2018年8月14日火曜日

【情報発信】大学院医歯薬学総合研究科(歯)の学生が、歯科の国際学会で受賞

本学大学院医歯薬学総合研究科(歯)博士課程3年のセデイキ ヤーシル デイルシヤードさん(パキスタン出身)が、7月25〜28日に英国・ロンドンで開催された国際学会「第96回国際歯科研究学会(IADR)」で、IADR Colgate Research in Prevention Travel Awardを受賞しました。同学会で行った発表が高く評価されました。

ヤーシルさんの発表は、抗炎症性の脂質メディエーター(生理活性作用を持つ脂質)の一種を用いた新たな歯内療法(歯の神経の治療)の開発に関するものです。重度のむし歯の進行に伴って発症し、顎骨を壊す根尖性歯周炎(歯の神経の病気)は、特に免疫力が低下した高齢者などにとって、全身状態に悪影響を及ぼすリスクが高い疾患です。しかし、根尖性歯周炎に対する一般的な治療法は、技術的難易度や再発率の高さが世界的に大きな課題となっています。

そこで、ヤーシルさんらは、特別な医療機器を必要とせず、誰でも簡便に扱うことが可能な新たな根管治療薬の開発を目指し、抗炎症性脂質メディエーターの一つであるResolvin D2に着目。今回の発表では、Resolvin D2をラットの根尖性歯周炎モデルに作用させたところ、Resolvin D2に根の先の炎症を抑制するだけではなく、歯の根の先端を閉鎖することによって失われた顎骨を再生させる効果があることを報告しました。
本発見により、今後ますます求められる超高齢社会のニーズに応えられるような新たな歯科治療法の開発・発展に寄与することが期待されます。

【本件問い合わせ先】
大学院医歯薬学総合研究科(歯)
教授 高柴 正悟
TEL:086-235-6675

 


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id7780.html

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