2018年11月1日木曜日

【情報発信】次世代研究育成グループ「中四国出生前コホート立ち上げワーキンググループ」始動

岡山大学は、いままでの「全方位的」「総花的」な研究推進から、岡山大学を代表し本学の次世代研究を拓く強みとなる「重点研究分野」を選定しています。

また重点分野の選定とともに、岡山大学の顔となる学術研究拠点、社会実装拠点に育てるため「次世代研究育成グループ」と「次世代研究拠点」を選定し、人的・資金的支援などを実施しています。今回、次世代研究育成グループのひとつである「中四国出生前コホート立ち上げワーキンググループ」の初会合を10月23日に実施。次世代の岡山大学の顔となる学術拠点を形成すべく活動を開始しました。

同ワーキンググループは、本年度「こどもの健康を守るための大規模出生前コホート立ち上げ可能性の検証」という課題名のもと、大学院環境生命科学研究科(環境理工学系)人間生態学講座の頼藤貴志准教授が研究代表者を務めます。

胎児や小児では、未熟な代謝経路や脆弱な発達過程のため、母体・生活・医療・化学物質などの環境要因により、健康・成長・発達の面において健康影響を受けやすく、またその負荷は一生続くという特徴があります。これまでに頼藤准教授らは、出生児約9万人を対象とした「21世紀出生児縦断調査」(厚生労働省)を解析し、日本国内の小児の諸疾患や発達の多様性についての病因分析において顕著な実績を残してきました。

初会合では、大規模出生前コホート確立と臨床研究実施に向けたプロジェクト形成を核に、ワーキンググループが持つリソースの確認が行われ、今後の国内外の医療機関や大学・研究機関との連携の方法について議論。試験的にデータを取り扱うための医療機関の選定と具体的な訪問などが決まりました。また、競争的資金や共同研究資金などの外部資金を積極的に獲得していくことも再確認されました。


今回の初会合を受けて研究代表者を務める頼藤准教授は「臨床の現場で入手可能な周産期のデータベースは、出生以後の情報が欠落しています。一方『21世紀出生児縦断調査』のような小児を追跡した調査では、妊娠中や両親の情報が不足しています。このプロジェクトをさらに発展させることはわが国の医療などに大きな貢献となります。岡山大学の強みある医療系分野をさらに増強・促進するためにも、本ワーキンググループが早く拠点形成できるように精力的に活動していきます」とコメント。今後の次世代研究育成の活動と学術拠点の形成に意欲を見せました。


<中四国出生前コホート立ち上げワーキンググループメンバー(学内メンバーのみ掲載)>
 頼藤貴志 大学院環境生命科学研究科(環境理工学系) 人間生態学講座 准教授【研究代表者】

 増山寿  大学院医歯薬学総合研究科(医学系) 産科・婦人科学分野 教授
 塚原宏一 大学院医歯薬学総合研究科(医学系) 小児医科学分野 教授 
 小林勝弘 大学院医歯薬学総合研究科(医学系) 小児医科学分野(発達神経病態学領域)教授
 土居弘幸 大学院医歯薬学総合研究科(医学系) 疫学・衛生学分野 教授
 櫻井淳  岡山大学病院新医療研究開発センター 准教授
 鷲尾洋介 大学院医歯薬学総合研究科(医学系) 小児医科学分野 助教
 三橋利晴 岡山大学病院新医療研究開発センター 助教
(コーディネーター 佐藤法仁 企画・評価・総務担当副理事・URA)


<参考>
岡山大学広報誌「いちょう並木」Vol.90(2018年10月号) 特集「人類の今と未来をつなぐ~SDGs達成に向けて~」(時空を超えた命のつながり。疫学で人々の暮らしに貢献する)


【本件問い合わせ先】
大学院環境生命科学研究科(環境理学系)准教授 頼藤貴志
TEL:086-235-8925



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id8026.html


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