2018年11月16日金曜日

【情報発信】世良貴史教授がJST主催の「新技術説明会」に登壇 人、動物、植物に使える「三方よし」の革新的技術の発明を紹介

岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科バイオ・創薬部門の世良貴史教授が11月8日、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が主催する「新技術説明会」(千代田区)に登壇し、世良教授が独自に開発した人工核酸結合タンパク質をデザインする技術の発明について紹介しました。

新技術説明会は、大学などの公的研究機関から生まれた研究成果(特許)の実用化(技術移転)を目的に、新技術や産学連携に関心のある企業関係者に向けて、研究者(発明者)自らが直接プレゼンする特許の説明会です。JSTが主催し、産と学の出会いの場をセッティングし、各研究機関はこの場で出会った産と学をマッチングへと導くものです。今回の新技術説明会には、世良教授とともに知財を担当する
本学研究推進産官学連携機構知的財産本部の平野芳彦准教授東京駐在の佐藤法仁副理事・URAが参加しました。

今回、世良教授は
「人工核酸結合タンパク質のデザインとその応用」と題して講演しました。世良教授は、標的の核酸配列に結合するタンパク質のデザインが容易にでき、さらに特異性が高い人工核酸結合タンパク質を短時間に創出し、タンパク質や核酸として細胞や個体への導入が可能にできる技術を開発しました。この開発した技術は人、動物、植物に対して有効です。例えば人に対しては、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の複製阻害や肺がんや食道がんの原因遺伝子「SOX2遺伝子」の発現抑制などが確認されています。

また、農業などの植物・畜産分野に対しても応用が可能であり、現在、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター(BRAIN)が事業実施主体として行うプロジェクトにおいて、サクラ属であるウメやモモ、スモモ、アンズなどに感染するプラムポックスウイルス(PPV)の対策技術の一つとして研究開発を自治体などとともに進めています。

世良教授は講演の中で「これまでの実績で、この開発した技術が人・動物・植物、さまざまな分野において大いに役立つことが確実に分かってきた。この発明した革新的な技術をオープンイノベーションのもと、国内外の産学官、多くの方々に活用してもらうことでSDGs(持続可能な開発目標)をはじめ、さまざまな社会課題の具体的な解決につなげていきたい。そして社会課題の解決とともにイノベーションの創出にも大きく貢献していきたい」と開発した技術の発明からイノベーション創出に至る道について力強くコメント。今後のさまざまな分野における本技術の応用に向けて、多くの関係者を巻き込んだオープンイノベーションの推進と社会実装にを目指して抱負を述べました。


○当日の講演資料は下記よりご欄いただけます(JST)

JST「新技術説明会 ライフサイエンス」人工核酸結合タンパク質のデザインとその応用(2018.11.8)


○参考
岡山大学「大学案内2019」(人工のハサミを使って!害を及ぼすウイルスから身を守る!人、動物、植物に使える『三方よし』の革新的研究開発の挑戦)(7ページ)

農林水産省・革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究)理学・工学との連携による革新的ウイルス対策技術の開発


【本件問い合わせ先】
大学院ヘルスシステム統合科学研究科 教授 世良貴史
TEL:086-251-8194

https://www.okayama-u.ac.jp/user/seralab/index.html


(知財に関するお問い合わせ先)
研究推進産学官連携機構 知的財産本部 准教授 平野芳彦
TEL:086-251-8476



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8070.html

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