岡山大学は1月16日、「作物イノベーション研究ワークショップ(第2回セミナー)~植物遺伝子改変技術をどう生かすか~」を倉敷キャンパス・資源植物科学研究所(植物研)にて開催しました。
農業上の有用な遺伝子の機能を明らかにすることや植物界の様々な生命現象を解き明かす上で、遺伝子改変技術(遺伝子組換え、形質転換、ゲノム編集)は重要な役割を果たしています。
ワークショップ前半では、植物遺伝子組換え技術を用いた研究成果として、基礎生物学研究所の真野弘明研究員が『オジギソウの「おじぎ運動」はどのようにして起こるのか』をテーマに講演。愛媛大学農学部の八丈野孝准教授は「うどんこ病菌がどのようにしてオオムギ細胞からエネルギーを得ているのか」について講演しました。どちらも、生命現象の一端を明らかにする興味深いテーマでした。これらの成果は、植物の進化を解明したり、病気に強い作物を作ったりするのに役に立ちます。
後半は、今話題のゲノム編集技術について愛媛大学農学部の賀屋秀隆准教授が「植物に利用できるゲノム編集技術の最前線」と題し、講演。また、農研機構生物機能利用研究部門の石橋和大主任研究員は、「植物ウイルスを利用したゲノム編集」について講演しました。ゲノム編集作物は、将来的に日本で栽培できる可能性があり、より高度な技術の醸成が必要となります。先生方の研究は、より精密で安全なゲノム編集作物をつくるのに役立ちます。
本ワークショップを主催した植物研・作物イノベーション共同研究チーム・オオムギ遺伝子改変班では、上記の先生方との共同研究などを通じて、不良環境でも育ち、食糧難を克服するような作物を作るための研究を行っています。今回のワークショップをふまえ、本チームでは最新のバイオテクノロジーを取り入れた農業に役立つ研究を行っていきます。
●参考:作物イノベーション研究チーム-オオムギ遺伝子改変班-
【本件問い合わせ先】
岡山大学資源植物科学研究所 准教授 久野裕
TEL:086-434-1243
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