2019年4月2日火曜日

【情報発信】骨髄穿刺・骨髄生検のトレーニングキット「骨髄戦士セイケンジャー」を岡山のコルクメーカー・内山工業との産学連携研究で製品化!

◆発表のポイント
  • 白血病といった血液腫瘍の診断に用いられる骨髄検査は、多くの初期研修医にとって練習や感覚を習得する機会がないのが現状です。
  • 内山工業株式会社との産学連携研究により、コルクと硬質樹脂を使用して骨髄穿刺針を刺す感覚を再現した、一連の手技を訓練できる練習用キットを開発し、同社が製品化しました。
  • より多くの医師が、「初めて」の骨髄穿刺・骨髄生検であっても安全・確実に施行できるようになることが期待されます。
 
 
岡山大学病院血液・腫瘍内科の西森久和助教は、地元岡山のコルクメーカーである内山工業株式会社(本社:岡山市中区小橋町)との産学連携研究によって、骨髄検査の練習を行うためのシミュレーターを研究し、製品化しました。
 
骨髄検査には「骨髄穿刺(こつずいせんし)」と「骨髄生検(こつずいせいけん)」の2つの検査があり、白血病などの血液腫瘍の診断および病型分類の判定、治療方針の決定に重要な役割を果たしますが、この手技において、多くの初期研修医は練習や感覚を習得する機会がないのが現状です。
 
そこで、「骨髄質」と「骨皮質」にそれぞれ「コルク」と「硬質樹脂」を使って骨髄穿刺針を刺す感覚を再現するとともに、骨髄生検針を使って、「コルク」を針の中に捉えて採取する骨髄生検のトレーニングまで可能な素材を開発しました。一連の手技や感覚を修得することで、患者さんへ「初めての」骨髄穿刺・骨髄生検であっても安全・確実な実技が行えるようになることが期待されます。また、必要な物品・衛生器具(針やガーゼ、局所麻酔薬など)の準備から患者さんへの声がけなどの細かい所までをこのシミュレーターを活用して訓練することで、患者さんに安心して検査を受けていただけるようになる手際のよい手技とコミュニケーションスキルの向上が期待されます。
 
この研究は、公益社団法人・山陽技術振興会の村川・難波技術奨励賞の受賞が内定し、Medtec Japan主催の「Medtecイノベーション大賞2019」で入賞しました。


◆研究者からのひとこと
骨髄穿刺・骨髄生検の手技において、針が骨髄を刺した感覚を再現した練習器具はこれまでありませんでした。休みの日にホームセンターを巡りながらさまざまな素材を試した結果、辿りついた素材が「コルク」でした。これを形にしようとした時、岡山で日本一のコルク製品生産を誇る内山工業さんの協力を得て、度重なる試作や評価を重ねながら研究しました。
〔製品名「骨髄戦士 セイケンジャー」の由来〕
骨髄穿刺(せんし)と生検(せいけん)がこれ一つでトレーニングできるんジャー(岡山弁)。
手技に自信をもってもらうことで、白血病をはじめとした血液腫瘍に挑む、心優しき『戦士』、つまり「血液内科医」を目指す人材を輩出するための教育素材に広く役立てて行きたいと考えています。

西森助教


<詳しい研究内容はこちら>
骨髄穿刺・骨髄生検のトレーニングキット「骨髄戦士セイケンジャー」を岡山のコルクメーカー・内山工業との産学連携研究で製品化!

 
<お問い合わせ>
岡山大学病院 血液・腫瘍内科 助教 西森久和
(電話番号)086-235-7227

(FAX)086-232-8226
岡山大学研究推進産学連携機構 コーディネーター 桐田泰三
(電話番号)086-235-6979

(FAX)086-235-7708

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id613.html

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