2016年4月29日金曜日

【情報発信】平木講師が日本医学放射線学会のCyPos賞プラチナメダルを受賞

第75回日本医学放射線学会総会が4月14~17日、パシフィコ横浜で開かれ、岡山大学病院放射線科平木隆夫講師の「CTガイド下IVR用ロボット(第二世代)の開発:術者被曝ゼロの実現」がCyPos賞プラチナメダルを受賞しました。


CTガイド下IVR(日本語名:画像化治療)とは、CT画像を見ながら術者が病変に針を刺入して行う治療や検査のことで、がん治療が可能なラジオ波治療や凍結治療のほか、さまざまな治療に使用されています。IVRは、針の刺入のみで行えるため、低侵襲で患者への負担が少なく、ニーズが高まっていますが、術者はCT装置のすぐ近くで手技を行うため、被ばくするという問題がありました。


そこで平木講師は、術者の被ばくを軽減するために、遠隔操作にて針の刺入を行える医療用ロボットの開発に着手。本学大学院自然科学研究科(工)松野講師、亀川講師との医工連携、コアテック(株)との産学連携で研究を行いました。現在、このようなロボットで認可されたものは世界でもなく、今回、同ロボットの革新性が評価され、約330演題の中から平木講師の発表が同賞に選ばれました。


平木講師は「この受賞は、一緒に開発している松野先生、亀川先生、コアテックの谷本室長やその他のチームの皆の努力の賜物です。今後は、医師の被ばくを軽減するのみならず、穿刺精度を向上させ、患者さんの治療成績を向上させるロボットを目指したい」と話しました。


同開発は、日本医療研究開発機構(AMED)の「医療機器開発推進研究事業」の委託事業として研究を実施。現在、将来的な薬事承認に向けて、さらなる研究開発を進めています。

【問い合わせ先】
岡山大学病院放射線科 講師 平木隆夫
TEL: 086-235-7313



玉木長良大会長から表彰される平木講師(左)

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5717.html
 

2016年4月28日木曜日

【情報発信】山岡教授、菅助教、須藤教授が文部科学大臣表彰を受賞

「平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」の表彰式が4月20日、文部科学省(東京都)で挙行され、大学院保健学研究科の山岡聖典教授が科学技術賞理解増進部門、異分野基礎科学研究所の菅倫寛助教、大学院医歯薬学総合研究科(薬)の須藤雄気教授が若手科学者賞をそれぞれ受賞しました。

同賞は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的としています。

【科学技術賞 理解増進部門】
・大学院保健学研究科 山岡 聖典 教授 (
研究概要受賞概要
「低線量放射線の健康影響に関する研究活動等を通じた理解増進」
低線量放射線の健康リスク不安に対し、学会賞等に評価された独自の研究成果も踏まえた講演・マスコミ活動等を実施。科学的根拠や教訓に基づく放射線教育・啓蒙の拡充や、報道被害の解消、風評による人的・物的被害や健康・将来への不安の払拭、より合理的な放射線の防護体系や活用方法の構築等へ貢献しました。
山岡教授は「本受賞は永年の多くの関係者のご尽力による賜物であり、全員の受賞と理解している。研究・教育は直接・間接的に社会貢献して価値が生じるものと捉え、今後は関連する健康長寿科学の発展・普及と国際的な人材育成に引き続き寄与したい」と話しました。

【若手科学者賞】
・異分野基礎科学研究所 菅 倫寛 助教 (
研究概要
「光合成における光化学反応の構造基盤の研究」
光合成における水分解反応機構の解明を目指す異分野基礎科学研究所の沈建仁教授、菅助教らの研究グループ。これまでに共同研究者と行った「X線自由電子レーザー施設を用いた光化学系II複合体の立体構造と機能に関する研究」や「植物の光化学系Iと光捕集アンテナIの超複合体の立体構造と機能に関する研究」は国際的に高く評価されています。
菅助教は「このような名誉ある賞を頂けたのは、素晴らしい共同研究者、サンプル、実験施設、チャンス、タイミング、そして家族の支えがあったからです。この栄誉を励みにフロンティアを切り拓く研究を続けていきたい」と話しました。

・大学院医歯薬学総合研究科(薬) 須藤 雄気 教授 (
研究概要
「レチナールタンパク質の機能創成に関する生物物理学的研究」
動物や微生物は、光を情報源やエネルギー源として利用しますが、光受容の際に主役となるのが、「レチナールタンパク質」というビタミンA誘導体を発色団とするタンパク質です。今回、須藤教授が行ったレチナールタンパク質の(1)新しい機能の発見、(2)生物物理学的手法を用いた精密解析とそれらに立脚した(3)人工的な機能の創成の3点が高く評価されました。
須藤教授は「このたびの表彰により、これまでの研究を評価頂き大変光栄に思っております。支えていただいた共同研究者の皆さまに深く感謝致します。この表彰を励みに、今後とも岡大生とともに、研究パラダイムを創っていく所存です」と話しました。

【本件問い合わせ先】
 大学院保健学研究科 教授 山岡 聖典
 TEL: 086-235-6852
 異分野基礎科学研究所 助教 菅 倫寛
 TEL: 086-251-8630
 大学院医歯薬学総合研究科(薬) 教授 須藤 雄気
 TEL: 086-251-7945

 

(左から)受賞した須藤教授、山岡教授、菅助教
 

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5718.html

2016年4月27日水曜日

【情報発信】野原実教授と工藤一貴准教授が日本物理学会国際ジャーナルの年間高引用論文ベスト10に2件ランクイン

岡山大学異分野基礎科学研究所(RIIS)の野原実教授と工藤一貴准教授ら研究論文が4月15日、一般社団法人日本物理学会(JPS)が発行する国際ジャーナル「Journal of the Physical Society of Japan (JPSJ) 」の年間高引用論文ベスト10に2件入る快挙を成し遂げました。

両論文は、「112型CaFeAs2に関するもので、今までにない新しい結晶構造を持つ鉄系超電導体です。従来の超電導体には多くのレアアースが使用されており、価格や汎用性で課題がありましたが、新しい超電導体のレアアース含有量は元素比5 %以下に抑えられており、安価で高性能な超電導線材の実現の可能性があるものです。野原教授は「学生たちの工夫と頑張りで、今回の成果をあげることができました。今後も、学生たちが最先端の研究を体験できるよう、教育研究に邁進したい」と述べました。

野原教授と工藤准教授らはこれまでに、同分野で先導的な研究開発を数多く進めてきました。3月19~22日に開催された「日本物理学会第71回年次大会」(東北学院大学泉キャンパス)では、
第21回(2016年)日本物理学会論文賞を受賞。また日本学術振興会の平成27年度新学術領域研究(研究領域提案型)である「J-Physics:多極子伝導系の物理」の計画研究代表者を務めており、わが国の将来を担う重要な課題解決に挑戦しています。

これらの研究成果は、
文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の報告資料「研究論文に着目した日本の大学ベンチマーキング2015」におけるTop10%補正論文数(研究の質)の伸び率で本学が全国第2位、ネイチャー・パブリッシング・グループ(Nature Publishing Group)が発表している「Nature Index」においても、本学の自然科科学分野の高品質論文数の伸び率が全国第2位になるなどの秀逸な成果に大きな貢献を果たしています。今後も研究の量、質において世界的に存在感のある「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の一翼を担い、社会を革新する研究開発を精力的に進めていきます。

<参考:年間高引用論文ベスト10に入った2論文>
K. Kudo, T. Mizukami, Y. Kitahama, D. Mitsuoka, K. Iba, K. Fujimura, N. Nishimoto, Y. Hiraoka, and M.Nohara:Enhanced Superconductivity up to 43 K by P/Sb Doping of Ca1−xLaxFeAs2. J. Phys. Soc. Jpn. 83, 025001 (2014).


K. Kudo, Y. Kitahama, K. Fujimura, T. Mizukami, H. Ota, and M. Nohara:Superconducting Transition Temperatures of up to 47 K from Simultaneous Rare-Earth Element and Antimony Doping of 112-Type CaFeAs2. J. Phys. Soc. Jpn. 83, 093705 (2014).

【本件問い合わせ先】
岡山大学異分野基礎科学研究所 教授 野原 実
TEL:086-251-7828



野原実教授(右)と工藤一貴准教授

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5705.html
 

2016年4月26日火曜日

【情報発信】第54回岡大サイエンスカフェを開催

岡山大学研究推進産学官連携機構は4月19日、本学の研究者が最新の科学を分かりやすく説明する「第54回岡大サイエンスカフェ」を創立五十周年記念館で開催しました。


本学大学院医歯薬学総合研究科(医学系)の森松博史教授が「敗血症ってどんなもの? ―最新の知見を踏まえて―」をテーマに講演。「感染症と敗血症の違い」、「敗血症の恐ろしさ」、「集中治療室での医師と敗血症との戦い」、「誰でもできる敗血症の判断法」などについて分かりやすく解説しました。また、本学が開発中の画期的な「敗血症の治療法」についての説明もあり、参加した113人の市民らは熱心に聴き入っていました。

次回は6月20日、「シリコンバレーから見る米国医療の最前線」と題して、米国の医療政策や、国を挙げて開発に取り組んでいる「遺伝学、環境要因、生活習慣」などのビッグデータを用いた「適切ながんの治療法、予防法の選択システム」、シリコンバレーのあるカリフォルニア州が取り組んでいる感染症対策等について、研究推進産学官連携機構シリコンバレーオフィス長の千田一貴教授が、分かりやすくお話する予定です。

【本件問い合わせ先】
研究推進産学官連携機構 社会連携本部
TEL:086-251-7112

 

講演を行う森松教授
 

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5711.html

2016年4月25日月曜日

【情報発信】「おかやま地域発展協議体」の設立式を実施

岡山大学が構成メンバーに含まれる「おかやま地域発展協議体」(委員長:荒木勝本学理事・副学長)は4月19日、本学津島キャンパスで設立式を実施し、学内外から同協議体の委員ら約40人が参加しました。


同協議体は、岡山県内の産官学民が連携、協働して地域が抱える種々のニーズや課題に関する検討・研究を行うプラットフォームとして4月1日に設立されたものです。本学以外に、岡山県商工会議所連合会、(一社)岡山経済同友会、岡山県、岡山市、倉敷市、中国銀行、山陽新聞社で構成されています。


設立式では、森田潔学長と窪津誠岡山商工会議所専務理事が、協議体の事務局を務める本学地域総合研究センターの入り口に看板を上掲。国際交流会館に場所を移して、三村聡地域総合研究センター長が設立経緯とコンセプトを説明しました。

【本件問い合わせ先】
地域総合研究センター
TEL:086-251-8468



森田学長(左)と窪津専務理事による看板上掲
 

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5706.html
 

2016年4月24日日曜日

【情報発信】アロマフットマッサージが血圧値改善、不安軽減に効果

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)公衆衛生学の江口依里助教、舟久保徳美大学院生、荻野景規教授、愛媛大学、順天堂大学、福島県立医科大学の研究グループは、自身で実施するアロマフットマッサージが血圧値改善、不安の軽減、精神的健康の向上傾向に効果があることを明らかにしました。本研究成果は3月24日、米国のオンライン科学誌「PLoS One」に掲載されました。
 
クロスオーバー無作為化比較試験の手法にて、アロママッサージの血圧、不安、精神的健康への効果が同時に認められたのは初めてで、他の生活習慣改善に比べて比較的実施しやすく、補完代替的な健康改善の手段として期待されます。


<詳しい研究内容について>
添付資料2

<論文情報>
タイトル:The Effects of Aroma Foot Massage on Blood Pressure and Anxiety in Japanese
Community-Dwelling Men and Women: A Crossover Randomized Controlled Trial
著  者:Eguchi E, Funakubo N, Tomooka K, Ohira T, Ogino K, Tanigawa T掲 載 誌:PLoS One, 11(3):e0151712, 2016, Mar 24.D O I:10.1371/journal.pone.0151712.


発表論文はこちらからご確認いただけます


<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)
公衆衛生学 助教 江口 依里
(電話番号)086-235-7184
(FAX番号)086-226-0715


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id388.html

2016年4月23日土曜日

【情報発信】「子から働く親へのエール」の受賞論文を本学ホームページに掲載

岡山大学と岡山経済同友会が平成27年12月から平成28年1月にかけて募集した「仕事を続けてくれてありがとう-子から親へのエール」の論文コンクールの受賞作品集を本学ホームページに掲載しました。高校生と大学生の視線で描かれた子育てエピソードと感謝のメッセージは目頭を熱くしますので、ぜひご覧ください。

家庭と仕事の狭間で、子どもに辛い思いをさせたと思っているお父さん、お母さんは多くいらっしゃると思います。本論文は、社会における男女共同参画の在り方を主に家庭の視点から考えることを目的に募集。もうすぐ社会に出る高校生や大学生に、親が仕事と家庭を両立する中で起きたいろいろなエピソードや、親に対する感謝の思いを綴ってもらいました。その中で、県知事賞、岡山経済同友会代表幹事賞、岡山大学長賞に選ばれた作品を掲載し一般の方に公開しています。

その作品とともに、男女共同参画やダイバーシティの取り組みを積極的に進めている企業の活動もまとめて紹介しています。今回の論文審査、冊子制作等の協賛企業でもある各企業の活動も併せてご覧ください。

受賞作品集は、以下の画像をクリックするとご覧いただけます。


※このデジタルファイルは、本年2月27日に岡山大学で開催された「男女共同参画に向けた学生と企業のマッチングシンポジウム(主催:内閣府、男女共同参画推進連携会議、国立大学法人岡山大学、一般社団法人岡山経済同友会、岡山県)」において配布された冊子と同じものです。

【本件問い合わせ先】
ダイバーシティ推進本部
TEL:086-251-7011


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5668.html

【情報発信】新規スクリーニング法を用いて抗うつ薬に悪性脳腫瘍への治療効果を発見

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)細胞生理学分野の道上宏之助教、松井秀樹教授、岡山大学病院林桂一郎非常勤講師らの研究グループは、既存薬再開発(DR)を利用したスクリーニングにより、抗うつ薬の一つに悪性脳腫瘍の治療効果の可能性がある事実を見いだすことに成功しました。本研究成果は3月2日、英国の科学雑誌「Scientific Reports」電子版で公開されました。
 
現在、抗がん剤の開発には莫大な研究開発費と長い開発期間を要します。道上助教らは、このデメリットを埋める方法の一つとして、既存薬の別の効能に着目。短期間・低予算で、副作用の少ない新しい治療薬を創生する手法「既存薬再開発(DR)」を用いた研究を行いました。
本研究結果により、脳に高集積する抗うつ薬の中に、悪性脳腫瘍が周囲の脳へ浸潤する際に必要となる細胞の“足”の形成を阻害する機能があることを発見。動物実験による観察を行い、正常脳への腫瘍浸潤抑制効果と生存期間の延長を確認しました。また、細胞浸潤に関わるFAK(Focal Adhesion Kinase)と呼ばれるリン酸化酵素の働きを強く抑制することもわかりました。今後、更に実験を積み重ね、岡山大学病院脳神経外科と協同して臨床試験を行い、悪性脳腫瘍患者治療薬としての実現・普及を目指しています。


<詳しい研究内容について>
新規スクリーニング法を用いて抗うつ薬に悪性脳腫瘍への治療効果を発見

<論文情報>
タイトル:Fluvoxamine, an anti-depressant, inhibits human glioblastoma invasion by disrupting actin polymerization
著  者:Keiichiro Hayashi, Hiroyuki Michiue, Hiroshi Yamada, Katsuyoshi Takata, Hiroki Nakayama, Fan-Yan Wei, Atsushi Fujimura, Hiroshi Tazawa, Akira Asai, Naohisa Ogo, Hiroyuki Miyachi, Tei-ichi Nishiki, Kazuhito Tomizawa, Kohji Takei and Hideki Matsui掲 載 誌:『Scientific Reports』 2016 Mar 18;6:23372D O I: 10.1038/srep23372.


発表論文はこちらからご確認いただけます


<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)
細胞生理学分野 助教 道上 宏之
(電話番号)086-235-7105
(FAX番号)086-235-7111
(URL)
http://seiri1.med.okayama-u.ac.jp/

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id389.html

2016年4月22日金曜日

【情報発信】岡山大学惑星物質研究所がJAXAの宇宙科学研究所と連携協力に関する協定を締結

岡山大学惑星物質研究所は4月8日、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所(神奈川県相模原市)と連携協定を結びました。本協定は、JAXAの小惑星探査機「はやぶさ2」が2020年に地球に持ち帰る予定の試料の解析などで協力体制を強めることが狙いです。


これまでも惑星物質研究所(旧地球物質科学研究センター)は、探査機「はやぶさ」(10年帰還)が小惑星「イトカワ」で採取した試料を解析するなどJAXAと連携を深めてきました。本協定を通じ、より精度の高い解析技術の開発・確立を共同で進めながら「はやぶさ2」をめぐる研究に臨みます。今後、惑星物質研究所にJAXA研究員が常駐するほか、両研究所の幹部が集まり、研究の進め方を協議していきます。


惑星物質研究所(鳥取県三朝町)で行われた調印式には、惑星物質研究所の中村栄三所長、神﨑正美副所長、小林桂副所長、宇宙科学研究所の稲谷芳文副所長、深井宏執行役らが出席。両研究所を代表して、中村所長と稲谷副所長が協定書にサインし、連携協定を締結しました。中村所長は、「物質の解析分野で世界をリードできる体制を整えたい」。稲谷副所長は「ミッションの遂行に向け、計画の段階から連携できることは意義深い。世界的な成果を出したい」とそれぞれ抱負を述べました。

【本件問い合わせ先】
 惑星物質研究所庶務担当
 TEL: 0858-43-1215
 

(左から)小林副所長、神﨑副所長、中村所長、稲谷副所長、深井執行役


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5673.html

2016年4月19日火曜日

【情報発信】若手トップリサーチャー 山地直樹准教授を表彰

岡山大学は、優れた業績を挙げた若手研究者を顕彰する「岡山大学若手トップリサーチャー研究奨励賞」の平成27(2015)年度受賞者に資源植物科学研究所の山地直樹准教授を選び、4月13日に学長室で表彰式を行いました。


実績、将来性などを評価基準に、推薦・申請のあった9人を学内で審査。イネのミネラル輸送機構に関する優れた研究により、トムソン・ロイター社でPlant and Animal science分野の高被引用論文著者(Highly Cited Researchers)に選ばれたことが高く評価され、山地准教授を選出しました。


式では、森田潔学長が表彰状と記念品を手渡し、「優秀な若手研究者は研究大学強化促進事業に採択されている本学の誇り。より一層の研鑽を積んでほしい」と激励しました。


本賞は、国際的に活躍できる若手研究者の育成を図るため、平成19年度に創設しました。


【本件問い合わせ先】
研究交流部研究交流企画課 
TEL:086-251-7118



森田学長(左)から表彰状を受け取る山地准教授
 

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5674.html
 

【情報発信】佐藤法仁研究担当学長特命・URAが内閣府科学技術政策フェローに就任

わが国の科学技術・イノベーション強化のために内閣府が実施する「内閣府科学技術政策フェロー」に、本学の佐藤法仁研究担当学長特命・URAが就任しました。

現在、わが国の科学技術・イノベーションは、内閣府に安倍晋三内閣総理大臣を議長とした司令塔「総合科学技術会議・イノベーション会議(CSTI)」を設置し、安倍晋三内閣総理大臣や島尻安伊子科学技術政策担当大臣のリーダーシップの下、各省より一段高い立場から、総合的・基本的な科学技術・イノベーション政策の企画立案及び総合調整を実施しています。科学技術政策フェローはCSTIとともに行動し、専門的な知識経験に基づき、科学技術イノベーションに関する専門的事項の調査・分析及び施策の推進に係る企画及び立案に従事します。本学からのフェロー就任は、佐藤法仁研究担当・学長特命が初めてとなります。

就任に当たり、森田潔学長は「これまで本学の研究大学運営に携わってきた経験と実績をもとに、わが国の科学技術・イノベーション政策の強化促進に深く関与して頂くとともに、その成果を大学・研究機関などに還元して頂きたい」と述べました。佐藤法仁研究担当学長特命・URAからは「これまで数多くの方々とともに育んできた学術、研究、イノベーションを、今度は国の政策側から見ることで、より効果的に社会や大学・研究機関に還元できるようにしたい。また本年度から実施された第5期科学技術基本計画をもとに世界を先導できる科学技術・イノベーションの創出に尽力していきたい」と今回のフェロー就任について述べました。なお、勤務はこれまでの本部棟URA執務室から内閣府に変更となります

岡山大学は、平成25年8月に文部科学省が日本のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。
これまでに強みある分野(物理学、臨床医学、基礎生命科学)の研究力強化・促進を戦略的かつ精力的に行って来ており、文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の報告資料「研究論文に着目した日本の大学ベンチマーキング2015」でもTop10%補正論文数(研究の質)の伸び率でも全国第2位、ネイチャー・パブリッシング・グループ(Nature Publishing Group)が発表している「Nature Index」においても、本学の自然科科学分野の高品質論文数の伸び率が全国第2位になるなど、目覚ましい結果を出しています。これらの秀逸な研究大学運営を国の政策運営にも活かしていくことで、本学のみならずわが国全体の科学技術・イノベーション強化促進に寄与していきます。



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  森田潔学長と内閣府フェローに就任した佐藤法仁学長特命(研究担当)・URA(右)

http://ura.okayama-u.ac.jp/topics/archives/topics61/

2016年4月17日日曜日

【情報発信】極めて高活性な有機分子触媒の開発に成功-触媒使用量が数十分の一に-

岡山大学大学院自然科学研究科(工)の萬代大樹助教、藤居一輝大学院生(博士後期課程2年)、菅 誠治教授らの研究グループはエナンチオ選択的1)なアシル化反応を促進する極めて活性の高い有機分子触媒の開発に成功しました。本成果は4月15日(英国時間午前10時)、イギリスの科学雑誌「Nature Communications」電子版に掲載されました。

アシル化反応とは有機化合物にアシル基(カルボン酸からOHを除いたもの)を導入する反応で、有機化学において最も基本的かつ重要な反応の一つとして知られています。アシル化反応では、通常、有機化合物の2つの鏡像異性体2)(右手と左手の関係)の作り分けやそれらを区別した反応を行うことはできません。しかし、ごく少量の本触媒を用いると、1つの鏡像異性体の選択的合成に加え、反応を効率的かつ短時間で行うことができます。本技術は多様な生物活性化合物の合成に適用でき、医薬品や農薬などのファインケミカルの分野で応用研究が進展すると期待されます。



 
<詳しい研究内容について>
極めて高活性な有機分子触媒の開発に成功-触媒使用量が数十分の一に-

 
<論文情報>
タイトル:Enantioselective Acyl Transfer Catalysis by a Combination of Common Catalytic Motifs and Electrostatic Interactions著  者:Hiroki Mandai,* Kazuki Fujii, Hiroshi Yasuhara, Kenko Abe, Koichi Mitsudo, Toshinobu Korenaga and Seiji Suga*掲 載 誌:Nature CommunicationsD O I:10.1038/NCOMMS11294

<お問い合わせ>
岡山大学自然科学研究科(工)
教授 菅 誠治
(電話番号)086-251-8081
(FAX番号)086-251-8081

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id385.html

【情報発信】平成28年度文部科学大臣表彰 本学から3人受賞決定

平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰の受賞者が4月12日、文部科学省から発表され、本学から3人の受賞が決定しました。同賞は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的としています。

岡山大学からは、科学技術賞の理解推進部門に保健学研究科の山岡聖典教授、若手科学者賞に自然科学研究科(理)の菅倫寛助教、医歯薬学総合研究科(薬)の須藤雄気教授が選ばれました。

受賞式は4月20日、文部科学省で執り行われます。
平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等の決定について

科学技術賞 理解推進部門
大学院保健学研究科 放射線健康支援科学領域 教授 山岡 聖典
 「低線量放射線の健康影響に関する研究活動等を通じた理解増進」

若手科学者賞
大学院自然科学研究科 助教 菅 倫寛
 「光合成における光化学反応の構造基盤の研究」

大学院医歯薬学総合研究科 教授 須藤 雄気
 「レチノールタンパク質の機能創成に関する生物物理学的研究」

【本件問い合わせ先】
広報・情報戦略室
TEL: 086-251-7293


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5677.html

2016年4月15日金曜日

【情報発信】平成27年度「学業成績優秀賞」授賞式を挙行

平成27年度「学業成績優秀賞」授賞式が4月6日、創立五十周年記念館で行われ、学部生ら160人が受賞しました。学業成績優秀賞は、学部、マッチングプログラムコース、グローバル人材育成特別コースの中で、特に優秀な成績を修めた学生を顕彰する制度です。学習意欲の向上を図り、本学の学力水準の向上に寄与することを目的に平成16年度に設立されました。


式では田原誠副学長(入試改革担当)が、各学部等の受賞代表15人に表彰状と奨励金目録を授与。田原副学長は「日頃の勉学にかける努力に敬意を表するとともに、平成28年4月から60分授業・4学期制となる中、今後も学生の模範となることに期待します」とお祝いと期待の言葉を贈りました。

【本件問い合わせ先】
 学務部学生支援課 TEL:086-251-7183



祝辞を受ける受賞者
 
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5663.html 
 

2016年4月12日火曜日

【情報発信】メタボと糖尿病の発症を予防する細胞接着分子を特定

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)腎・免疫・内分泌代謝内科学分野の和田淳教授、国立療養所邑久光明園の村上和敏内科医長(米国シンシナティ大学研究員)らの研究グループは、細胞接着分子である「ACAM(エイキャム)」がメタボリックシンドロームと糖尿病の発症を予防することを世界で初めて突き止めました。本研究成果は3月8日、アメリカの科学雑誌「Diabetes」の電子版に掲載されました。

ACAMは本研究グループが肥満ラットの内臓脂肪組織から2005年に発見した分子で、細胞同士の接着をつかさどる“細胞接着分子[1]”です。今回、脂肪細胞のACAMを増やしたマウス(トランスジェニックマウス)を高脂肪高蔗糖食で飼育したところ、肥満、糖尿病、脂質異常症の発症が予防されました。

メタボリックシンドロームや2型糖尿病に伴う虚血性心疾患、脳梗塞、慢性腎臓病の予防は、国民の健康増進のために極めて重要な課題です。今後、細胞接着分子を用いた新たな治療法の開発が発展すれば、肥満・糖尿病を予防し、健康寿命の維持・延長につながると期待されます。

 
図1. 脂肪細胞がACAMによって接着し、表層アクチン(細胞内骨格分子)を形成することで、脂肪細胞の肥大化を抑制している
図2. ACAMトランスジェニックマウスの脂肪細胞の接着部位(アドヘレンスジャンクション)にACAMとアクチンが存在している(矢印)




 <詳しい研究内容について>
メタボと糖尿病の発症を予防する細胞接着分子を特定

発表論文: Kazutoshi Murakami, Jun Eguchi, Kazuyuki Hida, Atsuko Nakatsuka, Akihiro Katayama, Miwa Sakurai, Haruki Choshi, Masumi Furutani, Daisuke Ogawa, Kohji Takei, Fumio Otsuka, and Jun Wada. The anti-obesity action of ACAM by modulating the dynamics of cell adhesion and actin polymerization in adipocytes. Diabetes, 2016 Mar 8. DOI: 10.2337/db15-1304

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<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)
腎・免疫・内分泌代謝内科学分野
教授 和田 淳
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(FAX番号)086-222-5214
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2016年4月9日土曜日

【情報発信】岡本章教授(経)が「安倍フェローシップ」を受賞

国際交流基金日米センターと米国社会科学評議会(SSRC: Social Science Research Council)が実施している研究奨学金プログラム「安倍フェローシップ・プログラム」の対象者の発表が4月6日行われ、本学の大学院社会文化科学研究科(経済)岡本章教授が選出されました。選出は非常に難関であり、本学からの選出は岡本教授が初めてです。
本プログラムは、現代の地球的かつ喫緊の政策課題に関する学際的・国際的な調査研究の増進を目的としています。岡本教授は今後、「人口減少・少子高齢化社会における社会保障政策の定量分析」を研究テーマとして、アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校で研究に従事する予定です。岡本教授は「非常に栄誉のある『安倍フェロー』に選出され、大変光栄です。このような世界的な研究者コミュニティーに入ることができたことは、私にとって大きな財産となります。日本のみならず世界が直面する政策課題の解決に向けて、今後も研究を続けていきたいと考えています」と話していました。
岡本教授は2015年7月、岡山大学定例記者発表で研究成果を報告。その中で提案した政策案が自治体で導入に向けて本格的に検討されるなど、社会に大きな影響を与えています。

 〇安倍フェローシップ・プログラムについて
国際交流基金日米センターとSSRCが公募するプログラム。SSRCは、各国とフェローシップ(研究奨学金)を実施し、世界中から優秀な研究者を集めて世界的ネットワークを構築しており、この活動は国際的に高く評価されています。日本では、安倍晋太郎元外務大臣ゆかりの「安倍フェローシップ・プログラム」がこれに含まれています。

【本件問い合わせ先】
大学院社会文化科学研究科(経済) 教授 岡本 章
TEL:086-251-7539

2016年4月5日火曜日

【情報発信】岡山大学異分野基礎科学研究所を設置 上掲式を挙行

岡山大学は4月1日、「異分野基礎科学研究所」を設置し、理学部玄関前で看板上掲式を挙行しました。本研究所は、本学の強みである「物理学」と「基礎生命科学」の研究基盤を強化するため、量子宇宙・ニュートリノ研究、光合成-構造生物学、超伝導材料・デバイス科学研究を一体的に進める研究所です。基礎物理学から基礎生命科学を貫く異分野交流の視点をもって基礎科学の推進を図るとともに、21世紀の緊縛の課題であるエネルギー問題解決と産業技術革新の土台となる応用科学研究を推進することを目指していきます。


上掲式では、森田潔学長が「『リサーチ・ユニバーシティ:岡山大学』の中核となる重要な機関として、さまざま形での成果を大いに期待しています」と激励し、久保園芳博研究所長が「異分野基礎科学研究所は近い将来において、世界のトップ研究集団に名を連ねることができるものと確信しています」と力強く述べました。式には、阿部宏史企画・総務担当理事、山本進一研究担当理事、教職員、学生ら約100人も参加し、開所を祝いました。

【本件問い合わせ先】
 異分野基礎科学研究所長 久保園芳博
 TEL:086-251-7850



(左から)看板を掲げる森田学長、久保園所長

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5633.html
 

2016年4月2日土曜日

【情報発信】平成28年度「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」シーズに採択

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」の平成28年度シーズに、本学から2課題が採択されました。


採択されたのは、臨床でのPOC取得を目指す臨床研究開発課題であるシーズCで、本学大学病院新医療研究開発センターの王英正教授、大学院医歯薬学総合研究科(医)の松尾俊彦准教授がそれぞれ研究代表者を務める2課題です。

課題名研究代表者(所属)
小児心不全に対する心筋再生医療法の企業主導多施設共同臨床治験王 英正
(岡山大学)
岡山大学方式の人工網膜の医師主導治験の準備と実施:生物学的安全性評価・製造・品質管理・第Ⅰ相・Ⅱ相試験松尾 俊彦
(岡山大学)


本学は平成26年9月5日、文部科学省(現在はAMEDに事業移管)の「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」橋渡し研究支援拠点に採択されました。本事業は、生命科学分野の基礎研究の成果を実際の医療に活用するための橋渡し研究(トランスレーショナル・リサーチ)を推進するものであり、基礎研究から実用化まで一貫した流れのもと、日本発の革新的な医薬品・医療機器を創出する体制の構築を目指すものです。

今回、本拠点において中国・四国地区より集積したシーズの中うち、平成28年度の新規シーズとして平成28年3月15日、1課題(岡山大学 松尾)が採択されました。また、昨年度採択となった課題(岡山大学 王)についても、継続の評価が行われ、平成28年3月8日、平成28年度の継続課題として採択されました。
 採択となった2課題について、目標到達に向け着実に進めていくとともに、岡山大学拠点が掲げる「健康寿命の延伸」につながる新しい医療の実現に向け、新しいシーズの発掘と育成に努めていきます。

 

※POCとは
プルーフ・オブ・コンセプトの略称で、基礎研究の段階におかれている新薬候補物質の効果、安全性、製造品質が、動物やヒトに投与する臨床実験において認められること。

<補足>
平成28年度「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」シーズB,C採択課題について
(国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)HP)
http://www.amed.go.jp/news/program/050120151225_kettei.html

平成28年度「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」シーズの募集について
(国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)HP) 
http://www.amed.go.jp/news/program/050120151225.html

文部科学省「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」橋渡し研究支援拠点に採択
(本学HP)
//www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id3832.html


【本件問い合わせ先】
岡山大学病院 新医療研究開発センター 橋渡し研究部 橋渡し研究支援室
TEL:086-235-7019
URL:
http://seeds.hsc.okayama-u.ac.jp/

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5610.html