男町長、小椋晶志町議会議長らが出席。森田学長と山崎町長が協定書にサインし、握手を交わしました。森田学長は「本協定締結は、今までの鏡野町との取り組みをさらに充実・発展させるものであり、本学の研究力を結集し、全世界に輸出可能ながん治療法の確立に向けて邁進したい」とあいさつしました。
本協定は、本学が積み重ねてきた基礎研究を基盤とし、2016年10月に締結した本学と国際原子力機関(IAEA)による最新のがん治療法であるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に関する協定を踏まえて、近い将来の臨床応用を目指した中性子医療研究を加速させることを目的としたものです。

○寄付研究部門
民間企業等からの寄付を有効に活用して本学の主体性の下に研究部門を設置・運営し、本学における研究の進展及び充実に資するために設置するもので、本学では今回が初めてです。

【本件問い合わせ先】
研究推進産学官連携機構社会連携本部
教授(特任)市川康明
TEL: 086-251-8460



握手を交わす森田学長(左)と山崎町長
 

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id6452.html
 

2017年2月3日金曜日

【情報発信】「集まれ!科学への挑戦者」高校生が研究成果をポスター発表

岡山大学、岡山理科大学、倉敷芸術科学大学、津山工業高等専門学校、岡山県などでつくる「科学Tryアングル岡山」は1月22日、岡山県下の高校生(意欲のある中学生を含む)を対象とし、自然の諸問題に科学的かつ主体的にチャレンジした研究成果を発表するポスター発表会「集まれ!科学への挑戦者」を本学自然科学研究科棟で開催しました。

今年度は、例年を超える19校70件の発表があり、200人を超える高校生らが参加しました。本学に一堂に会した高校生は、研究結果について、活発な発表や意見交換、教員による指導を実施。表彰式では、各発表に対して、「熱意・説得力」「研究動機・企画」「工夫」「結果」の4項目を大学教員14人で構成する審査委員が審査し、28件(優秀賞7件、奨励賞21件)を表彰しました。

科学Tryアングル岡山 連携教育推進センターの原田勲センター長(本学名誉教授)は「この日の大学教員などとの議論が、参加した中高生のさらなる飛躍・発展の第一歩となることを期待したい」と話しています。
本取り組みは、科学リテラシーの獲得とプレゼンテーション能力の向上を目指して、2014年から開催され、今年で3回目です。
科学Tryアングル岡山:
岡山の主要3都市(岡山、倉敷、津山)に位置する自然科学系大学、高専等が、それぞれの特徴と教育研究資源を結集して「科学Tryアングル岡山」を組織。「科学による地域の活性化」に挑戦(Try)します。中核組織「連携教育推進センター」がそのエンジンとなり、多角的な視点から科学を見つめ、究め、育み、楽しみ、そして科学で広げる5つのプロジェクトを実施しています。

【本件問い合わせ先】
「集まれ!科学への挑戦者」実施事務局(岡山大学学務部内)
(電話番号)086-251-7170
(FAX番号)086-251-8440

 

研究成果を発表する高校生ら
 

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id6448.html

【情報発信】Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.33 発行

岡山大学は1月26日、本学の強みである医療系分野の研究成果について、革新的な基礎研究や臨床現場、医療産業等に結びつく成果を英語で情報発信するWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」Vol.33を発行しました。
2012年より本学では、研究成果や知的財産活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年4回発行。国際科学雑誌「Science」を扱うAAAS(米国科学振興協会)のメーリングリストを利用し、世界の研究者等にニュースやトピックスを交えて配信し、本学の海外への情報発信を強化と国際的知名度の向上を推進しています。
OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、強みある医療系分野の更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行。

 本号では、
大学院医歯薬学総合研究科(医学系)消化器外科学分野の藤原俊義教授と岡山大学病院新医療研究開発センターの田澤大准教授らの、広がったがん細胞へ選択的に治療薬を届ける新技術を開発を紹介しています。
藤原教授と田澤准教授、株式会社林原の中村修治研究員らの研究グループは、2006年に林原が開発した新規の制御性T細胞「HOZOT(ホゾティ)」を用いて、腫瘍融解ウイルス製剤をがん細胞へ選択的に運搬する技術の開発に成功しました。HOZOT細胞は、ヒト臍帯血から樹立された新規の制御性T細胞で、がん細胞へ選択的に侵入する機能を有しています。今後、腫瘍融解ウイルスを搭載したHOZOT細胞を用いたウイルス療法の臨床開発を進めていくことで、将来的にヒトへの投与が可能となれば、進行したがん患者の生存率を改善できる可能性が期待されます。

岡山大学は、平成25年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、
「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築のため、強みある分野の国際的な情報発信を力強く推進していきます。また、強みある医療系分野から生み出される成果を社会や医療現場が求める革新的技術として、より早く届けられるように研究開発を推進していきます。
なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。

Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.33:
Attacking Tumors from the Inside


<Back Issues:Vol.26~Vol.32>
Vol.26:
Protein for preventing heart failure (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)片野坂友紀助教)
Vol.27:
Keeping cells in shape to fight sepsis (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)西堀正洋教授)
Vol.28:
Viral-based therapy for bone cancer (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)藤原俊義教授)
Vol.29:
Photoreactive compound allows protein synthesis control with light (大学院自然科学研究科(工学系)大槻高史教授)
Vol.30:
Cancer stem cells’ role in tumor growth revealed  (大学院自然科学研究科(工学系)妹尾昌治教授)
Vol.31:
Prevention of RNA virus replication (大学院自然科学研究科(工学系)世良貴史教授)
Vol.32:
Enzyme target for slowing bladder cancer invasion (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)竹田哲也助教)


<参考>
Okayama University

e-Bulletin//www.okayama-u.ac.jp/user/kouhou/ebulletin/

【本件問い合わせ先】
広報・情報戦略室
TEL:086-251-7293