沈教授は、「光合成の酸素発生機構の原子レベルでの解明」に関する功績が認められ受賞が決定しました。講演で沈教授は、「光合成水分解反応の仕組み 植物に学ぶ光エネルギーの高効率利用」のテーマのもと、植物が長い年月をかけて備えてきた光合成の仕組みや、どのようにして光合成が起こるのかというブラックボックスの解明について、2011年の水分解・酸素発生反応を引き起こす「光化学系II」タンパク質の構造を世界最高の解像度で明らかにすることに成功した研究成果を交えながら紹介。さらに、研究対象でありながら、私たちヒトの“大先輩”でもある植物から学ぶことの面白さについて講演しました。
講演後の質疑応答では、植物の生命活動の奥深さや光合成研究の進展による持続可能な社会の可能性や期待などについて活発な意見交換が行われ、100人を超える参加者らは身近な存在である植物について深く考える場となりました。また、本学からは槇野博史学長の名代として佐藤法仁副理事・URAが参加し、沈教授と栄誉ある「みどりの学術賞」受賞の喜びを分かち合いました。
沈教授の研究は、アメリカの国際科学雑誌「Science」の『2011年に得られた科学10大成果』 の一つに選ばれるなど、国際的にも高く評価されています。2011年以降もインパクトのある研究成果を継続的に報告しており、産学官の各分野から注目を浴び続けています。
また本学は、植物学分野の研究力が極めて高い総合大学※2であり、今後も沈教授ら強みある植物学分野の研究力強化促進とともに、異分野融合から生まれるさまざまな研究成果をもとに、私たちの生活と地球環境をより豊かにしていけるように活発な取り組みを進めていきます。
※1 みどりの学術賞
国内において植物、森林、緑地、造園、自然保護等に係る研究、技術の開発、その他の「みどり」に関する学術上の顕著な功績のあった個人に対して、天皇皇后両陛下の御臨席のもと、内閣総理大臣が授与し、その功績を讃えることにより、「みどり」の大切さについて広く国民の理解を深めることを目的としています。http://www.cao.go.jp/midorisho/(内閣府)
※2 植物学の研究力が高い岡山大学
岡山大学の強みある研究分野の一つとして植物学分野が挙げられます。文部科学省の科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の調査では、本学資源植物科学研究所(IPSR)が、Top10%補正論文割合(Q値)の最も高い組織として評価されています。また、「平成23年(第5回)みどりの学術賞」では、本学の佐藤公行名誉教授が受賞するなど、我が国のみならず世界の植物学分野を先導し続ける「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」です。
「第11回 みどりの学術賞」 受賞記念講演会(JST):http://scienceportal.jst.go.jp/reports/other/20170727_02.html
受賞記念講演を行う沈建仁副所長・教授
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