2018年12月28日金曜日

【情報発信】Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.60 発行 「Role of commensal microbiota in bone remodeling」

岡山大学は12月26日、本学の強みである医療系分野の研究成果について、革新的な基礎研究や臨床現場、医療産業等に結びつく成果を英語で情報発信するWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」のVol.60を発行しました。

2012年より岡山大学では、研究成果や知的財産活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年3~4回発行。世界の大学・研究機関の研究者やマスコミ関係者等にニュースやトピックスを交えて配信し、岡山大学の海外への情報発信を強化と国際的知名度の向上などを推進しています。

OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、岡山大学の強みある医療系分野とその融合分野などの更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行しています。

本号では、大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)予防歯科学分野の森田学教授と同分野大学院生の内田瑶子歯科医師らの常在菌が正常な骨形成を促進するメカニズムを発見した研究成について紹介しています。

森田教授と内田歯科医師らは、常在菌の存在が、骨の新陳代謝を司る骨芽細胞と破骨細胞を活性化していることを発見しました。

人為的に常在菌を欠損させた無菌マウスの骨格と、常在菌を持つ通常マウスを比較したところ、通常マウスの骨格は無菌マウスより顕著に大きく、一方で無菌マウスは過度な石灰化を伴っていることがわかりました。常在菌を持つ通常マウスでは活性化された破骨細胞が多く存在していました。また、これらのマウスから単離した骨芽細胞では、通常マウスにおいて石灰化を抑制するオステオカルシン遺伝子の発現が促進されていました。

本研究は、常在菌が骨芽細胞にエピジェネティックな変化を誘発し、遺伝子発現を制御することを示唆しており、常在菌が免疫応答だけでなく骨形成および骨代謝を促進していることを示しています。私たちの身体を支えている骨は日々作り替えられています。“作る”と“壊す”のバランスは絶妙に保たれているのですが、一度そのバランスが崩れると、骨粗鬆症などのように私たちの日常生活に大きな影響を及ぼすことになります。また近年の研究から、骨は私たちの身体を支える以外の役割を果たしていることが分かってきています。今回分かったことは常在菌と骨形成との関係ですが、常在菌が与える影響を介して、長期間骨を労ることができる治療法の開拓を導く可能性があります。

岡山大学は、2013年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築のため、強みある医療分野の国際的な情報発信を力強く推進していきます。また、強みある医療系分野から生み出される成果を社会や医療現場が求める革新的技術として、より早く届けられるように研究開発を推進していきます。

なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。

Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)Vol.60:
Role of commensal microbiota in bone remodeling


<Back Issues:Vol.52~Vol.59>
Vol.52:
A protein found on the surface of cells plays an integral role in tumor growth and sustenance (大学院保健学研究科 廣畑聡教授)
Vol.53:
Successful implantation and testing of retinal prosthesis in monkey eyes with retinal degeneration (大学院ヘルスシステム統合科学研究科 松尾俊彦准教授、大学院自然科学研究科(工学系)内田哲也准教授)
Vol.54:
Measuring ion concentration in solutions for clinical and environmental research (大学院ヘルスシステム統合科学研究科 紀和利彦准教授)
Vol.55:
Diabetic kidney disease: new biomarkers improve the prediction of the renal prognosis (大学院医歯薬学総合研究科(医学系) 和田淳教授、三瀬広記医員)
Vol.56:
New device for assisting accurate hemodialysis catheter placement (大学院医歯薬学総合研究科(医学系) 大原利章助教)
Vol.57:
Possible link between excess chewing muscle activity and dental disease (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)皆木省吾教授、加藤聖也医員)
Vol.58:
Insights Into Mechanisms Governing the Resistance to the Anti-Cancer Medication Cetuximab (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)江口傑徳助教)
Vol.59:
Role of commensal flora in periodontal immune response investigated (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)森田学教授、福原大樹医員)


<参考>
山大学国際Webマガジン「Okayama University e-Bulletin」


【本件問い合わせ先】
広報・情報戦略室
TEL:086-251-7293
 




http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8205.html

【情報発信】FOCUS ON(Vol.14)「『夢をつかむ力』を養う美術教育」 発行

岡山大学は12月28日、さまざまな分野のユニークな研究者に焦点を当て、研究内容やその人柄を紹介する「FOCUS ON」のVol.14を発行しました。


岡山大学は11学部・1プログラム、8研究科、3研究所を有しており、幅広い学問領域をカバーしています。

今回は、大学院教育学研究科の清田哲男准教授の研究活動について紹介しています。

図工や美術の授業は、テクニックの訓練や芸術鑑賞の時間と捉えられがちですが、大学院教育学研究科の清田哲男准教授はこれらの授業を「目標を自ら見つけ、試行錯誤によって達成する力-『夢をつかむ力』」を養う場として再定義。この力を育てるため、「自分に似ていると思うものを探して写真に撮ってみる」、「高齢者が楽しく食事できるような食器を作り、実際に高齢者に使ってもらう」といったユニークな授業を、多数の学校と協働で考案・実施しています。

FOCUS ON(Vol.14):『夢をつかむ力』を養う美術教育

<Back Issues>
Vol.13:
光による生命現象の制御-「光をくすりに」を目指して-
Vol.12:AIがもたらす情報セキュリティの新時代
Vol.11:電気抵抗ゼロの物質「超電導体」を創り出す
Vol.10:アオコ問題解決の鍵を握るバイオ燃料電池
Vol.9:古墳に隠された背景
Vol.8:生体材料で未来を創る
Vol.7: COPD患者の声に耳を傾ける
Vol.6:データ科学で食糧危機に対抗する
Vol.5:“クニヨシズム”に倣う教育精神
Vol.4:体内時計の不思議に迫る


<参考:研究系web国際広報>
Okayama University e-Bulletin
Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)


 【本件問い合わせ先】
総務・企画部広報・情報戦略室
TEL:086-251-7292


岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。

 


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8080.html

【情報発信】岡山大学 IR/IE講演会・ワークショップを開催

岡山大学は12月19日、文部科学省科学技術・学術政策研究所の村上昭義研究員と大学共同利用機関法人・自然科学研究機構の小泉周特任教授を招き、津島キャンパスの一般教育棟でIR/IE講演会を開催しました。


村上研究員は「研究力の現状把握と研究戦略策定に向けて」と題し、他機関との共著により論文数が伸びていることや「教員・研究者は、研究時間の減少が研究活動の活発度を低下させている主要因であると認識」しているなど、日本全体の研究活動の現状について説明。研究力向上には、論文が生まれるまでの研究プロセスを理解することが必要で、そこがIR/IEの役割と説明しました。


小泉特任教授は「世界の中の岡山大学―指標から探る―」と題して講演。大学の研究力の測り方として、「量」、「質」、「厚み」などの要素があり、「質」を見る指標には被引用数に依存する「Top10%論文割合」や被引用数に依存しない「Nature Index論文数」などがあること、「厚み」を見る指標には論文数の集積をみる「Institutional h 5 index」や論文著者になっている研究者数をみる「Active authors」などがあることを説明。「厚みを高めることで、質も高まる。IRは自分を知る、世界のなかの自分を知ることに繋がり、どのような戦略をもって大学改革を進めて行くかが重要」と話ました。


講演後の質疑応答では、これから伸びる研究を測る指標や文系の測り方に関する質問があり、活発な意見交換が行われました。槇野博史学長をはじめ、役員や部局長、教職員、学生ら約120人が聴講しました。


講演後のワークショップには、講演を聴いた教職員や学生19人が参加。本来あるべき基礎研究をどう評価するのか、人材育成などを評価する指標があっても良いのではないのか、研究を理解してもらうための広報が必要、などの幅広い内容について講師を交えて意見交換をしました。


岡山大学では、エビデンスベースの経営戦略の推進と指標による成果の見える化に向け、平成29年7月にIR/IE室を設置しました。大学経営を取り巻く環境が厳しさを増す中で、研究力の向上とそれに向けての大学の意思決定や組織戦略が重要になっています。今回の講演を踏まえ、本学におけるIR/IEの充実・発展を図っていきます。

●IR: Institutional Research
「機関研究活動」とも訳され、その業務の本質は「必要な時に必要な学内情報を、必要とする職員・部署に提供する」ことです。その情報を、大学の教育・研究活動、学生支援や経営などに活用し、新たな部門間連携や新事業創出などにつなげます。

●IE: Institutional Effectiveness
組織の継続的な改善を促す循環プロセスのことで、データの収集・分析・改善策の構築・実行・結果分析の5段階からなります。単なる評価にとどまらず、学内の未掘シーズの発見や、組織の新たな価値創生につなげる活動を行います。

【本件問い合わせ先】
総務・企画部 広報・情報戦略室(IR/IE室)
TEL:086-251-7013



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8200.html


【情報発信】「SDGsサイエンスカフェ(第2回)」を津山市内で開催

岡山大学研究推進産学官連携機構は12月16日、SDGsサイエンスカフェ(第2回)」を津山市内で開催しました。SDGsサイエンスカフェは、従来のサイエンスカフェとは趣向を変え、SDGs(持続可能な開発目標)の観点から科学について考えるとともに、研究者・専門家と一般市民とのディスカッションの要素を強くした新たな取り組みです。

SDGsサイエンスカフェとして2回目の開催となる今回は、旧美作国3市5町2村および津山商工会議所との包括連携協定に基づく「岡大=美作国プロジェクト」の一環として、これらの市町村の高校生を対象に開催しました。

今回のテーマは「2030年の仕事論」で、SDGsの17の達成目標のうちの1つ「8 働きがいも経済成長も」をベースとして、講演やディスカッションを実施。高校生や地元の関係者ら約50人が参加しました。

第1部では、本学大学院ヘルスシステム統合科学研究科の五福明夫教授が「AI技術の発展について」と題し講演。現在、AI研究としてどのようなことが行われているのか、将来はどのような分野に応用されていくのか、などについて説明がありました。次に、同研究科の吉葉恭行教授が「科学技術の歴史と仕事の変化」をテーマに講演を行い、科学技術史の観点から、「仕事」や「職業」がこれまでどのように変わってきて、今後どのように変わっていくのか、などについて説明しました。

第2部では、高校生が、自らが大事にしたい価値観について見つめ直すためのワークショップを実施しました。本学の青尾謙副理事が企画の意図などを説明した後、一般社団法人上山集楽/大芦高原キャンプ場管理人/美作市地おこし協力隊の三宅康太氏から、棚田の再生やキャンプ場の運営など、現在取り組んでいる仕事の内容や、これまでの経験について講演がありました。第1部・第2部の講演者に、自らの価値観と人生における選択について語ってもらい、高校生にはそれらを踏まえ、自分が大事にしたい価値観は何かを考え、周りと共有しました。

高校生からは、「自分自身のことについて考えるよい機会になった」、「社会に出てからも勉強することは大切だと学べた」、「自分のなかで新しい考えが生まれた」などの感想が寄せられました。

最後に、参加者と講演者が交流する時間を設け、参加者は「カフェ」として提供された飲み物を手に、講演者や関係者に質問したり話を聞くなどして、研究(サイエンス)への関心を深めました。


●参考:
作州地域10市町村および津山商工会議所と包括的連携・協力に関する協定を締結

SDGsサイエンスカフェ(第1回):「海の未来を科学の目から考える」


 【本件問い合わせ先】
岡山大学研究推進産学官連携機構
TEL:086-251-7112



岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8196.html

【情報発信】南方医科大学の教員や学生と国際交流

12月2~8日、岡山大学と大学間協定を結ぶ中華人民共和国・南方医科大学の学生および若手研究者ら10人が来学し、施設見学や本学の教員・学生と交流を行いました。

本プログラムは、科学技術振興機構(JST)の日本・アジア青少年サイエンス交流事業「さくらサイエンスプラン」の一環として開催。アジア地域と日本の青少年が科学技術の分野で交流を深めることを目的としています。

山大学大学院医歯薬学総合研究科長の那須保友教授が中心となり、津島キャンパスでは異分野基礎科学研究所や、大学院ヘルスシステム統合科学研究科生命医用工学専攻・ナノバイオシステム分子設計学、認知神経料学の研究室を見学しました。  


鹿田キャンパスでは、岡山大学病院の見学を実施。本学において代表的な分子イメージング部門(OMIC)中性子医療研究センター新医療研究開発センター探索的医薬品開発室、医療教育統合開発センターなどの最先端研究・医療施設を見学したほか、関連実験やセミナーにも参加しました。研究者や学生との幅広い交流を通して、参加者らは今後の日本での勉学、研究への熱意を高め合いました。


本事業では、このような取り組みを通して、招へい者たちがそれぞれの異なる文化や教育レベルを超え、アジアの若手研究者と学術情報を交換しながら友情を培い、国際的な視野に立脚した教育・研究体系が形成されることを期待しています。


【本件問い合わせ先】
大学院医歯薬学総合研究科(医学系) 助教 黄 鵬
TEL:086-235-7287
 


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8192.html

【情報発信】工学部の高橋さんが「JMK地区賞」を受賞!

12月17日、本学工学部4年の高橋桃花さんに、「JMK地区賞」が授与されました。表彰式は、ANAクラウンプラザ岡山で行われ、槇野博史学長と横井篤文副学長(海外戦略担当)、グローバル・パートナーズの稲森岳央准教授が高橋さんと共に出席しました。

JMK奨学金(Jane M. Klausman Women in Business Scholarships)は、全世界の女性の地位向上のために活動している国際ゾンタ*により、ビジネス分野で活躍する女性を応援することを目的に1997年に設立されました。国際ゾンタは、他にも航空宇宙分野や社会事業分野で活躍する女性も支援しており、宇宙飛行士の山崎直子さんも奨学金受賞者の一人です。


当日は、真鍋洋子前ガバナーからJMK地区賞が授与され、山下貴司法務大臣からのお祝いビデオメッセージも届きました。山下大臣は、IT分野での女性進出を支援している高橋さんの活動を高く評価するとともに、政府が推進するSociety5.0(仮想空間と現実空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会)を牽引するリーダーとして活躍を期待する旨の激励メッセージを送りました。


槇野学長からのあいさつと推薦報告では、岡山大学が推進する国連の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)の5つ目の目標「ジェンダーの平等」に向けた高橋さんの取り組みについて説明するとともに、世界的な課題を解決するために「女性のエンパワメント」が必須であることを強調し、高橋さんの今後の活躍に期待を寄せました。
 

岡山大学は2017年より「SDGsに関する岡山大学の行動指針」のもと、持続可能な社会の実現に向け、SDGsを実践する人材の育成に取り組んでいます。

*国際ゾンタ(Zonta International):
国際ゾンタは奉仕と支援を通して全世界の女性の地位向上のために活動する世界的な社会奉仕団体です。1919年11月8日にアメリカ合衆国ニューヨーク州バッファローにおいて設立され、2019年には100周年を迎えます。世界67カ国に1,200以上のクラブがあり、約30,000人の会員で運営されています。

また、国連経済社会理事会(ECOSOC)の総顧問の資格を有し、国連女性の地位委員会(CSW)でも活躍しています。2018年6月30日から7月3日においては、日本初開催となる第64回国際ゾンタ世界大会が横浜で開催されました。
日本のゾンタクラブは、東京ゾンタクラブが1961年(世界で16番目の国として加盟)に国際ゾンタから認証され、世界32地区エリアの中、日本は26地区に属し、全国に49クラブ(2018年3月現在)が活躍しています。

●JMK26地区アワード表彰式


 【本件問い合わせ先】
副学長(海外戦略担当)・上級UGA 横井篤文
TEL:086-251-8326


岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8203.html

【情報発信】バージニア工科大学の宮崎康夫准教授が、本学大学院教育学研究科で集中講義を担当

12月18~21日の4日間、バージニア工科大学の宮崎康夫准教授が来学し、本学大学院教育学研究科修士課程の集中講義を行いました。宮崎准教授は、心理測定学(Psychometrics)を専門としており、特にマルチレベルモデル(Multilevel modeling)の理論と応用の研究で世界的に活躍。

集中講義では、マルチレベルモデルについて、理論的な説明を基礎から分かりやすく解説。ソフトウェアを用いたデータ分析演習も行いました。実践的な講義を通して宮崎准教授は、「講義内容を活用して論文(ペーパー)を書こう」と学生らに呼びかけ、受講生らは熱心に講義を聴講しました。


宮崎准教授は集中講義のほか、大学院教育学研究科およびグローバル・ディスカバリー・プログラムの教員とのミーティングにも参加し、本学とバージニア工科大学の学生交流・教員交流に関する意見を交換。今後の国際交流について、より一層の共通理解を深めました。


バージニア工科大学と岡山大学大学院教育学研究科は、国際交流のための覚書(MOU: Memorandum of Understanding)を2018年2月に締結しており、今回の来日・来岡も、その国際協働事業の一環として開催。宮崎准教授の講義は、大学院教育学研究科教育科学専攻の先進的な教育プログラムの一翼を担うものとなります。

2019年3月には、インターネット会議によるプロジェクト発表会が予定されており、受講生らは、本講義で学んだ知識・スキルを活用して、各自のプロジェクトに取り組んでいきます。

●マルチレベルモデル
階層性のあるデータ(全国から学校が抽出され、学校からあるクラスが抽出され、といった形で収集されたデータのように観測値が相互に独立ではないデータ)に適用できる統計手法です。マルチレベルモデルは、教育や心理、経済や医学など幅広い領域で応用されている手法です。


●宮崎准教授のプロフィールはこちら


【本件問い合わせ先】
大学院教育学研究科教授 山田 剛史
tyamada@okayama-u.ac.jp



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8197.html

【情報発信】狩野光伸副理事が「SDGs(持続可能な開発目標)の推進について」基調講演

本学の狩野光伸副理事(SDGs推進担当)が12月10日、「SDGs(持続可能な開発目標)の推進について」と題し、津山国際ホテルにて基調講演を行いました。

本講演は、本学、作州地域10市町村、津山商工会議所が連携・協力体制を築くことにより、広範囲な地方創生および人材育成に寄与することを目的として開催。また、本学が全学を挙げて推進しているSDGs(国連の持続可能な開発目標)達成への貢献にも寄与するものです。

津山市内で行われた講演会には、関係者約60人が出席。狩野副理事はSDGsの推進のため、「課題に対する新たなアイデアとその対策に取り組んでいく必要がある」と述べ、SDGsとは持続可能な地域社会を構築するための目標であると話しました。

懇談会では、作州地域10市町村の首長、松田欣也津山商工会議所会頭らとともに、SDGsの推進のため美作国による総合的かつ効率的な広域連携を改めて呼びかけ、SDGsを地方創生や人材育成に活かす方法などについて活発に意見を交換しました。

●参考:作州地域10市町村および津山商工会議所と包括的連携・協力に関する協定を締結

【本件問い合わせ先】
総務・企画部 広報・情報戦略室
TEL:086-251-7013


岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8204.html

【情報発信】トラブルを起こさない研究果実の正しい取り扱い方 岡山大学「知財フォーラム2018 第2回」を開催

岡山大学研究推進産学官連携機構知的財産本部は12月13日、研究成果と知的財産について考える「岡山大学知財フォーラム2018 第2回」を、本学津島キャンパス工学部で開催しました。

竹内大二理事・副学長(研究担当)が開会のあいさつをした後、国立大学法人山口大学学長特命補佐・大学研究推進機構知的財産センター長の佐田洋一郎氏が「トラブルを起こさない研究果実の正しい取り扱い方」と題して講演。研究成果の社会への還元や、知的財産の保護について解説しました。質疑応答もあり、参加した教職員・学生などの関係者らは、研究成果の活用について熱心に話しました。

 <今年度の知財フォーラム>

 知財フォーラム2018 第1回:金のタマゴ特許VS金喰い虫特許

【本件問合わせ先】
研究推進産学官連携機構 知的財産本部
TEL:086-251-8472



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8198.html

2018年12月21日金曜日

【情報発信】関東圏同窓会会合「岡大懇話会」(平成30年度第3回)を開催

岡山大学の全学同窓会組織「岡山大学Alumni」は、関東圏同窓生有志で構成される「岡大懇話会」の平成30年度第3回会合を11月28日、東京都中央区にて開催しました。

「岡大懇話会」は、「いつか会」と同様に、岡山大学東京オフィスの協力のもとAlumni東京支部が主催しており、同支部の活動の輪を広げていくために、各学部同窓会メンバーを中心に学部を超えて同窓生が集い、情報交流を行う場です。本年度3回目となる今回は、さまざまな学部・大学院から20人の同窓生が参加しました。
 

本会は、幹事役を務める長谷川伸城氏(法学部卒)の司会により進行。はじめにAlumni東京支部幹事(兼農学部同窓会関東支部代表幹事)の中川襄二氏(農学部卒)からあいさつとともに乾杯の発声がありました。その後、参加者の近況報告が順次行われました。

本学の宮道力准教授・東京オフィスマネージャー(法学部卒)が、東京オフィスの近況を説明。東京駐在の佐藤法仁副理事・URA(歯学部卒)は「岡山大学MONTHLY DIGEST」広報誌「いちょう並木」などを基に本学の教育・研究を紹介したほか、岡山大学ブランドの日本酒である「おお岡大」の純米大吟醸の新発売などの宣伝が行われました。

小長啓一Alumni会長(法文学部、現法学部卒)からは、5月にお亡くなりになった本学法文学部2期生で、本学名誉会員でもあった故 金光富男氏を偲んで、思い出の紹介や感謝の言葉が述べられました。また、今回の内閣改造で新たに法務大臣に就任した山下貴司大臣(衆議院議員・岡山県第2区、本学附属中学校卒)への期待についても述べました。来年度、本学が新制大学として70周年を迎えるにあたり、同窓会の更なる活動の活性化などについても力強く述べました。

最後に、今回初参加であった工藤浩二氏(経済学部卒)が「次回も集まって本会をますます拡充していきましょう!」と呼び掛けがありました。

岡大懇話会は、本学同窓生ならば出身学部・研究科を問わず、誰でも自由に参加することができます。次回は、2月8日(会場:23区内を予定)に開催する予定です(お問い合わせは東京オフィスまでお願い申し上げます)。

○岡山大学Alumni(全学同窓会)のページはこちら
http://www.cc.okayama-u.ac.jp/~dousou/alumni/index.html

 ○参考ニュース

関東圏同窓会会合「岡大懇話会」(平成30年度2回)を開催(2018年9月3日)
岡山大学ブランド日本酒【純米大吟醸】「おお岡大」新発売!(岡山大学プレスリリース 2018年11月30日)
「おお岡大」を造ってみた隊プロジェクト 隊員募集(岡山大学プレスリリース 2018年11月30日)


【本件問い合わせ先】
岡山大学東京オフィス オフィスマネージャー・准教授 宮道力
TEL:03-6225-2905



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8190.html

2018年12月20日木曜日

【情報発信】膵がんの線維化組織を試験管内で再現することに成功 メカニズムの解明に挑む

◆発表のポイント
狩野教授らの研究室では、膵がんが薬では治りにくい原因の一つとして、膵がんの組織にコラーゲンやフィブロネクチンなどの線維が多く含まれること(線維化)に注目してきましたが、線維化の仕組みは詳しくわかっていませんでした。
患者の膵がん組織の細胞を元に試験管内で線維化組織を構築し、線維の構築を解析することに成功。膵がんの予後と相関するとされる糖タンパク質SPARCが、線維化におけるフィブロネクチンの異常構築にかかわることを明らかにしました。
膵がんの新たな治療戦略の開発への貢献が期待されます。
 
 
岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科の狩野光伸教授と大学院医歯薬学総合研究科(薬)の田中啓祥助教らの研究グループは東北大学の正宗淳教授、慶應義塾大学の西原広史教授、大阪大学の松崎典弥准教授、弘前大学の下田浩教授、日本女子大学の佐藤香枝准教授らとの共同研究で、膵がんの特徴である線維化を、独自の三次元培養技術により試験管内で再現し、線維化において注目されるコラーゲンやフィブロネクチンなどの線維の異常構築のメカニズムを明らかにしました。
本研究成果は、2018年11月17日付で英国科学雑誌「Biomaterials」のオンライン版に掲載されました。
 
がん組織内の線維化は、膵がんなど難治のがん組織に認められ、抗がん剤の効果を減弱させるとされます。しかし、従来利用されてきた動物実験では作製に長い時間を要するなど、新規治療法の開発に向けた仕組みの研究は遅れています。この研究では、実際の膵がん患者の線維化組織の解析に基づき、膵がん患者由来の細胞を三次元的に培養し、試験管内で線維化組織を簡便に再構成することに成功しました。
 
本研究を基盤に、線維化のメカニズム解析を推進することで、膵がんの新たな治療戦略の開発への貢献が期待されます。


◆研究者からのひとこと
膵がんのみならず、治療が難しい多くの線維化疾患に応用できる技術だと考えています。多くの分野の研究者と協力しながら、これからも確かな知見に基づく新たな治療戦略の開発へとつなげていきます。
狩野教授

■論文情報
論 文 名:Pancreatic stellate cells derived from human pancreatic cancer demonstrate aberrant SPARC-dependent ECM remodeling in 3D engineered fibrotic tissue of clinically relevant thickness
掲 載 紙:Biomaterials
著  者:Hiroyoshi Y. Tanaka, Kentaro Kitahara, Naoki Sasaki, Natsumi Nakao, Kae Sato, Hirokazu Narita, Hiroshi Shimoda, Michiya Matsusaki, Hiroshi Nishihara, Atsushi Masamune, Mitsunobu R. Kano
D O I:10.1016/j.biomaterials.2018.11.023
U R L:
Pancreatic stellate cells derived from human pancreatic cancer demonstrate aberrant SPARC-dependent ECM remodeling in 3D engineered fibrotic tissue of clinically relevant thickness


<詳しい研究内容はこちら>
膵がんの線維化組織を試験管内で再現することに成功 メカニズムの解明に挑む

<お問い合わせ>
岡山大学 大学院ヘルスシステム統合科学研究科
教授 狩野 光伸

岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科(薬)
助教 田中 啓祥


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id590.html

【情報発信】口腔粘膜炎と腎機能障害に関係があることを解明

◆発表のポイント
口腔粘膜炎はがん治療の副作用によって口の中で発生する、強い痛みを伴う病気です。
・腎機能障害がある状態でがん治療を行うと、重度の口腔粘膜炎が発生することが分かりました。
がん治療前に腎機能の改善をしておくことで、口腔粘膜炎による苦痛の軽減が期待できます。


岡山大学大学院医歯薬学総合研究科予防歯科学の森田学教授と宮井久敬助教らのグループは、同大耳鼻咽喉・頭頸部外科学、形成再建外科学、岡山大学病院頭頸部がんセンターとの共同研究で、腎機能障害がある頸部がん患者に放射線治療や抗がん剤治療を行うと、重度の口腔粘膜炎が発生するリスクが高まることを解明しました。

腎機能障害により、電解質バランス異常(注2)や抗がん剤の尿への排泄が不調となることが原因の1つではないかと考えられます。この研究成果は、12月8日にアメリカの科学雑誌「In vivo」(オンライン版)に掲載されました。

がん治療の副作用で患者に口腔粘膜炎が発生してしまうと、口の中の痛みがひどくて食事ができず、低栄養状態となります。重度の場合は、がん治療そのものが中止になることもあります。口腔粘膜炎の予防は、入院中の生活の質の向上だけでなく、がん治療の完遂にとっても大変重要です。

がん治療を行う前に腎機能障害の検査や治療を行うことで、患者のがん治療の遂行を邪魔する口腔粘膜炎の発生を食い止める可能性があります。
この成果によって、がん治療の治療予後に貢献できることが期待できます。


◆研究者からのひとこと
皆様の血と涙の結晶です!この研究に携わっていただけた皆様に圧倒的感謝!
アドバイスをいただいた医科の先生方、ならびに協力いただいた看護師の方々に厚く御礼申し上げます。

宮井助教

■論文情報
論 文 名:Relationship Between Renal Dysfunction and Oral Mucositis in Patients Undergoing Concurrent Chemoradiotherapy for Pharyngeal Cancer, A Retrospective Cohort Study
掲 載 紙:In vivo
著  者:HIROFUMI MIZUNO, HISATAKA MIYAI, AYA YOKOI, TERUMASA KOBAYASHI,
CHIAKI INABU, TAKAYUKI MARUYAMA, DAISUKE EKUNI, NOBUYOSHI MIZUKAWA, SHIN KARIYA, KAZUNORI NISHIZAKI, YOSHIHIRO KIMATA, MANABU MORITA
D O I:10.21873

<詳しい研究内容はこちら>
口腔粘膜炎と腎機能障害に関係があることを解明


<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)
教授 森田 学
(電話番号)086-235-6712
 (FAX)086-235-6714



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id592.html

【情報発信】歯学部の学生が国立感染症研究所の研究者と 細菌の簡便な鑑別法を開発

◆発表のポイント
歯学部学生が国立感染症研究所の研究者の協力のもと、ハンセン病の原因菌らい菌(注1)と培養が困難な菌Mycobacterium haemophilum(注2)の簡便な鑑別法を開発しました。
本方法は感度が高く、他の菌種には反応しないことも示されました。
本研究成果は、鑑別の難しい両者による感染症を容易に区別できる方法として、臨床応用されることが期待されます。
 
 
岡山大学歯学部4年生の北岡直也さんは、3年生の授業科目「自由研究演習」において国立感染症研究所ハンセン病研究センターに派遣され、同研究所感染制御部の阿戸学部長や星野仁彦室長らの指導を受け、培養ができないらい菌と、培養が困難なためにこれまで鑑別が困難であった抗酸菌の一種Mycobacterium haemophilumを、マルチプレックスPCR法を応用することで簡便に区別する方法を開発しました。
 
両者は感染するといずれも皮膚に症状を表しますが、M. haemophilumはハンセン病の治療薬であるダプソンに対する感受性が異なるため、その鑑別は重要です。今回開発した方法は感度が高く、また抗酸菌グループの他の菌種には反応しないことも示され、今後臨床の場で応用されることが期待されます。
 
これらの成果は11月21日、高い評価を受けている米国微生物学会の機関紙「Journal of Clinical Microbiology」にオンラインで掲載されました。


◆学生からのひとこと
自由研究演習の期間は2ヶ月弱と短く、しかも初めて行う研究でしたので悪戦苦闘の日々でした。しかし、多くの先生方の支えがあり、筆頭著者として論文の発表までやり遂げることができました。この経験を活かして今後も勉学に励んでいきたいです。

歯学部の学生は卒業までに研究室に所属することはありませんので、今回のように学部生の時にこのような研究成果を上げる機会は乏しく、論文発表を行うことは極めてまれです。(窓口教員の大学院医歯薬学総合研究科(歯)大原直也教授)

北岡さん

 
■論文情報
論文名:Discrimination of Mycobacterium leprae and Mycobacterium haemophilum in clinical isolates/specimens by multiple PCR assay and prediction of drug susceptibility

掲 載 紙:Journal of Clinical Microbiology
著  者:Naoya Kitaoka, Hanako Fukano, Mitsunori Yoshida, Yuji Miyamoto, Shuichi Mori, Norihisa Ishii, Manabu Ato, Naoya Ohara, Yoshihiko Hoshino
D O I:10.1128/JCM.01760-18
U R L:
Discrimination of Mycobacterium leprae and Mycobacterium haemophilum in clinical isolates/specimens by multiple PCR assay and prediction of drug susceptibility


<詳しい研究内容について>
歯学部の学生が国立感染症研究所の研究者と細菌の簡便な鑑別法を開発


<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)
教授 大原 直也
(電話番号)086-235-6655
(FAX)086-235-6659



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id589.html


【情報発信】ハーフメタルの室温でのスピン性能低下の機構解明―省エネルギーで働くデバイスの開発につながる発見―

◆発表のポイント
電子の磁石としての性質(スピン)を利用し省エネルギー化を可能にする技術・スピントロニクスの実現に必要な、スピンの向きのそろった電流を生み出す金属ハーフメタルは、室温で性能が低下する未解明の問題がありました。
ハーフメタルの室温でのスピン性能低下の機構解明に世界で初めて成功しました。
室温で動作するスピントロニクスデバイスの開発への貢献が期待されます。
 
 
岡山大学大学院自然科学研究科博士後期課程3年生の藤原弘和大学院生、岡山大学異分野基礎科学研究所の寺嶋健成特任研究員、村岡祐治准教授、横谷尚睦教授らの研究グループは、東京大学物性研究所の矢治光一郎助教、辛埴教授らのグループなどと共同で、ハーフメタルの室温での性能低下の機構解明に世界で初めて成功しました。
本研究成果は12月18日、米国物理学雑誌 「Physical Review Letters」のオンライン版に掲載されました。
 
スピントロニクスは電子の磁石としての性質(スピン)を利用した技術であり、電子の電荷を利用したエレクトロニクス(電子工学)よりも低エネルギーで動作するため省エネルギーデバイスを実現可能な技術として注目されています。ハーフメタルはスピンの向きのそろった電流を生み出すことができるため、スピントロニクスの鍵を握る物質です。しかし、室温では性能の低下が問題となっていました。
 
本研究では、電流を担う電子のスピンの向きを高精度で分析できる特殊な装置を用いることにより、昇温によりスピンの向きが不ぞろいになることが性能低下の原因であることを突き止めました
 
本研究により、室温で動作するスピントロニクスデバイスの開発に指針が与えられます。
 
 
本研究は藤原君の6年におよぶ研究の成果です。世界最高品質のハーフメタル試料と世界最高性能の実験装置のコラボレーションにより可能になった研究です。研究過程では、装置の冷却水が漏れて実験室が水浸しになるなど困難もありましたが、なんとかここまでこぎつけました。本研究成果により、室温で動作するスピンデバイス開発が大きく進展することを期待しています。
横谷教授

藤原さん


■論文情報
論 文 名:Origins of Thermal Spin Depolarization in Half-Metallic Ferromagnet CrO2
掲 載 紙:Physical Review Letters
著  者:Hirokazu Fujiwara, Kensei Terashima, Masanori Sunagawa, Yuko Yano, Takanobu Nagayama, Tetsushi Fukura, Fumiya Yoshii, Yuka Matsuura, Makoto Ogata, Takanori Wakita, Koichiro Yaji, Ayumi Harasawa, Kenta Kuroda, Shik Shin, Koji Horiba, Hiroshi Kumigashira, Yuji Muraoka, and Takayoshi Yokoya
D O I:10.1103/PhysRevLett.121.257201
U R L:
Origins of Thermal Spin Depolarization in Half-Metallic Ferromagnet CrO2


<詳しい研究内容はこちら>
ハーフメタルの室温でのスピン性能低下の機構解明―省エネルギーで働くデバイスの開発につながる発見


<お問い合わせ>
岡山大学 異分野基礎科学研究所
教授 横谷尚睦
(電話番号)086-251-7897
(FAX番号)086-251-7903



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id591.html


【情報発信】SDGs達成に向けたアジア太平洋ESD教師教育会議を開催

岡山大学は11月27~29日の3日間、ESD(持続可能な開発のための教育)の教師教育を考える「SDGs達成に向けたアジア太平洋ESD教師教育会議」(ユネスコ、ヨーク大学ユネスコチェア(INTEI)、岡山市、岡山ESD推進協議会、ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)と共催)を開催しました。

本会議は平成30年度採択の政府開発援助ユネスコ活動費補助金「SDGsターゲット4.7の達成に向けた『ESDの教師教育のアジア太平洋スタンダード』の開発」による事業の一環として開催。アジア・太平洋地域19カ国のESDを実践する教育者・指導者の育成に係る教育関係者らが集い、教師教育の達成目標としての「ESDの教師教育のアジア太平洋スタンダード」の開発に取り組みました。


文部科学省大臣官房文部科学戦略官の池原充洋氏があいさつした後、槇野学長が本会議の主旨や目的を説明。各国からESDの教師教育の現状報告に続き、岡山市内にてESDを実践する小学校を視察しました。また、「岡山大学ESDレクチャーシリーズ」と題し、カナダ、イギリス、韓国からESDの世界的キーパーソンを招聘し、講演会を開催。参加者らは熱心に聞き入り、活発な意見交換を行いました。
意見交換後には、アジア太平洋スタンダードの基礎となるフレームワークについて検討・協議も行い、ESDを実践する教育者・指導者に求められる資質・能力、ならびにESDの教師教育を展開していく上でのフレームワークの活用可能性を明確化しました。各国の教師教育機関ごとにフレームワークに基づいたアクションプランも作成し、共有しました。

岡山大学は2017年より「SDGsに関する岡山大学の行動指針」のもと、SDGsの達成に貢献する活動に取り組み、持続可能な社会の実現を牽引しています。
本ワークショップは、SDGsの目標4「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」の達成を目指して開催しました。
本会議は、2014年の「ESDに関するユネスコ世界会議」として岡山市で開催された「ESD教師教育に関する国際会議」のフォローアップ会議として位置づけられています。


【本件問い合わせ先】
大学院教育学研究科 ESD協働推進室 柴川弘子
TEL:086-251-7723


岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8170.html

2018年12月18日火曜日

【offer information】Okayama University Medical Research Updates (OU-MRU) Vol.59

Source: Okayama University (JAPAN), Public Relations and Information Strategy
For immediate release: 26 2018
Okayama University research: Role of commensal flora in periodontal immune response investigated

(Okayama, 26 November) Researchers at Okayama University report in the Journal of Periodontology that the presence of commensal flora in the mouth may play a key role in the functioning of the immune system against periodontal infections.

The development of an animal’s immune system relies on commensal flora — microorganisms such as bacteria present in certain parts of the body. In the case of immunity against periodontal diseases — infections of the areas surrounding teeth — it is unclear, however, what exactly the role of commensal flora is. Now, Professor Manabu Morita from Okayama University and colleagues have investigated the relation between commensal flora in the mouth and the immune response to a bacterium called Porphyromonas gingivalis (P. gingivalis), which contains lipopolysaccharide (LPS), a known periodontal pathogen.

The researchers tested the immune response of mice after the application of P. gingivalis/LPS. Two types of mouse were used in the experiments: germ-free and specific-pathogen-free mice. The former are free of any microorganisms, including commensal flora; the latter are mice guaranteed to be free of certain pathogens — in this case, periodontal pathogens — but not of commensal flora.

The response to the bacterium was assessed by the amounts of particular types of cells that are characteristic of immune system activation. Four groups of mice were monitored: a ‘baseline’ group not exposed to P. gingivalis and three groups to which the bacterium was applied; each of the three groups was then examined at different points in time after the application of LPS.

The scientists observed that exposure to P. gingivalis led to an increase in the number of a certain type of cell associated with immune system activity in the specific-pathogen-free mice, after 3 hours, indicating that application of the bacterium indeed triggered the immune system. At the same time, the germ-free mice did not show similar increased levels of these cells, suggesting that commensal flora contribute to the development and functioning of the periodontal immune system.

Professor Morita and colleagues are aware of the limitations of their study. They did not, for example, investigate the effect of repeatedly applying LPS. They also acknowledge that only a limited set of cell types characteristic of immune system activity was monitored. Therefore, the scientists concluded that “[the] results, though suggestive, should be interpreted with caution.”


Background
R Commensal flora

Flora is the term for a community of bacteria and other microorganisms in a part of an animal’s body. The term commensal flora is used when the presence of the flora is not harmful for the animal host. Professor Manabu Morita from Okayama University and colleagues have now studied the role of commensal flora in the gingival sulcus — the area between a tooth and surrounding tissues — on the development of proper periodontal immune responses.

Lipopolysaccharide
A lipopolysaccharide (LPS) is a large organic molecule consisting of a lipid and a polysaccharide; LPS molecules occur in certain types of bacteria. LPS is known to be toxic, and typically triggers immune response activation. Professor Morita and colleagues have now investigated whether immune response to LPS, when applied via the bacterium Porphyromonas gingivalis (P. gingivalis), is influenced by the presence of commensal flora in the gingival sulcus.

Reference
Daiki Fukuhara, Koichiro Irie, Yoko Uchida, Kota Kataoka, Kentaro Akiyama, Daisuke Ekuni, Takaaki Tomofuji, Manabu Morita. Impact of commensal flora on periodontal immune response to lipopolysaccharide. Journal of Periodontology, 2018;89:1213–1220.
DOI: 10.1002/JPER.17-0567

Impact of commensal flora on periodontal immune response to lipopolysaccharide


Correspondence to
Professor Manabu Morita, D.D.S., Ph.D.
Department of Preventive Dentistry,
OkayamaUniversity Graduate School of Medicine, Dentistry and
Pharmaceutical Sciences, 2-5-1 Shikata-cho, Kita-ku, Okayama,
700-8558, Japan.
E-mail: mmorita(a)md.okayama-u.ac.jp
For inquiries, please contact us by replacing (a) with the @ mark.



Further information
Okayama University
1-1-1 Tsushima-naka , Kita-ku , Okayama 700-8530, Japan
Public Relations and Information Strategy
E-mail: www-adm (a) adm.okayama-u.ac.jp
For inquiries, please contact us by replacing (a) with the @ mark.
Website:
//www.okayama-u.ac.jp/index_e.html
Okayama Univ. e-Bulletin: //www.okayama-u.ac.jp/user/kouhou/ebulletin/
About Okayama University (You Tube): https://www.youtube.com/watch?v=iDL1coqPRYI
Okayama University Image Movie (You Tube): https://www.youtube.com/watch?v=KU3hOIXS5kk


Okayama University Medical Research Updates (OU-MRU)
The whole volume : OU-MRU (1- )

Vol.1:Innovative non-invasive ‘liquid biopsy’ method to capture circulating tumor cells from blood samples for genetic testing
Vol.2:Ensuring a cool recovery from cardiac arrest
Vol.3:Organ regeneration research leaps forward
Vol.4:Cardiac mechanosensitive integrator
Vol.5:Cell injections get to the heart of congenital defects
Vol.6:Fourth key molecule identified in bone development
Vol.7:Anticancer virus solution provides an alternative to surgery
Vol.8:Light-responsive dye stimulates sight in genetically blind patients
Vol.9:Diabetes drug helps towards immunity against cancer
Vol.10:Enzyme-inhibitors treat drug-resistant epilepsy
Vol.11:Compound-protein combination shows promise for arthritis treatment
Vol.12:Molecular features of the circadian clock system in fruit flies
Vol.13:Peptide directs artificial tissue growth
Vol.14:Simplified boron compound may treat brain tumours
Vol.15:Metamaterial absorbers for infrared inspection technologies
Vol.16:Epigenetics research traces how crickets restore lost limbs
Vol.17:Cell research shows pathway for suppressing hepatitis B virus
Vol.18:Therapeutic protein targets liver disease
Vol.19:Study links signalling protein to osteoarthritis
Vol.20:Lack of enzyme promotes fatty liver disease in thin patients
Vol.21:Combined gene transduction and light therapy targets gastric cancer
Vol.22:Medical supportive device for hemodialysis catheter puncture
Vol.23:Development of low cost oral inactivated vaccines for dysentery
Vol.24:Sticky molecules to tackle obesity and diabetes
Vol.25:Self-administered aroma foot massage may reduce symptoms of anxiety
Vol.26:Protein for preventing heart failure
Vol.27:Keeping cells in shape to fight sepsis
Vol.28:Viral-based therapy for bone cancer
Vol.29:Photoreactive compound allows protein synthesis control with light
Vol.30:Cancer stem cells’ role in tumor growth revealed
Vol.31:Prevention of RNA virus replication
Vol.32:Enzyme target for slowing bladder cancer invasion
Vol.33:Attacking tumors from the inside
Vol.34:Novel mouse model for studying pancreatic cancer
Vol.35:Potential cause of Lafora disease revealed
Vol.36:Overloading of protein localization triggers cellular defects
Vol.37:Protein dosage compensation mechanism unravelled
Vol.38:Bioengineered tooth restoration in a large mammal
Vol.39:Successful test of retinal prosthesis implanted in rats
Vol.40:Antibodies prolong seizure latency in epileptic mice
Vol.41:Inorganic biomaterials for soft-tissue adhesion
Vol.42:Potential drug for treating chronic pain with few side effects
Vol.43:Potential origin of cancer-associated cells revealed
Vol.44:Protection from plant extracts
Vol.45:Link between biological-clock disturbance and brain dysfunction uncovered
Vol.46:New method for suppressing lung cancer oncogene
Vol.47:Candidate genes for eye misalignment identified
Vol.48:Nanotechnology-based approach to cancer virotherapy
Vol.49:Cell membrane as material for bone formation
Vol.50:Iron removal as a potential cancer therapy
Vol.51:Potential of 3D nanoenvironments for experimental cancer
Vol.52:A protein found on the surface of cells plays an integral role in tumor growth and sustenance
Vol.53:Successful implantation and testing of retinal prosthesis in monkey eyes with retinal degeneration
Vol.54:Measuring ion concentration in solutions for clinical and environmental research
Vol.55:Diabetic kidney disease: new biomarkers improve the prediction of the renal prognosis
Vol.56:New device for assisting accurate hemodialysis catheter placement
Vol.57:Possible link between excess chewing muscle activity and dental disease
Vol.58:Insights into mechanisms governing the resistance to the anti-cancer medication cetuximab


【情報発信】Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.59 発行

岡山大学は11月26日、本学の強みである医療系分野の研究成果について、革新的な基礎研究や臨床現場、医療産業等に結びつく成果を英語で情報発信するWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」のVol.59を発行しました

2012年より岡山大学では、研究成果や知的財産活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年3~4回発行。世界の大学・研究機関の研究者やマスコミ関係者等にニュースやトピックスを交えて配信し、岡山大学の海外への情報発信を強化と国際的知名度の向上などを推進しています。

OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、岡山大学の強みある医療系分野とその融合分野などの更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行しています。

本号では、大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)予防歯科学分野の森田学教授と福原大樹医員らの常在菌の有無で歯肉での免疫応答が異なることを発見した研究成果について紹介しています。

森田教授と福原医員らは、アメリカ・Department of Microbiology and Immunology, Columbia University Medical Centerの入江浩一郎研究員、本学大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)インプラント再生補綴学分野の秋山謙太郎講師朝日大学社会口腔保健学分野の友藤孝明教授らの研究グループとともに、歯周病の病原因子の一つであるリポポリサッカライド(LPS、歯周病原細菌などがもつ毒素の一種)に対して、常在菌の有無により歯肉での免疫応答が異なることを発見しました。

常在菌を保有するマウスと比較して、無菌マウスでは、歯肉へLPSを塗布した時に免疫細胞(CD4+T細胞)や炎症に関連する因子(TNF-α)の発現が低下しました。

常在菌は適切な免疫系の成熟に関与します。今回、LPSのような歯周病原因子に対する免疫応答の一端を明らかにしたことで、常在菌が担う新たな役割が明らかになりました。

本研究成果は将来の免疫応答の制御による歯周病の予防・治療に貢献することが期待されるとともに、人間と細菌がともに生きることの意味の解明につながるかもしれません。

岡山大学は、2013年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築のため、強みある医療分野の国際的な情報発信を力強く推進していきます。また、強みある医療系分野から生み出される成果を社会や医療現場が求める革新的技術として、より早く届けられるように研究開発を推進していきます。

なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。


Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.59:
Role of commensal flora in periodontal immune response investigated

<Back Issues:Vol.51~Vol.58>
Vol.51:
Potential of 3D nanoenvironments for experimental cancer (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)江口傑徳助教)
Vol.52:
A protein found on the surface of cells plays an integral role in tumor growth and sustenance (大学院保健学研究科 廣畑聡教授)
Vol.53:
Successful implantation and testing of retinal prosthesis in monkey eyes with retinal degeneration (大学院ヘルスシステム統合科学研究科 松尾俊彦准教授、大学院自然科学研究科(工学系)内田哲也准教授)
Vol.54:
Measuring ion concentration in solutions for clinical and environmental research (大学院ヘルスシステム統合科学研究科 紀和利彦准教授)
Vol.55:
Diabetic kidney disease: new biomarkers improve the prediction of the renal prognosis (大学院医歯薬学総合研究科(医学系) 和田淳教授、三瀬広記医員)
Vol.56:
New device for assisting accurate hemodialysis catheter placement (大学院医歯薬学総合研究科(医学系) 大原利章助教)
Vol.57:
Possible link between excess chewing muscle activity and dental disease (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)皆木省吾教授、加藤聖也医員)
Vol.58:
Insights Into Mechanisms Governing the Resistance to the Anti-Cancer Medication Cetuximab (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)江口傑徳助教)


<参考>
岡山大学国際Webマガジン「Okayama University e-Bulletin」


【本件問い合わせ先】
広報・情報戦略室
TEL:086-251-7293



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8153.html