2020年6月27日土曜日

【情報発信】学内産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」を創設 ~企業と大学の担当者がタッグを組んだ学内活動でマッチング効果を強化し、より多様な新規事業創出(0→1)と既存事業育成(1→10)を目指す~

◆発表のポイント
岡山大学は「岡山から世界に新たな価値を創造し続けるSDGs推進研究大学」を掲げ、研究力強化・産学共創加速の分野において「世界的研究拠点形成とSDGsを共通言語に戦略的かつ組織的産学共創のエコシステム構築」を進めています。2019年6月には「岡山大学オープンイノベーション機構」(略称:岡大OI機構)を設置し、戦略的・組織的産学共創の強化から社会実装の加速を目指しています。
 
今回、岡大OI機構では、企業と大学の担当者がタッグを組み、共にプロジェクトを創り上げていく産学共創活動のひとつである「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」(略称:岡大OIチャレンジ)を創設しました。岡大OIチャレンジを通じて、企業ニーズと大学シーズの掘り起こしや予想しない新知見の獲得などから既存事業育成(1→10)だけではなく、新規事業創出(0→1)においても容易に取り組める「共創の場」を手にすることができます。

本学で岡大OIチャレンジに取り組みたい企業などを逐次受け付けています。みなさまのお問い合わせをお待ちしています。



<発表内容について>
学内産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」を創設 ~企業と大学の担当者がタッグを組んだ学内活動でマッチング効果を強化し、より多様な新規事業創出(0→1)と既存事業育成(1→10)を目指す~


<お問い合わせ>
岡山大学オープンイノベーション機構 統括クリエイティブマネージャー
(大学院医歯薬学総合研究科 教授) 神川邦久
(電話番号)086-235-7019

岡山大学 東京オフィス 副理事(研究・産学共創担当)・URA 佐藤法仁
(電話番号)03-6225-2905 
(FAX番号)03-6225-2906

【情報発信】人工知能を用いた新型コロナ肺炎の画像診断システムの有用性を検討する研究を開始

◆発表のポイント
  • 人工知能を用い胸部X線画像から新型コロナ肺炎を検出するシステムを開発しました。
  • 新型コロナ肺炎が疑われる患者にはPCR検査後に主にCTによりトリアージが行われていますが、施行できる医療機関が限られていることが問題です。
  • 本システムの有用性が確認され、実用化されれば通常のX線撮影画像の読影を補助することで、専門医・非専門医問わず新型コロナ肺炎検出を容易にし、COVID-19検査(トリアージ)体制の拡充に貢献することが期待されます。
 
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の河原祥朗教授(実践地域内視鏡学)、株式会社両備システムズの研究グループはカナダのウォータールー大学、DarwinAI社によって開発された人工知能(AI)をプログラム活用し、胸部X線画像から新型コロナ肺炎を検出するシステムを開発しました。この度岡山大学病院倫理委員会の承認を受け、このシステムの有用性を検討する研究を開始します。

新型コロナウイルス感染症を多く経験した医療機関と連携し、新型コロナ肺炎の患者さんの胸部X線写真を集積し、正常な胸部X写真も含めて本システムの診断性能を検証します。

本研究により、同システムによる新型コロナ肺炎の診断における有用性が証明されれば、CT、PCRなどさらなる精査が必要となる的確な患者の拾い上げ、絞り込みに大きく貢献できると考えます。さらに、新型コロナ肺炎は、パンデミックが終息した後は、市中肺炎として季節ごとに蔓延することが予想され、専門病院以外のクリニック、一般病院や、専門医以外の医師でも本疾患に遭遇する機会が増加すると思われます。そのような場面において、専門家以外でも診断のばらつきが減り、正診率が向上することで、患者さんが適切な治療を受けることができると思われます。
 
 
◆研究者からのひとこと
新型コロナウイルス感染症の拡大により医療現場には多大な負担がかかっています。特に最前線で診療を行う医療従事者はその診断、トリアージなどに大変難渋しています。本邦では現在感染はやや収まっているように思われますが、世界中でまだまだ感染が拡大しています。本システムが実用化すれば日本のみならず世界の新型コロナウイルス感染症の診療に貢献できるものと期待しています。
河原祥朗教授


システムのデモ動画はこちらをご覧ください。


<詳しい研究内容について>
人工知能を用いた新型コロナ肺炎の画像診断システムの有用性を検討する研究を開始


<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
実践地域内視鏡学講座 教授

河原祥朗
(電話番号)086-235-7219
(FAX)086-225-5991


https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id739.html

【情報発信】日本国内における非結核性抗酸菌感染症の死亡率動向を解明 ~高齢女性における死亡率が上昇傾向~

◆発表のポイント
  • 過去20年間(1997-2016年)の死亡統計データより、日本国内における非結核性抗酸菌感染症の死亡率動向を算出しました。
  • 60歳以上の高齢者では、女性の粗死亡率が年々増加傾向であることを明らかにしました。
  • 特に、研究期間の最後の3年間(2014-2016年)においては、女性は結核感染症よりも非結核性抗酸菌感染症の死亡数が上回ることを解明しました。


岡山大学大学院医歯薬学総合研究科総合内科学の萩谷英大准教授の研究グループは、これまで未解明であった日本国内における非結核性抗酸菌感染症の死亡率動向を、死亡統計データに基づき明らかにしました。
本研究は、同講座の大塚文男教授および同大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科 狩野光伸教授の指導の元、岡山市立市民病院の原田洸医師(研究当時は、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科総合内科学所属)、同大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科の舩橋智子大学院生、同大学大学院医歯薬学総合研究科の小山敏広助教との共同研究で行われました。

結核菌感染症は、世界三大感染症としてよく知られており、疫学調査や診断技術/治療薬の開発対象として注目されてきました。一方で、非結核性抗酸菌感染症はいまだ不可解な部分が多く、現代における日本人の死亡原因にどの程度関与するかが分かっていませんでした。

本研究グループは、過去20年間(1997-2016年)における日本国内の非結核性抗酸菌感染症による死亡者数を調査し、統計学的に解析しました。その結果、男性に比べて女性の死亡率が際立って増加傾向であることを明らかにしました。さらに、近年においては、女性における非結核性抗酸菌感染症の死亡者数は、結核感染症による死亡者数を上回ることが分かりました。

本研究成果は、6月18日に米国の医学誌「Clinical Infectious Diseases」(Impact Factor 9.117)に掲載されました。



◆研究者からのひとこと
統計学や感染症、性差に注目した内分泌学的視点から考察を行ったことで臨床的に意義深い論文となり、感染症のトップジャーナルへの掲載に繋がったと思います。各分野のスペシャリストの先生方にご指導を頂けたことを大変ありがたく思います。

 

原田洸医師
今回は多くの研究者とのコラボレーションが重要だったと思います。また、データサイエンスという新たな武器で臨床的な課題に関する知見を世界に発信できたことをうれしく思います。

 

小山敏広助教
普段は総合内科・感染症を専門として患者さんの診療を行う傍ら、感染症に関係する様々な研究を行っております。2020年、新型コロナウイルス感染症の世界的アウトブレイクは感染症の脅威と感染対策の重要性を私たちに知らしめました。これからも感染症の領域で世界に役立つ情報を発信し続けたいと思います。
萩谷英大准教授






■論文情報
論文名:Trends in the nontuberculous mycobacterial disease mortality rate in Japan: A nationwide observational study, 1997-2016掲載紙:Clinical Infectious Diseases著 者:Ko Harada, Hideharu Hagiya, Tomoko Funahashi, Toshihiro Koyama, Mitsunobu R. Kano, Fumio OtsukaDOI:10.1093/cid/ciaa810

<詳しい研究内容について>

日本国内における非結核性抗酸菌感染症の死亡率動向を解明~高齢女性における死亡率が上昇傾向~


<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
総合内科学 准教授 萩谷 英大
(電話番号 086-235-7342
(FAX)086-235-7345



https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id738.html

【情報発信】風邪の治療における抗菌薬の実際の使用状況を明らかに

◆発表のポイント
  • これまで十分に明らかにされていなかった風邪の治療における抗菌薬の実際の使用状況を明らかにしました。
  • 2013~2015年の日本国内における865万回の風邪による外来受診を分析した結果、風邪による受診の半数以上に抗菌薬が処方され、そのうち、第一選択薬であるペニシリン系抗菌薬以外の広域抗菌薬が90%以上を占めていました。
  • 年代や疾患ごとに異なる抗菌薬の使い方をされていることも明らかにしました。
 
 
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の小山敏広助教と大学院ヘルスシステム統合科学研究科の狩野光伸教授は、これまで十分に明らかにされていなかった風邪の治療における抗菌薬の実際の使用状況を明らかにしました。
本研究は複数の研究機関と医療機関の研究者(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科総合内科学 萩谷英大准教授、札幌医科大学 樋之津史郎教授、徳島大学病院 座間味義人准教授、徳島文理大学 四宮一昭教授、岡山大学病院 千堂年昭教授、北村佳久准教授、建部泰久氏、田坂健氏、大島礼子氏、同講座 田中啓祥助教、寺谷祐亮氏、ヘルスシステム統合科学研究科 舩橋智子氏)との共同研究において実施されました。
 
急性の気道感染症は一般に「風邪」、「感冒」などとよばれ臨床的に頻度の高い疾患ですが、その大半はウイルス性であり抗菌治療は必ずしも必要とはされていません。一部の気道感染症は細菌感染症によって引き起こされますが、その治療には狭域抗菌薬であるペニシリン系抗菌薬が第一選択薬として推奨されています(1)
 
本研究では、2013~2015年の日本国内における865万回の風邪による外来受診を分析しました。その結果、風邪による受診の半数以上に抗菌薬が処方され、そのうち、第一選択薬であるペニシリン系抗菌薬以外の広域抗菌薬が90%以上を占めていました。また、年代や疾患ごとに異なる抗菌薬の使い方をされていることも明らかにしました。
本研究成果は、日本の感染症・化学療法領域における国際医学誌「Journal of Infection and Chemotherapy」のオンライン版に3月12日に掲載されました。


◆研究者からのひとこと
今回の研究は多様な研究者の協力により、データサイエンスという新たな武器で医療ビッグデータを臨床的な視点で分析した結果として得られたものと思います。今後も、さまざまな分野で新たな視点からの知見を提供し続けていきたいと思います!
小山敏広助教


本研究は、最も身近な感染症である「風邪」における抗菌薬の使用状況を解析したものです。「熱が出て病院に行ったら抗生物質をもらった」という経験は誰もが記憶にあると思いますが、最近の研究によりその多くが不要ということが分かってきました。深刻化する薬剤耐性菌の問題に直面する今、本研究結果が医療者・患者双方にとって「風邪」における抗菌薬の適正使用を考えるきっかけになることを期待しています。

萩谷英大准教授

今回の研究のように蓄積されたデータの利活用による新しい知見はこれからも増えていくものと思います。今後は感染症のみならず、さまざまな分野においてエビデンスを発信できることを期待します。

狩野光伸教授

■論文情報
論文名:Antibiotic prescriptions for Japanese outpatients with acute respiratory tract infections (2013–2015): A retrospective Observational Study.掲載紙:Journal of Infection and Chemotherapy著  者:Toshihiro Koyama, Hideharu Hagiya, Yusuke Teratani, Yasuhisa Tatebe, Ayako Ohshima, Mayu Adachi, Tomoko Funahashi, Yoshito Zamami, Hiroyoshi Y. Tanaka, Ken Tasaka, Kazuaki Shinomiya, Yoshihisa Kitamura, Toshiaki Sendo, Shiro Hinotsu, Mitsunobu R. Kano.D O I:https://doi.org/10.1016/j.jiac.2020.02.001U R L:Antibiotic prescriptions for Japanese outpatients with acute respiratory tract infections (2013–2015): A retrospective Observational Study - ScienceDirect

<詳しい研究内容について>
風邪の治療における抗菌薬の実際の使用状況を明らかに


<お問い合わせ>
岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科
教授 狩野光伸

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
助教 小山敏広
(電話番号)086-235-6585





https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id737.html


【情報発信】岡山大学で開発した医療用針穿刺ロボット(Zerobot®)の医師主導治験開始


◆発表のポイント
  • 岡山大学において医工連携でがんの診断および治療に用いる医療用針穿刺ロボット(Zerobot®)を開発しました。
  • 6月からロボットを用いて医師主導治験を開始しました。治験では、人の手による穿刺との精度の比較やロボットを用いたがんの治療(アブレーション)も行います。
  • 治験で良好な結果が得られれば、医療用針穿刺ロボットの製品化につながることが期待されます。
 
 
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の平木隆夫研究教授、大学院ヘルスシステム統合科学研究科の亀川哲志准教授、大学院自然科学研究科の松野隆幸准教授らのグループは、6月から、岡山大学で開発した医療用針穿刺針穿刺ロボット(Zerobot®)を用いた医師主導治験を開始しました。治験では、術者とロボットによる穿刺精度の比較やロボットを用いたがんの治療(アブレーション)も行います。このような穿刺ロボットを用いた治験は国内では初めてです。
 
本ロボットの開発は、2012年より岡山大学が医工連携で行っているものです。2018年には初めての臨床試験を特定臨床研究として実施し、10例全例でロボットによる針穿刺が成功しました。このたびの治験は、ロボットの製品化に向けて日本医療研究開発機構(AMED)の「革新的がん医療実用化研究事業」として実施するものです。


◆研究者からのひとこと
我々が長年かけて開発したロボットを用いた医師主導治験を開始します。人の手で行う手技と違い、ロボットにはさまざまな発展性があり、患者さんや医師に多くのメリットをもたらす可能性があります。治験を成功させ、日本発の医療用針穿刺ロボットの製品化を実現したいと思います。
平木隆夫研究教授


■ロボットの情報
「CTガイド下IVR用IVR針穿刺ロボット:Zerobot(Projected by Okayama University)」
詳細は、
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科のwebページをご覧ください。


<詳しい研究内容について>

岡山大学で開発した医療用針穿刺ロボット(Zerobot®)の医師主導治験開始


<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
研究教授 平木隆夫
(電話番号)086-235-7313  (FAX) 086-235-7316

<事業に関するお問い合せ>
日本医療研究開発機構
医療機器・ヘルスケア事業部 医療機器研究開発課
革新的がん医療実用化研究事業事務局





https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id740.html

2020年6月23日火曜日

【情報発信】創発的研究支援事業学内説明会を開催 多様性と融合性によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指して

本学は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が新たに実施する令和2年度「創発的研究支援事業」について、積極的かつ全学を挙げて取り組むため、6月18日、学内説明会をweb形式で開催しました。

本事業は、特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究」を推進するため、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な多様な研究を、研究者が研究に専念できる環境を確保しつつ、⻑期的に支援するものです。具体的には、⼤学などの研究機関における独立した又は独立が見込まれる若手を中心とする研究者からの挑戦的で多様な研究構想が募集されています。

今回、本学からも数多くの若手を中心とする研究者が積極的に本事業に挑戦するための支援として設けられた学内説明会では、冒頭に那須保友理事(研究担当)・副学長から申請について大学全体でバックアップすることや本事業採択者には研究者の裁量を最大限に確保した創発的研究の遂行にふさわしい適切な研究環境を用意すること、さらに仮に採択に至らなかった場合でも、失敗を恐れず高い壁に挑んだ研究者らに対して、より良い研究の場を提供できるように制度改革を含めたあらゆる取り組みを進めて点について述べました。

続いて東京駐在の佐藤法仁副理事(研究・産学共創担当)・URAから本事業の説明が行われました。はじめにわが国の若手研究者支援の中心となっている「研究力強化・若手研究者支援総合パッケージ」(2020年1月23日 総合科学技術・イノベーション会議策定)について紹介。人材、資金、環境の三位一体改革による研究力強化と若手研究者支援について概要を説明しました。そして本パッケージの取組に上げられている創発的研究支援事業について、JSTから公表されている内容と情報収集を行ったものを加味して、本事業について丁寧に説明しました。
さらに冒頭で那須理事・副学長が言及した申請者と採択者への本学としての支援のあり方について、資金と人材の観点から説明が行われ、佐藤法仁副理事・URAは「申請者と採択者に対する全学的なサポートを進める点とともに、申請に至る過程においてポジティブかつアクティブな若手研究者の把握、そしてその若手研究者らが気持ちよく研究活動などに従事できるための制度改革なども同時に進めて行きたい」と述べ、短期的な事業採択という視点に捉われず、次世代の研究人材育成を見据えた取り組みのひとつとして戦略的に進めて行きたい旨を強調しました。

本学ではこれまでにURAを中心として研究教授や研究准教授制度の構築と運用、さらには若手研究者を支援するための「岡山大学若手研究者育成支援パッケージ」を組成し、研究・イノベーション環境の創出を続けて来ました。本事業でも若手研究者を支援し、育成するために那須保友理事(研究担当)・副学長を長としたタスクフォースを結成し、全学を挙げて支援に取り組んでいきます。


○学内説明会について(2020年6月18日開催)【学内限定ページ】
  http://www.orpc.okayama-u.ac.jp/news/gakunai/news_id17.html


○創発的研究支援事業(JST)
  https://www.jst.go.jp/souhatsu/index.html
 
 
 
【本件問い合わせ先】
研究協力部研究協力課 山口、布野
TEL:086-251-8486
 
 
Photo.png
 那須保友理事(研究担当)・副学長と佐藤法仁副理事(研究・産学共創担当)・URA(右)


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id9472.html



【情報発信】国際原子力機関IAEAと協定調印のWeb会議を挙行 最新がん放射線治療法BNCTに関する協定を発展継続

岡山大学は国際原子力機関(IAEA)の原子力科学・応用局と、最新のがん放射線治療法であるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に関する協定を結びました(6月4日付)。6月18日には両者間でWeb会議を行い、本学の槇野博史学長とIAEAのNajat Mokhtar(ナジャト・モクタール)事務次長(原子力科学・応用局長)が参加して調印式を実施しました。

本学は2016年10月26日にIAEAの原子力科学・応用局物理・化学部と「ホウ素中性子捕捉療法の研究と高等教育に関する協力協定」を締結しており、本学のBNCTに関する研究を行う中性子医療研究センター(NTRC)が中心となって、IAEAとの連携を深めてきました。今回の協定はこれを発展させたもので、IAEAと協力してBNCTの技術文書を更新することなどを目的としています。

オンラインで行った調印式には、本学からは槇野学長をはじめ那須保友理事(研究担当)、古矢修一副理事(研究担当)、市川康明NTRC国際連携部門特任教授、井川和代NTRC国際連携部門特任准教授が参加。IAEAからはMokhtar事務次長をはじめ、Melissa Denecke(メリッサ・デネッケ)物理・化学部長、Danas Ridikas(ダナス・リデカス)物理課長、Joao Osso Jr(ジョアオ・オッソ・ジュニア)産業応用・化学課長、放射線生物学・治療学課のOleg Belyakov(オレッグ・ベリヤコフ)氏、物理課のIan Swanson(イアン・スワンソン)氏が参加しました。槇野学長が「われわれ岡山大学の研究者とIAEAとの協同で、BNCTの技術をさらなる段階へと高めていきたい」とあいさつし、槇野学長とMokhtar事務次長とで互いに協定書に署名しました。


本学は名古屋大学やIAEAと連携し、新世代のBNCTの技術開発(薬剤と加速器システム)や教育プログラムの開発に取り組んでおり、今回の協定によってBNCTの技術発展と教育を加速させ、SDGsに貢献することが期待されます。

○BNCTの詳細についてはこちらをご覧ください。

【本件問い合わせ先】
岡山大学中性子医療研究センター
市川康明 特任教授/井川和代 特任准教授
TEL:086-235-7785



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id9471.html

【情報発信】iPS細胞を用いた化学物質の発がん性判定方法を開発 ~がん幹細胞への誘導の様子を観察する、世界で初めての手法~

◆発表のポイント
  • がん予防のため、発がん物質をできるだけ明らかにすることは重要です。現状、変異原性化学物質の発がんリスクを評価する方法は確立しているものの、非変異原性の化学物質については評価する方法が十分ではありませんでした。
  • マウスのiPS 細胞からがん幹細胞へ変化させる方法を利用し、非変異原性の化学物質の発がん性を、動物細胞を用いて短期間で評価できる方法を世界で初めて確立しました。
  • 正常細胞ががん幹細胞へ変化する分子メカニズムの研究に大きく貢献することが期待されます。
 
岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科ナノバイオシステム分子設計学研究室の妹尾昌治教授、杜娟博士(研究当時:大学院自然科学研究科博士後期課程)の研究グループは、iPS細胞を利用して、がん幹細胞の自然発生を観察する形で化学物質の危険性を評価するという、世界初の試みに成功しました。
 
炎症に関連する物質を複数分泌しているがん細胞株の培養上清に着目し、これががんの微小環境を再現していると考え、その存在下に種々の化学物質を添加してマウスのiPS細胞を培養し、iPS細胞ががん幹細胞へ誘導される時間を調べました。化学物質を添加しない条件では通常2週間から4週間でがん幹細胞へ変化しますが、約100種類の化学物質を調べたところ、1週間でがん幹細胞へ変化させるものを3種類見つけることができました。
本研究成果は6月22日英国時間午前10時(日本時間午後6時)、国際科学雑誌「Scientific Reports」6月22日号に公開掲載されました。
 
今回の研究成果は、がん幹細胞の発生を促す化学物質を1週間で見出すことを可能にしたことです。この方法で陽性を示す物質はさらに詳細な評価が必要ですが、1次評価としてできるだけ多くの化学物質を短時間で評価するという点で優れた評価方法と言えます。がんは私たちの生命を脅かす存在です。私たちの環境を取り巻く化学物質の安全性評価はこれからも重要な意味を持つでしょう。本方法の今後の応用が期待されます。
 
 
◆研究者からのひとこと
私たちのがん幹細胞研究は、逆転の発想から生まれた、世界でも非常にユニークな研究です。今までにない新しい研究成果を継続してあげるための共同研究を歓迎します!
妹尾教授(左)、杜博士


■論文情報
論 文 名:Signaling Inhibitors Accelerate the Conversion of mouse iPS Cells into Cancer Stem Cells in Tumor Microenvironment掲 載 紙:Scientific Reports著  者:Du J, Xu Y, Sasada S, Oo AKK, Hassan G, Mahmud H, Khayrani AC, Md Jahangir A, Afify SM, Kumon K, Mansour HM, Nair N, Uesaki R, Zahra M, Seno A, Okada N, Chen L, Yan T, Seno M.D O I:10.1038/s41598-020-66471-2U R L:https://www.nature.com/srep/


<詳しい研究内容について>
iPS細胞を用いた化学物質の発がん性判定方法を開発
~がん幹細胞への誘導の様子を観察する、世界で初めての手法~



<お問い合わせ>
岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科
教授 妹尾昌治
(電話番号/FAX)086-251-8216 




http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id730.html

【情報発信】光合成能力を高めるマグネシウム輸送体を世界で初めて発見

◆発表のポイント
  • マグネシウム(Mg)は植物の必須元素で、特に光合成の維持に重要です。今回の研究で、イネにおいて葉緑体にマグネシウムを輸送する輸送体OsMGT3を同定しました。
  • OsMGT3は主に葉肉細胞の葉緑体の内膜に局在し、細胞内のマグネシウムを葉緑体に輸送する役割を担います。光合成のカギ酵素であるルビスコと同調して、発現の日周性を示します。
  • OsMGT3を過剰発現させると、光合成活性が向上しました。将来作物生産性の向上に応用できます。


岡山大学資源植物科学研究所馬建鋒教授の研究グループと福建農林大学の陳志長教授の研究グループは共同で、イネの葉緑体へのマグネシウム輸送を司る遺伝子OsMGT3を世界で初めて突き止め、光合成の活性維持に必要なマグネシウムの輸送機構を解明しました。本研究成果は6月15日ロンドン時間16:00(日本時間16日0:00)、植物科学のトップジャーナル「Nature Plants」にOnlineにて公開されました。

マグネシウムは植物の必須元素で、さまざまな生理機能を持っています。特に全マグネシウムの15-35%が葉緑体に局在し、光合成色素であるクロロフィルの中枢に含まれます。また光合成のカギ酵素であるルビスコをはじめ、多くの酵素の活性発揮に必要な補助因子としての機能を持っています。
本研究ではイネの葉緑体へのマグネシウム輸送を担う輸送体OsMGT3を同定しました。
OsMGT3が葉肉細胞の葉緑体内膜に局在し、マグネシウムを細胞質から葉緑体へ輸送することを突き止めました。さらに、OsMGT3の発現は日周性を示し、ルビスコの活性変動と一致していることを見出しました。この遺伝子を過剰発現すると、イネの光合成活性が向上することも分かりました。
本研究成果は、植物の光合成能力向上のための新たなアプローチを提示しました。将来作物の生産性の向上などへの応用が期待されます。
 
◆研究者からのひとこと
今回報告したOsMGT3に関する研究は元教え子が在学中に始めた仕事です。10年近くかかり、OsMGT3が光合成の活性維持に必要であることを突き止め、大変うれしく思います。今後この遺伝子を活用して、作物の光合成の能力の向上、ひいては収量の増加につなげることを期待しています。
馬 建鋒教授


■論文情報
論 文 名:Diel magnesium fluctuations in chloroplasts contribute to photosynthesis in rice掲 載 紙:Nature Plants著  者:Jian Li, Kengo Yokosho, Sheng Liu, Hong Rui Cao, Naoki Yamaji, Xin Guang Zhu, Hong Liao, Jian Feng Ma* and Zhi Chang Chen* (*共同責任著者)D O I:doi:10.1038/s41477-020-0686-3U R L:https://www.nature.com/articles/s41477-020-0686-3


<詳しい研究内容について>
光合成能力を高めるマグネシウム輸送体を世界で初めて発見


<お問い合わせ>
岡山大学資源植物科学研究所
教授  馬 建鋒
(電話・FAX)086-434-1209



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id729.html


【情報発信】小惑星「リュウグウ」が大量の有機物からなる可能性を示唆 「はやぶさ2」タッチダウン時に巻き上がった破片の色から推定

◆発表のポイント
  • 小惑星「リュウグウ」に含まれる有機物は、これまで数%程度だと考えられていました。
  • 小惑星探査機「はやぶさ2」のタッチダウン時に巻き上がった破片の色に着目し、解析を行ったところ、リュウグウが含む有機物は約60%であるという推定が導かれました。
  • この推定が正しければ、リュウグウはかつて氷からなる彗星の核(氷母天体)であり、氷が昇華し失われるにつれて有機物と周回中に捕獲された岩塊が濃集し、ソロバン玉形状の瓦礫集合体へと進化したと考えられます。
  • 11~12月に探査機「はやぶさ2」が持ち帰る試料を詳細に解析することによって、今回の推定を検証します。太陽系有機無機物質の新たな進化モデルを提示できる可能性があります。
 
岡山大学惑星物質研究所の中村栄三教授らの研究グループPML (The Pheasant Memorial Laboratory) は、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」にタッチダウンした直後に小惑星表面から巻き上がった破片の色(アルベド)が表裏で異なることに着目し、解析を行ったところ、リュウグウが含む有機物は約60%であることが導かれました。望遠鏡と探査機による分光観測からは、リュウグウは数%の有機物を含む炭素質コンドライトに似た小惑星だと想定されていましたが、有機物量がこの想定をはるかに超えるという今回の結果は、リュウグウが彗星だったことを示唆します。つまり、彗星だったリュウグウは、太陽近傍を周回する間に氷を失い、有機物の濃縮と岩石の濃集が促進された結果、瓦礫状かつソロバン玉状の構造になったと推定できます。
 
今回導かれたリュウグウの新たな姿「三朝モデル」は、「はやぶさ2」が今年11~12月に持ち帰る試料を解析することによって検証が可能です。「はやぶさ2」プロジェクトにおいてJAXA・宇宙科学研究所と連携協定を締結した岡山大学惑星物質研究所は、フェーズ2キュレーション施設として初期総合解析を担当します。従来の想定を超えた発見により、太陽系科学にパラダイムシフトが起きることが期待できます。
 
本研究成果は6月15日、科学誌「Astrobiology」のオンライン版に掲載されました。


◆研究者からのひとこと
この研究の発端は、You Tubeで「はやぶさ2」のタッチダウンの動画を何度も見ている最中の思いつきです。従って、論文掲載料以外、研究費は使っていません。実際に回収試料を分析することによって、自分が立てた仮説を自分たちの手で検証できることが科学者としての最高の喜びです。
中村栄三教授


■論文情報
論 文 名:The Albedo of Ryugu: Evidence for a High Organic Abundance, as Inferred from the Hayabusa2 Touchdown Maneuver. (小惑星リュウグウのアルベド:「はやぶさ2」のタッチダウン時に巻き上がった破片から推定される有機物量)掲 載 紙:Astrobiology著  者:Christian Potiszil1、田中亮吏1、小林桂1、国広卓也1、中村栄三1
1The Pheasant Memorial Laboratory (PML)、岡山大学惑星物質研究所
D O I:https://doi.org/10.1089/ast.2019.2198U R L:https://pml.misasa.okayama-u.ac.jp/home.php


<詳しい研究内容について>
小惑星「リュウグウ」が大量の有機物からなる可能性を示唆
「はやぶさ2」タッチダウン時に巻き上がった破片の色から推定



<お問い合わせ>
鳥取県東伯郡三朝町山田827
岡山大学惑星物質研究所 
教授 中村 栄三
Tel: 0858-43-3745




http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id732.html



【情報発信】冥王星の大気、急速に崩壊中か -星を隠す瞬間の観測によって初解明-

有松亘 理学研究科研究員を中心とする研究グループは、ハワイ・ハレアカラ山頂の東北大学T60望遠鏡を使用して、2019年7月に冥王星によって恒星が隠される「掩蔽 (えんぺい) 」とよばれる現象の観測に成功しました。

掩蔽観測データを詳細に解析した結果、掩蔽観測時の冥王星の大気圧が2016年の観測結果と比べて約20%低下したことを発見しました。1988年に冥王星の大気が発見されて以来、その大気圧は単調に上昇しつづけてきましたが、本結果はこれまでの観測傾向とは真逆の変化を示しています。今回発見された急速な大気圧の低下は理論モデルでも予測されておらず、現在の冥王星では予想外のペースで大気の主成分である窒素ガスが表面に凝結して凍りつき、大気の崩壊が進んでいる可能性があります。

今後も恒星掩蔽を継続的に観測することで、いまだ謎の多い冥王星の大気の特性と今後の運命が明らかになると期待されます。
本成果は、2020年6月15日にヨーロッパの国際学術誌「Astronomy & Astrophysics」にオンライン掲載されました。なお本論文は掲載論文のなかでも特に注目すべき論文として、同誌編集者が選ぶハイライト論文に選出されました。
 


■論文情報
論 文 名:Evidence for a rapid decrease in Pluto's atmospheric pressure revealed by a stellar occultation in 2019(2019年の恒星掩蔽観測によって明らかになった、冥王星の大気圧の急激な低下の証拠)掲 載 紙:Astronomy & Astrophysics著 者:K. Arimatsu, G. L. Hashimoto, M. Kagitani, T. Sakanoi, Y. Kasaba, R. Ohsawa, S. UrakawaD O I:10.1051/0004-6361/202037762

<詳しい研究内容について>
冥王星の大気、急速に崩壊中か―星を隠す瞬間の観測によって初解明―


<お問い合わせ>
はしもとじょーじ
岡山大学 大学院自然科学研究科・教授
TEL : 086-251-7886
E-mail : george◎cc.okayama-u.ac.jp
※@を◎で置き換えています。




http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id728.html

【情報発信】「三次元構造を持つ人工腱様組織の開発」-腱・靱帯損傷への治療応用を目指して-

◆ポイント
  • 腱・靱帯特異的転写因子MKX三次元培養、メカニカルストレス負荷という三条件を組み合わせることによって、新規の腱様組織の作製法の開発を行いました。
  • 作製された人工腱様組織には部分的に実際の腱組織と類似した構造が確認されました。
  • この研究成果は腱・靱帯損傷への新たな治療法開発の糸口となり得ることが期待できます。
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科システム発生再生医学分野の淺原弘嗣教授、片岡健輔 日本学術振興会特別研究員PDらの研究グループは、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科システム生理学分野の成瀬恵治教授ら、米国スクリプス研究所Martin K. Lotz教授らのグループとの共同研究で、三次元培養下で周期的メカニカルストレス負荷を課すことで、腱・靱帯様細胞が自律的に腱様の構造を有する組織を構築していくことを新たにつきとめました。
 
この研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)「メカノバイオロジー機構の解明による革新的医療機器及び医療技術の創出(研究開発総括:曽我部正博)」における研究開発課題「腱・靭帯をモデルとした細胞内・外メカノ・シグナルの解明とその応用によるバイオ靭帯の創出」(研究開発代表者:淺原弘嗣)、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 CREST、文部科学省科学研究費補助金ならびに米国国立衛生研究所の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は国際科学誌Frontiers in Cell and Developmental Biologyに2020年6月2日午前6時(中央ヨーロッパ夏時間)にオンライン版で発表されました。
 
 
■論文情報
論 文 名:In vitro neo-genesis of tendon-like tissue by combination of Mohawk and a three-dimensional cyclic mechanical stretch culture system掲 載 紙:Frontiers in Cell and Developmental Biology

<詳しい研究内容について>
「三次元構造を持つ人工腱様組織の開発」―腱・靱帯損傷への治療応用を目指して―


 

【情報発信】大学院医歯薬学総合研究科の平木研究教授らが公益社団法人山陽技術振興会 第15回村川・難波技術奨励賞を受賞

5月26日、公益社団法人山陽技術振興会の村川・難波技術奨励賞に、医学部・工学部・地元企業で開発中の「CTガイド下IVR*用穿刺ロボット“Zerobot”」が選ばれ、開発者である大学院医歯薬学総合研究科放射線医学分野の平木隆夫研究教授、大学院自然科学研究科の松野隆幸准教授、大学院ヘルスシステム統合科学研究科の亀川哲志准教授、イメージング&ロボティックス株式会社(岡山市南区)の谷本圭司社長の4人が受賞しました。


山陽技術振興会は、昭和21年(1946年)に山陽地域の産業を振興するために故・大原總一郎氏が設立。村川・難波技術奨励賞は地元企業の旭電気(株)故・村川二郎氏と倉敷レーザー(株)の難波敢氏のお二人の尽力により、山陽地域の科学技術の発展に寄与した技術を顕彰することを目的として同会が創設したものです。


近年、がん治療において、CT(コンピュータ断層撮影)を用いた生体組織診断や、針を突き刺して(針穿刺)、焼灼・凍結を行い、体への負担を少なくする低侵襲治療の普及が進んでいますが、これらの治療方法には、術者(医師)が頻繁に放射線の被ばくを受けるという課題が存在しています。「CTガイド下IVR用穿刺ロボット“Zerobot”」プロジェクトはこの課題のクリアを大きな目標として、2012年にスタート。その後、緊密な産学連携・医工連携体制を構築しつつ、ロボット製作や模擬試験・臨床試験に取り組み、現在では、被ばく量や安全性のみならず、医師の手による穿刺とロボットによる穿刺の精度比較をする医師主導治験の開始を目前とする段階に至っています。今回は、同プロジェクトのこれまでの研究業績や学内外の協働体制が高く評価され、同賞を授与されることとなりました。


なお、今回は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、同日に行われる予定であった授賞式は中止されました。
*IVR:Interventional Radiology(日本語名:画像下治療)


 【本件問い合わせ先】
大学院医歯薬学総合研究科(医学系)研究教授 平木隆夫
TEL:086-235-7313


特許一覧
1.名称:穿刺ロボット
国際出願番号:PCT/JP2016/078920(出願日:2016年9月29日、優先日:2015年10月13日)
2.名称:穿刺ロボット及び穿刺制御用プログラム
国際出願番号:PCT/JP2018/013938(出願日:2018年3月30日、優先日:2017年5月9日)
3.名称:穿刺ロボット及び穿刺制御用プログラム
出願番号:特願2019-068038号(出願日:2019年3 月29日)




左から亀川准教授、松野准教授、平木研究教授




http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id9412.html

2020年6月8日月曜日

【offer information】The Order of the Rising Sun, Gold Rays with Neck Ribbon for Professor Dr. Wolfgang Sauerwein

The Japanese Cabinet made the announcement on April 29 that Prof. Dr. Wolfgang Sauerwein, the invited professor at the Neutron Therapy Research Center (NTRC) of Okayama University, the former professor at University of Duisburg-Essen, Germany, had won the award of “The Order of Rising Sun, Gold Rays with Neck Ribbon” (旭日中綬章) in recognition of his great contributions in research and education in both countries of Japan and Germany as an expert in radiotherapy in the field of cancer research. He is especially exerting every effort on the research and dissemination of Boron Neutron Capture Therapy (BNCT). Since 2018 he has been working with researchers at NTRC as the invited professor. We sincerely express our heartfelt congratulations to him for this great achievement, and wish him all the best in the future.


HP of Consulate-General of Japan in Düsseldorf

“The Japanese Cabinet officially adopted a decision on 21 April this year, Prof. Dr. Sauerwein for his great merits as an expert in radiotherapy in the field of cancer research with The Order of the Rising Sun, Gold Rays with Neck Ribbon (旭日中綬章) of the Japanese Imperial House.”



https://www.okayama-u.ac.jp/eng/news/index_id9379.html