5月26日、公益社団法人山陽技術振興会の村川・難波技術奨励賞に、医学部・工学部・地元企業で開発中の「CTガイド下IVR*用穿刺ロボット“Zerobot”」が選ばれ、開発者である大学院医歯薬学総合研究科放射線医学分野の平木隆夫研究教授、大学院自然科学研究科の松野隆幸准教授、大学院ヘルスシステム統合科学研究科の亀川哲志准教授、イメージング&ロボティックス株式会社(岡山市南区)の谷本圭司社長の4人が受賞しました。
山陽技術振興会は、昭和21年(1946年)に山陽地域の産業を振興するために故・大原總一郎氏が設立。村川・難波技術奨励賞は地元企業の旭電気(株)故・村川二郎氏と倉敷レーザー(株)の難波敢氏のお二人の尽力により、山陽地域の科学技術の発展に寄与した技術を顕彰することを目的として同会が創設したものです。
近年、がん治療において、CT(コンピュータ断層撮影)を用いた生体組織診断や、針を突き刺して(針穿刺)、焼灼・凍結を行い、体への負担を少なくする低侵襲治療の普及が進んでいますが、これらの治療方法には、術者(医師)が頻繁に放射線の被ばくを受けるという課題が存在しています。「CTガイド下IVR用穿刺ロボット“Zerobot”」プロジェクトはこの課題のクリアを大きな目標として、2012年にスタート。その後、緊密な産学連携・医工連携体制を構築しつつ、ロボット製作や模擬試験・臨床試験に取り組み、現在では、被ばく量や安全性のみならず、医師の手による穿刺とロボットによる穿刺の精度比較をする医師主導治験の開始を目前とする段階に至っています。今回は、同プロジェクトのこれまでの研究業績や学内外の協働体制が高く評価され、同賞を授与されることとなりました。
なお、今回は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、同日に行われる予定であった授賞式は中止されました。
*IVR:Interventional Radiology(日本語名:画像下治療)
【本件問い合わせ先】
大学院医歯薬学総合研究科(医学系)研究教授 平木隆夫
TEL:086-235-7313
特許一覧
1.名称:穿刺ロボット
国際出願番号:PCT/JP2016/078920(出願日:2016年9月29日、優先日:2015年10月13日)
2.名称:穿刺ロボット及び穿刺制御用プログラム
国際出願番号:PCT/JP2018/013938(出願日:2018年3月30日、優先日:2017年5月9日)
3.名称:穿刺ロボット及び穿刺制御用プログラム
出願番号:特願2019-068038号(出願日:2019年3 月29日)
左から亀川准教授、松野准教授、平木研究教授
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id9412.html
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