2018年7月26日木曜日

【情報発信】Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.54 発行

岡山大学は6月27日、本学の強みである医療系分野の研究成果について、革新的な基礎研究や臨床現場、医療産業等に結びつく成果を英語で情報発信するWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」のVol.54を発行しました。

2012年より本学では、研究成果や知的財産活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年3~4回発行。世界の大学・研究機関の研究者やマスコミ関係者等にニュースやトピックスを交えて配信し、本学の海外への情報発信を強化と国際的知名度の向上などを推進しています。

OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、強みある医療系分野の更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行しています。


本号では、
大学院ヘルスシステム統合科学研究科先端医用電子工学研究室の紀和利彦准教授テラヘルツ波(1テラヘルツ=1兆ヘルツの電磁波)を用いて、わずか16ナノリットル(蚊の吸血量の約100分の1、ナノは10億分の1)の超極微量の液滴のpHを計測することに成功した成果について紹介しています。
 

今回の計測は、紀和准教授のグループが独自に提案した新しい顕微鏡「テラヘルツ波ケミカル顕微鏡」を用いることで初めて実現しました。この技術は、pHだけでなくナトリウムイオンやカリウムイオンなどの血液中に含まれる成分の分析にも使える優れものです。少ない量のサンプルで液体の成分分析をすることは、医療、生命、環境の分野で重要となっています。例えば、微少量の血液で医療診断が実現できれば、患者さんへの負担を飛躍的に低減することができます。そのため、将来、低侵襲の血液検査などの実現が期待されます

岡山大学は、平成25年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、
「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築のため、強みある分野の国際的な情報発信を力強く推進していきます。また、強みある医療系と異分野融合から生み出される成果を社会や医療現場、健康維持増進へより早く届けられるように研究開発を推進していきます。

なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。

Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.54:
Measuring ion concentration in solutions for clinical and environmental research


<Back Issues:Vol.46~Vol.53>
Vol.46:
New method for suppressing lung cancer oncogene (大学院自然科学研究科(工学系) 世良貴史教授)
Vol.47:
Candidate genes for eye misalignment identified (大学院医歯薬学総合研究科(医学系) 松尾俊彦准教授)
Vol.48:
Nanotechnology-based approach to cancer virotherapy (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)藤原俊義教授)
Vol.49:
Cell membrane as material for bone formation (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)松本卓也教授)
Vol.50:
Iron removal as a potential cancer therapy (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)大原利章助教)
Vol.51:
Potential of 3D nanoenvironments for experimental cancer (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)江口傑徳助教)
Vol.52:
A protein found on the surface of cells plays an integral role in tumor growth and sustenance (大学院保健学研究科 廣畑聡教授)
Vol.53:
Successful implantation and testing of retinal prosthesis in monkey eyes with retinal degeneration (大学院ヘルスシステム統合科学研究科 松尾俊彦准教授、大学院自然科学研究科(工学系)内田哲也准教授)


<参考>

岡山大学国際Webマガジン「Okayama University e-Bulletin」

テラヘルツ光で照らす明るい未来!(岡山大学工学部電気通信系学科 紀和利彦准教授)


【本件問い合わせ先】
広報・情報戦略室
TEL:086-251-7293
E-mail:www-adm@adm.okayama-u.ac.jp



 http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id7757.html

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