大学院医歯薬学総合研究科(薬)の三好伸一教授を中心に、「インド国を拠点とした下痢症感染症の予防-診断-創薬における国際協同研究」という課題を設定。インドにある「岡山大学インド感染症共同研究センター」を拠点に、下痢症の積極的動向調査や安価な経口ワクチンの開発研究、コレラ菌の環境適応に関する研究、下痢原因微生物等の変異、病原性、薬剤耐性に関する研究などを進めていきます。
< 概 要 >
本プログラムは、感染症がグローバル社会に対する脅威となっている現在、日本のみならずアジア・アフリカに海外研究拠点を展開。各地で蔓延している感染症に対する疫学研究、診断治療薬などの開発に向けた基礎的研究を推進し、感染制御に向けた予防や診断治療に資する医薬品、技術の開発、高度専門人材の育成を図るものです。
岡山大学の研究は、医学系、歯学系、保健学系、環境理工学系、大学病院、研究推進産学官連携機構知的財産本部、リサーチ・アドミニストレーター1)(URA)執務室などの「オール岡山大学体制」で臨むほか、国立感染症研究所や創薬支援ネットワーク、他の採択機関校などと連携していきます。
また本年は「日印科学技術協力協定締結30周年」です。本学が採択されている文部科学省「研究大学強化促進事業」2)や「橋渡し研究加速ネットワークプログラム橋渡し研究支援拠点」3)、厚生労働省「臨床研究中核病院整備事業」4)などといった強みのある研究系コア事業との連携も含め、世界が求める医療・研究を先導し、人類の発展に全力で貢献していきます。
< 背 景 >
岡山大学は平成19年9月、文部科学省の「新興・再興感染症研究拠点形成プログラム」に採択されており、インド西ベンガル州のコルカタ市にあるインド国立コレラ及び腸管感染症研究所(National Institute of Cholera and Enteric Diseases:NICED)に岡山大学インド感染症共同研究センターを設置。篠田純男センター長・特任教授をはじめ専任教員と事務職員を配置し、インド側研究者との密接な国際共同研究体制のもと、コレラや赤痢といった下痢症制圧プロジェクトを精力的に実施しています。
また、さらなる研究力の強化促進や両国の科学技術を通した友好促進のために、本学執行部が中核となりインド側と密な連携を取っています。3月14~23日には本学の山本進一研究担当理事・副学長、古矢修一研究担当副理事・リサーチ・アドミニストレーターらの訪問団がインドを歴訪。NICEDや首都ニューデリーにある国立トランスレーショナル健康科学技術研究所(Translational Health Science and Technology Institute:THSTI)、UNESCO支援生物工学センター(Regional Centre for Biotechnology:RCB)、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)ニューデリー事務所、ケーララ州トリバンドラム市にある国立ラジーヴ・ガンディー生物工学センター(Rajiv Gandhi Centre for Biotechnology:RGCB)などを訪れました。各研究機関の執行部、研究者らと共に感染症制圧に向けた具体的な情報・意見交換、研究シーズの日本-インド間橋渡しや知的財産を含めた国際共同研究の戦略などについて密な議論を実施しています5)。
なお、本事業所管省庁の組織・制度改革により、平成27年4月1日から国立研究開発法人日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development:AMED)が事業運用を担います。
< 補 足 >
1)リサーチ・アドミニストレーター(University Research Administrator:URA):
「岡山大学におけるURA」は、学長直属として組織・配置され、研究担当理事・副学長と共に行動する執行部の研究ブレーン組織。「学長特命(研究担当)」として、研究面で学長を補佐し、本学の研究方針の策定や大学改革の推進など経営的判断に立って行動する高度専門人材・組織です。
http://ura.okayama-u.ac.jp/
2)研究大学強化促進事業:
平成25年8月に文部科学省が全国の大学・研究機関から選定されました。大学等における研究力強化を促進し、世界水準の優れた研究活動の支援を目的とした事業です。22の大学、大学共同利用機関法人が選定され、本学は研究の量、質において世界的に存在感のある「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」を目指しています。
//www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id2681.html
3)橋渡し研究加速ネットワークプログラム橋渡し研究支援拠点:
平成26年9月に文部科学省に拠点として採択されました。本事業は、生命科学分野の基礎研究の成果を実際の医療に活用するための橋渡し研究(トランスレーショナル・リサーチ)を推進。基礎研究から実用化まで一貫した流れのもと、日本発の革新的な医薬品などを創出する体制を構築するものです。本学は「健康寿命の延伸を目指した次世代医療橋渡し研究支援拠点」という課題名のもと、日本の高齢化による新たな医療分野での研究開発を視野に見据え、医学、歯学、介護などの多様なニーズへ適切に対応できる橋渡し研究拠点を確立させます。(リリース(平成26年9月10日):文部科学省「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」橋渡し研究支援拠点に採択
//www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id3832.html
4)臨床研究中核病院整備事業:
平成25年4月に厚生労働省に選定されました。本事業は、日本発の革新的な医薬品・医療機器の創出等を目的に、国際水準の臨床研究、難病等の医師主導治験及び市販後臨床研究等の中心的役割を担う「臨床研究中核病院」の整備を目的としており、国内10機関が選定されています。岡山大学病院は、「臨床研究中核病院」として小児・稀少疾患難病等疾患別ネットワークを形成。医師主導治験でなければ実施困難な研究の支援や、国際水準の臨床研究において中心的役割を担います。
また、薬事開発の規制当局との高度な連携や、薬事承認を目指した研究を行う人材の育成、日本発の医薬品や医療機器の早期実用化、日本国内での医療産業化の加速を促し、社会に貢献できる体制を整備します。(リリース(平成25年4月23日):岡山大学病院が「臨床研究中核病院」に選定
//www.okayama-u.ac.jp/tp/topix/topix_id252.html
5)岡山大学ホームページ新着ニュース「研究担当理事らがインド歴訪 さらなる研究連携強化へ」(平成27年3月31日)
//www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id4464.html
< 参 考 >
岡山大学インド感染症共同研究センター:http://wwwcid.ccsv.okayama-u.ac.jp/
平成27年度「感染症研究国際展開戦略プログラム」(文部科学省):http://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/1356213.htm
報道発表資料はこちらをご覧ください
<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬)
教授 三好 伸一
(電話番号)086-251-7966
岡山大学インド感染症共同研究センター
センター長・特任教授 篠田 純男
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id285.html
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