2013年12月17日火曜日

【異分野・産学官】最先端の研究・技術成果を公開 2013年度岡山大学新技術説明会 開催

2013年12月17日(火)東京都千代田区

岡山大学は、本学で生まれた研究成果の実用化を促進するため、研究者自身が企業関係者らに実用化を展望した技術説明を行い、広く実施企業・共同研究パートナーを募る「2013年度岡山大学新技術説明会」を2013年12月17日(火)、独立行政法人科学技術振興機構(JST)と共催で、JST東京別館ホール(東京都千代田区)で開催しました。

本学からの参加研究者は、
内田哲也准教授(工学部)
木之下博准教授(工学部)押木俊之講師(工学部)西本俊介助教(環境理工学部)田仲持郎助教(歯学部)笠井智成助教(工学部)大原利章非常勤講師(医学部)高橋智准教授(工学部)ら8人の研究者が、セルロースナノファイバーや単層カーボンナノチューブに関して、結晶化を利用した全く新しいタイプの構造制御技術を適用した高性能高分子材料、耐熱・高絶 縁性C5樹脂(石油樹脂)を製造するルテニウム錯体触媒の大量合成技術、酸化チタン光触媒フィルターを用いた油水分離技術など、高機能・高性能材料について発表。微生物が生産した多孔質マイクロチューブ状酸化鉄を培地に用いた3次元細胞培養技術や、除鉄を応用した新規がん治療法など機能材料、機械、ライフサイエンス分野における計8件の新技術を紹介しました。

今回の新技術説明会には、延べ426人の企業関係者らが参加し、希望者とは個別相談を受けるなど、広く岡山大学発の技術を紹介しました。

※「2013年度岡山大学新技術説明会」のプログラムはこちらからご覧いただけます。http://jstshingi.jp/okayama/2013/program.html

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プレゼンテーションを熱心に説明を聞く企業関係者ら

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企業関係者らとの交流の様子

国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html

2013年12月12日木曜日

【光生命】革新的光技術で次世代グローバル研究シーズ・ニーズを探る 岡山大学フューチャーセッションinケベック 開催

2013年12月10日(火)~12日(木)カナダ・モントリオール

岡山大学の研究力の強みのひとつである、「光技術分野」をさらに強化し、国際展開の推進を図るため、2013年12月10~12日、岡山大学大学院自然科学研究科計測システム工学研究室の紀和利彦准教授と岡山大学リサーチ・アドミニストレーター(URA)執務室の佐藤法仁URAがカナダのケベック州モントリオール市を訪れ、光技術の革新的イノベーション創出について、世界の研究者らと「岡山大学フューチャーセッション(Future Session) in ケベック」を開催しました。

紀和准教授らは、レーザー研究で世界有数の研究施設と研究力を誇る
ケベック先端科学技術大学院大学(INRS:Institut national de la recherche scientifique)マギル大学(McGill University)などを視察。INRSでは、尾崎恒之教授(ALLS元所長)をはじめ、アジア、アフリカ、ヨーロッパなど世界各国から集まった研究者らとともに革新的光技術の創出について対話する「フューチャーセッション」を開催。岡山大学の光技術(テラヘルツ光)の研究応用を紹介するなど、光技術の革新的応用や本学との連携について熱心に対話を行いました。

岡山大学では、社会と共に革新的イノベーションや高付加価値産業を創出し、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」につながる積極的な研究推進・研究力向上のため、精力的に研究ネットワークの拡大を行っています。

今回、紀和准教授らが対話した尾崎恒之INRS教授のフューチャーセッション「カナダAdvanced Laser Light Source(ALLS)とテラヘルツ強光子場科学」を2014年1月23日(木)、岡山大学津島キャンパス工学部3号館(3階e304会議室)15:30~16:30で開催する予定です。

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紀和利彦准教授(左)、尾崎恒之INRS教授、佐藤法仁URA

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現場対話を行う尾崎恒之INRS教授(右)と紀和利彦准教授

INRS研究者と紀和利彦准教授(左)

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岡山大学フューチャーセッションinケベックに参加したINRS研究者ら(一部)

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視察先のひとつであるマギル大学(モントリオール市)

国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html
INRS:http://www.inrs.ca/english/homepage
マギル大学:http://www.mcgill.ca/

2013年12月6日金曜日

【光生命・異分野・産学官】テラヘルツ光と生命科学融合による革新的イノベーションワークショップ 開催

2013年12月5(木)~6日(金)岡山市北区

岡山大学の研究力の強みのひとつである「光技術と生命科学分野」をさらに強化し、社会と共に革新的イノベーションや高付加価値産業の創出を目指すための対話型ワークショップ「テラヘルツ光と生命科学融合による革新的イノベーションワークショップ」(主催者:紀和利彦・大学院自然科学研究科)を12月5~6日、岡山大学津島地区の本部棟で開催しました。

ワークショップのはじめに、川崎医療福祉大学の梶谷文彦特任教授(川崎医科大学名誉教授、岡山大学特命教授)が、過去の医療技術開発過程の例示や研究組織の戦略について「先端医療イノベーションへの期待」と題して基調講演。

続いて、本学の佐藤法仁リサーチ・アドミニストレーター(URA)が、文部科学省の
「研究大学強化促進事業」[New window]の支援機関に選定されている本学の取り組みやイノベーション対話促進策などを紹介しました。

基調講演後に行われたワークショップでは、大学・研究機関、企業などさまざまな立場の演者が光技術(テラヘルツ光)や生命科学に関する対話材料を提供。2日間で延べ150人以上の研究者、学生、企業人、公務員、一般の方などが参加し、それぞれの分野を超えて、わが国から光技術と生命科学融合による新たな革新的イノベーション創出の探索について熱心に対話を繰り広げました。

岡山大学では、これまでに強みである「光技術と生命科学分野」の
ネットワーク拡大のための対話型ワークショップを積み重ね、重点領域の絞り込みを進めています。今後も次世代の高付加価値産業創出を探るとともに、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」につながる研究推進・向上を精力的に展開して行きます。
 


<補>テラヘルツ光とは、周波数にして1兆Hz付近の高周波電磁波のことです。レーザー工学・電子工学の発展とともに、そのアプリケーションに注目が世界的に集まっています。近年では、テラヘルツにより生命科学を解明する研究が数多く立ち上がっています。岡山大学でも、
紀和利彦准教授(大学院自然科学研究科・工学部)において独創的なテラヘルツ計測装置を開発し国内外から注目を集めています。

開催の挨拶をする山本進一・岡山大学理事(研究担当)・副学長

主催者の紀和利彦・大学院自然科学研究科准教授

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基調講演を行う梶谷文彦・川崎医療福祉大学特任教授

 岡山大学の研究力推進と向上の取り組みなどを紹介する佐藤法仁URA

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講演に聞き入る参加者ら

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対話するワークショップ参加者ら
 
国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html

2013年11月25日月曜日

【異分野】「植物力」と「生物力」から革新的研究シーズを探る 第11回岡山大学フューチャーセッション 開催

2013年11月25日(月)岡山市北区

次世代シーズ・ニーズ創出を探るとともに、未来について多様な立場から解決すべき問題を提起し、少人数での活発な対話を通してより良い未来を実現する解決策を構築する、「第11回岡山大学フューチャーセッション(Future Session)」を11月25日、岡山大学津島地区の大学会館で開催しました。

セッションファシリテーターを勤める佐藤法仁リサーチ・アドミニストレーター(URA)が、岡山大学の植物研究力の推進について紹介。続いて本セッションの対話提供者である、本学大学院環境生命科学研究科有機機能材料学講座の高口豊准教授が、「バイオミネラリゼーションに学んだ複合材料合成:材料調和社会を目指して」と題して講演。貝やザリガニなどの生物の素材の仕組みと似た人工複合材料を作り出すバイオミネラリゼーションを活用することで、次世代を支える革新的材料の創出について話題提供を行いました。

続いて、同研究科生物情報化学研究室の村田芳行教授が、植物の成長を制御する仕組みを解明することで農林産業に新たなイノベーション創出につながる話題提供を行い、参加した本学役員や教職員、学生、岡山県産業労働部、エネルギー関連企業の担当者らと熱心に対話しました。

岡山大学では、社会と共に革新的イノベーションや高付加価値産業の創出、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」につながる積極的な研究推進・研究力向上を精力的に行っています。

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対話材料を提供する高口豊准教授
 
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参加者と対話しながら未来を語る村田芳行教授
 
<参考> 村田教授らの研究報告リリース(一部)
乾燥を司る植物ホルモンが気孔の開け閉めを別々に制御:http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id91.html
植物の病原菌侵入を防ぐ“鍵”分子の機構解明:http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id89.html

 
国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html



2013年11月15日金曜日

【産学官・異分野】イノベーションの未来を拓く処方箋6 ーシリコンバレーだけじゃない世界のイノベーション創出現場(4.ニューヨークのイノベーション好循環への挑戦)ー

「岡山大学シーズ・ニーズ創出強化イノベーション対話プログラム2013」では、事業の名前が意味するように「イノベーション(Innovation)」がひとつの“鍵”となっています。しかし、「イノベーション」とはどのようなものでしょうか。「イノベーション」という言葉をヨーゼフ・シュンペーターが形作ってから1世紀が経過しましたが、その時間の中でイノベーションを創出する環境はさまざまに入れ替わりました。その環境の中でイノベーションの“鍵”となるキーワードついて対話を行う会「イノベーションの未来を拓く処方箋」(第6回)を本学津島キャンパスで開催しました。

話題提供者は、本事業実施責任者である岡山大学学長特命(研究担当)・URAの佐藤法仁が務めました。今回の対話は、「シリコンバレーだけじゃない世界のイノベーション創出現場(4.ニューヨークのイノベーション好循環への挑戦)」と題して行われました。

本対話のその1では「シリコンバレーのハブ機能」と題して、カリフォルニア州の北部ベイエリアにあるシリコンバレー(Silicon Valley)の取組について紹介し、その2では「シリコンビーチ台頭の兆し」と題して、南カリフォルニアのロサンゼルス周辺としたシリコンビーチ(Silicon Beach)のイノベーション創出環境について、その3では「イノベーション大国になりつつあるイスラエルの活動」と題して、中東に位置するイスラエルのイノベーション創出活動について取り上げて来ました。今回はアメリカ東海岸の大都市ニューヨークに注目し、「ニューヨークのイノベーション好循環への挑戦」と題しての会となりました。

話題提供者の佐藤法仁URAは、西海岸のシリコンバレーやシリコンビーチだけではなく、アメリカの東海岸、特にニューヨークで取り組まれているeコマース(電子商取引)について紹介。eコマースを核として、VCのベンチャー企業への投資が拡大している点を紹介。また、ニューヨークの狭い土地にさまざまな人種、習慣、文化などがミックスされており、「異分野」が生まれやすい雰囲気があることも紹介しました。

佐藤URAは、「金融街を持つニューヨークは、eコマースへの対応が早い。eコマースの導入には金融街が障壁となる可能性もあるが、ニューヨークではベンチャー企業が積極的にeコマースを利用し、そのベンチャーにVCが多額の資金を投下している。この後押しがeコマースの拡大につながっている。Etsyがいい事例と言え、同社にはさらなるVCの資金が投下されてる。またマンハッタン島では、コワーキングスペースの整備が急速に進んでおり、この場でのビジネス交流も加速している。何より家賃が高いニューヨークでの起業にはよいシステムであり、同じ地価が高いわが国にも応用できる点でもある。ニューヨークにはシリコンバレーのようにユニコーンがドンドン輩出されているという環境ではないが、さまざまな仕組みがよい循環をしているのがニューヨークであり、今後のイノベーションの加速が期待される。」とニューヨークのeコマースを核にした取組事例について紹介し、対話を行いました。

ニューヨークのイノベーション創出への取組については、なかなかわが国に情報が入らず、不透明な点があります。しかし人・物・金の循環が大規模であるニューヨークでは、日々新しいシーズやニュースが生まれています。それをうまくマッチングする仕組みである、e-コマースやコワーキングスペース、VC資金などがうまく絡み合っていることがわかります。また日本人起業家もニューヨークで挑戦し出しており、今後の動向が注目されます。


<過去開催>

第1回 オープンイノベーション(Open Innovation) 大学と企業の関係:http://okayama-univ-ura-sn2013.blogspot.jp/2013/09/open-innovation.html

第2回 大学発ベンチャーの“企業”としての自立化:http://okayama-univ-ura-sn2013.blogspot.jp/2013/10/blog-post_25.html
第3回 シリコンバレーだけじゃない世界のイノベーション創出(1.シリコンバレーのハブ機能):http://okayama-univ-ura-sn2013.blogspot.jp/2013/10/blog-post_30.html
第4回 シリコンバレーだけじゃない世界のイノベーション創出(2.シリコンビーチ台頭の兆し):http://okayama-univ-ura-sn2013.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html
第5回 シリコンバレーだけじゃない世界のイノベーション創出(3.イノベーション大国になりつつあるイスラエルの活動):http://okayama-univ-ura-sn2013.blogspot.jp/2013/11/3.html

国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html

【光生命】「光技術」と「生物科学」から革新的研究シーズを探る 第10回岡山大学フューチャーセッション 開催

2013年11月15日(金)岡山市北区

次世代シーズ・ニーズ創出を探るとともに、未来について多様な立場から解決すべき問題を提起し、少人数での活発な対話を通してより良い未来を実現する解決策を構築する「第10回岡山大学フューチャーセッション(Future Session)」を11月15日、岡山大学創立五十周年記念館で開催しました。

セッションに当たり、セッション・ファシリテーターを務める佐藤法仁リサーチ・アドミニストレーター(URA)が岡山大学の強みである、「生命科学と光技術分野」について紹介。

続いて、本学
大学院医歯薬学総合研究科システム生理学分野の片野坂友紀助教が「生体の恒常性を支えるメカニカル・フィードバッグの分子基盤 ~メカノセンサー分子の同定から多臓器間機能連関まで~」と題して講演。内閣府の「最先端・次世代研究開発支援プログラム」で実施している研究を中心に、私たちの身体がメカニカルストレスを感知するしくみを明らかにし、ストレスを適切に処理することの重要性と過度のメカニカルストレスが引き起こす病態発症のしくみの解明することによって、さまざまな疾患に対する新たな治療方法への応用について話題を提供しました。

次に、大学院自然科学研究科1分子生物化学研究室の井出徹教授が「生体分子の光測定・光制御」と題して講演。今年8月、本学に着任した井出教授は、前任地の
光産業創成大学院大学での研究や光技術において世界的企業のひとつである浜松ホトニクス株式会社との共同研究などについて紹介。細胞に出入りする物質やそれを制御している細胞膜の働きを光技術を用いて測定することで、新たな創薬や治療法への手掛かりを見出す可能性について話題提供を行い、参加者らと熱心に対話を繰り広げました。

岡山大学では、研究力における強みのひとつである
「生命科学と光技術分野」をさらに強化し、社会と共に革新的イノベーションや高付加価値産業の創出や「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」につながる積極的な研究推進・研究力向上を精力的に行っています。

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対話材料を提供する片野坂友紀助教

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参加者と対話する井出徹教授

国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html

2013年11月14日木曜日

【産学官・異分野】イノベーションの未来を拓く処方箋5 ーシリコンバレーだけじゃない世界のイノベーション創出現場(3.イノベーション大国になりつつあるイスラエルの活動ー)

「岡山大学シーズ・ニーズ創出強化イノベーション対話プログラム2013」では、事業の名前が意味するように「イノベーション(Innovation)」がひとつの“鍵”となっています。しかし、「イノベーション」とはどのようなものでしょうか。「イノベーション」という言葉をヨーゼフ・シュンペーターが形作ってから1世紀が経過しましたが、その時間の中でイノベーションを創出する環境はさまざまに入れ替わりました。その環境の中でイノベーションの“鍵”となるキーワードついて対話を行う会「イノベーションの未来を拓く処方箋」(第5回)を本学津島キャンパスで開催しました。

話題提供者は、本事業実施責任者である岡山大学学長特命(研究担当)・URAの佐藤法仁が務めました。今回の対話は、「シリコンバレーだけじゃない世界のイノベーション創出現場(3.イノベーション大国になりつつあるイスラエルの活動)」と題して行われました。

本対話のその1では「シリコンバレーのハブ機能」と題して、カリフォルニア州の北部ベイエリアにあるシリコンバレー(Silicon Valley)の取組について紹介し、その2では「シリコンビーチ台頭の兆し」と題して、南カリフォルニアのロサンゼルス周辺としたシリコンビーチ(Silicon Beach)のイノベーション創出環境について対話する会を行いました。今回はその3として、「イノベーション大国になりつつあるイスラエルの活動」と題して、中東に位置するイスラエルのイノベーション創出活動に注目する会となりました。

話題提供者の佐藤法仁URAは、イスラエルが位置する中東の国際情勢とともに、自国の防衛意識の高さ、それに比例する即戦力となるテクノロジーの強化、産業資源として新産業創出に至るスタートアップ活動の充実さなどについて紹介し、同じく資源に乏しいわが国との対比も行い、話題を提供しました。
また、イスラエルの中核都市であるテルアビブ(TelAviv)で2011年から開催されているイノベーション創出の祭典「デジタル・ライフ・デザイン(Digital Life Design:DLD)」についても紹介。シリコンバレーなどで飛躍するベンチャー企業(元ベンチャー企業含む)がこぞってテルアビブに集結し、シーズとニーズのマッチングや新技術の披露など、オープンイノベーションに即した取組を積極的に行っている事例について、詳細に紹介しました。

佐藤URAは、「イスラエルは四国ほどの国土面積で、人口も800万人程度の小さな国だが、世界を動かす頭脳がある。歴史的背景、特に第二次世界大戦後の関係でドイツの資本が多くつぎ込まれているが、このドイツのものつくりの過程をうまく吸収している。また大学で言えば、1912年に設立されたテクニオン工科大学(イスラエル工科大学とも呼ばれる)における起業家育成プログラムは凄い勢いがあり、スタートアップ資金もこれまでに軽く3,000億円以上になる。一度起業した人が会社を売却して再び企業するシリアルアントレプレナー(Serial Entrepreneur)も多く、これがイノベーションのエコ循環にもなっている。この起業家精神にあふれた大学の取組はわが国にはないものであり、非常に参考となる。他方でDLDは、街を巻き込んでのイノベーション創出の展示会であり、わが国などで行われている“箱もの”での展示会とは大きく異なる。街を巻き込んだ取組が行われることは重要であり、この取組が“文化”となる。この文化への取組はイノベーション創出環境において極めて重要なポイントではないか」と語りかけ、イスラエスが持つ歴史的背景から、イノベーション大国へと成長を進める過程について、さまざまな情報や事例を示しながら対話を行いました。

国を挙げてのイノベーション創出に取り組んでいるわが国においては、イスラエルの取組は参考になる点が多いです。また、テクニオン工科大学の取組も制度は違えど、参考になる点が数多くあります。近い将来、イスラエルがアメリカに代わり世界のイノベーション創出の頭脳を輩出する重要な国となるかもしれません。その取り組みを注視しつつ、取り込めるものを吸収していく活動が必要だと思われます。今後もイスラエルの活動に注目です。

<過去開催>
第1回 オープンイノベーション(Open Innovation) 大学と企業の関係:http://okayama-univ-ura-sn2013.blogspot.jp/2013/09/open-innovation.html
第2回 大学発ベンチャーの“企業”としての自立化:http://okayama-univ-ura-sn2013.blogspot.jp/2013/10/blog-post_25.html
第3回 シリコンバレーだけじゃない世界のイノベーション創出(1.シリコンバレーのハブ機能):http://okayama-univ-ura-sn2013.blogspot.jp/2013/10/blog-post_30.html
第4回 シリコンバレーだけじゃない世界のイノベーション創出(2.シリコンビーチ台頭の兆し):http://okayama-univ-ura-sn2013.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html

国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html

2013年11月6日水曜日

【光生命・産学官】研究シーズと知的財産をアピール「BIO Europe2013」(Vienna) 参加

2013年11月4(月)~6日(水)オーストリア共和国ウィーン

岡山大学では、強み分野「生命科学と光技術」の研究展開を国内だけではなく、広く海外にもおいてもはかるため、積極的な活動を行っています。そのひとつが国際展示会などでの研究&知的財産紹介・マッチングです。

今回、11月4日~6日にオーストリア共和国の首都ウィーンで開催されたライフサイエンス系の国際展示会「BIO Europe2013」に本学の山本進一理事(研究担当)・副学長をはじめ、宇根山絵美リサーチ・アドミニストレーター(URA)、佐藤法仁URA、知的財産本部マネージャーらが参加し、岡山大学が誇る研究シーズのアピールやマッチングを実施しました。

BIO Europeには、欧米の数多くの製薬、バイオ企業が参加し、日本からは日本貿易振興機構(JETRO)が日本ブースを展開。本学関係者らは、JETROとライフサイエンス系企業の研究・知的財産戦略などについて意見交換し、欧米企業へ本学の研究シーズを紹介したり、本学との共同研究の可能性について積極的にアピールしました。

また、BIO Europe2013には、岡山大学発の創薬ベンチャー企業
桃太郎源株式会社も出展。本学大学院医歯薬学総合研究科泌尿器病態学分野の公文裕巳教授らが開発中の新規「がん抑制遺伝子REIC/Dkk-3」による創薬の研究成果を発表し、研究者や企業家から注目を集めました。

岡山大学では今後も、革新的イノベーションにつながる高付加価値産業の創出や「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」につながる研究推進・研究力向上を精力的に行うため、戦略的な国際展開を行っていく予定です。


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JETRO関係者と山本理事(左から4人目)。後ろのパネルは岡山大学発の創薬ベンチャー桃太郎源株式会社の研究シーズ紹介

BIO Europe 2013で展開する日本ブーズ

国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html
BIO Europe 2013:http://www.ebdgroup.com/bioeurope/index.php

2013年11月1日金曜日

【産学官・異分野】イノベーションの未来を拓く処方箋4 ーシリコンバレーだけじゃない世界のイノベーション創出現場(2.シリコンビーチ台頭の兆し)ー

「岡山大学シーズ・ニーズ創出強化イノベーション対話プログラム2013」では、事業の名前が意味するように「イノベーション(Innovation)」がひとつの“鍵”となっています。しかし、「イノベーション」とはどのようなものでしょうか。「イノベーション」という言葉をヨーゼフ・シュンペーターが形作ってから1世紀が経過しましたが、その時間の中でイノベーションを創出する環境はさまざまに入れ替わりました。その環境の中でイノベーションの“鍵”となるキーワードついて対話を行う会「イノベーションの未来を拓く処方箋」(第4回)を本学津島キャンパスで開催しました。

話題提供者は、本事業実施責任者である岡山大学学長特命(研究担当)・URAの佐藤法仁が務めました。今回の対話は、「シリコンバレーだけじゃない世界のイノベーション創出現場(2.シリコンビーチ台頭の兆し)」と題して行われました。

本対話のその1では「シリコンバレーのハブ機能」と題して、カリフォルニア州の北部ベイエリアにあるシリコンバレー(Silicon Valley)の取組について紹介し、対話を行いました。今回の対話は、その2「シリコンビーチ台頭の兆し」と題して、南カリフォルニアのイノベーション創出環境について見つめる会となりました。

話題提供者の佐藤法仁URAは、振り返りとしてシリコンバレーの取組、特に「オープンイノベーション(Open Innovation)手法」について紹介しつつ、シリコンバレーの持つ“ハブ(Hub)機能”についても紹介。次に、シリコンバレーから南にあたるロサンゼルス地域(南カリフォルニア地域)における“シリコンビーチ(Silicon Beach)”の活動について話題を提供。
佐藤URAは、「特にコンテンツ産業やデジタル産業などがロサンゼルスなど南カリフォルニアに集まりつつある。それに伴い物流関係の投資も大きく成長しつつある。全米のVC投資もシリコンバレーの次いで第2位である。シリコンバレーのハブ(Hub)としての波及効果もあるが、そもそもシリコンバレーよりも人口が多く、港町としての輸出集積基地が多いのもメリットがある。さらにはロサンゼルスよりも南にあるサンディエゴではバイオ関係の産業集積が急速に進められており、多くのアクセラレターが進出しつつある。このロサンゼルス-サンディエゴの“シリコンビーチ(Silicon Beach)”の一大産業集積地への成長は目を見張るものがあり、その成長の過程にはアクセラレターの役割が大きい」と語りかけ、産業だけではなく、新産業が集積する中での形成過程について事例を示しながら対話を行いました。

岡山大学では、シリコンバレー(サンノゼ市)に出先機関を設けており、本学のシーズをアメリカに売り込む活動を行っています。アメリカはマーケットとして大きな魅力がありますが、リスクも多く抱えています。大学におけるイノベーション創出を考えるうえで、さまざまな地域の事例を詳細に知ることで、より良い点を取り込むことができます。今後も世界のさまざまな事例をもとにしてわが国、大学に適したイノベーション創出環境について対話を行っていきます。

<過去開催>
第1回 オープンイノベーション(Open Innovation) 大学と企業の関係:http://okayama-univ-ura-sn2013.blogspot.jp/2013/09/open-innovation.html
第2回 大学発ベンチャーの“企業”としての自立化:http://okayama-univ-ura-sn2013.blogspot.jp/2013/10/blog-post_25.html
第3回 シリコンバレーだけじゃない世界のイノベーション創出(1.シリコンバレーのハブ機能):http://okayama-univ-ura-sn2013.blogspot.jp/2013/10/blog-post_30.html
 

 国立大学法人 岡山大学

 

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2013年10月30日水曜日

【産学官・異分野】イノベーションの未来を拓く処方箋3 ーシリコンバレーだけじゃない世界のイノベーション創出現場(1.シリコンバレーのハブ機能)ー

「岡山大学シーズ・ニーズ創出強化イノベーション対話プログラム2013」では、事業の名前が意味するように「イノベーション(Innovation)」がひとつの“鍵”となっています。しかし、「イノベーション」とはどのようなものでしょうか。「イノベーション」という言葉をヨーゼフ・シュンペーターが形作ってから1世紀が経過しましたが、その時間の中でイノベーションを創出する環境はさまざまに入れ替わりました。その環境の中でイノベーションの“鍵”となるキーワードついて対話を行う会「イノベーションの未来を拓く処方箋」(第3回)を本学津島キャンパスで開催しました。

話題提供者は、本事業実施責任者である岡山大学学長特命(研究担当)・URAの佐藤法仁が務めました。今回の対話は、「シリコンバレーだけじゃない世界のイノベーション創出現場(1.シリコンバレーのハブ機能)」と題して行われました。

世界のイノベーションを牽引するといわれているアメリカ合衆国カリフォルニア州の北部ベイエリアにあるシリコンバレー(Silicon Valley)。誰もが一度は見聞きしたことのあるシリコンバレーですが、かの地が必ずしもイノベーション創出の起爆地であるとは限りません。世界にはシリコンバレーを目指し、あるいはまったく別の手法でイノベーション創出環境を作り出そうとしていう国や地域が数多くあります。シリコンバレーのみならず、イノベーションを牽引する世界の取組について俯瞰的に把握することは、私たちに足りないものを補完し、今後のわが国、大学等におけるイノベーション創出環境のさらなる構築に役立ちます。今回はの対話は、その1「シリコンバレーのハブ機能」と題して、まずはシリコンバレーを見つめる会となりました。

話題提供者の佐藤法仁URAは、まずはシリコンバレーの歴史について紹介。砂漠であったかの地に産業が興り、その過程で社会のトレンドをどのように掴み、それを素早く社会実装して行ったのか、いわゆる「オープンイノベーション(Open Innovation)手法」について話題を提供。佐藤URAは、「シリコンバレーには長い歴史があり、その歴史が積み重なっていまのイノベーション創出環境(地域)が出来上がっている。国の政策として考える際には、短期的視点ではなく、歴史を作り出すという長期的視点でのイノベーション創出環境を作り上げていく必要である。またシリコンバレーがすべてを抱え込めない、あるは抱え込んでいない点もある。実際に一部の産業、トレンドはシリコンバレーから南カリフォルニアに拠点を移動しつつある。またニューヨーク、ボストンなどの東海岸地域にスタートアップ拠点を移す動きも出ている。これはシリコンバレーにとっては決してマイナスではなく、シリコンバレーが“ハブ(Hub)”として機能している点でもあり、このハブ機能がアメリカ全体のイノベーション、新産業を牽引しているかもしれない」と語りかけ、シリコンバレーのハブ機能に着目した事例を示しながら対話を行いました。

岡山大学では、シリコンバレー(サンノゼ市)に出先機関を設けており、本学のシーズをアメリカに売り込む活動を行っています。また日本企業なども数多く進出しています。しかし、それらの活動が必ずしもうまく行っているとは限りません。むしろ日本の大学の場合は、シリコンバレー撤退という幕引きが多いかもしれません。シリコンバレーを利活用する前に、かの地の歴史、大学においてはスタンフォード大学などと地域の関係、シリコンバレーというイノベーション創出環境がいかにして出来上がってきたのかを知ること、そして今、さらなる発展としてハブ(Hub)機能を備えようとしている仕組みをよく知ることでわが国に適したフィードバックができるのではないかと考えられます。
その2では、シリコンバレーから他の国や地域でのイノベーション創出環境の現状についての対話を開催する予定です。

<過去開催>
第1回 オープンイノベーション(Open Innovation) 大学と企業の関係:http://okayama-univ-ura-sn2013.blogspot.jp/2013/09/open-innovation.html
第2回 大学発ベンチャーの“企業”としての自立化:http://okayama-univ-ura-sn2013.blogspot.jp/2013/10/blog-post_25.html

国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html

2013年10月29日火曜日

【異分野】研究者のキャリアパス形成と研究シーズ・ニーズ発掘「SCIENCE Editor Talk 2013」 開催

2013年10月29日(火)岡山市北区

岡山大学は、アメリカの総合科学誌「Science」のエディター(編集者)による講演会「SCIENCE Editor Talk 2013」を10月29日、岡山大学創立五十周年記念館で開催し、若手研究者やポスドク、大学院生らが熱心に聴講しました。


今回は、ScienceのエディターであるTianna Hicklin博士が、博士号(Ph.D.)取得者のキャリア開発をテーマに講演。「Career Options and Job Resources for Young Scientists」と題し、「Science」エディターへのキャリアパスや必要なスキルについてわかりやすく話しました。

参加した若手研究者らを対象にした本テーマでの「Science」エディターによる講演は日本では初めて。「これからどのようなことをしたらよいのか」といった質問に対し、Hicklin博士は、さまざまな経験を積むことや経験を通じたネットワーキングの重要性について、自身の経験を交え回答、熱心に対話を繰り広げ、講演会終了後も講師を囲んでの質問が続きました。

エディターによる講演会は、「Science」を発行するアメリカ科学振興協会(AAAS)が、世界の大学や研究機関などで実施しており、岡山大学での開催は昨年に続いて2回目となります。今後も、世界で通用する研究者の育成とイノベーション創出につながる研究アイデアのシーズを育むため、積極的に同種の催しを開催していく予定です。


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講演するHicklin博士
 
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熱心に講演を聞く参加者ら

国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html



2013年10月25日金曜日

【産学官・異分野】イノベーションの未来を拓く処方箋2 ー大学発ベンチャーの"企業"としての自立化ー

「岡山大学シーズ・ニーズ創出強化イノベーション対話プログラム2013」では、事業の名前が意味するように「イノベーション(Innovation)」がひとつの“鍵”となっています。しかし、「イノベーション」とはどのようなものでしょうか。「イノベーション」という言葉をヨーゼフ・シュンペーターが形作ってから1世紀が経過しましたが、その時間の中でイノベーションを創出する環境はさまざまに入れ替わりました。その環境の中でイノベーションの“鍵”となるキーワードついて対話を行う会「イノベーションの未来を拓く処方箋」(第2回)を都内で開催しました。

話題提供者は、本事業実施責任者である岡山大学学長特命(研究担当)・URAの佐藤法仁が務めました。今回の対話は、「大学発ベンチャーの“企業”としての自立化」と題して行われました。

大学におけるベンチャー創出は産業活性化におけるひとつの要素であり、また大学においては外部資金を獲得するうえので手段ともなります。しかし、大学発ベンチャーの実態はというと不透明な部分が多いのが実情です。大学のみならず、我が国のイノベーション創出環境の整備の中で大学発ベンチャーのあり方について対話することはとても重要な点でもあります。

話題提供者である佐藤法仁URAは、文部科学省や経済産業省などが発表している大学発ベンチャーのデータ資料などをもとに話題を提供。「そもそも国などが出しているデータの多くは“数”が重視されている。大学発ベンチャーのきっかけとして数を増やすことに意味がある時もあるが、今の時代では数はあまり意味がない。またどこの大学が、どれだけ大学発ベンチャーを作っているのかというランキング(順位付)も中身がなくナンセンス過ぎるというもの。大学発ベンチャーは利益を求める“企業体”であるため、経営状況を深堀することの方がよっぽど重要である。これをしないことで休眠大学発ベンチャーがゴロゴロと出来てくる。また大学発ベンチャーと大学教員の関係においては、利益相反などコンプアライアンスの面も関わってくるが、それらを議論される場はあまりにも少ない。より良い関係を構築するためには法律や規則をしっかりと理解すること、さらには大学自身が持つローカルルール(その大学だけで通用する暗黙のルール)を洗い出し、それらを見直す必要があるのではないか」と語りかけ、これまでに分析してきた大学発ベンチャーの経営や教員関係などを示しながら対話を行いました。

大学には数多くのシーズが眠っており、このシーズを磨き産業活性化につなげる大学発ベンチャーはイノベーション創出を加速させる鍵となります。今回の対話テーマである「大学発ベンチャー」について、大学発ベンチャーがどの大学からどれだけ誕生したかという数値を追うだけではなく、経営や戦略、売上などの中身をより重視した調査と分析を行っていくことで課題を解決し、よりよいベンチャーと大学と教員の関係がうまれると考えられます。岡山大学でも数多くの大学発ベンチャーが生まれていますが、ただ単に研究活動のみをするのではなく、真に産業活性化につながる経済活動を行うことのできる「大学発企業」へと成長(自立化)できる戦略を考えていきます。

<過去開催>
第1回 オープンイノベーション(Open Innovation) 大学と企業の関係:http://okayama-univ-ura-sn2013.blogspot.jp/2013/09/open-innovation.html

国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html

【異分野・産学官】最先端の研究成果をアグリイノベーションへ アグリビジネス創出フェア2013 出展

2013年10月23日(水)~25日(金)東京都江東区

全国の産・学各機関が農林水産・食品分野における最新技術や研究成果を紹介し、交流・連携を促進する国内最大級の技術交流展示会「アグリビジネス創出フェア2013」(農林水産省主催)が10月23~25日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催され、本学は最先端の研究成果を発表。農林水産関係者に広くPRしました。

本学の出展ブースでは、大学院環境生命科学研究科長・神崎浩教授が、オリーブ葉抽出物や針葉樹バイオマスなど地域に眠る植物資源を、
発酵技術を用いて抗酸化性新規化合物を含むエキスや畜産混合飼料などの有用素材に変化させる研究を、大学院自然科学研究科の世良貴史教授が、ウイルスの複製を阻害する人工DNAタンパク質を用いてトマトなどの農作物にDNAウイルスに対する免疫性を付与させる研究成果を大型パネルで紹介。関係者を集めた研究・技術プレゼンテーションでは、研究成果を詳しく説明し熱心に意見交換を行いました。

本フェアには、全国から約200機関が出展しており、本学からは大学院自然科学研究科の大学院生らも参加。来場者や他の出展者と積極的に交流しました。

岡山大学では、研究推進産学官連携機構を中心に、研究成果の普及や技術移転などの促進を図るため、展示会への出展を積極的に支援し、岡山大学が世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」を目指して行きます。



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本学の出展ブースで意見交換を行う神崎浩・大学院環境生命科学研究科長(右)


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DNAウイルス免疫性について説明する本学学生(右)


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本学の出展ブースを訪れた参加者ら

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プレゼンテーションを行う世良貴史教授

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アグリビジネス創出フェア2013:http://agribiz-fair.jp/

2013年10月9日水曜日

【光生命・産学官】光で生命科学の次世代研究シーズ・ニーズを探る 岡山大学フューチャーセッションin浜松 開催

2013年10月9日(水)静岡県浜松市

岡山大学の研究力の強みひとつである「生命科学と光技術分野」の推進・向上、およびネットワークの拡大をはかるため、今回のファシリテーターを務める本学大学院医歯薬学総合研究科の狩野光伸教授をはじめとする教員・大学院生ら約10人が10月9日、日本の光技術産業を支える企業のひとつである浜松ホトニクス株式会社(浜松市)を視察し、浜松医科大学医学部附属病院[New window]で関係者らと「岡山大学フューチャーセッション(Future Session)in浜松」を開催しました。

狩野教授らは、浜松ホトニクス株式会社中央研究所の原勉所長(同社常務取締役)らと光技術の新たな産業創出について対話し、意見交換を行いました。


次に浜松医科大学で開催した、フューチャーセッションでは、本学の佐藤法仁リサーチ・アドミニストレーター(URA)が「岡山大学における研究力と異分野融合研究の推進について」と題して、大学院自然科学研究科計測システム工学研究室の紀和利彦准教授が「テラヘルツ波工学の医療応用探索」と題して講演しました。

続いて、浜松ホトニクス株式会社中央研究所主幹の松永茂専任部員や浜松医科大学皮膚学講座の平川聡史准教授らが、浜松における科学技術イノベーションとその展開についての話題提供を行い、参加した約50人は岡山と浜松の生命科学・光技術コラボレーションや新たな革新的研究の模索について熱心に対話を繰り広げました。

岡山大学では、研究力における強みのひとつである
「生命科学と光技術分野」をさらに強化し、社会と共に革新的イノベーションや高付加価値産業の創出や「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」につながる積極的な研究推進・研究力向上のため、精力的に研究ネットワークの拡大を行っています。

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光技術分野の革新的イノベーション創出に向けて現場で対話する紀和利彦准教授(左)と本学大学院生ら
 
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浜松ホトニクス株式会社中央研究所で意見交換した狩野光伸教授ら(右から7人目)

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浜松医科大学で開催されたフューチャーセッションで対話材料を提供する紀和俊彦准教授
 
対話材料を提供する浜松ホトニクス株式会社中央研究所の松永茂先生
 
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対話材料を提供する佐藤法仁URA
 
国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html
浜松ホトニクス株式会社:http://www.hamamatsu.com/jp/ja/index.html
浜松医科大学:http://www.hama-med.ac.jp/
 


2013年10月6日日曜日

【異分野】普段は触れない分野から新たなイノベーションの芽を見つける 技と伝統の継承のメカニズムのワークショップ 開催

2013年10月6日(日)岡山市北区

岡山大学大学院教育学研究科の寺澤孝文教授(認知心理学)の研究室とリサーチ・アドミニストレーター(URA)執務室は、伝統技術と研究活動の継承について、その共通点を探る異分野ワークショップ「技と伝統の継承のメカニズム ~酒造りの技と伝統を科学でひも解く~」を10月6日、岡山市北区の後楽園内にある鶴鳴館で開催しました。

岡山大学の研究者と岡山県酒造組合、岡山県下の杜氏・蔵人らが異分野コラボレーションし、一般にはなかなか知られていない酒造りの技と伝統について説明。岡山大学の山本進一理事(研究担当)・副学長による日本の森と酒作りの接点についての講演や、知的障害者が特定の領域で優れた能力を示すサヴァン症候群と同様の驚異的な記憶能力を誰もが持っているという最新の研究成果と酒造りの技をからめた寺澤教授の講演があり、参加者らは伝統とアカデミアの異分野を融合させる試みを熱心に聴講しました。

また、岡山大学のオリジナルブランド日本酒「おお岡大」の試飲もあり、同大大学院環境生命科学研究科の神崎浩研究科長が、農学部附属山陽圏フィールド科学センターで栽培した「アケボノ」を100%使用した濃醇な味わいについて説明し、参加した100名近い市民、学生、研究者らは、互いに無関係に見えるものを関連つけて、新たな知見を見出す場を楽しみました。
 

岡山大学の強みは12学部、1コース、7研究科を有する総合大学であるため、他分野・異分野が存在し、それを有機的に結合させることで今までにない革新的な創出が生まれると考えています。今後もこのような異分野が出会え、対話できるイノベーション創出の場を提供し続ける計画です。
 


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会場の後楽園鶴鳴館(岡山市北区)

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寺澤孝文教授の対話材料を熱心に聴講する参加者ら

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基調講演する山本進一理事(研究担当)・副学長

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岡山大学オリジナルブランド日本酒「おお岡大」を紹介する神崎浩同大学院環境生命科学研究科長
 
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2013年10月4日金曜日

【光生命・異分野】「数理科学」から医療革新を探る 第8回岡山大学フューチャーセッション 開催

2013年10月4日(金)岡山市北区

少人数の対話で次世代シーズ・ニーズ創出を探るとともに、未来について多様な立場から解決すべき問題を提起し、活発な対話を通してより良い未来を実現する解決策を構築する「第8回岡山大学フューチャーセッション(Future Session)」を10月4日、岡山大学研究推進産学官連携機構で開催しました。

今回の対話材料の提供者は、戦略的創造研究推進事業(CREST
「放射線医学と数理科学の協働による高度臨床診断の実現」の研究代表者を務める、本学大学院環境生命科学研究科の 水藤寛教授が、「数理科学と臨床医療の協働 -研究ネットワークの構築と将来戦略-」と題して講演。CRESTにおける研究を基に、数理科学者と臨床医師の密接な連携とフィードバックの積み重ねによる真の協働実現について紹介し、異分野連携の課題と問題解決方法を例示しました。

水藤教授は、文部科学省
「数学イノベーション委員会」での議論も踏まえ、今後、高度な臨床力を有する臨床研究中核病院である岡山大学病院と連携し、数理科学から新たな医療革新を引き起こす可能性について話し、参加者らと熱心に対話を繰り広げました。

岡山大学では、今後も社会と共に革新的イノベーションや高付加価値産業の創出し世界で研究の量、質ともに存在感を示す、
「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」につながるように、積極的な研究推進・研究力向上を精力的に行っています。

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対話材料を提供する水藤寛教授

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具体的な解決策を絞り込む参加者ら

国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html

2013年9月28日土曜日

【光生命・異分野・産学官】ワークショップ3:情報通信技術と生命科学 - 情報通信技術と医療イノベーション考える 開催

2013年9月27日(金)岡山市北区

私達の社会では、数多くの情報がやり取りされています。情報には量と質があり、その良し悪しは時とともに変化する場合があります。
今回は、「情報通信技術と医療イノベーション」というテーマのもと、ワークショップを開催しました。
対話提供者は、シャープビジネスコンピュータソフトウェア株式会社の新山正子さんです。新山さんとは、先日広島で開催された「中国地域医療機器関連産業参入フォーラム(医の芽ネット)キックオフシンポジウム」でお知り合いになった方です。

ワークショップには、医療関係者、銀行関係者、大学教員・職員など、様々な立場の人が参加しました。それぞれ異なる立場の人たちが参加することで、自分では想像できない点や当たり前と思っていた事柄の相違点などを見つけることができます。
また、私たちが大切にしているひとつの対話ツール「飲みコミュニケーション」を核にすることで、初めて出会う方々でも、気兼ねなく対話できることが可能です。

また今回は、男女比を同率としたこともあり、女性の意見も出やすくすること、会場をあえて「狭い空間」に設定し、人と人が嫌がうえでも接する場としました。この狙いは、異分野の方々、それも初めて会う人が大半である中で、短時間でどこまでアイデアを出し合え、対話し、一つのイノベーションの種を導き出すためには、半強制的に自分自身のテリトリーを壊す仕組みが必要ではないかと、打ち合わせの段階から思案していたためです。

3時間近くに及ぶワークショップでは、それぞれの立場特有のアイデアやものの見方が出され、また医療現場でどのような情報通信技術が用いられるかという医療参入的な視点だけではなく、医療技術が他産業にどのように貢献できるのかという点、つまり産業の双方向性まで踏み込んだ対話が行うことができました。

今回のワークショップは、対話だけでなく、そのツールのあり方をも検証することができた、貴重な会となりました。

それぞれのアイデアや視点を書き出す参加者ら 

集められたアイデアや視点から新たな発見を見つける参加者ら
 
※「飲みコミュニケーション」に係る費用は、参加者が負担しており、文部科学省事業経費や本学経費を使用したものではありません。

国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/
シャープビジネスコンピュータソフトウェア株式会社:http://www.sbc.co.jp/index.html

2013年9月19日木曜日

【異分野】イノベーション対話ワークショップ in 慶應義塾大学

2013年9月17日(火)~18日(水)横浜市港北区
 
文部科学省事業であるシーズ・ニーズ事業では、「イノベーション対話ツールの開発」を進めています。
今回は、慶應義塾大学に委託され、イノベーション創出に向けたワークショップの対話ツールを体験する機会が設けられました。
9月16日~18日の日程で開催されましたが、台風の通過により、本学は17日午後からの参加となってしまいました。

本学からは、事業実施責任者である佐藤URAが参加し、17日午後からのワークショップデザインの体験を受けました。
イノベーションに限らず、「対話」を核として、物事の解決や新たな発見、思考リフレッシュには様々な方式(ツール)があることが知られています。本学でも「岡山大学Future Session方式」という方式を実践開発中です。この事業期間中に完成できるかは・・・神のみぞ知るという感じです。

今回のワークショップでは、古典的な方式を軸に、慶應義塾大学が新たに取り組んでいる方式も交えて紹介され、大変勉強となるとともに、対話の難しさも感じる内容でした。
この体験で得られたものを、本学方式にフィードバックし、より良い対話方式を実施し、私たちが目指すイノベーション促進のための3つの対話コアに活かしていきたいと思います。
また、今回の築き上げた人的ネットワークをもとに、対外的なイノベーション対話促進を進めていきたいと考えています。

今回はワークショップに熱中してしまい、写真を撮るのを忘れてしまいました。

国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科:http://www.sdm.keio.ac.jp/



2013年9月14日土曜日

【光生命】東京デンタルショー2013 -口腔から全身の健康を科学する- 参加

2013年9月14日(土)東京都江東区

2013年9月14日~15日に、東京ビッグサイトで「東京デンタルショー2013」が開催され、参加しました。

デンタルショーでは、「口腔から全身の健康を科学する」と題して、歯科医療機器・材料とその最新情報が集まる場であり、会場には各歯科機器メーカーのブースが数多く出展されています。また、諸々のセミナーも開催しており、最新の情報を収集するのに格好の場となっています。

歯科医療に使用される機器や材料には、実は光技術が数多く使用されています。例えば、詰め物(レジン)を硬化させる方法のひとつに光照射による硬化方法があったり、根管治療(歯の根っこの治療)の際には、高解像度の顕微鏡などを使用しながら治療を行っています。歯科医療は光技術に支えられている面が少なからずあります。

今回の参加で、特に歯科医療における光技術を利用した機器の進歩やセミナーを通して工学的視点をさらに盛り込んでより良い歯科医療機器・材料の開発の可能性などを検討する種を数多く見つけることが出来ました。これらの情報は、今後のワークショップにおいてフィードバックすることや、本学は歯学部を有するため、関係各位にもフィードバックし、今後の研究方針の一材料としていく予定です。

東京デンタルショー2013(東京ビッグサイト)

国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html
東京デンタルショー2013:http://www.tokyo-dentalshow.com/


【産学官・異分野】イノベーションの未来を拓く処方箋 ーオープンイノベーション(Open Innovation)大学と企業の関係ー

「岡山大学シーズ・ニーズ創出強化イノベーション対話プログラム2013」では、事業の名前が意味するように「イノベーション(Innovation)」がひとつの“鍵”となっています。しかし、「イノベーション」とはどのようなものでしょうか。「イノベーション」という言葉をヨーゼフ・シュンペーターが形作ってから1世紀が経過しましたが、その時間の中でイノベーションを創出する環境はさまざまに入れ替わりました。その環境の中でイノベーションの“鍵”となるキーワードついて対話を行う会「イノベーションの未来を拓く処方箋」を都内で開催しました。

話題提供者は、本事業実施責任者である岡山大学学長特命(研究担当)・URAの佐藤法仁が務めました。今回の対話は、「オープンイノベーション(Open Innovation)  大学と企業の関係」と題して行われました。
オープンイノベーションとは、研究開発などで必要な技術を外部から取り入れることで、開発を加速させる手法です。自組織にはないシーズを世界から募集(Open)し、そのマッチングより開発に活かします。活かされる際には、きちんとした知財契約などを結びます(Close)。海外では、さまざまな企業において取り組まれ始めているイノベーション手法です。

佐藤URAは、「我が国の企業、特に大企業は自社ですべてを取り揃える“自前主義”が自然な形であるという認識がある。自前組織で高度経済成長をもたらして来た経営手法は、成功事例として経営者の脳裏に色濃く埋め込まれている。自前主義のメリットもあるがコストの面では必ずしもいいものとは言えない時代になってきている。また時代という点では、その“スピード”が桁外れに早くなって来ている。自社で足りないものを広く世界から求める“協調(Open)”を取り入れ、開発に掛かるコストを削減し、スピードをより加速させるひとつの手段が“オープンイノベーション”だ。このオープンイノベーションの取組に乗り遅れないためには、企業経営者と大学研究者はどう付き合うべきかを対話したい」と語りかけ、世界で行われているオープンイノベーションの事例を紐解きながら、企業と大学の求められるオープンイノベーションのあり方、特に「Open-Close戦略」について対話を行いました。

大学は数多くのシーズを有する組織であり、このシーズを如何に企業と結びつけて、イノベーション創出を加速させるかが鍵となります。今回の「オープンイノベーション」という取り組みは、日本では未だあまり知られていない言葉(取組)ですが、佐藤URAは今後のイノベーション創出においてとても重要な“鍵”になると強く語りかけました。

国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html




2013年9月13日金曜日

【光生命・産学官・異分野】現場対話3:イノベーション創出のための発見(Discover)、反復(Iteration)、対話(Discourse)、協働(Collaboration)とは何か

2013年9月13日(金)東京都渋谷区

文部科学省事業であるシーズ・ニーズ事業の連携機関のひとつである株式会社大伸社とは、以前より本学の海外広報戦略で連携を持っています。そのひとつが海外向け情報発信サイト「OKAYAMA UNIV. e-Bulletin」です。同サイトはScience社と共同で年4回(季刊)、本学の研究成果や知的財産、課外活動など、様々な情報を海外の大学や研究機関などに発信し、毎回大きな反響を得ています。

今回、株式会社大伸社の常務取締役・東京統括担当の上平泰輔さんと現場対話を行いました。シーズ・ニーズ事業では、同社のコミュニケーションデザイン力をお借りし、光技術や生命科学を研究する研究者や異分野研究者らの対話つくりや調査、産官学連携分析などを本学と共同で推し進める予定です。
対話では、イノベーション創出のための流れである、発見(Discover)、反復(Iteration)、対話(Discourse)、協働(Collaboration)の一連についてや調査デザイン方法、今後の事業活動の方向性などについて現場対話を深めました。

今回の現場対話はとりまとめを行い、今後のワークショップなどで紹介していく予定です。また上平常務には、今後、本学でイノベーション創出の事例紹介などをご紹介して頂く予定です。

対話後の上平泰輔・大伸社常務取締役(右)と佐藤法仁URA・事業実施責任者

国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html
株式会社大伸社:http://www.daishinsha.co.jp/
OKAYAMA UNIV.e-Bulletin:http://www.okayama-u.ac.jp/user/kouhou/ebulletin/index.html

2013年9月12日木曜日

【産学官・異分野】現場対話2:アカデミィア人とビジネス人の対話から生まれるイノベーションの種を目指して

2013年9月12日(木)岡山市北区

大学などのアカデミィアには数多くのシーズが蓄えられています。そして、産業界には数多くのニーズがあります。これらのマッチングから産学連携が生まれます。しかし、「イノベーション創出」となると多くの課題が山のように待ち構えています。

文部科学省のシーズ・ニーズ事業において私たちは、従来の大学と産業界との連携を目的とした検討会ではなく、「対話」を通じた信頼関係を長い時間を掛けてまず築き、志を分かち合えた中からイノベーション創出の小さな種を育んでいくことが大切だと考えています。単にビジネスの付き合いではなく、業界の壁を越えて人と人のつながりを重視し、その志を共に出来る連携機関の方々と手を取っています。

今回、連携機関のひとつである一般社団法人岡山経済同友会の泉史博代表幹事(株式会社中国銀行取締役会長)と現場対話を行いました。同会と本学は、例えば教育面では、「被災地高校生進学支援「学・職・住」総合支援制度」の創設でご支援を頂いたりしています。また、医療面では、「医療で目指す「一番住みたい県 岡山 ~IHN創設で、住んで安心、地域も元気~」という提言書を2013年5月に出されて、活発な活動を展開しています。

現場対話では、本事業の方向性だけではなく、研究が生み出す産業のあり方や同会の提言するIHN構想と本学の研究力のリンクの仕方など、幅広い現場対話を2時間近く行いました。

今後、同会との連携のもと、今回の現場対話のフィードバックを含め、さまざまなワークショップを開催する予定です。また、泉代表幹事には、ワークショップでのご講演を行って頂く予定です。

対話後の泉 史博・岡山経済同友会代表幹事(右)と佐藤法仁URA・事業実施責任者
(絵画は岡山が輩出した児島虎次郎画伯のもの)
 
国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html
一般社団法人岡山経済同友会:http://okadoyu.jp/

2013年9月10日火曜日

【光生命】現場対話1:光技術と生命科学の融合 - 岡山大学と企業連携:世界最細内視鏡開発を目指して

2013年9月10日(火)岡山大学病院

文部科学省事業であるシーズ・ニーズ事業で、本学は「光技術」と「生命科学」にスポットを当てて取り組んでいます。

本学附属病院である、岡山大学病院(病院長:槇野博史先生)は厚生労働省が選定した「臨床研究中核病院」です。臨床研究中核病院とは、日本発の革新的な医薬品・医療機器の創出等を目的に、国際水準の臨床研究、難病等の医師主導治験及び市販後臨床研究等の中心的役割を担う中核病院のことであり、わが国に10拠点しか選定されていません。

この臨床力と研究力の強みを活かして様々な取り組みを実施していますが、そのひとつが泌尿器科(公文裕巳教授)と株式会社武井医科光器製作所、株式会社住田光学ガラスが取り組んでいる「世界最細の内視鏡」です。

泌尿器系疾患の手術の際に患者さんの負担を減らすためには、極めて小さく、そして操作性の良い内視鏡が必須となっています。現在、開発を進めている内視鏡は、ハイビジョン対応では世界で最も細い内視鏡であり、従来の機器と比べて格段に細く、画質が良いのが特徴です。

今回は、大学病院の臨床研究審査委員会の承認を得て、実際の患者さんに使用、機器の性能評価などを行いました。手術には、泌尿器科の公文裕巳教授、担当医の和田耕一郎先生をはじめ各先生方、共同開発に取り組んでいる株式会社武井医科光器製作所の武井和之社長、株式会社住田光学ガラスの菅家守人さん、中野麻耶子さん、それに本学URAの佐藤法仁先生が参加。実際の患者さんに使用される現場での機器の具合について精査しました。

手術終了後には、公文教授と武井社長らが熱心に対話。実際に使用した際の改良点などを明確にして行きました。

本内視鏡開発は、シーズ・ニーズ事業にも盛り込まれており、今後は、武井社長らに医工連携、特に病院(臨床現場)と企業連携における取組についてのご講演や医師・研究者・企業人らが対話するワークショップを設ける予定です。

患者さんに使用する内視鏡を手にする公文裕巳教授

手術に参加した担当医の和田耕一郎先生(左)と佐藤法仁先生

手術終了後、次回使用に向けて改良点を話し合う公文教授と武井社長(左から2人目)ら


国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/index.html
岡山大学病院:http://www.hsc.okayama-u.ac.jp/hos/
株式会社武井医科光器製作所:http://www.takei-med.com/
株式会社住田光学ガラス:http://www.sumita-opt.co.jp/ja/

2013年9月7日土曜日

【光生命】第10回日本中性子捕捉療法学会学術大会 参加

2013年9月7日(土)岡山大学

9月7日~9月8日に岡山大学で開催された「第10回日本中性子捕捉療法学会学術大会」大会長:本学大学院医歯薬学総合研究科教授 松井秀樹先生)に、文科省シーズ・ニーズ事業でファシリテーターを務める狩野光伸先生と佐藤法仁先生が参加しました。

同学会で開催された特別講演では、「ナノバイオテクノロジーが拓く未来医療 ~超分子ナノディバイスによる薬物・遺伝子のピンポイントデリバリー~」と題して、東京大学大学院工学系研究科・医学系研究科教授の片岡一則先生がご講演されました。

片岡先生は、ファシリテーターの狩野先生の恩師のお一人であり、医工連携分野の最前線でご活躍されています。今回、片岡先生らが取り組まれている会合体(高分子ミセル)を標的の病的細胞に取り込ませて、死滅させるピンポイントデリバリーの成果についてご講演頂き、会場に詰めかけた数多くの方々と熱心な議論を繰り広げました。

文科省事業であるシーズ・ニーズ事業では、本学は「生命科学」と「光技術」にスポットを当てています。両分野はまさに医工連携の分野であり、片岡先生をはじめ数多くの方々が最先端のご研究をされています。これらの研究を知ることで、本学の研究力強化につなげていくことが重要と考えています。

国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/
第10回日本中性子捕捉療法学会学術大会:http://jsnct10.umin.jp/

2013年9月6日金曜日

【産学官】ワークショップ2:知的財産と生命科学 -生物多様性とイノベーションを考える 開催

2013年9月6日(金)岡山大学

研究資源の確保が世界規模で激しさを増し、問題となる現代において、国際社会では一定の取り決めとなる条約の作成が進んでいます。その中で、特に生物資源に関する知的財産については、わが国が中心となって議論が進められてきました。

今回、生命科学研究において、重要なキーワードである「生物多様性」、「イノベーション」、「知的財産」の3つを核に、海外由来の動物、植物、微生物等(遺伝資源)を活用する「研究」や「製品開発」時の留意事項に焦点を当てた知的財産ワークショップを開催しました。

今回はお二人の招請講演演者をお呼びしました。国立遺伝学研究所知的財産室 ABS学術対策チームリーダーの森岡 一先生は、「遺伝資源と生物多様性条約」について、条約の概要と各企業の取組事例をご講演して頂きました。同研究所知的財産室室長の鈴木睦昭先生からは、「名古屋議定書(国内措置)の現状と今後」について、大学などの研究機関が遵守すべき制約事項などについて講演して頂きました。

また、本学の山本進一理事(研究担当)・副学長は基調講演として「生物多様性の紹介」と題して、生物多様性と、そこから派生する遺伝資源の研究利用へのあり方について話題提供を行い、産・官・学・民の約50名が熱心に聴講し、その後の対話も密なものとなりました。

生物多様性条約は、特にこの分野の研究者において研究環境の大きな変化をもたらします。今回のWSは、わが国の研究分野、産業分野の方々が留意すべき基本原則の一端を紹介させて頂きました。
また、文科省事業であるシーズ・ニーズ事業では、本学は「生命科学」と「光技術」にスポットを当てています。両分野とも生物資源に注目した技術開発であるため、今回のWSは非常に重要なものとなりました。

今後、特にABSAccess and Benefit-Sharing)の取決め事項は大きく変わることが予測されます。わが国の条約批准後にも重要な決定事項が大学にももたらされることが予想されるため、引き続き最新の知的財産情報提供の場をシーズ・ニーズの場に提供して行きたいと思います。

モデレーター役の渡邊 裕岡山大学知的財産本部長・教授
 
講演を行う鈴木睦昭先生

講演を行う森岡 一先生
 
国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/
岡山大学研究推進産官学連携機構:http://www.okayama-u.net/renkei/
 国立遺伝学研究所:http://www.nig.ac.jp/