2016年12月15日木曜日

【情報発信】第16回革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム「革新的技術で牛白血病ウイルス(BLV)から牛を守る」を開催

岡山大学が研究拠点を務める「革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム」は、12月14日、わが国の重要な畜産産業を動物ウイルスから守るためのシンポジウム「革新的技術で牛白血病ウイルス(BLV)から牛を守る」をホルトホール大分(大分市)で開催しました。

農林水産・畜産の現場では、さまざまなウイルスによって経済的・社会的な損失が発生しており、世界的に大きな問題となっています。また自然界においても動物、植物が失われることが多く、自然・環境問題ともなっています。これらの状況を打開するため、さまざまなウイルス感染から動物、植物を守る早期診断法や感染防止の薬剤などの研究開発が強く求められています。


今回のプラットフォームシンポジウムでは、本事業で取り組んでいる「牛白血病ウイルス(bovine leukemia virus;BLV)」をテーマに、理化学研究所、農研機構生研支援センター、株式会社理研ジェネシス、株式会社微生物化学研究所、岩井化学薬品株式会社、株式会社ミクセルとの共催のもとに開催しました。


シンポジウムでは始めに、コンソーシアム・プログラム・マネージャー(研究管理総括役)を務める岡山大学の佐藤法仁研究担当学長特命・URA兼内閣府科学技術政策フェローが、当分野での研究開発の取組やこれまで
中国北海道標茶町東京岡山などでBLVに関する対策や知見向上のための場を設けてきたことを説明。今回のシンポジウムでも、より多くの現場の方々と意見交換を実施し、今後の研究開発強化促進に努めて行きたいと挨拶しました。

講演では、
北海道立総合研究機構畜産試験場の小原潤子研究主査が「牛白血病ウイルス伝播リスク要因」について、広島県立総合研究所畜産技術センター育種繁殖研究部の尾形康弘部長が「広島県における牛白血病ウイルスの清浄化対策の取り組み」について、北海道医療大学薬学部の岡崎克則教授が「牛白血病ウイルスTaxタンパク質のL233P変異と病原性」について、麻布大学獣医学部の村上裕信助教が「牛白血病ウイルスの病原性解析」について、理化学研究所分子ウイルス学特別研究ユニットの間陽子ユニットリーダーが「牛白血病ウイルス感受性・抵抗性牛を利用した新しい牛白血病制圧戦略」について、大分県農林水産試験研究指導センター畜産研究部の藤田達男主幹研究員が「ウシMHC遺伝子マーカーを指標とした牛白血病抵抗性遺伝子保有黒毛和牛種種雄牛の造成」について、最新の研究成果と共に現場に利活用できる情報を含めて講演しました。

また理研ジェネシス主催のランチョンセミナーでは、同社の斎藤督顧問の座長のもと、理化学研究所分子ウイルス学特別研究ユニットの竹嶋伸之輔研究員が「
BLV-CoCoMo-qPCR法を使って何がわかるか」についての講演を行い、BLV早期検査・対策の道筋について詳細に紹介しました。

日本各地から100名を超える家畜産業関係者や自治体職員、獣医師、家畜衛生保健所職員などの参加者らは、BLVの克服法や家畜現場での効果的な対策方法のあり方などについて熱心に議論を重ねました。
 

き続き活発な研究開発とそこで得られた叡智の普及を行い、社会で問題となっている動物と植物ウイルス対策を精力的に押し進めて行きます。

農林水産省革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究):
http://www.okayama-u.ac.jp/user/ibunyapj/index.html

<参考:革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム(過去3回)>

第13回 園芸学とウイルス学の異分野融合から新たな研究開発を目指す
第14回 革新的なウイルス対策で地域養鶏畜産業の保護・活性化を図る
第15回 日中の叡智でウイルスから動物と植物を守る
(参考:国際的な医農融合研究の強化促進を目指す 第31回岡山大学フューチャーセッション
 
 
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本事業とプラットフォームの取り組みを紹介する佐藤法仁岡山大学研究担当学長特命・URA兼内閣府科学技術政策フェロー
 
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新しい牛白血病ウイルス診断法「BLV-CoCoMo-qPCR」について紹介する理化学研究所の竹嶋伸之輔研究員
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牛白血病ウイルス感受性・抵抗性牛を利用した新しい牛白血病制圧戦略について紹介する理化学研究所の間陽子ユニットリーダー
 
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日本全国から100名を超える参加者らシンポジウムに参加

2016年9月30日金曜日

【情報発信】三菱商事株式会社経済協力部長を招き、役員招聘特別講演会を開催

岡山大学は9月21日、三菱商事株式会社経済協力部の渡邉泰明部長を招き、「役員招聘特別講演会」を津島キャンパスで開催しました。渡邉部長は「グローバル社会における日本企業の課題」と題して講演し、役員や部局長、教職員ら約70人が聴講しました。


渡邉部長は、まず三菱商事株式会社の組織体制や歴史、グローバルネットワークを説明したほか、「『経営力』を持って、主体的に価値を生み出し、成長していく」という同社の新しい経営方針を紹介しました。続いて金融グローバリズム、中国、イスラムの3つの視点から、グローバル社会における日本企業の課題を提示。中国の世界経済へのインパクトや、地政学リスクについて講演しました。講演後の質疑応答では、国際人材の育成やミャンマー・中国における状況に関する質疑があり、活発な意見交換を行いました。


役員招聘特別講演会は、大学を取り巻くさまざまな課題へ対応する知見を探るため、各界の有識者を招いています。役員・部局長、全学センター長等をはじめ、本学全教職員向けに開催。今年度で3年目を迎えました。今後も各方面からさまざまな講師を招いて開催し、多くの教職員が業務を遂行する上での知識を深める場として活用していきます。

 【本件問い合わせ先】
総務・企画部総務課
TEL:086-251-7004



渡邉部長による講演
 

【情報発信】国際原子力機関(IAEA)総会のサイドイベントでホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の現状を報告

岡山大学研究推進産学官連携機構の市川康明教授(特任)は9月27日、国際原子力機関(IAEA)の本部(ウィーン)で開催された第60回IAEA総会のサイドイベント「実験炉と加速器を用いた中性子捕捉療法の最近の進展Recent Advances in Boron Neutron Capture Therapy Using Research Reactors and Accelerators」で、より有効で新しいホウ素薬剤や最近の原子炉と加速器の中性子源に焦点を当て、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の現状について報告しました。


BNCTは陽子線・重粒子線治療と並んで粒子線治療法の一種。ホウ素同位体(B-10)を個々のがん細胞に導入した後に中性子線を照射し、がん細胞内部で発生した粒子線によりがん細胞のみを殺傷するため、治療後のQOL(Quality of Life)が良好です。


岡山大学では、大学院医歯薬学総合研究科の松井秀樹教授を中心としたグループが、がん細胞内や核内に特異的に取り込まれる新しいホウ素薬剤を開発しており、名古屋大学で開発中の優れた特性を有する加速器型中性子発生装置と併せて「第3世代BNCT」の早期実現を目指しています。


IAEAは、毎年の総会時に各部署が関心を持っているテーマについてサイドイベントを開催。今年は、放射線治療を担当している原子力科学・応用局物理化学部(NAPC)が、がんの制圧に向けて期待の高まっているBNCTを取り上げ、岡山大学が全面的に協力しました。
サイドイベントを主催したIAEA放射性同位体生産放射線技術課のJ.A. Osso Junior課長は、「近年の技術進展により、BNCTは新しい段階に達している。新規薬剤と有効な加速器型中性子発生装置の開発に焦点を当て、がん治療におけるBNCTの役割について見直しを図るのに適切な時期を迎えている」と期待を込めています。本学の森田潔学長も「BNCT分野の研究開発に加え、社会実装に向けた人材育成にも尽力したい」とコメントを寄せました。

※BNCTの歩み1932年にケンブリッジ大学の物理学者J. Chadwick(チャドウィック)が中性子を発見。1936年にG.L. Locher(ロッカー)がBNCTの可能性を提唱。1951-1961年には、米国ブルックヘブン国立研究所の医療用原子炉でBNCTが臨床適用されたが、ホウ素化合物をがん組織に選択的に蓄積することが出来ず、また、原子炉由来の中性子の性質が適切でなく期待した効果を得らなかったために中止された。
日本では、帝京大学の畠中坦教授によって原子炉を用いた臨床研究が辛抱強く続けられた(第1世代)。近年、日本を中心としてがん細胞へ選択的に蓄積するホウ素化合物が開発されたこと、病院設置型の加速器を用いて所定の性質の中性子線が得られるようになったことにより、一部のがん、悪性脳腫瘍や黒色腫等に対して好結果が得られるようになった(第2世代)。

 【本件問い合わせ先】
研究推進産学官連携機構社会連携本部
教授(特任) 市川康明
TEL:086-251-8853

【情報発信】欧州研究機関との研究連携ネットワーク拡大に向けストラスブール大学を訪問

岡山大学は7月4~5日、国際的な研究連携ネットワーク拡大と研究力強化促進を目的として、フランスのストラスブール大学日仏大学会館を訪問。同大や欧州の研究機関との特色ある研究プロジェクト連携について意見交換を行いました。

今回の訪問では、山本進一理事・副学長(研究担当)、ベルナール・シュヌヴィエ副理事・上級リサーチアドミニストレーター(URA)、宇根山絵美URAが訪仏。ストラスブール大学では、キャサリン・フロレンツ(Catherine Florentz)研究担当副学長やヘレン・ドルフス(Helene Dollfus)教授、ミアワイス・ホッセイニ教授(Mir Wais Hosseini)らと会談し、同大の研究戦略などについて紹介を受けました。

また、日仏大学会館では、マリークレール・レット館長(ストラスブール大学教授)と中谷陽一ストラスブール大学協約教授らと会談。中谷協約教授は、日本との学術交流を推進するストラスブール大学の日本委員会委員長を務めており、本学を含めた日本の大学・研究機関がどのように欧州の研究機関と研究連携を進めていくべきかの議論を深めました。

また、本学との研究交流コーディネーターをドルフス教授が担当することになりました。

フランス北東部のバ=ラン県にあるストラスブール大学は、1961年に創設され、世界的に有名な詩人のヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749~1832)や化学者のシャルル・アドルフ・ヴュルツ博士(1817~1884)らの母校です。また医師のアルベルト・シュヴァイツァー博士(1875~1965)など、過去にノーベル賞受賞者を複数人輩出しています。


岡山大学とストラスブール大学と2010年より大学間協定を締結し、街づくりや社会文化科学系を中心に学術交流を進めてきました。今後、日仏大学会館との連携も強化し、ストラスブール大学との医歯薬学分野や自然科学分野、環境生命科学分野などの幅広い研究分野での連携や、その連携を促進するための短期教員交流協定の締結を進めて行くことになりました。

岡山大学は、2013年8月に文部科学省が全国の大学・研究機関から選定した
「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」を目指しています。
今回の訪問は、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施され、今後、世界トップレベルの大学・研究機関との強固な連携関係を確立し、より高いレベルでの研究基盤の強化を推進していきます。

 【本件問い合わせ先】
岡山大学リサーチ・アドミニストレーター(URA)室
TEL:086-251-8919


【情報発信】東北師範大学(中国)との友好交流30周年記念国際シンポジウムを開催

岡山大学は中国の東北師範大学と9月5日、友好交流30周年記念国際シンポジウムを東北師範大学浄月キャンパス・赴日予備校講堂で開催。「中国と日本におけるグローバル教育のる課題とその展望」をテーマに、交流を深めました。


シンポジウムでは、東北師範大学の韓東育副学長が「友情を大切にし、ともに困難を乗り越える」と題して基調講演を行った。そのほか、本学の荒木勝理事・副学長(国際担当)、東北師範大学赴日本国留学生予備学校(赴日予備校)の徐氷副校長、本学大学院教育学研究科の桑原敏典教授が、グローバル教育についてぞれぞれ講演。赴日予備校党支部の安載鶴書記長による司会のもと、参加した関係者や学生ら約200人が熱心に聴講しました。また、日中両国のグローバル教育をテーマに語り合い、両大学のさらなる関係性の強化の重要性について話し合いました。記念シンポジウム後は、本学が寄贈した桜の木の前で、関係者の記念撮影を行いました。


【本件問い合わせ先】
中国長春事務所 副所長 大亀
TEL:086-251-7012
中国長春事務所 宋
TEL:(+86)15543288200



記念シンポジウムの様子
 

【情報発信】東北師範大学(中国)との友好交流30周年記念式典を挙行

岡山大学は国際交流協定を結ぶ中国の東北師範大学との「友好交流30周年式典」を9月5日、東北師範大学メインキャンパス図書館学術ホールにて挙行しました。共同宣言の調印や、学生交流に関する5年間の協定書への調印を行いました。


式典には、東北師範大学の劉益春校長、在瀋陽日本国総領事の石塚英樹総領事、本学の森田潔学長ら関係者約150人が出席。劉校長は、両大学の学術交流の歴史を振り返り、今後のグローバル化を目指して「さらなる交流を願っている」とあいさつ。石塚総領事は「中国東北地方において岡山大学が長きにわたって続けてきた活動は、日中両国にとっての大きな貢献である」とし、両大学友好交流30周年を祝いました。森田学長は「東北師範大学は、本学の最も長く強い交流提携関係を持つパートナーの一つであり、両大学の交流活動をさらに深め両大学が発展することを願っている」とし、両大学の友好関係を支えてきた関係者に感謝の意を表明しました。


その後、両大学の学長が両大学のさらなる交流に関する共同宣言に調印。韓育東副学長と本学の荒木勝理事・副学長(国際担当)が学生交流に関わる5年協定書に調印しました。

 

【本件問い合わせ先】
中国長春事務所 副所長 大亀
TEL:086-251-7012
中国長春事務所 宋
TEL:(+86)15543288200



記念式典関係者による集合写真
 

2016年9月29日木曜日

【情報発信】「岡山大学ティーチング・アワード表彰」 表彰式・受賞者プレゼンテーションを実施

岡山大学は、教育改革を先導する先進的な授業科目や優れた教育を行っている授業科目を選考し、担当教員を表彰するとともに、その教育実践を全学に広め、教育改善を図る「平成27年度 岡山大学ティーチング・アワード表彰」の受賞者を決定し、表彰式や受賞者プレゼンテーションを9月1日の桃太郎フォーラム内で行いました。

本表彰は昨年度に創設。学内からの推薦に基づき、選考委員が選考し授与する「先進教育賞」と、学生による授業評価アンケートの得点が最上位だった科目に授与する「優秀教育賞」の2つの賞で構成されています。受賞者には表彰状のほか、副賞として研究費10万円を贈呈します。今回は平成27年度に開講された教養教育科目を選考の対象とし、6科目を受賞科目と決定しました。

表彰式では、許南浩理事・副学長(教育担当)が受賞者に表彰状と副賞目録を授与。その後、受賞者がアクティブ・ラーニングやSNS、フィールドトリップ(現地調査実習)の活用といった、それぞれの授業で行っている工夫などについて発表しました。

受賞科目と担当教員は以下の通りです。

■先進教育賞
【アクティブ・ラーニング分野】
受賞科目 :生命の基本原理と生活の中の生物学
担当教員 :異分野融合先端研究コア 守屋 央朗 准教授
      異分野融合先端研究コア 佐藤 伸  准教授

【社会連携・社会実践教育分野】
受賞科目 :現代コミュニティと地域経済
担当教員 :地域総合研究センター 三村 聡 教授

【外国語による授業分野】
受賞科目 :観光文化交流論
担当教員 :グローバル・パートナーズ 小野 真由美 講師

■優秀教育賞
【小規模授業部門(最終評価者が21人から40人までの科目)】
受賞科目 :総合英語3
担当教員 :全学教育・学生支援機構 ルシンスキー ジョン エドワード 准教授

【中規模授業部門(最終評価者が41人から100人までの科目)】
受賞科目 :対人援助のためのメンタライジングとマインドフルネスの心理学
担当教員 :大学院教育学研究科 上地 雄一郎 教授

【大規模授業部門(最終評価者が101人以上の科目)】
受賞科目 :生命の基本原理と生活の中の生物学
担当教員 :異分野融合先端研究コア 守屋 央朗 准教授
      異分野融合先端研究コア 佐藤 伸  准教授


選考理由・受賞者コメント等については以下URLをご覧ください。
http://cfd.cc.okayama-u.ac.jp/stfd/teaching_award_winner2015.html


【本件問い合わせ先】
学務部学務企画課
TEL:086-251-8424



表彰状と副賞目録を授与される受賞者
 

2016年9月28日水曜日

【情報発信】中国協定校との国際交流 国際化学実験教室を実施

岡山大学大学院自然科学研究科(工)の坂倉彰教授、工学部の尾坂明義特命教授、中村有里技術専門職員、藤井裕大さん(同研究科・博士前期課程2年)と岡本奈々さん(同学部化学生命系学科4年)は9月10~13日、中国・杭州市の浙江大学と浙江工業大学を訪問し、共同研究に関する打ち合わせとセミナーを行いました。


浙江大学ではWang XiaoXiang(ワンシャオシャン)教授、Wu Jinming(ウージンミン)教授と新規医用材料に関する意見交換や、Qi Jianhua(チージァンファ)教授と天然有機化合物に関する議論を行いました。さらに、浙江工業大学ではXiao Fan(シャオファン)准教授やZhou Dong(ジャオドン)助教らの研究室を訪問。材料創成のための3Dプリンターなども見学しました。


また、9月12日には中国・杭州市の建新小学校を訪問。浙江工業大学国際課のChen Ying(チェンイン)さんらと国際化学実験教室も開催しました。2年生と5年生のクラスで1時間ずつの実験教室を行い、それぞれ約40人が参加。英語と中国語の説明を受け、黒板に用いるチョークの作成や人工イクラを作成するなど身近なものを化学の目で感じてつくる実験を行いました。参加した子どもたちは目を輝かせながら大きく手をあげ、熱心に質問を行っていました。


浙江大学と浙江工業大学は、岡山大学と国際交流協定を締結しており、国際的な人的交流や地域との連携強化を推進しています。今後もグローバルな視野に立ってローカルに根付く「グローカル」な活動を国内外の次世代育成のために行うことを目指しています。


本活動は、公益財団法人 福武教育文化振興財団・教育活動助成、平成28年度科学研究費補助金(奨励研究、16H00413)と岡山大学・国際交流協定に基づく工学系学生短期派遣プログラムに基づく補助金の助成を受けて実施しました。

 

【本件問い合わせ先】
工学部化学生命系学科
TEL:086-251-8212


研究室見学
 

【情報発信】「キャリアアップを目指すポスドク・博士・修士のための第1回博士人材が活躍する業界・仕事研究会」を開催

岡山大学学生総合支援センターは9月16日、キャリアガイダンス「キャリアアップを目指すポスドク・博士・修士のための第1回博士人材が活躍する業界・仕事研究会」を学内で開催。本学のポストドクターや博士課程大学院生ら約80人が、各界で活躍するために博士人材に求められるコンピテンシーや産業界の実情などについて理解を深めました。


講演会では、国立研究開発法人産業技術総合研究所人工知能研究センターの中村良介研究チーム長が「AI(人工知能)が創り上げる未来」をテーマに講演。自身の博士後期課程時代の話も交えながら、ディープラーニングにより大きく進化を遂げたAIに関する既存研究と、コンピュータの高速化、ビックデータの存在などによる自動運転車の実現などAIの利活用がすでに社会的に実装されつつある現状を貴重な動画などとともに紹介しました。また、AIによって社会に新たに生まれる問題点などについての説明もありました。


第2部の企業との交流会・業界仕事研究会では、博士人材が活躍する企業13社によるプレゼンのほか、個別ブースでは各企業が面談を実施。求める高度人材像や、社会で活躍するにはどのようなリテラシーを身につけるべきかなどについて、活発な話し合いが行われました。


本センターは、本年3月で終了した文部科学省採択事業で設置した若手研究者キャリア支援センターの活動を引き継ぎ、4月から学生総合支援センターキャリア支援部門として設置。ポストドクターと博士後期課程学生へのインターンシップや講義・セミナー、個別面談などキャリア支援を継続しています。

 

【本件問い合わせ先】
全学教育・学生支援機構 学生総合支援センターキャリア支援部門
博士人材キャリア開発セクション
TEL:086-251-8345

 

阿部宏史理事・副学長による開会あいさつ
 

2016年9月26日月曜日

【情報発信】がん幹細胞は腫瘍内の血管を形成する~マウスiPS細胞により世界で初めて証明~

岡山大学大学院自然科学研究科(工)ナノバイオシステム分子設計学研究室の妹尾昌治教授らの研究グループは、がん幹細胞が血管の細胞へ分化して腫瘍内で血管系を形成することを証明しました。がん幹細胞が宿主由来の血管内皮細胞を巻き込みながら、自らも血管内皮細胞や疑似血管を構成していくことは、従来の腫瘍血管が形成される概念を進化させる世界的にも新しい発見です。
 
本研究成果は9月末、がん研究の国際科学雑誌『American Journal of Cancer Research』に公開されます。
 
妹尾教授らの研究グループは2012年、iPS細胞からがん幹細胞を世界で初めて作成することに成功。多種多様ながん細胞を調整できることを示し、がん患者の組織内に存在する細胞との関連を研究しています。
 
本研究成果によって、腫瘍血管を標的とする新たな制がん剤の開発が進めば、より効果的な制がん剤開発につながると期待されます。


【本研究のポイント】
● 腫瘍細胞の血管内皮細胞への分化や疑似血管の構成に、がん幹細胞が関与していると推測されていたが、詳しい関連性は分かっていなかった。● 一つのがん幹細胞から血管内皮細胞と疑似血管細胞の両方が作り出され、腫瘍内での血管系が形成されることを、マウスのiPS細胞を用いて世界で初めて証明した。● 腫瘍の血管を標的とする新たな制がん剤開発の基盤を提供し、より効果的な制がん剤開発への応用が期待される。 


【図】腫瘍内の血管系
 がん幹細胞が、腫瘍周囲の血管の内皮  細胞の成長を促すだけでなく、血管内皮細胞や疑似血管に分化し、腫瘍内の血管ネットワークを構成している。

 
<詳しい研究内容について>
がん幹細胞は腫瘍内の血管を形成する~マウスiPS細胞により世界で初めて証明~

 
<論文情報>
タイトル:iPSC-derived Cancer Stem Cells Provide a Model of Tumor Vasculature著  者:Marta Prieto-Vila, Ting Yan, Anna Sanchez Calle, Neha Nair, Laura Hurley, Tomonari Kasai, Hiroki Kakuta, Junko Masuda, Hiroshi Murakami, Akifumi Mizutani, Masaharu Seno掲 載 誌:American Journal of Cancer Research (ISSN: 2156-6976)巻  号:Volume 6, Number 9

<お問い合わせ>
岡山大学大学院自然科学研究科(工)
ナノバイオシステム分子設計学研究室
教授 妹尾 昌治
(電話番号)086-251-8216
(FAX番号)086-251-8216
(URL)
http://www.cyber.biotech.okayama-u.ac.jp/senolab/


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id417.html

2016年9月21日水曜日

【情報発信】ミャンマーの保健大臣が来学 大学病院など視察

G7神戸保健大臣会合に出席したミャンマーのミン・トゥエ (Myint Htwe) 保健大臣らが9月12~13日、岡山を訪問し、本学を視察しました。


12日、市内ホテルで本学主催の歓迎会を開催。森田潔学長、認定NPO法人日本・ミャンマー医療人育成支援協会の岡田茂岡山大名誉教授、団体・企業等の関係者約100人が出席しました。歓迎会では、森田学長、ミン・トゥエ大臣があいさつしたほか、本学のミャンマー人留学生と交流を深めました。


13日、ミン・トゥエ大臣は大学病院を訪問。槇野博史病院長、大塚愛二医学部長、那須保友医歯薬学総合研究科長らと、医師や看護師、薬剤師、臨床工学技士などの育成について意見交換を行い、今後もミャンマーの医療人育成を積極的に推進することを確認しました。また、岡山大学病院の手術室、集中治療室、IVRセンターなど病院の最新医療施設や、医療教育のためのシミュレーション施設などを熱心に視察しました。


ミャンマー保健大臣の本学来訪は、平成25年10月以来2回目。今回はミャンマー保健省のチョー・カイン (Kyaw Khaing) 国際保健部門部長、駐日ミャンマー連邦共和国大使館のテンジー・アン (Theingi Aung) 参事官、通訳の3人も大臣に同行されました。


岡山大学は、ミャンマーの医療分野での人材育成において長年の協力関係があり、2015年4月から2019年9月の間、国立六大学(※)の一員として、JICAの技術協力プロジェクト「ミャンマー医学教育強化プロジェクト」を実施。他大学と連携してミャンマーの医師や技師といった医療人材を大学に研修員として受け入れ、また、ミャンマーではセミナーを行うなどのさまざまな人材育成の取り組みを行っています。ミャンマー医療のさらなる発展に貢献するため、今後も幅広く他団体・企業と連携・協働し、ミャンマーにおける医療支援の策定を進めていきます。

※千葉大学、新潟大学、金沢大学、岡山大学、熊本大学、長崎大学

 【本件問い合わせ先】
 グローバル・パートナーズ国際企画課
 TEL:086-251-7036
大学病院病院長室
 TEL:086-235-7849


歓迎会:ミン・トゥエ大臣、森田学長、ミャンマー人留学生らによる記念写真
 

【情報発信】細胞の中にあるメタロプロテアーゼ(MMP3)が分子シャペロンを作り出すことを発見

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)の江口傑徳助教は、ハーバード大学のスチュアート・カルダーウッド博士と共同で、新しい細胞内シグナルMMP3-HSPシステムを発見しました。本研究成果は6月7日、科学雑誌「Journal of Cellular Biochemistry」に掲載されました。
 
これまでの研究では、細胞の中に入ったマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP3)と呼ばれる酵素がDNAに結合して、結合組織成長因子CTGF/CCN2という遺伝子を活性化することが示されていましたが、今回の研究では、細胞の中のMMP3がヒートショックタンパク質(HSP)をコードする遺伝子群を活性化することを明らかにしました。
 
 

図:これまでにmTOR-HSF1経路によるHSP70活性化については知られていたが、今回の研究で細胞内MMP3-HP1経路によるHSP70活性化が明らかとなった。HSP70が関わるタンパク質フォールディングと分解を介しc-Met等の癌タンパク質を調節する可能性がある。


 
<詳しい研究内容について>
細胞の中にあるメタロプロテアーゼ(MMP3)が分子シャペロンを作り出すことを発見


 <論文情報等>
論文名:Intracellular MMP3 Promotes HSP Gene Expression in Collaboration with Chromobox Proteins掲載誌:Journal of Cellular BiochemistryD O I : 10.1002/jcb.25607著者:Takanori Eguchi, Stuart K. Calderwood, Masaharu Takigawa, Satoshi Kubota,
Ken-ichi Kozaki


発表論文はこちらからご確認いただけます。

 
<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)
助教 江口 傑徳
(電話番号)086-235-6662


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id415.html

2016年9月20日火曜日

【情報発信】文科省の「大学の世界展開力強化事業」に採択決定

文部科学省の平成28年度「大学の世界展開力強化事業~アジア諸国等との大学間交流の枠組み強化~」の審査結果が9月16日に公表され、本学が申請した「東アジア高等教育圏を見据えた中核的高度実践人=アジアンクラット育成プログラム」が採択されました。

本プログラムでは、岡山大学(日本)、吉林大学(中華人民共和国)、成均館大学校(大韓民国)の3大学が、ダブル・ディグリー制度、ジョイント・ディグリー制度、大学院連携、短期留学制度等の教育連携推進のほか、セミナー、カンファレンス、シンポジウムの開催を通して、東アジア(日中韓)における中核的高度実践人の育成をすることを目的としています。事業実施期間は平成28~32年度の5年間。日本人学生を290人派遣し、290人の留学生を受け入れる予定です。

岡山大学は平成23~27年度、「キャンパス・アジア」パイロット事業で、岡山大学、吉林大学、成均館大学校の3大学で「共通善」をキーワードとした東アジア型グローバル教養教育システムの構築、単位互換、ダブル・ディグリー協定の締結と実施などを通じて、600人近くの学生交流を行ってきました。

今回採択された本プログラムでは、「キャンパス・アジア」パイロット事業の基礎に立って、引き続き学生の高いモビリティを実現するとともに、東アジアの発展に資する専門的知識・能力を備え、「就職力」の高い人材を育成。3校が東アジアの次世代を担うアジアンクラットの育成拠点、国際人材交流ネットワークの拠点となることを目指します。

 

中核的高度実践人(アジアンクラット):
東アジアを含めたアジア全域で活躍する次世代中核的専門職業人。
  ・母国語以外に英語プラス地域言語を運用する能力がある人材
 ・人文社会学系、自然科学系、医歯薬学系などの所属に応じた専門的知識・能力を有する人材
 ・国際的な視野を持ち、地域固有の文化に精通し、アジア各国の深い伝統的な教養を理解するとともに、常に理解の深化に務める人材
 ・将来の東アジアを産学官各分野で担うことのできる人材

 

申請・採択状況一覧及び採択事業一覧(※独立行政法人日本学術振興会ウェブサイトへリンク) http://www.jsps.go.jp/j-tenkairyoku/kekka.html

大学の世界展開力強化事業~アジア諸国等との大学間交流の枠組み強化~(概要) http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/09/__icsFiles/afieldfile/2016/09/09/1376892_01.pdf


<お問い合わせ先>
グローバル・パートナーズ留学交流課
TEL: 086-251-7079


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id6085.html

2016年9月19日月曜日

【情報発信】下部マントル深部の地震波速度異常(LLSVPs)を解き明かす鍵

【研究のポイント】
・下部マントル主要鉱物であるブリッジマナイトでは、鉄とアルミニウムが入ることで、バルク音速が上昇する一方で横波音速が減少する(弾性波速度の逆相関が起きる)ことを発見した。
・下部マントル深部で観測されている地震波速度の逆相関が、化学的不均一で説明できる可能性を示した。

 
【概要】
公立大学法人兵庫県立大学の福井宏之助教は、国立大学法人岡山大学の米田明准教授、国立大学法人山口大学の中塚晃彦准教授、国立大学法人東北大学の鎌田誠司助教、公益財団法人高輝度光科学研究センターの筒井智嗣主幹研究員、国立研究開発法人理化学研究所のバロン アルフレッド准主任研究員らと共同で、下部マントル主要構成鉱物であるブリッジマナイトが、陽イオン置換により弾性波速度の逆相関を示すことを明らかにしました。
この研究成果は、英国のオープンアクセス科学雑誌「Scientific Reports」において公開されます。
 
 
図1. 物質の硬さ(弾性波速度)変化の模式図。(右上)バルク音速VBと横波音速VSが、共に増加あるいは減少(正相関)する場合、温度や圧力の変化で容易に説明可能である。(左下)下部マントル深部では地域によって両者の変化が逆になっている(逆相関)。その原因として、化学組成の不均質が提案されているが、確かめられていなかった。

 
<詳しい研究内容について>
下部マントル深部の地震波速度異常(LLSVPs)を解き明かす鍵

 【論文情報】

題名:Effect of cation substitution on bridgmanite elasticity: A key to interpret seismic anomalies in the lower mantle. 著者:Hiroshi Fukui, Akira Yoneda, Akihiko Nakatsuka, Noriyoshi Tsujino, Seiji Kamada, Eiji Ohtani, Anton Shatskiy, Naohisa Hirao, Satoshi Tsutsui, Hiroshi Uchiyama, & Alfred Q.R. Baron 掲載誌:Scientific Reports
DOI:10.1038/srep33337


発表論文はこちらからご確認いただけます。

 
<お問い合わせ>
国立大学法人岡山大学
広報・情報戦略室
電話:086-251-7292


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id416.html

【情報発信】新しい三次元ドラッグ・スクリーニングシステムを利用して癌細胞の形質転換を抑える薬を発見

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)の江口傑徳助教は、ORGANOGENIX社の新井一也とハーバード大学のスチュアート・カルダーウッドと共同で、微細加工3次元細胞培養プレート(商品名:ナノカルチャープレート)を利用した新しい三次元ドラッグ・スクリーニングシステムをつくり、そのシステムを利用して癌細胞の形質転換の一種である上皮間葉転換(EMT)を抑える薬を見つけました。
本研究成果は9月13日、米国のオンライン科学雑誌「PLOS ONE」に掲載されました。
 
本研究成果により、癌細胞の形質転換や転移を抑制するために有用な薬への応用が期待されます。 
 
 

図1:肺癌細胞株A549は、二次元培養下で細胞間接着をもつ上皮様形態を示すが、TGFβによるEMT誘導によって紡錘形に変化する。三次元培養下でこれらの細胞は、スフェロイド(細胞塊)を形成し、TGFβはスフェロイド形成を阻害する。この原理を創薬に利用した。


 
<詳しい研究内容について>
新しい三次元ドラッグ・スクリーニングシステムを利用して癌細胞の形質転換を抑える薬を発見

 
<論文情報等>
論文名: A novel high-throughput 3D screening system for EMT inhibitors: a pilot screening
discovered the EMT inhibitory activity of CDK2 inhibitor SU9516
新しいハイスループット3DスクリーニングシステムによるEMT阻害薬の開発
DOI:10.1371/journal. pone.0162394掲載誌: PLOS ONE著 者: Kazuya Arai, Takanori Eguchi, M Mamunur Rahman, Ruriko Sakamoto, Norio Masuda,
Tetsuya Nakatsura, Stuart K Calderwood, Ken-ichi Kozaki, Manabu Itoh



発表論文はこちらからご確認いただけます。

 
<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)
助教 江口傑徳 
(電話番号)086-235-6662



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id414.html

【情報発信】岡山大学工学部が同済大学(中国)とのサマーセミナーを実施

岡山大学と大学間協定を結ぶ中国の同済大学の教授3人(YANG Zhigang教授など)と大学院生16人が本学津島キャンパスを訪れ、8月29日~9月4日の7日間、本学工学部によるサマーセミナーに参加しました。


初日は、オープニングセレモニーを行い、冨田栄二工学部長があいさつ。2~3日目は、両大の学生らによる国際シンポジウム「International Student Symposium on Power and Mechanical Engineering at Okayama 2016」を行い、約50人が参加しました。


4日目以降は、兵庫県のSPring-8や姫路城、倉敷市のJFEスチール株式会社の製鉄所を見学。本学のキャンパスツアーや工学部の学生を含めた懇親会も開かれ交流を深めました。


本セミナーは毎年行うことにしており、来年は同済大学で実施する予定です。これからも、同済大学と国際的な人的交流や共同研究を通し、連携を強化していきます。


※本セミナーは、(公社)おかやま観光コンベンション協会・コンベンション開催事業補助金の助成を受けて実施しました。


【本件問い合わせ先】
大学院自然科学研究科 教授 岡安光博
TEL:086-251-8025



オープニングセレモニーの様子(右が冨田学部長、左がYANG教授)

【情報発信】酸化ストレスによる神経変性疾患の誘導~神経変性疾患の予防を求めて~

岡山大学大学院自然科学研究科(工)の佐藤あやの准教授と広島大学の共同研究グループは、一酸化窒素による酸化ストレスにより、神経変性疾患であるラフォラ病が誘導されることを明らかにしました。本研究成果は9月8日、米国、スイスのオンライン科学雑誌「Science Matters」のResearch Articleとして掲載されました。
 
ラフォラ病は、アルツハイマー病やパーキンソン病と同類の神経変性疾患です。これまで、ラフォラ病は遺伝子の変異によって引き起こされると考えられてきましたが、一部(10%程度)は、遺伝子に変異が見られず原因がわかっていませんでした。本研究成果は、酸化ストレスにより、神経変性疾患が引き起こされ得ることの新たな例であり、酸化ストレスを軽減することが神経変性疾患の予防に重要であることを示します。
 
 
<詳しい研究内容について>
酸化ストレスによる神経変性疾患の誘導~神経変性疾患の予防を求めて~

 <論文情報等>
論文名:S-nitrosylation of laforin inhibits its phosphatase activity and is implicated in Lafora disease
「ラフォリンのS-ニトロシル化は脱リン酸化酵素活性を阻害し、ラフォラ病を引き起こす」
掲載誌:Science Matters 著者: Rikako Toyota, Yasuko Honjo, Risa Imajo, Ayano Satoh
豊田理花子、本庶仁子、今城理佐、佐藤あやの


発表論文はこちらからご確認いただけます。

 <お問い合わせ>
岡山大学大学院自然科学研究科(工)
准教授 佐藤あやの
(電話番号)086-251-8163


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id413.html

【情報発信】細胞内の輸送プロセスに対する過負荷が細胞増殖を阻害することを解明

岡山大学異分野融合先端研究コアの守屋央朗准教授と大学院自然科学研究科大学院生の金高令子さんらのグループは、細胞内での輸送プロセスには許容量(キャパシティ)があり、そのプロセスを通じて輸送されるタンパク質が過剰になると細胞増殖を阻害することを初めて体系的に示しました。
本研究成果は8月19日、科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。
 
本研究成果により、がんなど染色体の増加を伴う疾患の病態の理解や新たな治療手段の開発、ならびに細胞内の各区画におけるタンパク質の人工的な大量産生に役に立つと期待されます。
 
 

図1.真核細胞の内部は細胞内小器官(オルガネラ)によって高度にコンパートメント化されている。本研究では、各オルガネラへの輸送プロセスの許容量が異なっていること(矢印の大きさで示した)、輸送プロセスへの過負荷が細胞増殖を阻害することを初めて体系的に明らかにした。


<詳しい研究内容について>
細胞内の輸送プロセスに対する過負荷が細胞増殖を阻害することを解明

 <論文情報等>
論文名:Cellular growth defects triggered by an overload of protein localization processes掲載誌:Scientific ReportsDOI:10.1038/srep31774著者:Reiko Kintaka, Koji Makanae, and Hisao Moriya

発表論文はこちらからご確認いただけます。

 <お問い合わせ>
岡山大学異分野融合先端研究コア
准教授 守屋 央朗
(電話番号)086-251-8712
(FAX番号)086-251-8717


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id412.html

【情報発信】教員3人に学長奨励賞を授与 大学の発展に貢献

平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞や同表彰若手科学者賞を受賞し、本学の発展に貢献したとして9月12日、受賞した教員3人に森田潔学長から学長奨励賞が授与されました。


学長奨励賞を授与されたのは大学院保健学研究科の山岡聖典教授、大学院医歯薬学総合研究科の須藤雄気教授、異分野基礎科学研究所の菅倫寛助教の3人。授与式で森田学長は「優秀な研究者の存在は本学の誇りであり、本学を国際的な研究教育拠点にする中心を担っていただきたい」と賞状を授与。被授与者を代表し、山岡教授が「これまでの研究成果が認められたことは大変光栄であり、これを励みに今後も研鑽を続けたい」と謝辞を述べました。


山岡教授は低線量放射線の健康影響に関して、須藤教授はレチナールタンパク質の機能創成に関して、菅助教は光合成における水分解反応機構に関してそれぞれ研究しています。

・平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞
大学院保健学研究科 山岡聖典教授

・平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞
大学院医歯薬学総合研究科 須藤雄気教授
異分野基礎科学研究所 菅倫寛助教
 

 【本件問い合わせ先】
総務・企画部人事課
TEL:086-251-7032
 

山岡教授、森田学長、菅助教、須藤教授(右から)
 


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id6075.html


2016年9月18日日曜日

【情報発信】岡山ESDプロジェクトが「ユネスコ/日本ESD賞」を受賞

ユネスコ(国連教育科学文化機関)は9月15日、2016年の「ユネスコ/日本ESD賞」を、本学などが参画する「岡山ESDプロジェクト」に授与することを発表しました。表彰式は10月11日、パリのユネスコ本部で開催され、岡山ESDプロジェクトを代表して、阿部宏史理事・副学長(岡山ESD推進協議会会長)が出席します。

岡山大学は、岡山ESDプロジェクトの開始時点から、継続して主導的役割を果たしています。学内では、2007年4月にユネスコからESD推進を目的とする岡山大学ユネスコチェア(高等教育機関内の学術拠点)の設置認可を受け、環境理工学部や大学院環境生命科学研究科が中心となって、大学教育へのESD導入や国内外の関係機関との交流を進めてきました。

また、全国18大学で組織するユネスコスクール支援大学間ネットワーク(ASPUnivNet)に2008年度の創設時から参加。大学院教育学研究科が2010年度に設置したESD協働推進室を中心として、学校教育のESD推進拠点であるユネスコスクールの活動支援や教員研修などを実施しています。

今回の受賞に対して、阿部理事・副学長は「本学が地域や国内外の関係機関と連携して進めているESD取り組みが世界的に卓越した水準にあることが認められ、大変光栄です。今後もESDの推進に積極的に取り組んでいきたい」と話しました。

〇岡山ESDプロジェクト:
岡山地域では、「国連持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」(2005年~2014年)の開始を受けて、2005年4月に岡山市を事務局とする岡山ESD推進協議会を設立し、岡山ESDプロジェクトを開始した。
2005年6月には、国連大学からESD推進拠点であるRCE(Regional Centers of Expertise on ESD(RCEs))に世界最初の7箇所の1つとして認定され、地域の大学、小中高校、企業、NPO、NGO、市民団体などが参加して、持続可能な社会の形成に向けた教育、人材育成、地域活動、開発途上国支援などの取り組みを進めている。



〇ユネスコ/日本ESD賞:
2014年秋に岡山市と名古屋市で開催された「ESDに関するユネスコ世界会議」において、日本政府の財政支援により創設された。選考は、ユネスコ本部が世界各国からの推薦に基づいて実施。世界中のESDの実践者にとってより良い取組に挑戦する動機付けと、優れた取組を世界中に広めることを目的として、2015年か
ら優れた取り組みを毎年3件決定している。

 <関連するHP>

ユネスコHP:http://en.unesco.org/prize-esd
文部科学省HP:http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/09/1377302.htm

【本件問い合わせ先】
岡山大学理事・副学長 阿部宏史
(電話番号)086-251-7005
(FAX番号)086-251-7021



岡山ESD推進協議会会長を務める阿部理事・副学長
 

2016年9月17日土曜日

【情報発信】「岡山大学・フエ大学院特別コース」10周年記念行事を開催

「岡山大学・フエ大学院特別コース」の10周年記念行事が9月9日、ベトナムのフエ大学で開催され、フエ大学名誉教授の称号授与と協定書の調印式が行われました。今回、森田潔学長、大学院環境生命科学研究科の神崎浩研究科長らがベトナムを訪れ、10周年記念行事に出席しました。

記念行事では、フエ大学が森田学長と同研究科のキム・ドゥチュル教授に名誉教授の称号を授与。森田学長は、岡山大学長としてのリーダーシップを発揮し両大学の国際交流事業の発展に貢献した功績、キム教授は、初代コーディネーターとして上記コースのカリキュラムの構築や教員への協力要請等に尽力した功績がそれぞれ評価されました。
調印式では、同コースの第2ステージ(5期)の延長実施が両大学の合意によって決定されたことを受け、森田学長とグエン・バン・トアン フエ大学長が協定書へ調印し、協定を締結しました。

同日、同コース第10期生の入学式も挙行され、両大学関係者、同コースの卒業生、現地で修学中の第9期生らが出席しました。森田学長が、新入生への祝辞や激励の言葉とともに、コースに関わる両大学関係者への感謝を述べるとともに、トアン学長も特別コースが優秀な人材を輩出してきた実績や両大学の教育連携の成功について思いを述べました。

7月19日には、コースで学ぶベトナム人留学生への奨学金支援を行う里親企業の代表者やフエ大学関係者等を招き、本学にて10周年記念行事を開催しています。
//www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id5955.html


〇岡山大学・フエ大学院特別コースとは
岡山大学とベトナム・フエ大学がベトナムにおける農学系、環境系分野で即戦力と成りうる優秀な人材を育成することを目的として2007年に設置した修士共同プログラム。初年度にフエ大学で農学・環境学に関する専門教育とフエ外国語大学教員による約6カ月間の日本語教育を受けた後、岡山大学大学院博士前期課程に転入学し修士号を取得します。これまでにコースを活用し、多くの優秀な留学生が学んでいます。

 【本件問い合わせ先】
グローバル・パートナーズ国際企画課
TEL:086-251-7047
 

名誉教授の称号を授与された森田学長(右)
 

2016年9月16日金曜日

【情報発信】タイ教育省からの来賓 岡山大学を訪問

タイ教育省のMrs. Panit Meesoonthon副事務次官ら23人の訪問団が9月7日、岡山大学を訪れました。


L-caféでは、許南浩理事(教育担当)があいさつ。グローバル・パートナーズの宇塚万里子教授が本学の概要説明をし、大安喜一教授がESDの取り組み状況を紹介しました。タイ人留学生2人による近況報告では、訪問団と活発な意見交換が行われました。訪問団は、附属図書館、異分野基礎科学研究所の久保園芳博研究室を訪れ、本学の教育施設、研究環境を熱心に視察しました。


同国とは、国立六大学連携コンソーシアム国際連携機構(千葉大、新潟大、金沢大、岡山大、長崎大、熊本大)において、医学分野での研究・学生交流や、医学以外の分野での共同セミナーをはじめ、日本と同国における双方向でのサマースクール、単位互換制度ACTSへの参加といった交流を展開しています。本学と同国の大学間協定は、カセサート大学、チュラロンコン大学等の5校、また、部局間協定校は、チェンマイ大学やブラパー大学等の4校と締結しています。

ESD・・・Education for Sustainable Development (持続可能な開発のための教育)

 【本件問い合わせ先】
グローバル・パートナーズ国際企画課
TEL:086-251-7048


許理事のあいさつ