岡山大学の研究力の強みのひとつである、「光技術分野」について、さらなる増強と異分野連携を探索するため、本学理学部附属界面科学研究施設とリサーチ・アドミニストレーター(URA)執務室は3月14日、「放射光科学による革新的イノベーションワークショップ」を本学津島キャンパスで開催しました。
「放射光」とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、磁石によって進行方向を曲げた時に発生する細く強力な電磁波のことで、創薬や電化製品など私たちの身の回りの数多くの品々の開発に役立てられています。
岡山大学は、世界最高の放射光施設である独立行政法人理化学研究所播磨事業所「SPring-8/SACLA」(兵庫県佐用町)にもっとも近地の総合大学であり、数多くの本学研究者が研究を進めています。また、広島大学放射光科学研究センター(HiSOR)には、岡山大学専用ビームライン(BL)を有しており、基礎研究開発に役立てられています。
今回のワークショップの開催にあたり、山本進一理事(研究担当)・副学長から、岡山大学の放射光研究の施策について紹介後、主催者を代表し本学大学院自然科学研究科(理学系)薄膜物性学研究室の横谷尚睦教授がHiSORの岡山大学BLでの人材育成や研究開発の現状について紹介しました。
また、高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所やHiSORなどからの招聘研究者らがそれぞれの取り組みについて、総括には文部科学省研究開発基盤課量子放射線研究推進室の神部匡毅室長補佐が行い、参加した学生や教職員、一般・企業の方々ら約40人と放射光科学の革新的な利活用について、熱心に対話を行いました。
本学は、昨年8月に文部科学省が選定した「研究大学強化促進事業」の支援対象大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」につながる積極的な研究推進・研究力向上を実施しており、今回のワークショップの成果も研究大学運営に活かして行きます。
岡山大学理学部附属界面科学研究施設:http://www.science.okayama-u.ac.jp/~surface/
放射光科学と創薬科学融合による革新的イノベーション創出ワークショップ:http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id3250.html
ワークショップ開催の挨拶と本学における放射光研究の進め方について語る山本進一理事(研究担当)・副学長。山本理事がこれまで長年携わってきた放射光研究関連のエピソードを交えてお話していただけました。
岡山大学の取り組みについて、HiSOR、SPring-8/SACLAを含めて紹介する本学大学院自然科学研究科(理)の横谷尚睦教授。岡山大学はHiSORの専用ビームラインを有し専従職員を配置して積極的な研究活動を進めています。また、SPring-8/SACLAにもっとも近い総合大学という位置柄、数多くの研究者が施設を利活用し、成果を出しています。
今回のワークショップの総括みならず、わが国の放射光研究のあり方などについて述べる文部科学省の神部匡毅室長補佐。神部室長補佐の総括をもとに今後、本学の放射光研究に不足している点を補い、かつそこから生まれるより良い研究施策をHiSORやSPring-8/SACLAなど全国の放射光施設に展開できるように研究戦略を練っていく所存です。
国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html
広島大学放射光科学研究センター(HiSOR):http://www.hsrc.hiroshima-u.ac.jp/
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