掩蔽観測データを詳細に解析した結果、掩蔽観測時の冥王星の大気圧が2016年の観測結果と比べて約20%低下したことを発見しました。1988年に冥王星の大気が発見されて以来、その大気圧は単調に上昇しつづけてきましたが、本結果はこれまでの観測傾向とは真逆の変化を示しています。今回発見された急速な大気圧の低下は理論モデルでも予測されておらず、現在の冥王星では予想外のペースで大気の主成分である窒素ガスが表面に凝結して凍りつき、大気の崩壊が進んでいる可能性があります。
今後も恒星掩蔽を継続的に観測することで、いまだ謎の多い冥王星の大気の特性と今後の運命が明らかになると期待されます。
本成果は、2020年6月15日にヨーロッパの国際学術誌「Astronomy & Astrophysics」にオンライン掲載されました。なお本論文は掲載論文のなかでも特に注目すべき論文として、同誌編集者が選ぶハイライト論文に選出されました。
■論文情報
論 文 名:Evidence for a rapid decrease in Pluto's atmospheric pressure revealed by a stellar occultation in 2019(2019年の恒星掩蔽観測によって明らかになった、冥王星の大気圧の急激な低下の証拠)掲 載 紙:
<詳しい研究内容について>
冥王星の大気、急速に崩壊中か―星を隠す瞬間の観測によって初解明―
<お問い合わせ>
はしもとじょーじ
岡山大学 大学院自然科学研究科・教授
TEL : 086-251-7886
E-mail : george◎cc.okayama-u.ac.jp
※@を◎で置き換えています。
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id728.html
0 件のコメント:
コメントを投稿