2017年3月31日金曜日

【情報発信】Top10%補正論文割合が最も高い組織として資源植物科学研究所 NISTEP調査で明らかに

文部科学省の科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、自然科学系の論文データベースを用いて、大学の学部・研究科、附置研究所といった大学内部組織レベルの研究活動の構造を把握する分析を「論文データベース分析から見た大学内部組織レベルの研究活動の構造把握」として報告書にまとめ、3月10日に公開しました。

本報告書では、大学における論文産出構造の詳細を明らかにするため、日本の31の大学、約900の大学内部組織(学部・研究科、附置研究所、共同利用・共同研究拠点、
世界トップレベル研究拠点(WPI拠点)など)について研究活動の可視化を行いました。また、内部組織ごとに論文数を集計し、分類ごとの研究活動の特徴なども明らかにしています。
本学も調査対象となっており、工学部、理学部、農学部、環境理工学部などの自然科学系の大学内部組織の分析結果が掲載されています。その中で、資源植物科学研究所(IPSR)がTop10%補正論文割合(Q値)※1の最も高い組織とされました。IPSRは、論文の質を測る指標であるQ値が31.4%であり、5年間(2009~2013年)の総論文数(分数カウント法)が100件以上ある点など、自然科学系の大学内部組織の中で第1位となりました。

本学は、平成25年8月に文部科学省が日本のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した
「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。本報告書では、本学の強みの領域のひとつである基礎生命科学分野が再評価されており、今後も研究力強化を戦略的に進めていきます。

※1 Top10%補正論文割合(Q値)
論文数に占めるTop10%補正論文数※2の割合のこと。


※2 Top10%補正論文数
被引用回数が各年各分野で上位10%に入る論文の抽出後、実数で論文数の1/10となるように補正を加えた論文数のこと。

論文データベース分析から見た大学内部組織レベルの研究活動の構造把握(NISTEP):
http://www.nistep.go.jp/archives/31802


岡山大学資源植物科学研究所(倉敷市)

2017年3月29日水曜日

【情報発信】第21回革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム「牛白血病ワクチン開発の最前線#2」を開催

岡山大学が研究拠点を務める「革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム」は、3月28日、わが国の重要な畜産産業を動物ウイルスから守るためのシンポジウム「牛白血病ワクチン開発の最前線#2」を宇治市内のワクチン製造会社にて開催しました。

畜産の現場では、さまざまな動物ウイルスによって経済的・社会的な損失が発生しており、世界的に大きな問題となっています。また自然界においても動物、植物が失われることが多く、自然・環境問題ともなっています。これらの状況を打開するため、さまざまな動物ウイルス感染から大切な家畜などを守る早期診断法や感染防止の薬剤などの研究開発が強く求められています。


今回のプラットフォームは、異分野融合共同研究事業で注力している研究課題のひとつである
「牛白血病ウイルス(bovine leukemia virus;BLV)」をテーマに、前回の京都大学ウイルス・再生医科学研究所でのセッションに引き続き、開催しました。

今回は話題提供者の理化学研究所分子ウイルス学特別研究ユニットの間陽子ユニットリーダーと共に、ワクチン製造現場における取組について、実践的な開発の視点に立った議論を行いました。議論には、中国農業科学院ハルビン獣医研究所の張険峰(Xianfeng Zhang)研究員や内蒙古農業大学獣医学院の格日勒図(Geriletu)教授、それに若い研究人材である分子ウイルス学特別研究ユニットの研究スタッフである綿貫園子研修生と常浩(Chang Hao)研修生らが加わり、基礎から応用、社会実装に至る過程での課題とその解決について議論しました。

また、本プラットフォームのコンソーシアム・プログラム・マネージャー(研究管理総括役)の佐藤法仁研究担当学長特命・URAから、ワクチン開発におけるレギュラトリーサイエンスの視点に立った意見交換や、実際の製造現場を視察することで、研究室(ラボ)レベルでのスケールの違いから生まれてくる研究開発の違いについて、実際に現場を見て議論するなど、深みのあるセッションが行われました。

今後、新たに開発されるワクチンについて、広く畜産現場等に社会実装させるため、関係機関との連携をさらに深め、大切な家畜の保護を精力的に押し進めて行きます。

農林水産省革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究):http://www.okayama-u.ac.jp/user/ibunyapj/index.html

<参考:革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム(過去3回)>
第18回 園芸学とウイルス学の異分野融合研究会#2
第19回 日中ウイルス対策叡智共有化
第20回 牛白血病ワクチン開発の最前線
 
 
農水21①間陽子氏.jpg
話題提供者のひとりである理化学研究所分子ウイルス学特別研究ユニットの間陽子ユニットリーダー
 
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ヒトと動物用のワクチン開発におけるレギュラトリーサイエンスついて紹介する佐藤法仁研究担当学長特命・URA
 
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ワクチン製造現場の視察を行う参加者ら

2017年3月25日土曜日

【情報発信】国際的な医学・獣医学融合研究からワクチン開発を目指して 第32回岡山大学フューチャーセッションを開催

岡山大学は3月24日、「第32回岡山大学フューチャーセッション」を理化学研究所(埼玉県和光市)で開催しました。

今回のセッションでは、中国の内蒙古農業大学獣医学院の格日勒図(Geriletu)教授を招聘し、格日勒図教授が研究を進めている動物用のワクチン開発について、本学や理化学研究所の研究者らと研究連携のあり方や方向性について密な議論を行いました。


本学と内蒙古農業大学は、2000年2月に大学間交流協定を締結しています。また、格日勒図教授は、2016年3月に本学が研究拠点を務める「革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム」の中国・内蒙古自治区でのセッションにおいて、モデレーターを務め、日中の叡智を結集した動物ウイルス対策の議論を深めた経緯があります。

本学には獣医学部・科はありませんが、医学や生命工学などの分野で優れた研究者や技術を有しています。また、本学で博士号の学位を取得した海外の研究者も多く、世界規模の同窓会ネットワークを有しています。今回のセッションでも、限られた人材・資金・設備の中で共にできることを見つけ、連帯感を持って研究開発にあたることの重要性が話し合われました。


本学は、2013年8月に文部科学省が日本のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、
「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。今後も異分野融合を核とした研究ネットワークを拡大し、研究開発を社会に還元できるように活発な取り組みを進めていきます。

※本学が開催する「フューチャーセッション(Future Session)」とは、次世代シーズ・ニーズ創出を探るとともに、未来について多様な立場から解決すべき問題を提起し、少人数で活発な対話を通してより良い未来を実現する解決策を構築するセッションのことです。

※過去3回の岡山大学フューチャーセッション

第29回(テーマ「テラヘルツケミストリー」)はこちら
第30回(テーマ「サイバーセキュリティ3」)はこちら
第31回(テーマ「医学と農学の融合」)はこちら


対話材料を提案する内蒙古農業大学の格日勒図教授

【情報発信】第19回革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム「日中ウイルス対策叡智共有化」を開催

岡山大学が研究拠点を務める「革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム」は、3月24日、日本と中国の動物ウイルス研究の国際異分野融合から新たな研究開発を考えるワークショップ「日中ウイルス対策叡智共有化」を理化学研究所(埼玉県和光市)で開催しました。

畜産の現場では、さまざまな動物ウイルスによって経済的・社会的な損失が発生しており、世界的に大きな問題となっています。これらの状況を打開するため、さまざまな動物ウイルス感染から家畜などを守る早期診断法や感染防止のための薬剤などの研究開発が強く求められています。


今回のプラットフォームは、
これまでに取り組んできた日中の研究連携中から、中国農業科学院ハルビン獣医研究所の張険峰(Xianfeng Zhang)研究員を招聘。これまでの研究成果とともに、本プラットフォームを通じたネットワークについて講演しました。
ファシリテーターを務めた、理化学研究所分子ウイルス学特別研究ユニットの間陽子ユニットリーダーは、「プラットフォームではこれまでに数回、中国に趣き、日中双方の研究内容の討議を繰り返して来ました。研究開発成果の社会への還元というものは、すぐには表れないものですが、基礎となる研究成果や優秀な研究人材交流は着実に進んでいます。今後もさまざまな国の研究者の叡智を結集し、動物ウイルス対策を進めて行きたい」と取りまとめを行いました。

また、本プラットフォーム後には、動物ウイルス診断薬などを開発している大学や企業との連携ミーティングも行われました。

今後もさまざまな研究分野、人材との活発な異分野融合研究を進め、そこで得られた叡智の普及と共に社会で問題となっているウイルス対策を精力的に押し進めて行きます。
なお、今回のプラットフォームは、「理研シンポ」との連携開催として行われました。


農林水産省革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究):http://www.okayama-u.ac.jp/user/ibunyapj/index.html

<参考:革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム(過去3回)>
第16回 革新的技術で牛白血病ウイルス(BLV)から牛を守る 
第17回 農工異分野融合研究開発によるウイルス対策の最前線
第18回 園芸学とウイルス学の異分野融合研究会#2


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今回の話題提供者である中国農業科学院ハルビン獣医研究所の張険峰研究員
 
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参加者らと議論を行う張険峰研究員

2017年3月24日金曜日

【情報発信】「Nature Index 2017 Japan」が窪木教授らの研究活動を掲載

国際的な学術雑誌「Nature」などを発行するシュプリンガー・ネイチャー社は、膨大な自然科学系学術ジャーナルを分析したデータを収録した「Nature Index 2017 Japan」を3月23日に公開しました。

本号では、日本の科学技術研究の先行きや国際的な動向などについて、同社の独自の分析を基に紹介しています。


本学は、
大学院医歯薬学総合研究科(歯)インプラント再生補綴学分野の窪木拓男副学長・教授と同大学院研究科(医)分子医化学分野の大野充昭助教らの研究活動が取り上げられています。また、大学全体の紹介では、資源植物科学研究所(IPSR)でのオオムギ研究なども紹介されています。

本学は、平成25年8月に文部科学省が日本のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した
「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。

本号では、日本の研究力低下についても報告されていますが、そもそも分析に使われている指標の有効性や、日本の研究力を計ることができるものなのかという原点も含めて本学独自で研究力分析を行い、得られた結果から、本学の強みの領域の強化促進と次世代研究コアの育成などを戦略的に進めていきます。

Nature Index 2017 Japan:
http://www.natureindex.com/supplements/nature-index-2017-japan/index2

窪木教授らの研究紹介:http://www.natureindex.com/supplements/nature-index-2017-japan/okayama-university

岡山大学の紹介: http://www.natureindex.com/institution-outputs/Japan/Okayama University/513906bb34d6b65e6a0001ca#highlight


窪木副学長・教授

【情報発信】岡山大学病院「医療法上の臨床研究中核病院」に認定

岡山大学病院は3月23日、高度な臨床研究や医師主導治験に取り組む「医療法上の臨床研究中核病院」に中国・四国地域で初めて認定されました。

医療法上の臨床研究中核病院は、日本発の革新的医薬品や医療機器、医療技術の開発に必要な、国際水準の臨床研究や医師主導治験を担う病院として位置づけられています。認定には過去の臨床研究や治験実績、医師・看護師・薬剤師などの人員要件、診療科数・病床数・安全管理体制といった施設要件などの厳しい条件があり、これらを満たした病院の中から厚生労働大臣が認可します。

岡山大学病院では今後、中国・四国地域の医療機関の核として臨床研究を支援し、日本における臨床研究の向上に貢献していきます。

現在までに認定されたのは、岡山大学病院を含む11医療機関です。


平成29年臨床研究中核病院一覧:
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/tyukaku.html

【情報発信】第20回革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム「牛白血病ワクチン開発の最前線」を開催

岡山大学が研究拠点を務める「革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム」は、3月27日、わが国の重要な畜産産業を動物ウイルスから守るためのシンポジウム「牛白血病ワクチン開発の最前線」を京都大学ウイルス・再生医科学研究所(京都市左京区)で開催しました。

畜産の現場では、さまざまな動物ウイルスによって経済的・社会的な損失が発生しており、世界的に大きな問題となっています。また自然界においても動物、植物が失われることが多く、自然・環境問題ともなっています。これらの状況を打開するため、さまざまな動物ウイルス感染から大切な家畜などを守る早期診断法や感染防止の薬剤などの研究開発が強く求められています。


今回のプラットフォームは、力を入れて取り組んでいる
「牛白血病ウイルス(bovine leukemia virus;BLV)」をテーマに開催しました。
話題提供者の理化学研究所分子ウイルス学特別研究ユニットの間陽子ユニットリーダーは、牛白血病ワクチン開発について講演。これまでに、発症感受性アリルを持つ個体にTh1型細胞性免疫を誘導できるワクチンを作製するために、発症感受性MHCに最適化したエピトープを設計し、ナノ粒子に固定化した新規牛白血病ペプチドワクチンを構築。感受性牛のウイルス量を低下させ、病態進行を抑制する事に成功した点を膨大な実験データをもとに詳細に説明。さらに、実用化を目指して、ウイルス様粒子(VLP)技術を導入し、感受性牛に最適化された安全かつ効果的な世界初の牛白血病VLPワクチンの開発に取り組みについて、参加者らに熱く語りかけました。

また、前回のプラットフォームに引き続き、中国農業科学院ハルビン獣医研究所の張険峰(Xianfeng Zhang)研究員も話題を提供。参加した様々な研究分野の研究者や学生らとともに、牛白血病ワクチン開発の基礎から応用まで、幅広い段階における課題とその解決法について熱心に議論しました。

また、本プラットフォームの前には、動物ウイルスについての研究連携の意見交換も行われ、分子ウイルス学特別研究ユニットの研究スタッフである綿貫園子研修生と常浩(Chang Hao)研修生からは研究人材の異なる世代から見える研究開発のあり方について、本プラットフォームのコンソーシアム・プログラム・マネージャー(研究管理総括役)の佐藤法仁研究担当学長特命・URAからはプロジェクト・マネジメントからのワクチン開発について、内蒙古農業大学獣医学院の格日勒図(Geriletu)教授からは他の動物ワクチン開発からの視点について、それぞれの話題提供のもと、一日も早いワクチン実用化を目指した連携強化が行われました。

なお、今回のプラットフォームは、「京都大学ウイルス・再生医科学研究所セミナー」との連携開催として行われました。
 
農林水産省革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究):http://www.okayama-u.ac.jp/user/ibunyapj/index.html

<参考:革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム(過去3回)>

第17回 農工異分野融合研究開発によるウイルス対策の最前線
第18回 園芸学とウイルス学の異分野融合研究会#2
第19回 日中ウイルス対策叡智共有化

農水ver20①間陽子氏.png
話題提供を行う理化学研究所分子ウイルス学特別研究ユニットの間陽子ユニットリーダー
 
農水ver20②張氏.png
話題提供者を行う中国農業科学院ハルビン獣医研究所の張険峰研究員
 
農水ver20③.jpg
今回のプラットフォーム運営メンバーら

2017年3月20日月曜日

【情報発信】第13回岡山大学グローバル・フューチャーセッションinデトロイトを開催

本学は、アメリカ・ミシガン州デトロイト市にあるウェイン州立大学にある「岡山大学・ウェイン州立大学共同研究室(OU-SCEED*)」の研究力強化促進を目的として、同大に併設されているカルマノスがん研究所で「第13回グローバル・フューチャーセッションinデトロイト」を2月20日、開催しました。
本学からは、山本進一理事・副学長(研究担当)、古矢修一副理事(研究担当)・URA、宇根山絵美学長特命(研究担当)・URA、妹尾昌治副学長(国際連携大学院担当)・教授、加来田博貴准教授、妹尾彬正助教が参加。ゲロルド・べプラー(Gerold Bepler)所長らと「多能性幹細胞から誘導するがん幹細胞研究」についての意見交換と共に、本学が4月に開所を予定している第三世代ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)のための中性子医療研究センターの紹介や今後の共同研究の可能性についても議論しました。

同研究所は、米国に41あるアメリカ国立がん研究所の指定がんセンターの一つとして300人の医師を含む1,200人の職員を擁し、全米に14しかない独自の第Ⅰ相臨床試験のプログラムを有しています。これら世界的にレベルの高い研究教育機関との実質的な連携を強化促進していくことで、本学の強みある分野の世界レベルの維持と更なる高みを戦略的に進めて行きます。


なお、本セッションは、「研究大学強化促進事業」の取り組みの一環として実施され、今後の研究大学運営に活かしていきます。

*OU-SCEED : Okayama University Research Laboratory of Stem Cell Engineering in Detroit.

※本学が開催する「岡山大学グローバル・フューチャーセッション(Global Future Session)」とは
フューチャーセッションとは、次世代シーズ・ニーズ創出を探るとともに、未来について多様な立場から解決すべき問題を提起し、少人数で活発な対話を通してより良い未来を実現する解決策を構築するセッションのことです。また、「グローバル・フューチャーセッション」では、海外研究拠点形成や連携強化なども目的に開催する国際セッションです。
第10回グローバル・フューチャーセッションinカナダ(テーマは「光技術」 2015.10.13)
第11回グローバル・フューチャーセッションinインド(テーマは「感染症」 2015.12.21)
第12回グローバル・フューチャーセッションin内蒙古(テーマは「人獣共通感染症」 2016.03.09)
 
 
デトロイト1.jpgべプラーカルマノスがん研究所長と山本理事・副学長(研究担当)(左)
 
デトロイト2.jpgカルマノスがん研究所でのセッション前に意見交換

2017年3月19日日曜日

【情報発信】第18回革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム「園芸学とウイルス学の異分野融合研究会#2」を開催

岡山大学が研究拠点を務める「革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム」は、3月18日、園芸学とウイルス学の異分野融合から新たな植物防疫の術を考えるワークショップ「園芸学とウイルス学の異分野融合研究会#2」を日本大学(神奈川県藤沢市)で開催しました。

農業の現場では、さまざまなウイルスによって経済的・社会的な損失が発生しており、世界的に大きな問題となっています。これらの状況を打開するため、さまざまなウイルス感染から植物を守る早期診断法や感染防止の薬剤などの研究開発が強く求められています。


今回のプラットフォームは、昨年3月に開催した
「第13回革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム~園芸学とウイルス学の異分野融合から新たな研究開発を目指す~」に引き続き、近い研究分野である「園芸学」とのコラボで、植物防疫の異分野融合研究の加速を目的として開催されました。

講演では、はじめに農林水産省「革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究)」のコンソーシアム・プログラム・マネージャー(研究管理総括役)を務める佐藤法仁学長特命(研究担当)・URAが「わが国におけるウイルス病害の現状と異分野融合共同研究の取り組み」と題して、わが国の農林業のウイルス被害とその対策のための新しい取組である異分野融合研究について講演しました。


続いて、同事業の補完研究機関でもある琉球大学農学部の関根健太郎准教授が「網羅的ウイルス検出技術と高速ウイルス検出技術」について、同事業の取り組みの成果を踏まえて講演しました。

またウイルス対策の最新の知見を基に岩手県農業研究センター環境部の小山田早希技師が「岩手県における植物ウイルス病診断の取り組み」について、農研機構果樹茶業研究部門の八重樫元主任研究員が「果樹の病原糸状菌を病気にするウイルス」について、日本大学生物資源科学部の井村喜之准教授が「ウイルスを攻撃しない抵抗性のメカニズム」について、東京農工大学農学部の藤田尚子研究員が「ウイルスベクター入門~黒穂菌感染による花の性転換現象の解析を例に~」についてそれぞれ講演。参加したさまざまな分野の研究者や企業、自治体関係者などとともに議論を重ねました。

会の最後に静岡大学農学部の中塚貴司助教が「いろいろな研究が行われている中で周囲を見渡すと近い研究や連携すると研究が大きく進む、あるいは今までにない発想が生まれ、それが新しい研究として生まれることもある。異分野融合というキーワードをもとに日頃の研究を見てみる機会になれば幸いです」と取りまとめを行いました。会場からは、「異分野融合の大切さを実感できるとてもいい機会であり、ぜひ来年度も引き続きこのような異分野融合の会を開催してほしい」などの意見が出されました。

今後もさまざまな研究分野との活発な異分野融合研究を進め、そこで得られた叡智の普及と共に社会で問題となっているウイルス対策を精力的に押し進めて行きます。


なお、今回のプラットフォームは、「園芸学会平成29年度春季大会」の小集会との連携開催として行われました。

農林水産省革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究):
http://www.okayama-u.ac.jp/user/ibunyapj/index.html

<参考:革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム(過去3回)>
第15回 日中の叡智でウイルスから動物と植物を守る
第16回 革新的技術で牛白血病ウイルス(BLV)から牛を守る
第17回 農工異分野融合研究開発によるウイルス対策の最前線
 
 
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わが国におけるウイルス病害の現状と異分野融合共同研究の取り組みについて講演する佐藤法仁学長特命(研究担当)・URA
 
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網羅的ウイルス検出技術と高速ウイルス検出技術について講演する琉球大学農学部の関根健太郎准教授
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岩手県における植物ウイルス病診断の取り組みについて講演する岩手県農業研究センター環境部の小山田早希技師
 
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果樹の病原糸状菌を病気にするウイルスについて講演する農研機構果樹茶業研究部門の八重樫元主任研究員
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ウイルスを攻撃しない抵抗性のメカニズムについて講演する日本大学生物資源科学部の井村喜之准教授
 
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黒穂菌感染による花の性転換現象の解析を例にウイルスベクター入門について講演する東京農工大学農学部の藤田尚子研究員
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会の取りまとめを行う静岡大学農学部の中塚貴司助教
 
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会場となった日本大学生物資源科学部(神奈川県藤沢市)