2016年9月19日月曜日

【情報発信】新しい三次元ドラッグ・スクリーニングシステムを利用して癌細胞の形質転換を抑える薬を発見

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)の江口傑徳助教は、ORGANOGENIX社の新井一也とハーバード大学のスチュアート・カルダーウッドと共同で、微細加工3次元細胞培養プレート(商品名:ナノカルチャープレート)を利用した新しい三次元ドラッグ・スクリーニングシステムをつくり、そのシステムを利用して癌細胞の形質転換の一種である上皮間葉転換(EMT)を抑える薬を見つけました。
本研究成果は9月13日、米国のオンライン科学雑誌「PLOS ONE」に掲載されました。
 
本研究成果により、癌細胞の形質転換や転移を抑制するために有用な薬への応用が期待されます。 
 
 

図1:肺癌細胞株A549は、二次元培養下で細胞間接着をもつ上皮様形態を示すが、TGFβによるEMT誘導によって紡錘形に変化する。三次元培養下でこれらの細胞は、スフェロイド(細胞塊)を形成し、TGFβはスフェロイド形成を阻害する。この原理を創薬に利用した。


 
<詳しい研究内容について>
新しい三次元ドラッグ・スクリーニングシステムを利用して癌細胞の形質転換を抑える薬を発見

 
<論文情報等>
論文名: A novel high-throughput 3D screening system for EMT inhibitors: a pilot screening
discovered the EMT inhibitory activity of CDK2 inhibitor SU9516
新しいハイスループット3DスクリーニングシステムによるEMT阻害薬の開発
DOI:10.1371/journal. pone.0162394掲載誌: PLOS ONE著 者: Kazuya Arai, Takanori Eguchi, M Mamunur Rahman, Ruriko Sakamoto, Norio Masuda,
Tetsuya Nakatsura, Stuart K Calderwood, Ken-ichi Kozaki, Manabu Itoh



発表論文はこちらからご確認いただけます。

 
<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)
助教 江口傑徳 
(電話番号)086-235-6662



http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id414.html

0 件のコメント:

コメントを投稿