2018年10月26日金曜日

【情報発信】ポリファーマシー(多剤併用)の現状を明らかに 国内の状況は改善傾向を示す

◆発表のポイント
医療費の増加や薬剤同士の予期せぬ相互作用が懸念されるポリファーマシー(多剤併用)について、7年間にわたる全国的な状況を調査しました。
ポリファーマシーは2012~2013年を境に減少に転じたことを明らかにしました。
本研究成果を医療の改善に役立てることで、医療関連のSDGsへの貢献が期待されます。
 
 
岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科の狩野光伸教授・大学院医歯薬学総合研究科(薬)の小山敏広助教らの研究グループは、岡山大学病院の千堂年昭教授、北村佳久准教授、建部泰久氏、札幌医科大学の樋之津史郎教授、虎の門病院の大内尉義院長(東京大学名誉教授)、徳島大学病院の座間味義人准教授、大阪大学の萩谷英大助教、千葉大学病院の三上奈緒子氏との共同研究で、日本国内におけるポリファーマシー(多剤併用)の現状を明らかにしました。
本研究成果は、2018年10月6日付の米国老年医学会誌のオンライン版に掲載されました。
 
ポリファーマシーは多くの薬剤を同時に使用している状況を指し、薬剤同士の予期せぬ相互作用や、医療費の増加などが懸念されていますが、これまで国内の状況については明らかになっていませんでした。
本研究では、厚生労働省の診療報酬明細情報を活用して、国内における2010年~2016年のポリファーマシーの状況を明らかにし、2012~2013年を転換点として、ポリファーマシーの状況が統計的に改善していることを示しました。本研究成果を基盤に医療の改善に役立てることで、医療関連のSDGsへの貢献が期待されます。
 

◆研究者からのひとこと
 今回の研究は7大学・大学病院の研究者による共同研究です。さまざまな研究者の視点を一つの研究に取り入れることがより社会に役立つ研究の実現において重要であると感じています。
小山助教



 ■論文情報
論 文 名:Trends in polypharmacy in Japan: a nationwide retrospective study

掲 載 紙:Journal of American Geriatric Society, Vol. (2018)
著  者:Hiroshi Onoue, Toshihiro Koyama, Yoshito Zamami, Hideharu Hagiya, Yasuhisa Tatebe, Naoko Mikami, Kazuaki Shinomiya, Yoshihisa Kitamura, Shiro Hinotsu, Toshiaki Sendo, Yasuyoshi Ouchi, Mitsunobu R. Kano.
D O I:
https://doi.org/10.1111/jgs.15569
U R L:Trends in Polypharmacy in Japan: A Nationwide Retrospective Study


<詳しい研究内容について>
ポリファーマシー(多剤併用)の現状を明らかに 国内の状況は改善傾向を示す

<お問い合わせ>
岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科
 教授 狩野光伸

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬)
 助教 小山敏広
(電話番号)086-235-6585


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id572.html

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