2016年7月30日土曜日

【情報発信】光合成と植物成長を向上させる葉緑体タンパク質を発見

岡山大学資源植物科学研究所の坂本亘教授らの研究グループは、植物の成長に不可欠な光合成を維持して生育を向上させる葉緑体の機能を明らかにしました。VIPP1と呼ばれるこのタンパク質因子が、植物細胞内で光合成を行う葉緑体の膜を、高温などの環境ストレスから保護する作用があることを突き止め、植物でVIPP1を発現させることにより生育が改善し、高温による光合成の低下を2割程度軽減できること分かりました。
 
このタンパク質を利用することで、今後、地球温暖化などの環境変動に対応できる作物の開発や、近未来のバイオエネルギー作物への利用が期待されます。
 
今回の成果は、専門の国際誌「Plant Physiology」(2016年5月)および「Frontiers in Plant Science」(2016年4月)に掲載され、一般向け新書でも本プロジェクトが紹介されました。

 
<詳しい研究内容について>
光合成と植物成長を向上させる葉緑体タンパク質を発見

 
<論文情報等>
論文名: VIPP1 has a disordered C-terminal tail necessary for protecting photosynthetic membranes against stress in Arabidopsis掲載誌: Plant Physiol , 2016年5月DOI: 10.1104/pp.16.00532 著者: Zhang, L., Kondo, H., Kamikubo, H., Kataoka, M., and Sakamoto, W.

論文名: Protection of chloroplast membranes by VIPP1 rescues aberrant seedling development in Arabidopsis nyc1 mutant 掲載誌: Frontiers Plant Sci., 7: 533, 2016年4月DOI: 10.3389/fpls.2016.00533 著者: Zhang, L., Kusaba, M., Tanaka, A., and Sakamoto, W.

福田裕穂、稲田のりこ編「スーパーバイオマス:植物に学ぶ、植物を活かす」(慶應大学出版会, 2016年3月.)

 <お問い合わせ>
岡山大学資源植物科学研究所
教授 坂本 亘
(電話番号)086-424-1661
(FAX番号)086-434-1206
(HP)
www.rib.okayama-u.ac.jp/index-j.html
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id407.html

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