AI(人工知能)による糖尿病性腎症の自動判断ツールを開発
2019年11月22日- 生活習慣病の糖尿病からの腎臓病は透析導入の原因1位であり、その診断治療は重要です。
- これまで困難とされていた、腎臓の蛍光顕微鏡(注1)画像から糖尿病性腎症の診断を行うことがAI(人工知能)により可能かどうか検証を行い、トレーニング画像から作成したプログラムで、テスト画像で100%の確率で診断できるAIを開発しました。
- 人間の目では気付きにくい糖尿病性腎症の診断の補助が、AIによってできる可能性が示唆されました。
岡山大学病院腎臓・糖尿病・内分泌内科の喜多村真治講師らの研究グループは、本来、蛍光画像からは診断が困難な糖尿病性腎症を、AI(人工知能)により診断が可能であるかテスト画像を用いて検討し、100%の正解率で診断可能なAIによる診断ツールを開発しました。
生活習慣病である糖尿病からの腎臓病は透析導入の原因1位であり、その診断治療は重要です。糖尿病性腎症は臨床経過や合併症、3種類の腎病理画像(蛍光顕微鏡画像=以下・蛍光画像、光学顕微鏡画像=以下、光顕画像、電子顕微鏡画像=以下、電顕画像)から診断されますが、蛍光画像からの診断はほぼ困難であり、通常、医師は光顕画像、電顕画像から診断を行います。
今回本研究グループは、本来診断困難な蛍光画像から糖尿病性腎症をAI(人工知能)により診断し得るか検証を行い、トレーニング画像から作成したプログラムで、テスト画像で100%の確率で診断できるAIを開発しました。AI診断に対して、腎臓専門医が行ったテスト画像による診断では正解率は67.5%であり、人間の目では気付きにくい糖尿病性腎症の診断の補助が、AIによってできる可能性が示唆されました。
本研究成果は、11月30日から岡山コンベンションセンターで開かれる「第31回日本糖尿病性腎症研究会」で発表予定です。
◆研究者からのひとこと
糖尿病性腎症をAIにより診断ができることは、糖尿病性腎症の精確な診断への第一歩です。AIは人間が判断困難な事柄も判断できることが確認できましたが、開発はまだまだ発展途上であり、さらなる改善に努めていきます。 | 喜多村講師 |
<詳しい研究内容について>
AI(人工知能)による糖尿病性腎症の自動判断ツールを開発
<お問い合わせ>
岡山大学病院 腎臓・糖尿病・内分泌内科
講師 喜多村真治
(電話番号)086-235-7235
(FAX) 086-222-5214
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id684.html
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