2018年4月30日月曜日

【情報発信】学都基金理事会・発起人会・感謝の集いを開催

岡山大学は4月20日、イノベーションやグローバル化などの支援を目的とした「学都基金」に関連して、運営全般について討議する「学都基金理事会」、募金活動の推進を目的とする「学都基金発起人会」、同基金への高額寄付者および発起人を招待した「感謝の集い」を本学津島キャンパス内で開催しました。

理事会は、学長や理事、県内企業、本学同窓生ら20人が出席。収支決算や使途計画などの報告があった後、発起人会に替わる新たな会の発足について話し合いました。

発起人41人が出席した発起人会では、同会を発展的に解消することを決定し、新たに「学都振興会」が発足しました。会長には、発起人会会長を務めた小長啓一氏が就きました。

感謝の集いでは、槇野博史学長が高額寄付者15人へ感謝の楯を贈呈した後、同基金の活用事例について講演。同基金が本学の研究・取り組みへどのように役立っていくのかを紹介しました。

学都基金からの奨学金で海外研修に行った歯学部2年の古藤咲希さんが、マレーシアのマラヤ大学での体験について報告しました。自由交流の時間では、学内関係者が寄付者へ感謝を伝えたほか、参加者間で活発に意見交換が行われました。

○学都基金について
 学都基金はグローバル人材育成支援、イノベーション支援、地域創生支援のために平成27年4月に創設されました。
 詳細はこちら:
www.okayama-u.ac.jp/user/kouhou/kikin/

【本件問い合わせ先】
総務・企画部総務課
学都基金事務局
TEL:086-251-7009



理事会


発起人会


感謝の楯贈呈
 

感謝の集いで体験発表を行う古藤さん

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id7513.html
 

2018年4月29日日曜日

【情報発信】上斜筋麻痺の斜視手術回数を術前に判断する目安を発表

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)眼科学分野の松尾俊彦准教授らの研究グループは、上斜筋麻痺に対する斜視手術回数を予測する因子を調査。斜視検査で測定できる視線のずれ(眼位ずれ)による手術回数の目安をまとめました。本研究成果は2015年4月7日、アメリカのオンライン科学雑誌『Springer Plus』に掲載されました。

1回の手術で矯正が得られた患者群では、手術前の上下方向の眼位ずれの95%信頼区間が15~17プリズム。2回以上の手術が必要となった患者群では、眼位ずれの95%信頼区間が23~28プリズムでした。

手術の見込みについての情報を正確に伝えることは、患者の不安を取り除き、納得した上で手術を受けることにつながります。術前に手術の回数を予測する本研究成果は、今後の眼科医療に大きく貢献することが期待されます。



<業 績>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)眼科学分野の松尾俊彦准教授らの研究グループは、上斜筋麻痺に対する手術が1回で終わるか、2回以上の手術が必要かについて、術前に予測する因子があるかどうかを解析して報告をまとめました。
1回の手術で矯正が得られた患者群では、手術前の上下方向の視線のずれ(眼位ずれ)の95%信頼区間が15~17プリズムで、2回以上の手術が必要となった患者群では、眼位ずれの95%信頼区間が23~28プリズムでした。
斜視検査で測定できるこの眼位ずれのプリズム値を参考にすることによって手術結果の予測が可能です。つまり、1回の手術で眼位ずれが矯正できるのか、2回以上の手術が必要かを術前に予測することができます(図1)。




図1. 上斜筋麻痺で原因が先天性(特発性)の場合も後天性(外傷性や虚血性)の場合も、1回の手術で矯正が得られた患者では、2回目の手術が必要となった患者と比べて、術前の左右眼の上下のずれが小さかった。

 
<背 景>
眼球を動かす筋肉(外眼筋)は6つあります。水平方向に左右に動かす内直筋と外直筋、垂直方向に上下に動かす上直筋と下直筋、眼球を回す作用のある上斜筋と下斜筋です(図2)。




図2.眼球を動かす6つの筋肉(外眼筋)。左右に動かす内直筋と外直筋、上下に動かす上直筋と下直筋、眼球を回す作用のある上斜筋と下斜筋



両眼の外眼筋が調和を持って動くことによって、両眼が同じ方向を向き、視線がずれずにものが1つに見えます。外眼筋は脳からの神経によって動かされています。外直筋は外転神経に、内直筋、上直筋、下直筋と下斜筋は動眼神経に、上斜筋は滑車神経とつながっています。
上斜筋麻痺は、上斜筋がうまく働かない状態で、先天性と後天性に分かれます。
先天性では、子供が首を傾けてものを見る斜頸という症状で見つかります。これは、首を傾けることによって上斜筋麻痺による複視(ものが二重に見えること)を抑えること(代償すること)ができるためです。大人になって初めて診断される先天性上斜筋麻痺(代償不全型)も、子供のころの写真を確認すると斜頸があり、これらを特発性上斜筋麻痺と総称します。
後天性上斜筋麻痺は、頭部打撲によって起こる外傷性滑車神経麻痺、神経を栄養している血のめぐりが悪くなって起こる虚血性滑車神経麻痺が主な原因です。滑車神経麻痺は、1か月から3か月で自然に回復する場合が多く、半年経っても複視などの症状が残る場合に、斜視手術を行います。

 <見込まれる成果>
上斜筋麻痺に対する斜視手術を受ける患者にとって、手術1回で矯正が得られるのか、2回以上の手術が必要なのかは大きな問題です。
本研究成果によって、上斜筋麻痺で斜視手術を行う場合に、上下方向の両眼の視線のずれが17プリズム以下だと1回の手術で終わる可能性が高く、逆に、23プリズムよりも大きなずれの場合には、2回以上の手術が必要となるかもしれないという予測を術前に説明することができます。手術の見込みについての情報を正確に伝えることは、患者の不安を取り除き、納得した上で手術を受けることにつながります。

<原論文情報>
発表論文:Aoba K, Matsuo T, Hamasaki I, Hasebe K. Clinical factors underlying a single surgery or repetitive surgeries to treat superior oblique muscle palsy. SpringerPlus, 2015, 3, 361; (doi: 10.1186/s40064-015-0945-3)

発表論文はこちらからご確認頂けます。

http://www.springerplus.com/content/4/1/166

報道発表資料はこちらをご覧ください


<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)眼科学分野
准教授 松尾 俊彦
(電話番号)086-235-7297
(FAX番号)086-222-5059
(URL)//www.okayama-u.ac.jp/user/opth/index.htm


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id291.html

2018年4月27日金曜日

【情報発信】アメリカ・サンノゼ市民訪日団が来学

アメリカ・カリフォルニア州のサンノゼ市と岡山市の姉妹都市締結60周年を記念し、岡山市を訪れていたサンノゼ市民訪日団が4月10日、本学に来学しました。サンノゼ州立大学と本学は1974年から大学間交流協定、1999年から学生交流協定を締結しています。

来学したのは本学の大学院ヘルスシステム統合科学研究科創設に協力いただいたサンノゼ市経済開発室のジョー・ヘッジズ国際業務マネージャー、サンノゼ州立大学国際・拡張研究学部のルース・D・ハワード学部長のほか、サンノゼ市議会議員や姉妹都市の会会員など計29人でした。


岡山大学の槇野博史学長は「『実りの学都』実現に向けて連携を強化していきたい」とあいさつ。竹内大二理事・副学長(研究担当)は本学の概要を、横井篤文副理事・上級UGAと狩野光伸副理事は本学の国際化の推進やSDGsへの取り組みを紹介し、大学院ヘルスシステム統合科学研究科の妹尾昌治研究科長は本学とサンノゼ市との連携について説明しました。


大学院自然科学研究科の野上保之教授と大学院ヘルスシステム統合科学研究科の横平徳美教授からは、サンノゼ州立大学との共同研究や、姉妹都市60周年記念事業の一環として昨年9月に岡山市で共同開催したシンポジウムの報告がありました。サンノゼ州立大学からの留学生による、留学を決めた経緯や本学での生活についての発表もありました。
質疑応答も行われ、本学の卒業後の進路や多言語習得における生活環境の影響などについて、活発に意見が交わされました。
今回の訪問で本学とサンノゼ市、サンノゼ州立大学との関係が一層深まりました。今後も学術交流・人材育成などでさらなる連携を図っていく予定です。

【本件問い合わせ先】
研究推進産学官連携機構
TEL:086-251-8472



国際交流会館前での記念撮影


槇野学長のあいさつ


講演するサンノゼ州立大学のハワード学部長
 

訪日団からの質問に答える留学生(右下)

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id7508.html
 

2018年4月24日火曜日

【情報発信】心筋梗塞予防の新しいターゲットを発見

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)の高橋賢助教、成瀬恵治教授らの研究グループは、ラット心筋細胞を用いた実験によって、心臓細胞のイオンチャネルTRPM4※1の発現を抑制すると、細胞の活性を維持して心筋梗塞の進行を抑えられることを世界で初めて明らかにしました。本研究成果は4月2日、米科学誌『PLoS ONE』に掲載されました。

心筋梗塞の新しいターゲットを発見した本研究成果は、心筋梗塞のメカニズム解明とその応用による新しい予防・治療法の開発につながると大いに期待されます。


<業 績>
心臓の細胞表面の細胞膜には、TRPM4と呼ばれるイオンの出入り口となるタンパク質が存在しています。これまでTRPM4は、心筋細胞(心臓の筋肉細胞)の電気活動に関わっていることが知られていました。
今回、本研究グループは、ラット心筋培養細胞を用いた実験でTRPM4の発現を抑制。急性心筋梗塞のときに放出される活性酸素による心筋細胞の細胞死が抑制されることを世界で初めて明らかにしました。

<背 景>
 心筋梗塞の予防・治療薬として既に臨床試験が進められているアデノシンなどの薬剤は、作用経路として心臓の細胞のミトコンドリアに存在するイオンチャネルKATP
※2を活動させるのが一般的です。心筋梗塞との併発が多い心不全や糖尿病などの病気では、ミトコンドリアの機能が低下していることが多く、KATPをターゲットにした治療の大きな問題でした。

<見込まれる成果>
本研究成果によって、TRPM4が心筋梗塞の予防・治療の新しいターゲットとなりうることが示されました。今後、TRPM4抑制をターゲットとした研究が進めば、ミトコンドリア内のKATPを作用経路としない、新しい心筋梗塞の予防と治療法の開発が大いに期待されます。

<原論文情報>
Transient Receptor Potential Melastatin-4 Is Involved in Hypoxia-Reoxygenation Injury in the Cardiomyocytes
Hulin Piao, Ken Takahashi, Yohei Yamaguchi, Chen Wang, Kexiang Liu, Keiji Naruse
PLoS ONE, 2015, DOI: 10.1371/journal.pone.0121703


発表論文はこちら
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0121703



<補足説明>
※1 TRPM4(一過性受容器電位チャネルサブタイプM4):
心臓や血管などの細胞表面に発現しているイオンチャネル蛋白質の一種。細胞死の原因の一つに細胞内へのナトリウムイオンの過剰な流入があり、TRPM4はこの過程に関与している。


※2 KATP(アデノシン3リン酸感受性カリウムチャネル):
カリウムイオンを選択的に通すイオンチャネル蛋白質で、細胞膜表面やミトコンドリア膜表面に存在する。ミトコンドリアKATPチャネルはミトコンドリア内外のイオン濃度勾配の維持に関与している。イオン濃度勾配が適正に保たれないと細胞死が起こる。

報道発表資料はこちらをご覧ください



<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)
システム生理学分野 助教 高橋 賢
(電話番号)086-235-7119
(FAX番号)086-235-7430


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id289.html

【情報発信】血液透析用カテーテルの留置位置事前設置器具を開発 早期実用化を目指し、臨床研究を開始

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)の大原利章助教と重井医学研究所附属病院の櫻間教文医師は共同で、血液透析用カテーテルの留置位置事前設定器具を開発。特定非営利活動法人メディカルテクノおかやま(佐藤寿昭コーディネーター)を通じ、有限会社ケイ・テクノ社(唐井利昌社長)と共同研究を行い、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を加工することで再滅菌可能な製品のプロトタイプを作成しました(図1)。
実際の医療現場での安全性および有効性を検討するために、4月1日、重井医学研究所附属病院ダイアライシスアクセスセンターでの臨床研究を開始しました。



<背 景>
血液透析の分野では、人口の高齢化に伴い、カテーテルを用いた透析のニーズが高まっています。このため、「カフ型カテーテル」の留置が行われますが、正確なカテーテルの留置には医師の高度な専門的知識と技術が必要です。血液透析用カフ型カテーテル留置を行う際には、留置させる部位を正確に定める必要があるため、体内の留置時には透視装置など医療機器を使用し、放射線透視下に位置を確認することが一般的です。しかし、体内留置前に体外からカテーテル留置位置設定は通常行われておらず、患者の体格や血管の屈曲の個体差はあるものの、多くは医師の経験に頼り行われているのが実情です。

内頚静脈から留置するカフ型カテーテルが正確な位置に留置できなかった場合は、脱血部位が浅い腕頭静脈に留置されてしまうと脱血不良を生じます。また、カテーテルの屈曲や出口部が不適切な位置に造設されてしまうと脱送血不良を引き起こします。これらは血栓形成の原因となり、死亡事故を引き起こす恐れがあります。
また再留置した場合にも、留置は放射線透視下に行われるため患者の被爆が増え、1本4~5万円程度のカテーテル廃棄に伴う医療費の無駄も発生します。




<見込まれる成果>
カテーテルを用いた血液透析は、人口の高齢化に伴って今後も増加が見込まれており、海外では全血液透析の20%以上をカテーテルによる透析が占める国もあり、海外での需要も非常に期待されます。

岡山県では産官学連携による企業の医療分野への新規参入を促し、医療産業クラスターの形成の事例としても注目されています。安全・安心な医療器具の開発、より早期の実用化による患者や社会への貢献を目指します。
 

岡山大学は、文部科学省が「研究大学強化促進事業」の支援対象大学であり、世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」を目指し、積極的な研究推進・研究力向上を実施しています。
また、本研究は文部科学省の「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」の研究支援拠点である本学・本学病院をコアとした生命科学分野の基礎研究成果を実際の医療に活用するための橋渡し研究(トランスレーショナル・リサーチ)の取り組みとしても期待されます。

 <補 足>
1)出願特許
名  称 カテーテルの留置位置の事前確認具
出願番号 特願2013-226369号
出願日 平成25年10月31日
出願人 国立大学法人岡山大学
発明者 大原利章助教、櫻間教文医師

2)本事業は岡山大学の平成26年度研究推進産学官連携機構プレ共同研究支援事業の支援を受けて行われています。


報道発表資料はこちらをご覧ください


<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)
免疫病理学分野 助教 大原 利章
(電話番号)086-235-7143
(FAX番号)086-235-7648
(URL)//www.okayama-u.ac.jp/user/byouri/pathology-1/HOME.html


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id287.html


【情報発信】異分野融合先端研究コア(RCIS)の佐藤伸准教授が文部科学大臣表彰を受賞

日本の科学技術の発展に寄与する独創性の高い研究や開発を行った研究者をたたえる「平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」の受賞者が決まり、若手科学者賞に岡山大学異分野融合先端研究コア(RCIS)の佐藤伸准教授が選ばれました。4月15日、文部科学省で表彰式が行われました。

ウーパールーパーなどをモデル動物として、もともとある腕(足)からもう一本の過剰な肢をはやす「過剰肢付加モデルによる四肢再生機構の解明」などの器官再生を研究する佐藤准教授。
再生可能動物における再生誘導因子の同定に成功するという画期的な研究成果を発表しています。

佐藤准教授は、「周囲の皆様に助けられ、名誉ある賞をいただくことができ大変光栄です。今後は器官の再生原理を解明する基礎科学と、ヒトへの応用という応用指向の研究の両立を軸に研究を推進していきます」と抱負を述べました。


岡山大学は、平成25年8月に文部科学省が全国の大学・研究機関から選定した
「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」を目指しています。
佐藤准教授が所属する異分野融合先端研究コアは、本学の総合大学としての強みと異分野融合研究の実績を生かした研究コアのひとつであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築にとって重要な研究機関です。今後、さらなる研究力強化促進を実施し、最先端の研究成果をより迅速・効果的に社会に届けるように積極的に推進していきます。

佐藤准教授の研究概要は
こちら

【本件問い合わせ先】
岡山大学異分野融合先端研究コア 准教授 佐藤伸
TEL:086-251-8421
(15.04.22)



若手科学者賞を受賞した佐藤准教授

2018年4月16日月曜日

【情報発信】【優勝】「プラ電車ワイヤレス給電走行レース」で本学大学院自然科学研究科のチームが制覇

2018年3月23日に電子情報通信学会総合大会(東京電機大学)にて開催された無線電力伝送研究専門委員会主催の「プラ電車ワイヤレス給電走行レース」において、産業創成工学専攻電気電子機能開発学講座電力変換システム工学研究室の学生6人のチームが優勝しました。

このレースは、電池を搭載していない模型電車にワイヤレス給電を行い、1.5mの距離をいかに速く走り抜けられるかを競うもので、本チームは現在主流の磁界共鳴型ではなく「電界共鳴型」ワイヤレス給電技術による車両を製作して臨みました。

全国の大学・企業を含めて16チームが参加しましたが、並み居る強豪チームを下して見事優勝を勝ち取りました。チームリーダーの藤木君は「これをきっかけに岡山大学のワイヤレス給電の研究をもっと盛り上げていきたい」と語っています。詳しいレースの様子は下記リンクからご覧ください。

リンク:https://epc-lab.blogspot.jp/2018/03/blog-post_26.html



https://www.gnst.okayama-u.ac.jp/topix/2911/

【情報発信】大学院環境生命科学研究科の国枝教授が、日本農学賞と読売農学賞を受賞

農学分野で優れた成果を挙げた研究者に贈られる「平成30年度日本農学賞」と「第55回読売農学賞」の授与式が4月5日、東京大学で行われ、本学大学院環境生命科学研究科の国枝哲夫教授が両賞を受賞しました。畜産技術協会附属動物遺伝研究所の杉本喜憲所長と共同で行った「遺伝的不良形質の原因遺伝子解明による家畜生産性の向上」の研究が評価されました。

日本農学賞は、農林水産系の学会を取りまとめる日本農学会が農学上顕著な業績を挙げた者に授与しており、1925年の創設以来、日本の農学研究者にとって最高の栄誉とされています。読売農学賞は、園芸、環境、バイオテクノロジー、農作物などの分野で優れた業績を挙げた研究者を「日本農学賞」の受賞者から選出し表彰するものです。

平成30年度日本農学賞受賞者の一覧は、下記のWEBページからご覧ください。
http://www.ajass.jp/30_10.html

【本件問い合わせ先】
大学院環境生命科学研究科・農学部准教授 辻岳人
TEL:086-251-8325


受賞者の記念撮影(前列左から2番目が国枝教授)

2018年4月11日水曜日

【情報発信】大学院ヘルスシステム統合科学研究科の看板除幕式を挙行

岡山大学は、2018年4月、8番目の研究科となる大学院ヘルスシステム統合科学研究科を新設し、4月5日、看板除幕式を挙行しました。

除幕式には槇野博史学長、高橋香代理事・副学長(企画・評価・総務担当)、妹尾昌治研究科長ら教職員約50人のほかに、1期生となる博士前期課程・博士後期課程の学生約80人も出席しました。槇野学長は「その時代に求められる研究科を設置し、研究を深めていくことが大学にとって重要」、妹尾研究科長は「意義あるユニークな研究科を完成させるには学生および教職員ひとりひとりの努力と協力が不可欠」と話しました。
 

本研究科は、健康にかかわるさまざまな「現場」つまりHealth System をテーマに、課題やその背景を発見、「解析」し、解決策を「創り」、「使う」ことで、現場の「改善」につなげる、課題抽出から改善に至るサイクルを科学的に実践する課題解決能力を育てます。岡山大学として研究科を新設するのは13年ぶりのことです。

詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.gisehs.okayama-u.ac.jp/

【本件問い合わせ先】
自然系研究科等総務課
TEL:086-251-8811


あいさつする槇野学長
 

妹尾初代研究科長


看板を除幕する槇野学長ら
 

大学院ヘルスシステム統合科学研究科の看板
 

2018年4月8日日曜日

【情報発信】槇野学長がSDGsと持続可能な地域づくりについて講演

岡山大学は全学を挙げて国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」に取り組んでおり、その活動は岡山県内各地とも密接につながっています。この度倉敷市水島地区では3月29日、水島・高梁川流域の市民・企業・行政・大学らによる「みずしま滞在型環境学習コンソーシアム」が発足し、同日キックオフシンポジウムが開かれました。同コンソーシアムは2016年5月のG7倉敷教育大臣会合で採択された「倉敷宣言」を踏まえたSDGsの展開の一環として、持続可能な地域づくりを担う人材の育成を目的としています。
シンポジウムでは本学の槇野博史学長が「SDGsで拓く持続可能な地域づくり」と題して講演。地域の課題がグローバル・イノベーションに直結する、地域循環型の社会課題解決サイクルの重要性を提起し、コンソーシアムへの期待を表明しました。

また、発起人代表である萩原工業株式会社の萩原邦章代表取締役会長も「地域への想いと、将来に向けて」をテーマに講演し、目的の達成に向け、SDGsの考え方を柱に水島を人材育成の教材教場としたいと話しました。
各界の代表者によるリレートークも行われ、「滞在型環境学習プログラムに期待すること」として、倉敷市の伊東香織市長、JFEスチール株式会社西日本製鉄所総務部の和田尚樹総務室長、高梁川流域学校の大久保憲作代表理事、本学地域総合研究センター長の三村聡教授、水島おかみさん会の尾崎浩子会長、みずしま財団の塩飽敏史理事・研究員が登壇し、コンソーシアムへの期待と各団体の思いを発表しました。
本学の高橋香代理事・副学長(企画・評価・総務担当)は「岡山大学も水島地区の皆さんと共にイノベーションを起こす関係でありたい」とコメント。「環境学習を通じた人材育成・まちづくりを考える協議会」座長の広島修道大学の西村仁志教授は、政策協働への期待を述べました。参加者一同、持続可能な地域づくりを地道に粘り強く行う活動目的を確認し合いました。地域住民、企業関係者、行政関係者など約50人が参加しました。

【本件問い合わせ先】
地域総合研究センター
TEL:086-251-8491



岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。


槇野学長による講演


コメントする高橋理事


関係者らの記念撮影
 

2018年4月2日月曜日

【情報発信】超極微量液体のpH計測に成功 ~低侵襲血液検査実現へ~

超極微量液体のpH計測に成功 ~低侵襲血液検査実現へ~

岡山大学大学院自然科学研究科(工)の紀和利彦准教授の研究グループは、テラヘルツ波(1テラヘルツ=1兆ヘルツの電磁波)を用いて、わずか16ナノリットル(蚊の吸血量の約100分の1、ナノは10億分の1)の超極微量の液滴のpH(ピーエッチ)を計測することに成功しました。計測は、紀和グループが独自に提案した新しい顕微鏡「テラヘルツ波ケミカル顕微鏡」を用いることで初めて実現しました。本研究成果は3月21日、米国光学会の科学雑誌「Optics Express」のResearch Articleとして掲載されました。
この技術は、pHだけでなくナトリウムイオンやカリウムイオンなどの血液中に含まれる成分の分析にも使える為、将来、低侵襲の血液検査の実現が期待されます。


図1.テラヘルツ波ケミカル顕微鏡による溶液分析の概念図


<論文情報等>
論文名:pH measurements in 16-nL-volume solutions using terahertz chemical microscopy 掲載誌: Optics Express  Vol. 26, Issue 7, pp. 8232-8238 (2018)
著者:TOSHIHIKO KIWA,* TATSUKI KAMIYA, TAIGA MORIMOTO, KENJI SAKAI, AND KEIJI TSUKADA
発表論文はこちらからご確認いただけます。
https://doi.org/10.1364/OE.26.008232

<詳しい研究内容について>
超極微量液体のpH計測に成功 ~低侵襲血液検査実現へ~

<お問い合わせ>
岡山大学大学院自然科学研究科(工)
准教授 紀和 利彦
(電話番号)086-251-8130
(FAX番号)086-251-8130

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id534.html