岡山大学は、企業等との「組織」対「組織」の事業創出や大型共同研究などから、社会に新たな価値を生み出すため、専門的な人材によって集中的にマネジメントする中核組織として、学長直轄組織「岡山大学オープンイノベーション機構」(略称:岡大OI機構)を6月26日に設置しました。
■概要
1.岡山大学オープンイノベーション機構で取り組むことの意義と目的
政府の「未来投資戦略2018」(平成30年6月15日閣議決定)において、2025年までに企業から大学、国立研究開発法人等への投資を3倍増(2014年比)とすることを目指すことが決定しています。また、文部科学省においても、「組織」対「組織」の本格的な産学官連携が推進されています。産業構造が資本集約型から知識集約型に大きく転換する中で、企業は自前主義から脱却し、大学等の総合力を活用した多様性のある活動の重要性が高まっています。
こうした社会的状況をふまえ、本学では6月26日、企業等との「組織」対「組織」の事業創出や大型共同研究などから、社会に新たな価値を生み出すため、専門的な人材によって集中的にマネジメントする中核組織「岡山大学オープンイノベーション機構」を設置しました。
岡大OI機構は、企業の研究開発部門との産学連携のみならず、製造部門や事業部門も含めた各階層における企業との「組織」対「組織」の共創によって、大型共同研究を推進します。
また、非競争領域と競争領域の狭間での新規事業創出モデルの構築などの早い段階からの共創マネジメントも強化します。これらの活動を通じて大型共同研究の共創・推進し、社会課題の解決やSociety5.0社会におけるより良い生活環境の提供などを共感と挑戦を持って取り組みます。
さらに本学における財政基盤や研究力の強化、人材育成などの大学改革をも加速させ、社会に新たな価値を提供し続けられる大学としての存在感の強化を進めます。
2.岡大OI機構の体制
岡大OI機構は、那須保友(なす やすとも)理事(研究担当)・副学長を機構長に、大型共同研究を行う研究開発プロジェクトを置く「プロジェクトマネジメント部門」、プロジェクトの法務、知財、財務、人事等の業務を支援する「プロジェクトサポート部門」、これらを統括する「事業統括部門」の3部門で構成。事業統括部門では、事業全体を指揮する統括クリエイティブマネージャー(略称:統括CM)として、長年企業で医薬品開発に携わり、代表取締役社長の経験もある神川邦久(かみかわ くにひさ)大学院医歯薬学総合研究科教授が担当します。
岡大OI機構は、学長直轄による迅速で大胆な取組が可能な「出島」として扱い、統括CMが個々のプロジェクトを横断的にマネジメントします。岡大OI機構で扱う大型産学共創は、従来の財務会計データを基にした「管理会計システム」を取り入れ、そのプロジェクトにかかる資金フローと業績測定を行い、プロジェクト全体のアウトプットを経営トップの学長に届けます。
岡大OI機構では、管理会計システムを組織内コミュニケーションツールや横断的評価のための予算管理システムとして位置づけ、ここから得られる情報をもとに、大型産学共創研究の進捗管理と、将来の社会実装に向けた経営トップの意思決定を行う予定です。
また、既存の組織との連携として、研究力強化促進や非競争領域における企業連携マネジメントを担う研究推進機構や、学部・研究所・研究科と連携し、競争領域における大型共同研究をマネジメントします。
運営経費は、企業からの共同研究費(間接経費)や新たに導入する戦略的産学連携経費、ライセンス収入等から捻出し、大学におけるプロフィットセンターを目指します。
3.岡大OI機構でまず取り組む分野
岡大OI機構では、「すべての人にWell-being※3を!~快適な人生100年時代を歩むための価値転換と健康寿命延伸を支える新産業拡大を実現するオープンイノベーション機構~」という野心的な変革ビジョンの下、まず取り組む領域として、(1)未病・予防を支える「精密ケア医療分野」、(2)口腔から全身の健康寿命延伸に着目した「オーラルヘルスケア分野」、(3)ライフサイクルの変革をもたらす「Well-beingサイエンス分野※4」の3つのコア分野を設定し、研究領域や学部等を横断したプロジェクトを展開する予定です。
(1)精密ケア医療分野
・バイオバンク・ゲノム医療プロジェクト
・分子イメージングプロジェクト
・ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)プロジェクト
・再生・遺伝子医薬・細胞医薬・医療機器開発プロジェクト
(2)オーラルヘルスケア分野
・歯科材料プロジェクト
(3)Well-beingサイエンス分野
・スポーツ・生殖・ヒューマンテクノロジープロジェクト
これらの分野は、特定の産業界・企業だけではなく、新規参入や中小・ベンチャー企業、特にきらりと光るテクノロジーを持つスタートアップ企業などと共に進めていきます。
とりわけ、スタートアップ企業等は大学病院や研究室などと提携を始めるのが困難であると感じたり、共創活動に壁を感じたりすることなどが多いですが、岡大OI機構では積極的にスタートアップ企業等の参画を進め、失敗を容認し次につなげるポジティブな挑戦的活動を重視していきます。
また、岡大OI機構の拡大を進めるにあたり、将来的には上記3分野以外にも拡大していく予定であり、この拡大にはさまざまなステークホルダーと共に進めていきます。
今後、岡大OI機構における大きな産学共創プロジェクトをいくつか準備しています。ぜひ岡大OI機構の活動にご注目ください。
■補足・用語説明
1)競争領域
企業の事業戦略に深く関わる領域、あるいは大学と企業等で、企業の研究開発部門のみならず製造部門・事業部門も含めたクローズの共同研究が実施される研究領域を想定しています。
2)非競争領域
学術論文の発表が可能で、大学等や複数の民間企業において研究開発成果に関する情報の共有が可能な基礎的・基盤的研究領域を想定しています。
3)Well-being
Well-being(ウェルビーイング)は、「Happiness」、「Wellness」、「Medicine」、「Care」を俯瞰し、身体的、精神的、社会的な豊かさです。誰もが望み、人類全体の幸福追求でもあります。「人生100年時代」と言われる今日、その生を終える時まで持続するものです。国連主導で、わが国も注力する「持続可能な開発目標(SDGs)」もWell-beingを最重要としています。
岡大OI機構では、主に競争領域の大型共同研究の共創・推進、さらに競争領域※1と非競争領域※2の狭間での新規事業創出モデルの構築などを通じて、社会課題の解決やSociety5.0社会におけるより良い生活環境の提供などを共感と挑戦を持って取り組みます。
また、大学における財政基盤や研究力の強化、人材育成などの大学改革をも加速させ、社会に対して新たな価値を提供し続けられる大学としての存在感の強化を進めます。
■概要
1.岡山大学オープンイノベーション機構で取り組むことの意義と目的
政府の「未来投資戦略2018」(平成30年6月15日閣議決定)において、2025年までに企業から大学、国立研究開発法人等への投資を3倍増(2014年比)とすることを目指すことが決定しています。また、文部科学省においても、「組織」対「組織」の本格的な産学官連携が推進されています。産業構造が資本集約型から知識集約型に大きく転換する中で、企業は自前主義から脱却し、大学等の総合力を活用した多様性のある活動の重要性が高まっています。
こうした社会的状況をふまえ、本学では6月26日、企業等との「組織」対「組織」の事業創出や大型共同研究などから、社会に新たな価値を生み出すため、専門的な人材によって集中的にマネジメントする中核組織「岡山大学オープンイノベーション機構」を設置しました。
岡大OI機構は、企業の研究開発部門との産学連携のみならず、製造部門や事業部門も含めた各階層における企業との「組織」対「組織」の共創によって、大型共同研究を推進します。
また、非競争領域と競争領域の狭間での新規事業創出モデルの構築などの早い段階からの共創マネジメントも強化します。これらの活動を通じて大型共同研究の共創・推進し、社会課題の解決やSociety5.0社会におけるより良い生活環境の提供などを共感と挑戦を持って取り組みます。
さらに本学における財政基盤や研究力の強化、人材育成などの大学改革をも加速させ、社会に新たな価値を提供し続けられる大学としての存在感の強化を進めます。
2.岡大OI機構の体制
岡大OI機構は、那須保友(なす やすとも)理事(研究担当)・副学長を機構長に、大型共同研究を行う研究開発プロジェクトを置く「プロジェクトマネジメント部門」、プロジェクトの法務、知財、財務、人事等の業務を支援する「プロジェクトサポート部門」、これらを統括する「事業統括部門」の3部門で構成。事業統括部門では、事業全体を指揮する統括クリエイティブマネージャー(略称:統括CM)として、長年企業で医薬品開発に携わり、代表取締役社長の経験もある神川邦久(かみかわ くにひさ)大学院医歯薬学総合研究科教授が担当します。
岡大OI機構は、学長直轄による迅速で大胆な取組が可能な「出島」として扱い、統括CMが個々のプロジェクトを横断的にマネジメントします。岡大OI機構で扱う大型産学共創は、従来の財務会計データを基にした「管理会計システム」を取り入れ、そのプロジェクトにかかる資金フローと業績測定を行い、プロジェクト全体のアウトプットを経営トップの学長に届けます。
岡大OI機構では、管理会計システムを組織内コミュニケーションツールや横断的評価のための予算管理システムとして位置づけ、ここから得られる情報をもとに、大型産学共創研究の進捗管理と、将来の社会実装に向けた経営トップの意思決定を行う予定です。
また、既存の組織との連携として、研究力強化促進や非競争領域における企業連携マネジメントを担う研究推進機構や、学部・研究所・研究科と連携し、競争領域における大型共同研究をマネジメントします。
運営経費は、企業からの共同研究費(間接経費)や新たに導入する戦略的産学連携経費、ライセンス収入等から捻出し、大学におけるプロフィットセンターを目指します。
3.岡大OI機構でまず取り組む分野
岡大OI機構では、「すべての人にWell-being※3を!~快適な人生100年時代を歩むための価値転換と健康寿命延伸を支える新産業拡大を実現するオープンイノベーション機構~」という野心的な変革ビジョンの下、まず取り組む領域として、(1)未病・予防を支える「精密ケア医療分野」、(2)口腔から全身の健康寿命延伸に着目した「オーラルヘルスケア分野」、(3)ライフサイクルの変革をもたらす「Well-beingサイエンス分野※4」の3つのコア分野を設定し、研究領域や学部等を横断したプロジェクトを展開する予定です。
(1)精密ケア医療分野
・バイオバンク・ゲノム医療プロジェクト
・分子イメージングプロジェクト
・ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)プロジェクト
・再生・遺伝子医薬・細胞医薬・医療機器開発プロジェクト
(2)オーラルヘルスケア分野
・歯科材料プロジェクト
(3)Well-beingサイエンス分野
・スポーツ・生殖・ヒューマンテクノロジープロジェクト
これらの分野は、特定の産業界・企業だけではなく、新規参入や中小・ベンチャー企業、特にきらりと光るテクノロジーを持つスタートアップ企業などと共に進めていきます。
とりわけ、スタートアップ企業等は大学病院や研究室などと提携を始めるのが困難であると感じたり、共創活動に壁を感じたりすることなどが多いですが、岡大OI機構では積極的にスタートアップ企業等の参画を進め、失敗を容認し次につなげるポジティブな挑戦的活動を重視していきます。
また、岡大OI機構の拡大を進めるにあたり、将来的には上記3分野以外にも拡大していく予定であり、この拡大にはさまざまなステークホルダーと共に進めていきます。
今後、岡大OI機構における大きな産学共創プロジェクトをいくつか準備しています。ぜひ岡大OI機構の活動にご注目ください。
■補足・用語説明
1)競争領域
企業の事業戦略に深く関わる領域、あるいは大学と企業等で、企業の研究開発部門のみならず製造部門・事業部門も含めたクローズの共同研究が実施される研究領域を想定しています。
2)非競争領域
学術論文の発表が可能で、大学等や複数の民間企業において研究開発成果に関する情報の共有が可能な基礎的・基盤的研究領域を想定しています。
3)Well-being
Well-being(ウェルビーイング)は、「Happiness」、「Wellness」、「Medicine」、「Care」を俯瞰し、身体的、精神的、社会的な豊かさです。誰もが望み、人類全体の幸福追求でもあります。「人生100年時代」と言われる今日、その生を終える時まで持続するものです。国連主導で、わが国も注力する「持続可能な開発目標(SDGs)」もWell-beingを最重要としています。
4)Well-beingサイエンス分野Well-beingを進める中で、きらりと光るテクノロジーの活用により、従来の商品・サービスと劇的に変わるものを提供することが可能です。しかし、技術先行型であったり、人に寄り添うヒューマン・テクノロジーに適さないものなどもあり、使用者が利用するのに億劫になったり、疲労を感じる場合もあります。「苦」に起因する価値を「わくわく」へと転換する際に、利用者視点重視のもとWell-beingとサイエンス(技術)の適切な融合を進める挑戦的な分野です。
<お問い合わせ>岡山大学 研究協力部長 坂口浩司
(電話番号)086-251-8410
(FAX番号)086-251-7114
岡山大学 副理事(経営力強化担当)・URA 佐藤法仁(東京オフィス勤務)
(電話番号)03-6225-2905
(FAX番号)03-6225-2906
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id645.html