2016年8月10日水曜日

【情報発信】Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.27 発行

岡山大学は8月8日、本学の強みである医療系分野の研究成果について、革新的な基礎研究や臨床現場、医療産業等に結びつく成果を英語で情報発信するWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」Vol.27を発行しました。

2012年より本学では、研究成果や知的財産活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年4回発行。国際科学雑誌「Science」を扱うAAAS(米国科学振興協会)のメーリングリストを利用し、世界の研究者等にニュースやトピックスを交えて配信し、本学の海外への情報発信の強化と国際的知名度の向上を推進しています。

OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、強みある医療系分野の更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行。

本号では、大学院医歯薬学総合研究科(医学系)薬理学分野の西堀正洋教授が、敗血症の治療法開発へ新たな道筋を見出す研究成果を紹介しています。

西堀教授、和氣秀徳助教らの研究グループは、マウスの敗血症病態モデルの解析によって、複雑で重篤な敗血症病態を理解する上で重要な血漿タンパク質Histidine-rich glycoprotein(HRG)を同定し、HRGが循環血中の好中球と血管内皮細胞の静穏化維持に極めて重要な働きをする因子であることや、敗血症病態のカスケードが血中HRGの低下を起点として進行することを世界で初めて解明しました。この研究成果は、世界で年間2000~3000万人が発症しているといわれるヒトの敗血症の治療にも応用できるものと期待されます。西堀教授らはすでに、哺乳動物細胞を使ったヒト組み換えタンパクの製造にも成功し、新しい治療薬の開発に向けての研究が順調に進んでいます。敗血症は、世界的に抗生物質以外の治療薬が存在しない現状から、今後の成果がさらに期待されます。

岡山大学は、平成25年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築のため、強みある分野の国際的な情報発信を力強く推進していきます。また、強みある医療系分野から生み出される成果を社会や医療現場が求める革新的技術としてより早く届けられるように研究を推進していきます。

なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。

Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.27:
Keeping cells in shape to fight sepsis

<Back Issues:Vol.18~Vol.26>
Vol.18:
Therapeutic protein targets liver disease (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)和田淳教授)
Vol.19:
Study links signalling protein to osteoarthritis (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)窪木拓男教授)
Vol.20:
Lack of enzyme promotes fatty liver disease in thin patients (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)和田淳教授、中司敦子助教)
Vol.21:
Combined gene transduction and light therapy targets gastric cancer (大学病院香川俊輔准教授、大学院医歯薬学総合研究科(医学系)石田道拡医師)
Vol.22:
Medical supportive device for hemodialysis catheter puncture Combined gene transduction and light therapy targets gastric cancer (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)大原利章助教)
Vol.23:
Development of low cost oral inactivated vaccines for dysentery (大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)三好伸一教授)
Vol.24:
Sticky molecules to tackle obesity and diabetes (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)和田淳教授、村上和敏医師)
Vol.25:
Self-administered aroma foot massage may reduce symptoms of anxiety (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)江口依里助教)
Vol.26:
Protein for preventing heart failure (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)片野坂友紀助教)

 <参考>
Okayama University e-Bulletin:
//www.okayama-u.ac.jp/user/kouhou/ebulletin/

【本件問い合わせ先】
広報・情報戦略室
TEL:086-251-7293
 


本号で紹介した研究成果を担当した西堀正洋教授

【情報発信】テラヘルツケミストリーが切り開く新しい化学 第29回フューチャーセッションを開催

岡山大学大学院自然科学研究科(工学系)生命医用工学専攻の塚田・紀和研究室とリサーチ・アドミニストレーター(URA)執務室は7月26日、「第29回フューチャーセッション」を津島キャンパスで開催。本学がリードする光技術のひとつ「テラヘルツ」1)による新しい化学の発展についての対話を行いました。


今回のセッションでは、大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの斗内政吉教授が「Terahertz emission study of molecular adsorption dynamics onto atomic layer materials」と題して、1原子層材料であるグラフェン(炭素原子のシート)に吸着する分子の活性化エネルギーの分布をレーザーテラヘルツの技術を応用して計測する最新の手法について説明しました。
続いて、国立研究開発法人理化学研究所光量子工学研究領域の大谷知行グループディレクターが「Terahertz Spectroscopy and beyond」と題して、テラヘルツ分光を用いて高分子材料の詳細な様子を計測した結果や、テラヘルツを用いて積極的に高分子の原子構造を改変する方法について紹介。世界を先導する光技術の産業応用や将来、私たちの生活への恩恵などについて、参加者らに熱心に語りかけました。

セッション・ファシリテーターを務めた大学院自然科学研究科(工)の紀和利彦准教授は「現在、テラヘルツとケミストリー(化学)の融合が急速に進んでおり、そこから出来上がる新しい分野は、今後、学術分野にとどまらず、医療など幅広い分野へ貢献していくことができるだろう」と総括しました。

なお、今回のフューチャーセッションは、グローバルな研究教育を行う岡山大学として、英語で実施。フランス、カナダ、台湾など幅広い国々と地域の学生が参加し、これから広がる新しいテラヘルツ分野について対話を熱心に行いました。

セッション終了後には、紀和准教授の開発した生体関連物質検出用の新しい装置「テラヘルツ波ケミカル顕微鏡」を見学。これからのテラヘルツ波技術についての意見交換も行いました。

岡山大学は、平成25年8月に文部科学省が日本のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。

また、紀和准教授の研究力を核とした共同研究や人材交流など、実施的な研究力の強化・促進を着実に進めています。

今回のセッションで得られた研究力強化促進の知見や人脈、アイデアを最大限に利活用して、社会を革新する研究開発や学術・人材の基幹を築いていく予定です。

1) テラヘルツ

周波数にして1兆Hz付近の高周波電磁波のことです。レーザー工学・電子工学の発展とともに、そのアプリケーションが世界的に注目されています。近年では、テラヘルツにより生命科学を解明する研究が数多く立ち上がっています。

※本学が開催する「フューチャーセッション(Future Session)」とは、次世代シーズ・ニーズ創出を探るとともに、未来について多様な立場から解決すべき問題を提起し、少人数で活発な対話を通してより良い未来を実現する解決策を構築するセッションのことです。


※直近3回の岡山大学フューチャーセッション
第26回(テーマ「アメリカ英語における教育研究」)はこちら
第27回(テーマ「サイバーセキュリティ2」)はこちら
第28回(テーマ「医療と工学の融合」)はこちら

【本件問い合わせ先】
大学院自然科学研究科(工学系)生命医用工学専攻 准教授 紀和利彦
TEL:086-251-8130


(左から)ファシリテーター務めた紀和准教授と話題提供者の斗内教授、大谷グループディレクター

【情報発信】Alumni東京支部総会、交流会を開催

岡山大学Alumni東京支部は7月30日、「平成28年度岡山大学Alumni(全学同窓会)東京支部総会及び平成28年度岡山大学Alumni(全学同窓会)東京支部・法文経学部同窓会東京支部・工学部同窓会関東支部・農学部同窓会関東支部合同同窓会交流会」を東京都千代田区の学士会館で開催しました。


Alumni東京支部総会では、小長啓一Alumni会長・東京支部代表幹事、森田潔学長があいさつ。議事では、竹原啓二Alumni東京支部事務所長より平成27年度事業報告、平成28年度事業計画について説明を行い、審議の結果、満場一致で承認されました。


交流会では、歓談の間に荒木勝理事・副学長、冨田栄二工学部長、平野正樹経済学部長より大学や各学部の近況報告が行われたほか、各学部同窓会から情報提供がありました。また、藤本悌弘岡山県東京事務所長、松岡高志岡山市東京事務所長補佐から、岡山県、岡山市の東京での活動についてのPRも実施。最後には、参加者全員で岡山大学学生歌を斉唱しました。


Alumni東京支部総会、交流会には、大学関係者も含めて114人(法学部、文学部、経済学部、工学部、農学部、理学部、環境理工学部、医学部)が参加。学部、年代の垣根を超え交流を深めました。

【本件問い合わせ先】
岡山大学東京オフィス・宮道 力
TEL: 03-6225-2905



Alumni東京支部総会、交流会の様子

2016年8月4日木曜日

【情報発信】馬建鋒教授(資源植物科学研究所)がアメリカ植物生物学会の在外終身会員に選出

岡山大学資源植物科学研究所植物ストレス学グループの馬建鋒教授は、アメリカ植物生物学会(American Society of Plant Biologists: ASPB)より、2016年の在外終身会員(Corresponding Membership Award)に選出されました。授賞式は7月9日〜13日、アメリカ・テキサス州オースティンで開催されたASPBの年次集会PlantBiology2016において行われました。本賞は顕著な業績のあるアメリカ国外在住のASPB会員を毎年3人以内表彰し、終身会員とするものです。

今回、馬教授が、植物の無機栄養素の吸収や分配を担う輸送体に関して、多数の先駆的な研究を行ってきたこと、また、酸性土壌において植物の生育を阻害するアルミニウムイオン毒性に対する植物の耐性機構について、世界の研究をリードしてきたなどが高く評価されました。馬教授は「我々の研究がこのような形で世界に評価され、大変うれしく思います。この賞を励みに、今後さらに地道に世界トップレベルの研究を行っていきたいと思います」と話しました。

ASPBはトップレベルの植物専門学術誌「Plant Cell」、「Plant Physiology」を出版しています。馬教授は昨年、同グループの山地直樹准教授とともにTop Authors (論文引用回数が多い著者、アジアでは9人)にも選出されています。

在外終身会員には馬教授のほか、京都大学、レーゲンスブルグ大学(ドイツ)の教授が選出されました。

〇2016年の在外終身会員(アメリカ植物生物学会HP)
http://www.aspb.org/awards-funding/aspb-awards/corresponding-membership/

【本件問い合わせ先】
資源植物科学研究所 教授 馬 建鋒
TEL: 086-434-1209



アメリカ植物生物学会の在外終身会員に選出された馬教授(右)

2016年8月3日水曜日

【情報発信】岡山大学大学院法務研究科が九州大学法科大学院と教育連携協定を締結

岡山大学大学院法務研究科(岡山大学法科大学院)は7月29日、九州大学法科大学院(福岡市)と教育連携協定を締結しました。本協定は、地域貢献という方向性を同じくする両法科大学院が、学部との接続教育、法科大学院における法曹養成教育、法曹に対する継続教育の各局面において教育連携を行うものです。このことにより、各法科大学院の教育力の一層の向上及び地域連携の促進を図り、優れた法律実務家の養成及び地域貢献に資することを目的としています。


岡山大学で行われた調印式には、九州大学法科大学院より村上裕章院長、堀野出副院長、本学法科大学院より、神例康博研究科長、佐藤吾郎副研究科長、西田和弘副研究科長が出席。村上院長と神例研究科長が協定書に署名し、教育連携協定を締結しました。締結後、村上院長は「手を携えて、互いに切磋琢磨していきたい」、神例研究科長は「地域貢献という同じ理念をもつ大学どうし、互いに長所を補完しあって教育力を高めていきたい」とそれぞれ抱負を述べました。

【本件問い合わせ先】
社会文化科学研究科等事務部総務グループ 
TEL:086-251-7345



協定書への署名を終えた神例研究科長(左)と九州大学の村上院長