2016年5月13日金曜日

【情報発信】温泉微生物の光受容体タンパク質の構造を決定-安定化原理の解明と光遺伝学への応用-

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬)の塚本卓助教、須藤雄気教授、千葉大学大学院理学研究科の水谷健二助教、村田武士教授らの共同研究グループは、高温の温泉にすむ微生物から初めて発見された、光受容体レチナールタンパク質「サーモフィリックロドプシン(TR)」の立体構造を解明しました。さらに、高い安定性をもたらす分子メカニズムの解明と、高い安定性を生かした神経活動の光制御にも世界で初めて成功しました。本研究成果は4月18日、アメリカ生化学・分子生物学会誌『The Journal of Biological Chemistry』電子版に掲載されました。

本研究成果は、タンパク質の熱耐性メカニズムの理解や、光による脳神経活動の制御技術の発展につながります。今後は、本タンパク質の熱耐性メカニズムを応用することで、不安定で研究の難しいタンパク質を安定化する技術の開発が期待されます。
 
 
TRの結晶(左図、写真)を作成し、X線回折データを解析することによって、TRの立体構造を明らかにした(中央、右図)。

 <詳しい研究内容について>
温泉微生物の光受容体タンパク質の構造を決定-安定化原理の解明と光遺伝学への応用-

 【論文情報】
掲  載  誌:The Journal of Biological Chemistry
論文タイトル:“X-ray Crystallographic Structure of Thermophilic Rhodopsin: Implications for High Thermal Stability and Optogenetic Function”
(サーモフィリックロドプシンのX線結晶構造:熱耐性メカニズムとオプトジェネティクスへの応用可能性の示唆)
著    者:Takashi Tsukamoto, Kenji Mizutani, Taisuke Hasegawa, Megumi Takahashi, Naoya Honda, Naoki Hashimoto, Kazumi Shimono, Keitaro Yamashita, Masaki Yamamoto, Seiji Miyauchi, Shin Takagi, Shigehiko Hayashi, Takeshi Murata and Yuki Sudo.
発表論文はこちらからご確認いただけます

【問い合わせ先】
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬)
教授 須藤雄気
(電話番号)086-251-7980


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id397.html

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