岡山大学大学院自然科学研究科(理)分子発生制御研究室の上田均教授の研究グループは、キイロショウジョウバエが蛹(サナギ)になるタイミングを決定する生物タイマーの分子機構を明らかにしました。生物の発生過程において、時間を正確に計測するタイマー機構を分子レベルで解明することは初めてです。本研究成果は7月5日、イギリスの科学雑誌「Development」に掲載されました。
本研究の中で、「タンパク質分子が砂時計の砂のような役割をすることが、正確に時間を計る一つの機序になっていること」、「蛹への誘導は脱皮ホルモンの分泌のタイミングで決まるとされていた今までの定説を覆すこと」、「解明したタイマー機構は脂肪体(栄養を蓄えるとともに栄養状態を感知する器官)で働いていること」を明らかにしました。本成果は、生物の発生過程において、時間計測によるタイミング決定の分子機構解明の第一歩であるとともに、栄養状態が生体に影響する機構の解明にもつながる可能性があります。
<詳しい研究内容について>
キイロショウジョウバエの生物タイマー機構を分子レベルで解明
<論文情報等>
論文名:A biological timer in the fat body comprised of Blimp-1, βFTZ-F1 and Shade regulates pupation timing in Drosophila melanogaster
掲載誌:DevelopmentDOI: 10.1242/dev.133595著 者:Kazutaka Akagi, Moustafa Sarhan, Abdel-Rahman Sultan, Haruka Nishida, Azusa Koie, Takumi Nakayama and Hitoshi Ueda
<お問い合わせ>
大学院自然科学研究科(理学部生物学科)
教授 上田 均
(電話番号)086-251-7869
(FAX番号)086-251-7876
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id408.html
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