岡山大学は10月10~12日、パシフィコ横浜で開催されたバイオビジネスにおけるアジア最大のパートナリングイベント「Bio Japan 2018」に出展しました。人工核酸結合タンパク質の医療・農業への応用や、がん幹細胞アトラス計画、現場検査を可能にする農作物品種識別法、大麦の効率的形質転換事業などに関する研究成果を報告したほか、岡山大学病院バイオバンクやおかやまメディカルイノベーションセンターにおける分子イメージング研究・活動実績の展示・発表を行いました。
大学院ヘルスシステム統合科学研究科の世良貴史教授は、標的の塩基配列に高い親和性で特異的に結合する人工核酸結合タンパク質を容易にデザイン・創出するシステムを開発。人工核酸結合タンパク質に核酸消化酵素をつなげた人工制限酵素を使ってウイルスゲノムを切断し、標的ウイルスの増殖を阻止することにより、ウイルスを原因とする病の発生を抑える技術を開発しました。また、人工核酸結合タンパク質に転写調節ドメインを融合させることにより、がん増殖に重要な働きをする遺伝子発現を調節できる人工転写因子も開発しました。
資源植物科学研究所の久野裕准教授は、遺伝学的解析により、大麦の遺伝子導入に必要な形質転換の効率に関わる遺伝子座(Transformation Amenability: TFA)を3つ発見。TFAを目印として、目的とする品種と醸造用大麦品種「ゴールデンプロミス(GP)」との交雑後代の中から、遺伝子鑑定で形質転換可能な大麦系統を抽出・育成することを可能にしました。これまでGP以外の品種では形質転換することは困難でしたが、この技術により、ほぼ全ての大麦品種で形質転換が可能となり、品種の育成や遺伝子機能の解析にかかる時間を大幅に短縮しました。
会場の一画に設けられたパートナリングルームでは、研究に興味を持った製薬企業や医療・医薬関係団体、食料品企業と精力的に技術移転や共同研究の実施に向けて意見交換・協議を行いました。
展示内容詳細はこちら(連携機構ホームページ)
【本件問い合わせ先】
研究推進産学官連携機構 産学官連携本部
TEL:086-251-8460
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8056.html
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