2021年7月8日木曜日

【情報発信】3億キロ離れた小惑星「リュウグウ」から採取した試料をイベントに合わせて一般公開しました!


◆概 要
 2020(令和2)年12月、3億キロ離れた小惑星「リュウグウ」から採取した地下物質が地球に到着しました。岡山大学では、自然生命科学研究支援センターの中村栄三特任教授がチームリーダーとなり、惑星物資研究所(三朝キャンパス)に構築した地球惑星物質総合解析システム(CASTEM)を用い、「はやぶさ2」が持ち帰った微粒子試料の初期総合解析も担っています

 2021年7月3~4日、はやぶさ2のミッション成功の軌跡などを紹介する鳥取県主催のイベント「スペースサイエンスワールド星取県」が、鳥取市とりぎん文化会館と岡山大学惑星物質研究所(三朝キャンパス 以下、惑星研)を会場に開催されました(後援:三朝町・岡山大学)。

 とりぎん文化会館では、はやぶさ2の探査の歩みを示したパネル展示に加え、三朝町に設置されたデジタル光学顕微鏡と走査電子顕微鏡を遠隔操作し、惑星研にある小惑星リュウグウ試料を一般の方々に見ていただく試みを行い、31組81人に参加いただきました。リュウグウ試料の一般公開は全国的にも初めての試みであり、来場者からも高い評価をいただきました
 
中村栄三特任教授の案内でリュウグウ試料を観察する那須保友研究担当理事・副学長 

中村栄三特任教授の案内でリュウグウ試料を観察する那須保友研究担当理事・副学長


 また、この一般公開は、岡山大学が採択されている内閣府「国立大学イノベーション創出環境強化事業」のCASTEM24 Remoteによって整備したネットワーク基盤を用いており、近々一般企業にも利用開放予定の、機器遠隔利用の有効性を実証する機会となりました。

 4日には、惑星研を会場に、津田雄一JAXA宇宙科学研究所教授・はやぶさ2プロジェクトマネージャー(PM)、稲谷芳文JAXA宇宙科学研究所参与、土井孝雄京都大学特定教授・宇宙飛行士、中村栄三岡山大学特任教授、そして平井伸治鳥取県知事による基調講演/スペシャルトークセッションが開催されました。

 平井鳥取県知事からは、星取県を標榜する鳥取県として行った鳥取県中部地震(平成28年10月28日)により被災したCASTEMへの支援が、リュウグウ試料の解析という研究活動へ繋がっていることへの感嘆と今後の研究発展へのエールをいただきました。続いて、本学那須保友研究担当理事・副学長が惑星研の成り立ちの紹介とともに、リュウグウ試料解析への意気込みなどを紹介しました。

 津田教授による基調講演では、はやぶさ2プロジェクトの一連の経緯について普段聞くことができない裏話や未公開動画を交えての紹介があったほか、プロジェクトを支えるチームの重要性やそれを支える哲学、日本の惑星探査の将来に関する講演が行われました。中村特任教授からは、リュウグウ試料解析の実施体制と解析状況の説明に加え、その科学的知見を将来の人類の宇宙利用にどのように生かすのか、というアイデアが示されました。これを受け、稲谷参与より、月面での人類定住環境構築に関して、技術的な側面だけでなく経済的な考察を踏まえた方向性が示され、そして土井特定教授による火星環境における樹木の成長に関する実験的考察とその地球外環境における資源化についての講演が行われ、人類の次の一歩となるであろう地球外環境での社会構築が議論されました。
 
スペシャルトークセッションの様子 

スペシャルトークセッションの様子

 

津田雄一JAXA宇宙科学研究所教授による基調講演 

津田雄一JAXA宇宙科学研究所教授による基調講演

 

(左から)中村栄三特任教授、稲谷芳文参与、津田雄一教授、土井孝雄特定教授、定常菜都子アナウンサー、那須保友研究担当理事・副学長  
(左から)中村栄三特任教授、稲谷芳文参与、津田雄一教授、土井孝雄特定教授、定常菜都子アナウンサー、那須保友研究担当理事・副学長


 オンライン視聴者からは、チャットで質問があがるなど、オンラインならではの特徴を生かしたイベントとなりました。津田教授からは、「何事にも一歩踏み出すことが大事である」とメッセージをいただきました。コロナ禍という状況を踏まえ無観客ではありましたが、パネリストが一堂に会し、YouTubeによるライブ中継で250人を超える同時視聴者数がありました。

 鳥取県は、日本で有数の星空観測好適地であり、それに関連した地域経済の活性化や鳥取砂丘を起点としたスペース産業創成に取り組まれています。三朝キャンパスにある惑星研とは、これまでにも惑星探査に関するイベントを共催するなど、学術を基盤とした情報発信にかかわる連携があることから、今回のイベントが実現しました。
 
岡山大学惑星物質研究所(IPM)(鳥取県東伯郡三朝町) 

岡山大学惑星物質研究所(IPM)(鳥取県東伯郡三朝町)


◆参 考
・「スペースサイエンスワールド星取県」ホームページ
 https://s-s-world.jp/
・「スペースサイエンスワールド星取県」基調講演/スペシャルトークセッションに中村栄三特任教授が登壇
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000152.000072793.html
・内閣府「国立大学イノベーション創出環境強化事業」に採択 イノベーションエコシステムの構築を加速(令和2年10月20日付岡山大学プレスリリース)
 https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id9724.html


◆参考情報
・岡山大学惑星物質研究所(IPM)
 http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/jp/
・【岡山大学】惑星物質研究所の中村栄三教授が「令和2年度星取県推進功労者知事表彰」を受賞
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000072793.html
・令和2年度星取県推進功労者知事表彰式を行いました(鳥取県 生活環境部 環境立県推進課)
 https://www.pref.tottori.lg.jp/296948.htm
・CATCH the STAR 星取県 Webサイト(鳥取県 観光交流局 観光戦略課)
 https://hoshitori.com/
 
岡山大学惑星物質研究所の位置(googleマップより)

岡山大学惑星物質研究所の位置(googleマップより)



◆本件お問い合わせ先
<リュウグウの試料や地球惑星物質総合解析システム(CASTEM)等に関する件>
 岡山大学自然生命科学研究支援センター 特任教授 中村栄三
 (勤務地:岡山大学惑星物質研究所〔〒682-0193 鳥取県東伯郡三朝町山田827〕)
 TEL:0858-43-1215(代)
 E-mail:eizonak◎misasa.okayama-u.ac.jp
     ※@を◎に置き換えています
 https://pml.misasa.okayama-u.ac.jp/home.php

<イベント内容や内閣府「国立大学イノベーション創出環境強化事業」等に関する件>
 岡山大学研究推進機構 企画戦略室
  〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8456
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

<岡山大学の産学連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究推進機構 産学連携・知的財産本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/kigyo/

 岡山大学メディア「OTD」:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
 岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
 岡山大学Image Movie (2020):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
 産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2021年7月期共創活動パートナー募集中:
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000150.000072793.html

 

  岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html
 岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html

 
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています 

国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています

 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000170.000072793.html

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