今回のセッションは、本学セキュリティ研究グループの研究力強化促進をさらに図ることなどを目的に開催され、特別講演ではフランスのレンヌ第一大学からデュケン・シルバン(Duquesne Sylvain)教授を招聘。「楕円ペアリング暗号のための大きな整数計算を効率化する手法」と題して、大きな整数による四則演算を計算機を用いて効率よく行うための最新の研究成果を紹介しました。
本学の説明者とテーマは以下のとおりです。
■大学院自然科学研究科博士課程1年 カアンダカル・エムディ・ アルアミン(Md.Al-Amin Khandaker)『ペアリング暗号に用いられるベクトル空間における計算の効率化について』
■同研究科修士課程1年 アルシャド・エムディ・アリ(Md. Arshad Ali)『セキュリティ応用のための擬似符号付き二値乱数の生成法について』
■栗林稔准教授『放送型のコンテンツ配信システムにおいて、不正コピーを作成して流通させた場合、その不正者を特定できる手法や不正コピー作成に供与したユーザを特定し、なるべく多く検挙するための検出方法ついて』
■五百旗頭健吾助教『暗号機器へのサイドチャネル攻撃の概要と電磁的情報漏洩挙動のモデリングならびにシミュレーション技術について』
それぞれが、インターネットやSNSが普及した情報化社会において、個人・企業情報を守る技術やサイバー犯罪撲滅への糸口となる研究開発について分かりやすく紹介し、参加した学生や教職員、URAらと情報化社会や将来のIoT(Internet of Things)1)や人工知能(Artificial Intelligence:AI)、バーチャルリアリティ(Virtual Reality:VR)などが普及した社会におけるサイバーセキュリティのあり方について熱心に対話を行いました。
岡山大学は、平成25年8月に文部科学省が日本のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。
また、国の「第5期科学技術基本計画」を柱とした科学技術・イノベーション政策では、サイバー空間とフィジカル空間(現実社会)が⾼度に融合した「超スマート社会」を未来の姿として共有し、その実現に向けた⼀連の取り組み「Society 5.0」を強力に推進している中で、サイバーセキュリティは重要なポイントとなります。今回のセッションで得られた最先端の知見やアイデアを最大限に利活用し、より良い社会の実現に向けて今後も研究力強化促進や国との政策連携などを精力的に行っていきます。
なお本セッションは、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の平成28年度「海外研究者招へい」事業(受入責任者:大学院自然科学研究科(工学系) 野上保之准教授)の支援および同研究機構の後援を受けて実施されました。
1) IoT(Internet of Things)
インターネットに多様かつ多数の物が接続され、及びそれらの物から送信され、又はそれらの物に送信される大量の情報の円滑な流通が国民生活及び経済活動の基盤となる社会のこと。
※本学が開催する「フューチャーセッション(Future Session)」とは、次世代シーズ・ニーズ創出を探るとともに、未来について多様な立場から解決すべき問題を提起し、少人数で活発な対話を通してより良い未来を実現する解決策を構築するセッションのことです。
※直近3回の岡山大学フューチャーセッション
第24回(テーマ「磁力」)はこちら
第25回(テーマ「サイバーセキュリティ」)はこちら
第26回(テーマ「アメリカ英語における教育研究」)はこちら
【本件問い合わせ先】
大学院自然科学研究科(工学系)准教授 野上保之
TEL:086-251-8127
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5739.html
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