2018年10月26日金曜日

【情報発信】新しい口腔管理で集中治療室入院中の患者の発熱日数を減らすことに成功

◆発表のポイント
集中治療室(ICU)では、術後合併症のリスクを減らすため、より効果的な口腔管理の方法が望まれていました。
ICUの食道がん患者に対して既存の口腔管理法を改良した新しい方法を提供したところ、口腔内細菌数や術後の発熱日数を減少させることができました。
入院患者の術後合併症を軽減して、治療予後に貢献できることが期待されます。


岡山大学大学院医歯薬学総合研究科予防歯科学分野の森田学教授と水野裕文歯科医師らのグループは、同研究科消化器外科学分野と麻酔・蘇生学講座、岡山大学病院新医療研究開発センターおよび九州大学高齢者歯科学・全身管理歯科学分野との共同研究で、食道がんで集中治療室に入院している患者に対して新しい口腔管理を行い、術後合併症に及ぼす影響を検討しました。
その結果、この口腔管理法が口腔内細菌数を減少させるだけでなく、術後の発熱日数も減少させることを明らかにしました。
本研究の成果は、8月30日に日本の科学雑誌「Journal of Oral Science」(オンライン版)に掲載されました。
 
術後合併症は患者の死亡率を上げるため、そのリスクを少なくする工夫が必要です。研究グループは、既存の口腔管理法を改善することで、術後の口腔内細菌数と発熱日数を減少させることに成功しました。
この成果によって、入院患者の術後合併症を軽減して、治療予後に貢献できることが期待されます。


◆研究者からのひとこと
周術期の口腔管理はますます重要になってきています。今回提案した新しい口腔管理の方法が他の病院の参考になれば幸いです。アドバイスを頂いた医科の先生方、ならびに協力いただいた看護師の方々に厚く御礼申し上げます。
森田教授

 
■論文情報
論 文 名:New oral hygiene care regimen reduces postoperative oral bacteria count and number of days with elevated fever in ICU patients with esophageal cancer.
掲 載 紙:Journal of Oral Science
著  者:Hirofumi Mizuno, Shinsuke Mizutani, Daisuke Ekuni, Ayano Tabata-Taniguchi,
Takayuki Maruyama, Aya Yokoi, Chie Omori, Kazuyoshi Shimizu, Hiroshi Morimatsu, Yasuhiro Shirakawa, Manabu Morita
D O I:10.2334/josnusd.17-0381
U R L:
New oral hygiene care regimen reduces postoperative oral bacteria count and number of days with elevated fever in ICU patients with esophageal cancer : Journal of Oral Science


<詳しい発表内容>
新しい口腔管理で集中治療室入院中の患者の発熱日数を減らすことに成功

<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)
教授 森田 学
(電話番号)086-235-6712
(FAX)086-235-6714


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id574.html

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