2012年より本学では、研究成果や知的財産活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年3~4回発行。世界の大学・研究機関の研究者やマスコミ関係者等にニュースやトピックスを交えて配信し、本学の海外への情報発信を強化と国際的知名度の向上などを推進しています。
OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、強みある医療系分野の更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行しています。
本号では、大学院医歯薬学総合研究科(医学系)眼科学分野の松尾俊彦准教授らの斜視発症に関連する遺伝子候補を発見について紹介しています。
松尾准教授らの研究グループは、目の病気の一つである「斜視」について、その発症に関連する遺伝子候補として二つの遺伝子(MGST2、WNT2)を世界に先駆けて明らかにしました。斜視は、遺伝要因と環境要因の両方が発症に関わる「多因子疾患」です。
斜視では一方の眼の視線がずれているため、両眼をうまく使うことが難しくなり、モノが立体的に見える機能が落ちたりします。例えば近年、3D映画などが流行しており、両眼視でものを立体的に見えることに対する需要が増えつつあります。また、子どもの頃から近くのものを見るスマートフォンなどが普及して、子どもに両眼視の負荷を与えることもあります。ものを 近くで見るときには、目を寄せて(輻湊して)、ピントを合わせる(調節する)負荷がかかります。もともと両眼視機能が弱い子どもの場合は、このような負荷によって斜視(特に内斜視)になります。斜視関連遺伝子は両眼視関連遺伝子で、この観点から今後注目されてくると思われます。本研究成果は、今後の眼科医療に大きく貢献することが期待されます
本学は、平成25年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、 「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築のため、強みある分野の国際的な情報発信を力強く推進していきます。また、強みある医療系分野から生み出される成果を社会や医療現場が求める革新的技術として、より早く届けられるように研究開発を推進していきます。
なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。
Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.47:Candidate genes for eye misalignment identified
<Back Issues:Vol.40~Vol.46>
Vol.40:Antibodies prolong seizure latency in epileptic mice (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)西堀正洋教授)
Vol.41:Inorganic biomaterials for soft-tissue adhesion (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)松本卓也教授)
Vol.42:Potential drug for treating chronic pain with few side effects (自然生命科学研究支援センター 宮地孝明准教授)
Vol.43:Potential origin of cancer-associated cells revealed (大学院自然科学研究科(工学系) 妹尾昌治教授)
Vol.44:Protection from plant extracts (中性子医療研究センター 小野俊朗教授)
Vol.45:Link between biological-clock disturbance and brain dysfunction uncovered (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)宝田剛志准教授)
Vol.46:New method for suppressing lung cancer oncogene (大学院自然科学研究科(工学系) 世良貴史教授)
<参考>
Okayama University e-Bulletin://www.okayama-u.ac.jp/user/kouhou/ebulletin/
【本件問い合わせ先】
広報・情報戦略室
TEL:086-251-7293
E-mail:www-adm@adm.okayama-u.ac.jp
本号で紹介した研究成果を担当した本学大学院医歯薬学総合研究科(医学系)の松尾俊彦准教授 | |
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id7278.html |
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