ヒトiPS細胞から心筋梗塞のモデルを開発 ヒトへの有効性の高い予防・治療薬の開発へ
2019年10月31日◆発表のポイント
- これまで心筋梗塞の研究にはマウスなどの実験動物が用いられてきましたが、心拍数などの特徴がヒトと異なることや、動物を犠牲にすることなどが問題となっていました。
- ヒトiPS細胞から分化させた心筋細胞を用い、虚血性心疾患のモデルを開発しました。
- 動物を犠牲にすることがないうえ、薬効の異なる個人由来の細胞から心筋梗塞の状態を再現できるため、優れた心筋梗塞の予防・治療薬の開発につながることが期待されます。
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科システム生理学研究室の高橋賢助教らの研究チームは、ヒトiPS細胞から分化した心筋細胞を用いて心筋梗塞の病態モデルを開発しました。本研究成果は10月14日、米国の学術誌「Biochemical and Biophysical Research Communications」の電子版で公開されました。
これまで心筋梗塞の研究にはマウスなどの実験動物が用いられてきましたが、心拍数などの特徴がヒトとは異なることが問題となっていました。今回開発された方法は動物を犠牲にすることなく、かつ薬効の異なる個人由来の細胞から心筋梗塞の状態を再現できるため、優れた心筋梗塞の予防・治療薬の開発につながることが期待されます。
ヒトのiPS細胞を用いて、動物を犠牲にすることなく虚血性心疾患の状態を再現できるのは大きなメリットです。虚血性疾患の予防・治療薬の探索に貢献したいです。 | 魏大学院生 |
この研究は魏君の発想から生まれました。ビジョンを持って科学・医学の研究を進めていく学生さんたちに、今後も期待しています。共同研究のパートナーも募集中です。 | 高橋助教 |
■論文情報
論文名:Development of a model of ischemic heart disease using cardiomyocytes differentiated from human induced pluripotent stem cells掲載紙:Biochemical and Biophysical Research Communications著 者:Heng Wei, Cheng Wang, Rui Guo, Ken Takahashi, Keiji NaruseD O I:10.1016/j.bbrc.2019.09.119
U R L://www.okayama-u.ac.jp/user/med/phy2/album/album19/191014j.html
<詳しい研究内容について>
ヒトiPS細胞から心筋梗塞のモデルを開発 ヒトへの有効性の高い予防・治療薬の開発へ
<お問い合わせ>
大学院医歯薬学総合研究科 システム生理学
助教 高橋 賢
(電話番号)086-235-7119
(FAX)086-235-7430
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id676.html
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