2024年4月30日火曜日

1,2族金属共添加黒鉛の高い超伝導性の謎を解明-カルシウムとカリウムは水と油の関係!-〔名古屋工業大学, 広島市立大学, 岡山大学〕

名古屋工業大学と広島市立大学、岡山大学の共同研究成果プレスリリースです

 

 

 

<発表のポイント>

  • 黒鉛系物質における特異構造と超伝導性という新しい視点を見出した。

  • 「蛍光X線ホログラフィー」を用いて黒鉛中のカルシウムとカリウムを可視化した。

  • 豊富で安価な元素で高性能な超伝導物質を作りだす指針を得た。

 

 

◆概 要

 名古屋工業大学大学院工学研究科工学専攻(物理工学領域)の林好一教授、広島市立大学大学院情報科学研究科の八方直久准教授、岡山大学異分野基礎科学研究所の久保園芳博教授らの研究グループは、原子配列を可視化できる先端計測法「蛍光X線ホログラフィー」を用いて、黒鉛に添加させたカルシウムとカリウムの原子像取得に成功しました。その結果、カルシウムとカリウム原子がランダムに混ざり合っておらず、ナノスケールで水と油のように相分離していることを発見しました。


 超伝導は、整った構造を持つ結晶において発現しやすい現象とされてきました。今回の発見から、添加元素が相分離を起こした不均一結晶においても同様に高い転移温度を示すことが証明されました。エネルギー問題を解決するために、多くの研究者が室温超伝導材料の開発に取り組んでいます。本研究の結果は、超伝導転移温度を室温に近づけるための重要な一歩です。


 本研究成果は、2024年4月18日にChemistry of Materialsに掲載されました。また、論文のイラストがSupplementary Cover Artsに採択されました。

 

黒鉛を超伝導にするカルシウムからのホログラム

黒鉛を超伝導にするカルシウムからのホログラム

 

 

◆論文情報
 雑誌名: Chemistry of Materials
 論文タイトル:Nanophase separation in K1-xCaxC8 revealed by X-ray fluorescence holography and extended X-ray absorption fine structure
 著 者:N. Happo, A. Kubota, X. Yang, R. Eguchi, H. Goto, M. Ikeda, K. Kimura, Y. Takabayashi, J. R. Stellhorn, S. Hayakawa, K. Hayashi and Y. Kubozono
 公表日:2024年4月18日
 DOI:10.1021/acs.chemmater.3c02832
 URL:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.chemmater.3c02832

 


◆研究資金
 本研究は、日本学術振興会 科学研究費 学術変革領域研究(A)「超秩序構造が創造する物性科学」(代表者:林好一)、基盤研究(B)(代表者:久保園芳博)等の支援を受けて実施しました。(課題番号:17K05500、18K03540、18K04940、18K18736、19H02676、20H05878、20H05879、20H05881、23H05449)
JASRI/SPring-8の研究課題(2016B0128, 2017B0128)、あいちシンクロトロン光センターの研究課題(202301014)、広島大学放射光科学研究所の研究課題(22BU006)、九州シンクロトロン光研究センターの研究課題(2202003F)に支援いただきました。

 

 

◆詳しい研究内容について
 1,2族金属共添加黒鉛の高い超伝導性の謎を解明-カルシウムとカリウムは水と油の関係!-

 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20240425-2.pdf

 

 

 

 

◆本件お問い合わせ先

<研究に関すること>
 名古屋工業大学大学院 工学研究科 工学専攻(物理工学領域)教授 林 好一
 TEL: 052-735-5308
  
 広島市立大学大学院 情報科学研究科 情報工学専攻 准教授 八方直久
 TEL: 082-830-1553
   
 岡山大学 異分野基礎科学研究所 教授 久保園 芳博
 TEL: 086-251-7850
   

<広報に関すること>
 名古屋工業大学 企画広報課
 TEL: 052-735-5647

 

 広島市立大学 事務局企画室企画グループ
 TEL: 082-830-1666

 岡山大学 総務・企画部 広報課
 TEL: 086-251-7292

 

<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

 

 岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
 岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
 岡山大学統合報告書2023:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001926.000072793.html

 岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
 岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):https://youtu.be/Qdqjy4mw4ik
 岡山大学Image Movie (YouTube):https://youtu.be/RWn63i20xIw

 産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2024年4月期共創活動パートナー募集中:
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002079.000072793.html
   
 岡山大学「THEインパクトランキング2021」総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
 岡山大学『大学ブランド・イメージ調査2021~2022』「SDGsに積極的な大学」中国・四国1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000072793.html
 岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html

国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください

  • 岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~

    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html

 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002170.000072793.html

0 件のコメント:

コメントを投稿