2016年5月20日金曜日

【情報発信】グラフェンと有機合成を同時に行う新たな合成法を発見

岡山大学異分野融合先端研究コアの仁科勇太准教授らの研究グループは、非常に薄い炭素シート(酸化グラフェン)と、有機化合物(ベンゼン類)を混合すると、グラフェンの形成反応とベンゼン類の炭素―水素(C-H)結合の活性化反応が同時に起こることを見いだしました。本研究成果は5月16日(英国時間午前10時)、イギリスの科学雑誌『Scientific Reports』のAccepted Articleにオンライン速報として掲載されました。
 
これまで同様のC-H結合の活性化反応を行うためには、金属酸化物や超原子価ヨウ素などが必要で、反応後にはこれらの還元体が副生成物として生じるという問題がありました。
 
本成果によるC-H結合の活性化反応は、有用なグラフェンを得つつ、機能性有機分子を合成することができます。さらに、酸化グラフェンやグラフェンは固体であるため簡便に除去でき、医薬品や有機電子材料など、超高純度が求められる化合物の合成に適したC-H結合の活性化剤になると期待されます。本研究成果は特許出願済であり、現在、工業化などの社会実装に向けた取り組みを進めています。
 
 
 図:C-H活性化反応とグラフェン形成の同時進行 

<詳しい研究内容について>
グラフェンと有機合成を同時に行う新たな合成法を発見

【論文情報】
掲  載  誌:Scientific Reports

論文タイトル:Concurrent Formation of Carbon–Carbon Bonds and Functionalized Graphene by Oxidative Carbon-Hydrogen Coupling Reaction著    者:Kumika Morioku, Naoki Morimoto, Yasuo Takeuchi and Yuta Nishina*
発表論文はこちらからご確認いただけます

【問い合わせ先】
岡山大学異分野融合先端研究コア
准教授 仁科 勇太
(電話番号)086-251-8718
(FAX番号)086-251-8718


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id392.html

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