- Cre recombinase(Cre)–loxP 部位特異的 DNA 組換え酵素反応は、標的遺伝子の塩基配列をゲノムDNA上から除去、または挿入するための強力なツールですが、これまでこれを時間的に制御する方法には課題がありました。
- テトラサイクリン誘導発現系を搭載した、光依存的にCre-loxPシステムが稼働する遺伝子改変マウス(TRE-PA-Creマウス)を作製しました。
- TRE-PA-Creマウスと交配させたマウスを用いて、tTA存在下で青色LED光によりCreが機能することを証明しました。
- TRE-PA-Creマウスの使用により非侵襲的に、生体内細胞種特異的かつ時空間的な生体内遺伝子操作による機能解析が可能になると期待されます。
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)の高尾知佳助教と宝田剛志研究教授の研究グループは、光応答性Cre-loxPシステム(PA-Cre)とテトラサイクリン(Tet)誘導発現系システムのActb
locusへの迅速なノックイン技術を組み合わせて、青色光/細胞種特異的なDNA組換え反応を可能とする遺伝子改変マウス(TRE-PA-Creマウス)の作製に成功しました。
成果は3月20日、国際科学誌「Biochem. Biophys. Res. Commun.」のResearch Articleとして掲載されました。
今回作製したマウスが、これまで不可能であった「細胞種特異的」かつ「光照射時/部位特異的」な生体内遺伝子研究に利用されることが期待されます。
Tet誘導性の不活化Cre recombinaseが光依存的に活性化する遺伝子改変マウスの作製に成功しました。これまで知り得なかった細胞種特異的かる時空間的な遺伝子解析が可能になると期待しています。今後はこのマウスを用いて病因や疾患に関わる遺伝子機能の解明へつながる研究を進めていきたいと考えています。 | 高尾助教 |
■論文情報論 文 名:Establishment of a tTA-dependent photoactivatable Cre recombinase knock-in mouse model for optogenetic genome engineering.掲 載 紙:Biochem. Biophys. Res. Commun. in press.著 者:Tomoka Takao, Yuichi Hiraoka, Kenji Kawabe, Daisuke Yamada, Lu Ming, Kohichi Tanaka, Moritoshi Sato, Takeshi Takarada.D O I:10.1016 / j.bbrc.2020.03.015U R L: Establishment of a tTA-dependent photoactivatable Cre recombinase knock-in mouse model for optogenetic genome engineering - ScienceDirect
<詳しい研究内容について>
光によるDNA組換えを可能にするマウス作製に成功~テトラサイクリン誘導光応答性Cre-loxPマウス~
<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)
組織機能修復学分野 研究教授 宝田剛志
(電話番号) 086-235-7407
(FAX) 086-235-7412
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id716.html
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